(短編集)
夢みる葦笛
- SF (393)
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ハードなSF作品とは対照的な、平易な語彙で丁寧に綴られた短編集。 SFを軸にしつつもファンタジー、スチームパンク、刑事物、歴史物、怪奇、恋愛、生物学など非常に多岐にわたるテーマを取り上げていてアイデア力がすごい。 女性が活躍する話や女性の社会的立場を考察する作品も多く、SFにバトル系のイメージを持たれている方には特に読んでみてもらいたい作品。 穏やかな文体の中に人間の力強さを感じられるものが多く、短編は読み応えというよりは読み心地がよかったという感じ。 作者の長編も読んでみようと思う。 | ||||
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優れたSFとは何だろう。 生粋のSF好きと、初心者の僕ではかなり違うように思う。初心者の場合、科学的考証は必ずしも必要ない。異世界でありながら想像力が追いつく範囲、没入して違和感のない世界があれば読むことが出来る。 言うなれば舞台装置は特殊でありながら 群像劇にはリアリティがなければ僕は乗れない。 とまあ、かなり応用の効かない読者でありながら 舞台装置に惹かれて色々チャレンジしているのだが、なかなか難しい。 上田さんは「火星ダークバラード」(いや、何ちゅう魅惑のタイトルや…買っちゃうよね。)、魚舟獣舟ときて積読になってしまい、再挑戦だったが今回はいけました。割と読みやすかった。 いや、元々読みやすいんだが、世界観がしっかり作り込まれているので、かなり深く身を沈めないと楽しめない印象なんですよ。 美しい描写は相変わらずとして、ちょっとだけ換骨奪胎というか、古き良き感じがしたかもしれない。 (いや、褒めてるんですよ、これ。) 完全なる脳髄、滑車の地、プテロスが良かった。 異形のものに器をかえたり、器が違う種との交歓でったり… あと、飛翔体の名前がプテロスて、郷愁駆り立てまくりでしょ!怪鳥ロプロスかと思ったよ。 | ||||
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2016年9月に単行本出版の短篇集。 全十作品中、前半の四篇が、【異形コレクション】に掲載された作品。幻想的な色合いが濃いです。後半の六作品は、SF短篇と言って良いかと思います。 本作品集で最も魅力的だったのは、この地球とは異なる世界を立ち上げ、見せてくれる著者の描写力。とりわけ、「滑車の地」「プテロス」の両短篇において、眼前に浮かび上がってくる異世界の情景が素晴らしく、堪能(たんのう)させられました。 忘れがたいワンシーンてことでは、「上海(シャンハイ)フランス租界■斉路(チジロ)三二○号」の中、主人公の目の前の光景がいくつにも分岐していく様を描いた場面。いくつものボールを代わるがわる投げ上げては受け止める、そんな曲芸に見とれている感じで、ここはインパクトあったなあ。 【異形コレクション】初出掲載の最初の四篇のなかでは、二番目の「眼神(マナガミ)」が一等面白かったです。 【異形コレクション】シリーズと言えば、2021年刊行の第五十二巻『狩りの季節』に掲載された著者の「ヒトに潜(ひそ)むもの」が、とても面白い。いいっすよ、この短篇。 で、その短篇の著者紹介欄に、本書のことがちらっと触れてあります。井上雅彦氏の手になるその箇所だけ引いておきますね。 《なお、上田早夕里(うえだ さゆり)は、昨年(2020年)、『ダーク・ロマンス』校了直後に、中国で歴史あるSF文学賞『銀河賞』の「最も人気のある外国人SF作家」部門を、短篇集『夢みる葦笛』で受賞した。日本人初の快挙である。おくればせながら、この場を借りて祝福を贈りたい。》 井上雅彦 監修『狩りの季節 異形コレクション LⅡ』p.88 私は、この『夢みる葦笛』て作品集を単行本で読んだのですが、表紙カバーを外した本の全面、黒一色のその艶(つや)やかな黒色に魅了されました。最初にその黒色を見た時、映画『2001年宇宙の旅』に出てくるモノリスて、あの石板の色みたいて思ったんですね。本書を単行本でお読みになる方は、ぜひ一度、カバーを外してみることをおすすめします。 十篇の収録作品ならびに掲載初出年は、以下の通り。 夢みる葦笛 [2009年] 眼神(マナガミ) [2010年] 完全なる脳髄 [2010年] 石繭(いしまゆ) [2011年] 氷波(ひょうは) [2012年] 滑車の地 [2012年] プテロス [2013年執筆、2016年改稿。本短篇集初出] 楽園(パラディスス) [2013年] 上海(シャンハイ)フランス■斉路(チジロ)三二○号 [2013年] アステロイド・ツリーの彼方(かなた)へ [2015年] | ||||
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「華竜の宮」は素晴らしかったが、「深紅の碑文」は先を急ぎ過ぎて少し残念だった。「妖怪探偵百目」は、一巻がよかったのに二巻からテイストが違って戸惑った。彼女の作品は、突っ走ってときどき読者を振り切ってしまう。 その点、短編集なら少し安心だ。短編で猛ダッシュすることは少ないから。これまでの短編集は二冊とも素晴らしかったし。 そしてやはり、本作は美しい作品が多かった。私は特に「プテロス」や「アステロイド・ツリーの彼方へ」のような抒情的な作品が好きだ。孤独な主人公と、異質な存在とのふれあいを描いた作品が好きだ。 | ||||
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SFだったりホラーだったりファンタジーだったり、上田氏の短編10作品を収録した本。人間とは何かを奥深くまで追究している作品群である。表題作の「夢見る葦笛」はイソアという歌を歌う異形の生物。これが人間を魅了し、人間がどんどんイソアになっていく。人間は葦だが、イソアは葦笛ということだろう。「上海フランス租界祁斉路三二〇号」は歴史小説かと思いきや、途中から一気に並行宇宙のSFになる。「アステロイド・ツリーの彼方へ」は既読作品。猫型ロボットの人工知性と人間が通わせる友情のようなものが胸を打つ。 | ||||
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