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砂の街路図



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【この小説が収録されている参考書籍】
砂の街路図
砂の街路図 (小学館文庫)

砂の街路図の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ミステリーというより、逆・成長小説?

20年前、家族に何も告げないまま学生時代を過ごした街に行き、泥酔して運河に落ちて死んでしまった父親の謎を解くため、成長した息子は、その街を訪れる。息子が大人として生きて行くためには「自分たち家族は、父に捨てられたのか?」、「父には、家族には言えないどんな深い秘密があったのか?」という疑問を解き、心の決着をつけることが必要だったのだ。
死亡時の父の足跡をたどり、大学時代の資料に当たり、さらに学生時代の知人を訪ねていくうちに、息子は40年前にさかのぼる「ある事件」の闇を暴くことになった。
物語の主眼は、捜査のプロセスの描写や事件の真相を暴いていくことより、父親の心の闇に分け入っていくことの方に置かれている。従って、これまでの佐々木譲作品のミステリー、サスペンスを期待していると、やや期待外れだろう。
父親の青年時代の苦悩を知り、ようやく父親が理解できるようになるという展開は、少年が大人になる過程を描く成長小説とは逆のパターンの成長小説とでも言うべきか。

iisan
927253Y1

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