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謀略の首 織田信長推理帳



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謀略の首 織田信長推理帳の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
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謀略の首 織田信長推理帳の感想

探偵役を信長に据え、時代背景は歴史的には少々マイナー気味な第一次木津川沖海戦で大敗北を喫した以降、鉄甲船を製造する間の出来事となっている。

実は日本の歴史でも、思いのほか海戦は数少なく、源平の盛衰を決した屋島・壇ノ浦の戦い、この信長対石山寺本願寺での勝敗を決した今回の第一次、第二次木津川沖海戦、あとは第二次世界大戦で日本の敗北を決定づけたマリアナ・レイテ沖海戦くらいしかなく、ただしこれら海戦はその後の歴史に大きく影響する戦いであったことは間違いない。

文頭の第一次で壊滅的敗北を喫した信長側九鬼水軍が、数年後には圧倒的逆転勝利を修たのに鉄甲船は不可欠であった。

この鉄甲船、単に船に鉄板を張ったというイメージくらいは浸透しているかもしれないが、日本海軍的には革新的な船なのである。

もちろん、名前は有名かも知れないものの 単に船の周りに鉄板を貼っただけではない。サイズは20mを越える当時の最大サイズなれど、その上に3層の天守閣、3門の大砲を備え、ぐるりと鉄砲用の穴が空いている。

構造的にも、それまでの箱型(ボートの様なもの)の不安定な形状から、ヨーロッパで開発された最新式竜骨(船首から船尾まで一本の軸を通した様が龍の背骨の様に見えることからそう呼ぶのだが)式で、更に船底に穴があいても沈没しないよう、細かな間仕切りがされたというから、その最新の技術力を取り入れる信長の柔軟性には感服するものがある。

まぁ、そんなこんなでここからは歴史的事実かどうかはわからないが、本願寺側の毛利家のブレーンである小早川隆景(毛利元就の三男で、秀吉5大老の一人)、信長がこんな船を作っていると知れば、いてもたってもいられなかったであろう。

そんな訳で、鉄甲船を製造しようとすsる信長軍団とそれを邪魔する毛利の裏で行われた高いをミステリー調にしたのが当作品となっている。

ミステリー的には、最初の被害者 船大工の棟梁を殺したのは誰か?なのだが、登場人物が信長はじめ、蘭丸、滝川一益、九鬼嘉隆、本願寺顕如、下妻頼廉、小早川隆景等々と、実はオールスターとは言い難い二軍選手感はあるものの、逆にそれが歴史好き玄人はだしにはたまらないのではないだろうか。

ミステリー的には作家得意の暗号が用いられるが、残念ながらこれは大したひねりもなく、評価を下げはしたものの、歴史的側面では そこは作家の十八番、キッチリと押さえるところは押さえられており、暇とエンターテインメント、あと少々の知的好奇心があれば、肩肘張らずに楽しめる一冊であることは間違いない。  了

とも
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