牛鬼と死闘を演じ、かまいたちの風鎌を土に還した男。拝み屋・播磨遼太郎は、真朱の街の妖改たちにとって最も警戒すべき敵だ。

現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。

火星治安管理局の水島は、バディの神月璃奈とともに、凶悪犯ジョエル・タニを列車で護送中、奇妙な現象に巻き込まれ、意識を失った。

絶世の美女にして全身に百の眼を持つ妖怪・百目。彼女の探偵事務所は、妖怪と人間が共存する“真朱の街”にある。

赤道直下の熱帯雨林、地上四十メートルの林冠部が〈カナピウム〉と名付けられた未来。

悪魔のごとき頭脳を危険視され、わずか13歳にして特殊房に収監されている少年、ローレン・ディルーカ。

彼は空への憧れを決して忘れなかった―長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋無人探査機にまつわる逸話を語る「ナイト・ブルーの記録」、18世紀ロンドンにて航海用時計

熊本・天草において、真夏日に大雪が観測され、天空に忽然と巨大な十字架が浮かび上がった。

ホットプルームによる海底隆起で多くの陸地が水没した25世紀。人類は未曾有の危機を辛くも乗り越えた。

死相が視える探偵・俊一郎のもとに、遺産相続殺人と思われる事件の捜査依頼が舞い込む。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

戦場カメラマンの石塚旅人が乗り組んだ宇宙調査艦隊が、突如、 沖ノ鳥島星系を襲撃してきたエイリアンと交戦状態になる。

1943年6月、上海。

陸地の大部分が水没した25世紀。

西暦2116年。人間の精神を数値化し最適幸福が追求できるようになった未来世界。

19世紀初頭。英海軍に徴集された天涯孤独の少年トビーは、交戦中に遭難し、見たことのない船に救出される。

遥花は、奔放なふたごの姉・美月に複雑な思いを抱いていた。常に比べられることへの反発―。

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。

ノルウェーの研究都市でFBI捜査官・ビルは不可思議な事件に遭遇。屋敷の主人は氷漬けの密室で凍死していた。

室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす陰陽師兄弟。

冬がきて、烏丸家にもクリスマスの季節がやってきた。

※小松左京賞作家の新境地！※ 坂の上の洋菓子店へようこそ――。

マルドゥック・シリーズ 10年ぶりのシリーズ最新作 『マルドゥック・スクランブル』から2年―― 自らの人生を取り戻したバロットは勉学の道に進み、ウフコックは新たなパートナーのロックらと事件解決の日々を送っていた。

日本各地で猛威を振るう未知種のアゲート蜂。人間に寄生し、羽化する際に命を奪うことで人々に恐れられていた。

律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。

悪魔祓いの補佐としてドイツに赴いたロベルトだったが、駅で連日同時刻に死者が出る連続不審死をはじめ、異常事件が頻発。

決して相容れぬモノたちが異形と幻想の物語を彩る、珠玉のSF短編集! アマチュア音楽家の亜紀が街中で遭遇した人型の白いモノ。

絢部あかりが売り子をしている老舗の和菓子店“福桜堂”神戸支店。

「迷宮庭園」に暮らす宮籠彩人は、花の言葉を伝える華術師の貌を持つ。

第一次世界大戦直後のロンドン。クールな青年医師デリックは、戦地で傷を負って以来、検死官として働くように。

少女を救えるのは「魔物」だけ。

雑誌記者の勝村は、下北沢の夜道で男に絡まれていたところを、謎の女に助けられる。

神戸にあるフランス菓子店“ロワゾ・ドール”に、西富百貨店の武藤という男性が訪れた。

異次元との接触現象〈涯て〉に侵食される地球。

羽田発熊本行の旅客機が阿蘇外輪山に墜落した―。それは不思議な事故だった。

怖いもの好きの管徳代と峰岸柚璃亜は、惨劇の現場“無辺館”に忍び込む。

高校二年生になった正太郎。

特殊能力を持つ少年たちが集められた施設。ある日イクオは猫から話しかけられ施設から逃げろと忠告を受ける。

一九三九年、上海。激化する日中の対立関係。

京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた女子高生の真城葵。

ところは福岡・太宰府市。参道でオルゴール店を営む32歳イケメン独身貴族、伊東秀。

天才的なひらめきを持つ文科省・不正研究調査チームの水鏡瑞希。

『マルドゥック・スクランブル』『ヴェロシティ』、そして第3部『アノニマス』 刊行開始から８年を経て、コミック化、劇場アニメ化と、なお広がりをみせるマルドゥック・シリーズ。

放浪の碁盤師・吉井利仙が、かつて棋士だったころの打ち回しに魅せられ、彼を先生と呼んで追いかけている若手囲碁棋士の愼。

京都の寺町三条商店街にポツリとたたずむ、骨董品店『蔵』。

戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男―ディムズデイル=ボイルド。

宇宙進出、木星開発、人体改造…。木星の宇宙ステーションを襲うしなやかなるテロリストの牙。

食品メーカーの副支店長の失踪、連続して起こる頭蓋骨ごと押しつぶされる凄惨な殺人事件。

北海道・旭川の冬。僕・正太郎は、櫻子さんと親しい薔子さんに頼まれて、旭岳にある別荘に行くことに。

恐怖と哀しみがまじりあう、恒川光太郎を味わう短編集。 異才が10年の間に書き紡いだ、危うい魅力に満ちた11の白昼夢。

警視庁忌戸部署に、アメリカから美しき警部がやってきた。凛々しい総髪に、宝石のような碧眼。

正太郎のもとに届いた衝撃的な写真。それは、心を通わせた愛犬の無残な写真だった。

膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。 真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。

鳳の用事でしばし烏丸家を離れることになった執事の衣更月。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

秋のあとに訪れる短い春、旅春。それは、時空がかかる病である――。