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巫女の館の密室
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巫女の館の密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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密室ものは、あまり堅牢な密室を構築すると作家自身の首を絞めかねない。しかし隙間だらけの密室では読者から首を絞められる。つまりそれだけ最初からハードルの高いジャンルと云える。これは密室にする動機もトリックも残念ながら今一歩。タワンティンスーユ帝国の物語を読者に示しながら、それを側面にして現実の世界での事件の動きを読み進む構成になっているが、実はこのタワンティンスーユの物語が重要な意味を持っていることになる。タワンティンスーユ帝国、つまりインカ帝国のことだが十三世紀始め、アンデス地方に成立した帝国で、首都はクスコ。十五世紀後半には現在のエクアドルからペルー、チリに至る一帯に大統一国家を建設したが、一五三三年スペイン人の征服者ピサロによって滅ぼされた帝国。この帝国の不思議な歴史を舞台に語られる物語が密室殺人の謎を解くキーになっている趣向だが、このへんは大変面白いのだが、やはり肝心の事件の謎を構成する部分が脆弱で犯人も、その意図もいまひとつの感が強い。それと刑事に同伴して館を訪れるのが美少女探偵となっているが、このへんはいまどきの読者に迎合した作者の姿勢が見えてシラケる。美少女探偵って何?西之園 萌絵はそんな風に描かれていないがとても魅力的だ。 | ||||
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