九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。

突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。

飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。

「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。

とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。

何なんだこれは!天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。

12月のある日の午後。森野夜は雑木林の地面に横たわっていた。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。

親友の変死を目撃した山村瑞紀と、同じように弟が眼球を破裂させて亡くなった鈴木春男。

多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。

「どこかでお会いしましたっけ?」。そして気づく。

“サマーゴースト”という幽霊が現れるという。 夏、使われなくなった飛行場、花火をすると、彼女は姿を現すらしい。

私にはケイタイがない。友達が、いないから。

哀しみの先には、何があるのだろう──。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

教わってもいない経を唱え、行ったこともない土地を語る幼い息子。逃げ込んだ井戸の底で出会った美しい女。

ある夏休みに私は、友人とあの山に登ることにした。私が幼い頃、あの山に一人入って消息を絶った母親の遺体を探すためだ。

ーー決して解かれえぬ謎と共に炎に包まれ、この世から消え去った「大樹館」。

出ては迷う旅本作家和泉蝋庵。荷物もちの耳彦とおつきの少女・輪、三人が辿りつく先で出会うのは悲劇かそれとも……。

14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。

「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。

破綻しかけた家庭の中で、親を選択することを強いられる子どもたちの受難と驚くべき結末を描いた表題作ほか、「時間跳躍機構」を用いて時間軸移動をくり返す驚愕の物語「地球に磔(はりつけ)にされた男」など全11編、奇想と叙情、バラエティーにあふれた「ひとり」アンソロ

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL…。

ある理由から存在感を消せるようになった高校生、鈴木伊織。 彼女を認識できるのは、友人の春日部さやかだけ。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

突然幽霊が見えるようになり日常を失った夫婦、首を失いながらも生き続ける奇妙な鶏、記憶を失くすことで未来予知をするカップル、書きたいものを失くしてしまった小説家、娘に対する愛情を失った母親、家族との思い出を失うことを恐れる男、元夫によって目の前で愛娘を亡くし

「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。

幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。

「なかなか夜が明けなくて、明日にならなくてつらかった。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。