備中松山藩(現・岡山県高梁市)にて藩校・有終館の学頭(校長)を 務めるかたわら私塾「牛麓舎」を開き、弟子たちの指導に当たっていた 陽明学者・山田方谷は、借財10万両を抱える藩の財政を司る元締役と その補佐役である吟味役の兼務を命じられる。

南天の木の植わった坪庭がある、京都の小さなゲストハウス「風待荘」。

必死に足掻いて生き続けるのさ。この国の政がどうあろうともーー。

延暦十九年。駿河国司の家人・鷹取は、軍馬を養う官牧で己の境遇を嘆く日々を送っている。

「源氏物語」に隠された、或る夜の出来事。

200年の間、固く閉ざされていた扉。

あの山は命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山―― 江戸後期、弘化年間。

【罪を犯した「本当は良い子」の少年たち。奪われた命が、彼らの真実を浮かび上がらせる。

◆あらすじ 「好きでもない女と結婚するのは絶対に嫌だ」「自分たちは宮家に生まれて、あれこれ苦労した」「あの女王さまでは、子どもをお産みになることは出来ないでしょう」--。

時は天平宝宇年間。藤原清河の家に仕える高向斐麻呂は14歳で大学寮に入寮した。

紫式部が生きた平安中期を描く、豪華絢爛宮中絵巻。