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コンピュータの熱い罠



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コンピュータの熱い罠の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(8pt)

コンピュータの熱い罠の感想

夏村絵里子は結婚相談所エム・システムのシステムオペレーター。
絵里子はデータの入力中、交際相手である市丸輝雄がエム・システムに登録したことを知った。
腹立たしい中、土肥綾子という中年女性が会員データを見せてほしいと頼み込んできた。
綾子は兄の西浦勇がエム・システム経由で結婚した“勢津子”に殺されたと主張してきた。
綾子いわく兄は新婚旅行先のフィリピンで溺れ死んだ。
“勢津子”は兄との思い出の地フィリピンへもう一度行くと言ったきり戻って来ず行方不明。
綾子は“勢津子”のデータを見せてほしいと頼むが、絵里子は断った。
翌日新聞を読むと、何と綾子は殺されていた。
絵里子は心中複雑ながらも、輝雄になぜ会員登録したのか尋ねた。
すると輝雄は悪びれた様子もなく、単にサクラ要員として独身社員全員が入会させられたと言ってきた。
輝雄いわく特段審査などなく、簡易なアンケートのようなものに答えただけだった。
しかし、絵里子が後日データを見ると、輝雄が答えたとは思えない個人データが登録されていた。
データが勝手に増強されていた。
システム上でいったい何が起こっているのか―・・・

1980年代後半に執筆されたため、フロッピーやカプラーといった古い箇所もあります。
しかし、この著書で記されている情報化社会への警鐘は、現実に大きな問題となっています。
正直登場人物が少ないため、犯人の予想はつきます。
ハイテク・ミステリですが、コンピュータの暴走や意思といったSFではありません。
あくまで情報化社会が今後抱えていくだろう問題をベースにしたミステリです。
そのため、殺人事件の恐さより、情報化社会の恐さがよく出ています。
本人の意図しないうちに別々で登録したデータが一か所に集積され、個人情報が埋められていく恐さ。
そしてそれに気づかないうちに関わっている恐さ。
その先見の明はさすが岡嶋二人氏です。
ハイテク・ミステリでもコンピュータに関して説明ぽくなく、グングン読めます。
ただ、メインが情報化社会への警鐘のためか、犯人の人物像や背景描写はあまりありません。
また、同じハイテク・ミステリならば『99%の誘拐』『クラインの壺』の方が上かなと思います。

▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB

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