諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた一千万円の貯金とともに蒸発してしまった。

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。

“四ヶ月の浮浪者生活で、イクオの服装はそれにふさわしく汚れていた。かなりの異臭が立ち昇っていた。

マリーは泣きそうな子供のような顔をした。「なにする!」圧しころした声で言った。

天使のような容貌と肉体を持ちながら生まれつき生理がない人妻・涼子は、大学の後輩の大島に好意を寄せられ、凌辱されてしまう。

白称モデルで、過食嘔吐を繰り返す宮島弥生は、カルチャーセンターの小説講座に通う作家志望の女性。

南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。

1971年。スペインとフランスの国境地帯バスク。

北海道の奥深く潜伏していたヒカルと鉄男は、冬の到来を前に、南に向けて旅を再開する。

3基の原発が立地し、原発マネーに依存する北海道・道南市。

桜町は、いま渋谷・道玄坂でルシファーというバーをひらいている。

五十八歳にして初めて子を得た小説家・愛葉條司。「家族クソ食らえ」の條司だが、子育ての喜びを知り、のめり込む。

新宿署刑事・鮫島。

「お前が戦わなければ皆殺しだ」強盗殺人事件の捜査中に自分をかばった同僚を亡くし、その責を負って警察を辞めた牧しずりは、同僚の息子・岬人と出会う。

時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くにある三好家の屋敷に、その男はいた。

五歳のころ、放浪癖のあった父親と同居することになり、程なく、花村少年の地獄の日々がはじまった。

朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。

幸せな空気溢れるクリスマスイブ。恵子は、7年間働いた会社からリストラされた。

カスミは、タケルとホウを父・藤堂の知人が運営する薬物依存症患者の更生施設に連れてきた。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

ある資産家の家に家庭教師として通う聡子。彼女の前に屋敷の離れに住む青年が現れる。

深夜2時、渋谷。少年院から出たばかりの貢は、北勢会のチンピラを蹴り上げていた。

藤堂率いる国際的犯罪組織と、日本最大の暴力組織“本社”の銃撃戦に巻きこまれ、消息を絶った藤堂の娘・カスミ。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。

元ヤクザの木常は、神保町にある呑み屋のオヤジだ。ある日、現役の徳光からアタッシェ・ケースを預かる。

時は鎌倉時代末期。足利家の家宰・高師直は、幕府より後醍醐帝追討の命を受け上洛の途に就く。

私は喰い散らすだけの存在である。作法もなにもない―。

疫病神・ヤクザの桑原保彦に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサルタントの二宮啓之。

那覇は、熱気に覆われている。11月の倦怠に抱かれ、作家は街を流れた。

建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。

不自由な日常から、自由な世界へ。オートバイを愛し、野宿旅を続けている人気作家が、その思想と実践について語る。

最愛の妻はすでに亡く、たったひとりの娘も独立し海外で暮らしていた。大学教授・葉山英介は平穏な人生の冬を送るはずだった。

新商品センベイの草の根宣伝のため、東京下町でのボランティア活動に精を出す坂田には、ひそかな楽しみがあった。

衝撃だった。ここまで悲惨な状況だとは思ってもみなかった。

失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。

太平洋戦争。 寒村で起きた悲喜劇。

「疫病神」コンビ、待望の復活。

「売られた喧嘩は買う。わしの流儀や」建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。

かつてなくリアルに描かれる捜査の実態と癒着、横領、隠蔽、暴力、…日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。

もう許していただきたいのです。負けを認め、教子が祈りを捧げた朧の息子・太郎。

やんちゃが少し過ぎた俺は、祖父の差し金でマンションの管理人見習いに。だがそこは、「なんでもアリ」の殺し屋専用住居だった。

警視庁公安部の「アンタッチャブル」と、捜査一課の「落ちこぼれ」コンビが巨 大テロの脅威に挑む。

特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。

ともに大阪府警を追われた、かつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達。

いちばんの快感は、他人の意思、あるいは意志をねじ曲げることである。

琵琶湖のほとり、田圃の真ん中で派手なネオンを輝かせる雄琴のソープランド街。

哀しく、それでいて熱い旋律。沢村がつま弾く音に、麗子が目を付けた。

小説を愛してやまない文芸編集者の澤野逸郎は、文芸誌“小説○○”の編集長になった。

姉の下腹には盲腸の手術跡があって、砂をガラスで引っ掻いたようなケロイドが残っている。「注意したほうがいいわよ。

「極道は身代金とるには最高の獲物やで」。大胆不敵な発想でヤクザの幹部を誘拐した三人組。

ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。

本名はもちろん、素性も不明な孤高のボディガード・キリ。今回の対象は十七歳の少女・森野さやか。

“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。

新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。