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千年岳の殺人鬼



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千年岳の殺人鬼の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

千年岳の殺人鬼の感想

『雪の舞台+殺人鬼』というワクワクするシチュエーションのシリーズ作品。
シリーズといっても前後に繋がりはないので、どこからでも楽しめます。

今作は、時空間を移動するワームホールが存在するのか?というオカルト要素を盛り込み、複雑なミステリ作品に仕上がっていました。なんというかパズル小説ですね。人間ドラマや動機は置いておいて、雪の山荘で連続殺人が起きて犯人は誰だ?系が好きな人向けです。

難点は、SFなのか、オカルトなのか、本格志向なのか、立ち位置が不明なので思考停止しながらの読書だったことです。なので伝えておきますと、本作は本格思考もの。様々な設定をミステリの部品として拾って読むとよいです。
結末は複雑すぎて、うーん。。とすっきりしないのですが、シチュエーションは最高なので楽しめました。
90~00年代の本格思考のミステリは好みだと再認識です。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

千年岳の殺人鬼の感想

オーストラリア日本語学校のグループは、千年岳へヘリスキーを楽しみに訪れた。
その千年岳スキー場では、“ワームホール”によるタイムスリップ現象が噂されていた。
ヘリスキーに興じる一行は、ある人物の企みにより、“ワームホール”がある方へコースを外れてしまった。
憤るなか、突然一人が不可解な死を遂げ、一行は憤るどころではなくなってしまった。
さらに、吹雪を避けるため避難した山小屋には、一行の凄惨な最期を記した“未来手帳”があった。
手帳の主は、“ワームホール”を抜けてきた未来の一向の誰からしかった。
一方、東京ではラブホテルでホテトル嬢が惨殺されるという、連続殺人事件が起きていた。
犯人は通称“キラーエックス”。
一体一行を狙う犯人は誰なのか。
一行の中の誰かなのか。
それとも“ワームホール”を抜けてきた未来人か。
はたまた“キラーエックス”なのか。
そもそも“ワームホール”は存在するのだろうか―・・・

長編推理小説で、スキー一行・行方不明の友人を心配するグループ・キラーエックス・警察の4つの視点で展開します。
いわゆるクローズド・サークルものですが、上手く“ワームホール”を活用し、一工夫しています。
一行は“ワームホール”なんてありえないと思いつつ、そうなると仲間内に犯人がいることになってしまう。
どうにか外部に犯人を求めたいと葛藤します。
また、“未来手帳”は“ワームホール”に信憑性をもたせつつ、一行の不安を煽ります。
手帳を読めば、後の展開を予測し、対策を練れるかもしれない。
けれど、そこに自分の死が記されているかもしれないと恐れます。
一行が遭難し、手帳通りに殺害されていく展開はハラハラし、面白いです。
しかし、ラストは少しいただけないかなと思います。
トリックに無理があるというのは、他のミステリでもあるので、まぁ話が面白ければいいかなと思えます。
ただ、“ワームホール”というタイムスリップものを扱うならば、時系列は整然とあってほしいです。
正直、時系列がわかりにくいです。
途中はとても面白いのですが、ラストで少々粗っぽい印象になってしまいます。

ミステリ好きの方の中には、トリックやラストに納得できず、好まないかもしれません。
しかし、個人的にはクローズド・サークル特有のハラハラ感もあり、“ワームホール”や“未来手帳”でさらに不安が煽られ、面白かったです。
本作がキラーエックスシリーズの2作目と知らず、先に読んでしまったので、次は1作目を読みたいと思います。

▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB

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