失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。

念願の新居に引っ越した僕たち家族は、いきなり隣家の犬・ミリーの鳴き声に悩まされることになった。

轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、そしてタクシーへの飛び出し。

四人の若者が廃工場に瀕死の男を運び込んできた。その男を“始末”するために。

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。

「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。

雅男は、サッカーが好きなごくふつうの中学生。

愛、裏切り、友情、報復。人間の真実を衝くサスペンス傑作。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。

一九九四年二月二十六日未明、予備校受験のために上京した浪人生の孝史は宿泊中のホテルで火事に遭遇する。

夜な夜な江戸市中に出没する辻斬り「かまいたち」。町医者の娘おようは、夜おそく父を迎えに出て、かまいたちに出会ってしまう。

高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。

麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。

元警察犬で現在は蓮見探偵事務所の用心棒ならぬ用心犬・マサが、加代ちゃんやその家族、前作で亡くなった高校野球のヒロー諸岡克彦の弟・進也も加わった面々と活躍する、マサの語る事件簿をこれも新装版で。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

十三歳の八木沢順は、刑事の父・道雄と東京の下町に引っ越した。

「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。

親子の救済、老人の覚醒、過去の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ……淡く美しい希望が灯る。

住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

「模倣犯」事件から9年が経った。

五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

蓋を開けたら災いが降りかかるという堪忍箱とは…。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。

「皆さん、お静かに。動かないでください」。

中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。

盆市で大工が拾った迷子の男の子。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

インターネット上に溢れる情報の中で、法律に抵触するものや犯罪に結びつくものを監視し、調査するサイバー・パトロール会社「クマー」。

加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。

森崎友理子は小学生。中学生の兄・大樹が、学校で同級生をナイフで刺し、そのまま逃走、行方不明になった。

湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。

近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが…。

僕は運命を変える。

もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。

１７音の奥に潜む誰も知らない物語。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。

「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。

宮部みゆきさんの書き下ろし短編「人・で・なし」を読んだ辻村深月さんが「ママ・はは」を書き下ろし、その辻村さんの短編を読んだ薬丸岳さんが「わたし・わたし」を書き下ろし…バトンは東山彰良さん、宮内悠介さんへ。

彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった―。雪達磨の中から発見された死体。

いま旬の女性ミステリー作家による、「イヤミス」短編を集めたアンソロジー。

人の業がなせる、恐ろしくも切ない怪談話の語り部・宮部みゆき。

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。

17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。

その夏、信じられないことばかり起きた。「ラプラスの魔女」シリーズ! AIによる監視システムが強化された日本。

江戸で噂の、「持つ者は子宝に恵まれる」という宝船の絵。

「衝撃のたくらみ」加賀刑事執念の捜査。翻弄され尽くす快感と、くらくらするような結末。