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アルバトロスは羽ばたかない
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.20pt |
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最終的になトリックとしては,「え,ちょっと待って,どういうこと?」となる例のパターンを狙っていて,その瞬間は私もそうなりました. | ||||
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【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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前作と同様に4つの短編ののちに驚くべき真相が明かされます。 | ||||
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児童養護施設・七海学園に勤める北沢春菜を主人公にした物語。私自身は不勉強で行政面でのこういった機関の縦や横の繫がりとかまるで解からないのだけれど、登場人物のなかに児童福祉司で児童相談所に務める海王さんと云う人物がいて、そのずば抜けた洞察力で子供たちの抱える様々な謎や不思議を話すと見過ごしていた些細な手がかりから隠された真実を解き明かしてくれるという探偵役の設定になっている。前作の「七つの海を照らす星」は未読だけれど多分この海王さんと春菜の探偵物語なんだろう。事情のある子供たちが暮らす養護施設を舞台にする、古書店でも駅前の便利屋でもないその作家独自の世界を構築する意味ではとても良い視点といえる。だが、子供たちを描いていけば当然内容は暗く重くなるわけでそういった雰囲気を払拭するキャラクターも用意してあるが、真正面から子供の抱える事情に向き合った内容とかストーリーになっているので胡坐をかいて読んでいたのが気付けば正座して読んでいたといった気分になるほどだ。春の章・夏の章・初秋の章・晩秋の章と繫がっていくが文化祭の日に起きた校舎屋上からの転落事件が最後の晩秋の章で明らかになる構成だ。それぞれの章に物語があり消えた人物や母親の隠された意図、出口に固まっていた子供たちの前に姿を現さずスタジアムのグランドから消えたサッカーチームのメンバー10人などミステリアスな出来事を絡めて最後の章に至る。しかし、最後の章のドンデン返しは予想していなかったので正直驚いた。全体を見渡しても良く出来たミステリーと云える。テーマはハナミズキとアルバトロス。初めて読んだ作家だが読み始めは会話の部分で誰が誰に話しているのかちょっと解かりずらく感じて自分とは合わない作家なのかと思いながら読み進めたが、読み終えてみるととても魅力的な資質を持った作家であると認識した。この本は未読のひとにはぜひおススメしたい。 | ||||
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