入学早々鬱々と過ごす関口に、声を掛ける者がいた。教師も一目置く中禅寺。

武蔵野連続バラバラ殺人の顛末を描いた『魍魎の匣』が発表された。

『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん』昭和二十七年。

関口の“弟子"から映画館に繁栄をもたらす妖怪・桟敷童の噂を聞いた榎木津は、下僕を従え妖怪探しに乗り出した。

吾輩は猫である。名は、石榴。

昭和17年、兄の勧めで港蘭女学院に入学した中禅寺敦子は、寮生活をおくることになる。

売れない新人ライトノベル作家の高校生・関口辰哉は、古本屋の孫・中禅寺秋穂や、探偵の孫・榎木津玲菓といった少女たちとともに、とある孤島の館に招待される。

親友の殉職を機に警察を辞め、探偵事務所で働く甲斐貴己。

徳永に恨みを持ち、特能係をスクープしたルポライター、小柳朋子が突如姿を消した。

膨大な指名手配犯の顔を覚え、街角で地道な『見当たり捜査』を行う警視庁捜査一課の専門部署『特殊能力係』。

社内の悪は見逃さない! 商社バディの痛快&爽快なお仕事×謎解き物語! 憧れの先輩の後を追うようにして、 総合商社・藤菱商事に入社した宗正義人。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

宗正義人、２３歳。海外でのインフラ整備を志し、大不祥事に揺れる総合商社・藤菱商事に周囲の反対を押し切り入社した。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

時は1989年。昭和から平成に元号が移り変わったその冬の日、しがないサラリーマンの佐久間隼人に一本の電話がかかってきた。

「死にたいん―です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。

結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい―。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)への入部のきっかけだった。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

人類最強の請負人・哀川潤。長瀞とろみの依頼で乗り込んだのは、生まれたての火山島。

「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。

「推理はしないんです。彼は」。

理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。

上方には上方の仕掛けあり。「これで終いの金比羅さんやで」巷説シリーズ、新機軸の第五弾。

閑静な住宅街、四階建てフラットの最上階で高齢女性の絞殺死体が発見されたとの報を受け、モーズビー首席警部率いる捜査班は現場に急行した。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても生き返るという極悪人の噂を聞く。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

丸い肉塊に黒い縦筋が十数本。

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。

富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。

少女たちを襲った悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った“毒”を托し姿を消した。

研究所で働く母と夏休みを過ごすため、村を訪れた妖怪好きの少年・淳史。

東京近郊に広大な敷地を持つ百目鬼家は、大正期の女流作家、百目一葉を世に出した旧家。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

「あなたに、悪夢を」 ――火村英生シリーズ、最新長編登場! 「俺が撃つのは、人間だけだ」 彼は、犯罪を「狩る」男。

驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。

王は夢を叶えてくれるはず。だが。

天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

怪異譚となる前の“風説”を取り締まる直江津署風説課で働きはじめた警察官・阿良々木暦。町を離れた、ひたぎと翼。

短編も、東野圭吾。規格外のベストセラー作家、死角なし。