弁護士・谷の同僚、戸部が失踪、つづいて彼と関わりのあった小山民子が殺された。

小川の自動車修理工場に大破したポルシェを持ち込んだのは、お喋りでどこか憎めない男、矢部だった。新車同然に直してやった。

上得意の客に暴力をふるい、横浜の高級クラブのボーイを馘になった25歳の川本高志は、喧嘩の遠因となった男・室田の仕事を手伝いはじめる。

砂糖菓子のように崩れていく―。女はそう形容した。

風吹きすさぶペルーの高山地帯。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

高校教師の西尾は、突然退学した生徒を探しにその街にやって来た。「臆病なんですよ、俺は。

「狼は哲学者だな。戦闘に熟達しただけのコマンドじゃない」傭兵がつぶやく。

吹き荒れる雪。うなる銃弾。

タクシードライバーの浜田英二のところに、ある日一人の女性がやって来る。ミラーごしに見た懐かしい面影。

獲物を追って、この街へやってきた。そいつの人生に幕を引いてやる、それが仕事のはずだった。

正義派ではない、金のためでもない。ヤミ金融の連中を脅し、言いがかり同然の裁判を起こす。

私立探偵・野崎は、ある日、吉野真理子という女から、失踪した老父の捜索を依頼される。

荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。

探偵・浅生、32歳、元商社マン。時として、身体を張って調査をすることもある。

躰の中で、なにかが止まった…。四年前のある日、平凡な会社員・立原に生じたある感覚。

依頼人は若すぎた。義姉の行方を心配する和夫は中三だった。

俺をハメたのは誰だ？横浜の夜、容疑者を射殺し、刑事の職を追われた梶。

固い決意を胸に秘め、男は帰ってきた。港町N市―妻を失った男には、闘うことしか残されていなかった。

刑事となった良文は、抜群の検挙率をあげた。

愛する女・牧子のために殺人を犯して、暴力団と警察に追われる幸二。

俺は20歳のバーテンダー。夢はクルーザーを駆って海原を疾ること。

天才ともてはやされた気鋭の面打ち師・京野英之は、同じく異端の面打ち師として名をはせる高井峰山の面に出会い、打ちのめされた。

「もう檻の中の運動会はやめだ」―全共闘高揚期、茶番劇に飽きた4人の男たちが本物の銃と弾丸を用意して起ち上がった。

港町N市―市長を巻きこんだ抗争から2年半が経過した。

別れた女に、今の俺が何をできる―。かつての妻・杏子がロス―東京間を結ぶコカイン密売組織のトラブルに巻き込まれた。

デザイン事務所に勤めるインテリア・デザイナー、美有のもとに、思いがけない大きな仕事が舞い込む。

グレーのスーツ、地味なネクタイ、きちっと刈った髪。よく独り言を呟く神経質な男。

男は、3年前に別れた妻を救うために、その街へやって来た。「なにからはじめればいいのか、やっとわかったよ。

「なにも言わずに消える。それが俺には納得できなかった」自分の前から、突然消えた女を追いかけて、青年はこの街にやって来た。

「あたしの誇りは竜よ。あたしの狼、冬に向かって走る狼」女は唇を重ねる。

死体が四つ、転がっている。五つ目の死体を、私は待っていた―。

インテリジェント・ビルのインテリアの仕事を成功させ、独立した美有。

東京は下町、向島の料亭に生まれた川田周一。十四歳。

“探偵にゃ、目的がひとつある…真実ってやつさ”私立探偵・野崎は、山中で怪我をした少年・安彦と出会い、介抱した。

看板間際、雨に濡れて男はやってきた。マスターを訪ねてきたのだ。

花屋の主人・浪江。かつてはランキング・ボクサーだった。

雇い主の高成を何者かに殺された村岡。対立していた田沢が容疑をかけられた。

老スリに隠されていたアナザーフ

福岡・遠賀川で船頭のまねごとをしながら日々を過ごす小添家三男・正太。佐賀県内に三つの賭場を持つ藤家の女将・瑠〓(い)。

冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。

温泉町で旅館を経営している古い友人が逮捕された。何かがある--。

羽が舞うように、ふわりとスツールに腰かけた女。黒いドレスに流れるような髪。

新劇出身の役者・永井光三、人気コラムを持つ演劇評論家・大木良二、酒場のマスター・井木荘一。

「生きてるのがつまらないという顔をしてるな」無為な日常のある日、俺に声をかけてきた爺さんは、クラブのジャズピアニストをやる裏で、薬を売っていた。

「燃える氷」メタンハイドレートの研究施設で起きた密室殺人事件。

強請りに行ったバーテンの水田に逆に叩きのめされてしまったビデオカメラマン村上洋一に、水田の客だという男が仕事の話を持ち込んできた。

神保町で、強盗放火殺人事件が発生。容疑者にスポーツ用品店店長の渋谷が浮上する。

夏の海が吼えていた。灼けつくような陽をあびて、私は教会の葬礼に参列した。

警視庁刑事総務課に勤める大友鉄は、息子と二人暮らし。

エリート商社マンの人生を捨て、世捨人として山小屋で暮らすことを選んだ男、森田。だが一本の電話が、彼を引き戻した。

定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。

喧嘩ばかりの毎日を送る28歳の設計技師・村田真司。

冬が海からやって来る。毎年それを眺めているのが好きだった。

突きささる熱い視線。人波の中に立っていたのは刑事・村尾。

「心の中にいた獣がはじめて自分で疾走する荒野を見つけた!」上役の女性関係のスキャンダルもみ消し工作で出会った19歳の少年と殴り合いの死闘を演じたことで、かつて学生運動に命をかけた青春の日々が甦った!今まで眠っていた“獣”がめざめた!男の生きざまを鮮烈に描く