時は、明治元年暮。

失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。

文部科学省に就職した澤田翔馬は、派遣された東日本大震災の仮設村で、一般職の水鏡瑞希と出会う。

激動する世界の中で、平和を謳歌する日本。しかし、戦争と暴力への想像力を失ったとき、致命的な危機が忍びよる…。

日本はもう一度、焼け野原になるべきなのか? 経済の衰退した近未来の東京。

1919年。フランス・ノルマンディーの丘にやって来た飛行機乗りの少女・ドロテ。

5分のずれで現われた、もうひとつの日本は人口26万に激減していた。

「私を、異界へ喚んだのは、誰?」海に映る美しい月影をぬけ、ここへ連れてこられた陽子に、妖魔は容赦なく襲いかかり、人もまた、陽子を裏切る。

天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟。

人は、自分の悲しみのために涙する。

片岡の一人息子・譲は、信州の集団疎開先で父親の召集を知る。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。

大海原を航海中のメガヨットでくつろぐ6人の男女。

さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。いまや九州は反乱軍の占領下となった。

若い母親が死んだ真相と赤子の行方、フィルムに記録されていた驚くべき殺人手口、遅れて配達された年賀状に隠された犯罪…日本ミステリー界の至宝・幻の名コンビ岡嶋二人による傑作短編集。

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。

悪党・八神俊彦は自らの生き方を改めるため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。

54個の文書ファイルが収められたフロッピィがある。

恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。

競馬評論家・大友隆一が東北の牧場で銃殺された。ともに撃たれたのは、牧場長とサラブレッドの母子・モンパレットとパステル。

6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。

疫病神・ヤクザの桑原保彦に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサルタントの二宮啓之。

警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。

ロシアの超心理学センターで、戦災孤児の少女が日本の兄弟と石像を念写した。

犯人は、13歳の少年だった。 娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。

「疫病神」コンビ、待望の復活。

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。

かつてなくリアルに描かれる捜査の実態と癒着、横領、隠蔽、暴力、…日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。

建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。

記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。

「極道は身代金とるには最高の獲物やで」。大胆不敵な発想でヤクザの幹部を誘拐した三人組。

ともに大阪府警を追われた、かつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達。

宇宙人もUFOも幽霊も超能力もまったく信じていない男、中村幸一。

衝撃だった。ここまで悲惨な状況だとは思ってもみなかった。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

王は夢を叶えてくれるはず。だが。

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔は、その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことに…。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

黒いサングラスをかけた派手な衣装のおばさん。この人こそ、今をときめく、霊導師・能城あや子。

中国人ばかりを狙った惨殺事件が続けて発生した。手がかりは、死体の脇の下に残された刺青だけ。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。

「希望」を信じて、男は覚悟する。慶国に新王が登極した。

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。

暴力団組長の子供ばかりを狙った猟奇殺人が発生。警察庁の上層部は内部犯行説を疑い、極秘に犯人を葬ろうとした。

作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に全身を塗り固めて絶命していた。

高校の実習の授業中、コンピュータ制御されたドリルの刃が生徒の掌を貫いた。

新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。

海に浮かぶ「密室」殺人者はここにいる。昭和34年。