「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。

子どもの成長と教師の再生を描く離島小説 関東で小学校の教員をしていた槙屋深津は、故郷である鹿児島県の神無島に帰ってきた。

物乞い稼業の少年・信太が、実入りの少なかった日、仲間のおみきに連れられて“えにし屋”を訪ねてきた。

低層の団地群を抱くその町は寂れていた。商店街にはシャッターが目立ち、若者は都会に去り、昔からある池には幽霊が出るという。

不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。

若だんなが行方不明になり、長崎屋の不運が幕を開けた。

小間物問屋『遠野屋』の主清之介は、生国嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。

「絶対に東大合格しなきゃ許さない」――両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。

地に埋められた私を救ってくれたのは、白兎と名乗る見知らぬ少年だった…… 心中間際に心変わりした恋人によって、土の中に埋められてしまった優枝。

他人のものばかり欲しがるあの子。いるはずのない住人の気配。

小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。

『ガラパゴス』『震える牛』著者が放つ 警察小説の新たな金字塔！！ 「目で見る物語。 心の眼で捉える想い。

貴志祐介が描くホラーミステリの極北 。あなたの罪が、あなたを殺す。

ベルエイドの少年兵エルシアは、自らをとらえた敵国ハラの兵士に語りかける。

「我慢しなくていいんですよ」　 天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。

殺し屋シリーズ最新作。世界で最も不運な殺し屋、ふたたび!! あの世界で一番不運な殺し屋が、また騒動に巻き込まれる――。

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。

怪物が、生まれる――。 巨大産業「パチンコ」。

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。

遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。孔雀の声を真似し、日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。

東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、ＳＮＳで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。

深川の縫箔（刺繍）屋丸仙の娘・おちえは「弟子入りしたい」と丸仙を訪れた若侍・吉澤一居に心を奪われる。

世の中は変わる。変わる世の中に対応するのが、警察の仕事だ。

男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北! 夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。

藩の政が大きく変わる様を見届けるため、江戸から故郷に戻ってきた天羽藩上士の子・伊吹藤士郎と異母兄の柘植左京。

月と火星開発が進みながらも、インターネットが実用化されたばかりの夏紀の宇宙。

地震、津波、火事、飢饉、豪雪、火山の噴火、河川の氾濫……。

ホテルで行きずりの女を殺してしまった吉行は、車で逃げる雨の山中で不思議な少年と幼女に出会う。

共謀罪、始動。標的とされた若者達は公安と大企業を相手に闘うことを選ぶ。

おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父の仕事を手伝っている。

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。

ソ連時代のバルト三国・エストニアに生まれたラウリ・クースク。

昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌 人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。

中学入学直前の春休み、父の転勤で岡山県の山間の町に引っ越してきた原田巧。

大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。

ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。

飲み屋で男二人が喧嘩をした。一人は大怪我、殴った男は遁走の果てに首を吊った。

江戸国からの阿片流出事件について、日本から査察が入った。団長は大御所議員の印西茂樹。

中学生の弟・拓を養うため、元大物政治家・大堂剛の事務所で事務員として働く佐倉聖は大学三年生。

京都が生んだ、やさしい奇跡。

武士が護るべきは、主君か、家族か。

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。

警察の介入が一切なく、偽造パスポートでもグレネードランチャーでもルームサービスでお届け可能な犯罪者御用達ホテル。

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。

駆け出しの造園設計士・高桑は大学の卒論で作庭師・溝延兵衛と、彼の代表作となったある庭を取り上げて以来、長年にわたり取り憑かれ続けていた。

2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽は、統合失調症を患う母を介護し、家事や看病に忙殺されていた。

嵯浪藩・西野家の一人娘・紀江は小太刀の名手。

老朽化により修繕不能となったタワマン、通称・トウキョウマンション。

どんな紙も見分けられる紙鑑定士・渡部は、紙業界誌の“紙人３２面相”クイズを懸賞目当てに解きながら、今日も様々な事件に巻き込まれる。

閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。 愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。

両親の死の真相を探るため、引きこもり生活を脱し警察官を志した19歳の沖野修也。

光と影が交錯する街・川崎の家裁は日本の縮図！ 家庭は病み、家族間の争いは絶えない。

六年付き合った彼氏に手酷く裏切られたＯＬ・麻友が出会ったのは「合法復讐屋」エリス。

猪瀬藍・３７歳・女性・独身。「借金をして家を買おう」そう思いついたのは六年前のことだった。

推理作家「私」のもとへ現れた、不審な自称「町おこしコンサルタント」の男。