盛岡で古書店を営む結城恒一郎の姪・怜の意識の中には、交通事故をきっかけに甦った江戸時代の天才人形師・泉目吉が棲んでいる。

仙台で個展を開いていた創作折り紙の第一人者・華村研は、何者かが江戸期の手法で見事に折り上げた“紙の蜻蛉”を会場で見つける。

季節外れの大雪に見舞われた盛岡で、夜間、7歳の少女がひき逃げに遭った。

明治11年5月、英語が堪能で腕も立つ伊藤鶴吉は、 イザベラ・バードという英国人女性冒険家の北海道行きの旅に同行することとなる。

ある新人賞に驚異的な小説が応募されたことから物語は始まる。

土地の記憶を読み取る霊能力者・火明継比古により、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークルに残された太古の記憶が解き放たれる表題作ほか、道に迷い母親が自殺した別荘に辿り着いてしまった男の恐怖を描いた「母の死んだ家」や、盛岡の裏長屋を舞台にした幽霊譚「玄関の人」など

地球征服を狙う悪魔と超能力者との凄絶死闘東北でのUFO目撃事件を端緒に、超能力者霧神顕の活躍がはじまる。

異界に漂う小説家の念が死者の魂を引き寄せる…… 締切りを数時間後に控えた私の周囲に、何者かの気配が……(『声にしてごらん』)。

盛岡市にある喫茶店・ドールズ。

伝蔵こと、稀代の人気戯作者・山東京伝が、風来山人・平賀源内、安兵衛、蘭陽らの仲間とともに、奇怪な事件に挑む。

からくり展のポスター制作を依頼するため、国際的デザイナー矢的遙を訪ねた広告代理店スタッフ池上佐和子。

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

時は平安、都では鬼が疫病を予言したという噂が。

地獄から復活した屍魔たちの跳梁が誕生直後の平安京を恐怖に陥れる。

織田信長が天下布武を掲げた頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。

明治18年(1885)、日本ブームに沸くロンドンで日本風俗博覧会が好評を博していた。

「魔女の薬草」を探し求めていた生薬学者が失踪した。

根来忍者の頭領・左甚五郎を追って鬼九郎たちは会津へと向かった。

民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取った。「鬼無里がなくなる……」と。

世界的に有名な京都・伏見稲荷大社の千本鳥居に吊された四人の遺体。

中学生の弟・拓を養うため、元大物政治家・大堂剛の事務所で事務員として働く佐倉聖は大学三年生。

吉原近くの堀端で若い女の全裸死体が見つかった。首を切り落とされた上に、背中の皮が剥がされている。

昭和四十年代まで、「衛生博覧会」という見世物があった。ビーカー詰めの奇形動物の死体、さまざまな疾病の人体模型。

冥界を支配する怨魔王は地上世界の征服を目指して、怨魔として甦らせた厩戸、半人半獣の美女シバを内裏に送りこむ。

恐怖、また来る。デビュー作(日本ホラー小説大賞『ぼぎわんが、来る』)、戦慄の舞台裏。

夏休みを持て余していた御城彼方は、水脈や真夜と一緒に湘南の海に出かける。

若だんなの許嫁が、ついに決まる!?幼なじみの栄吉の恋に、長崎屋の危機…騒動を経て次第に将来を意識しはじめる若だんな。

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。

高校二年生になった正太郎。

毒舌なイケメン天才数学者が謎を解く!? 前代未聞の取調エンタメ第2弾! 論理的な取り調べを行う目的で新設された《特殊取調対策班》。

南町奉行所の定町廻り同心・玉島千蔭は、猿若町の中村座から三階役者が首を吊ったと知らせを受ける。

母親の遺品整理のため田舎を訪れた男が、農道ですれ違った般若の面をつけた女―記憶と時間が不穏に交錯する「面」。

死者と生者のあわいを描く、幻想怪奇小説集。

泣いて笑って喜んで、妖怪と心でつながる家族の輪 迷家荘に新たな珍客現る!? 司貴&童子コンビの過去を知る"女の子の座敷童子"、迷える可愛いさとり少女、好々爺のぬらりひょん。

鈴虫鳴く秋から冬に移ろう祇園。桃枝骨董店がたたずむ路地裏にも小さな事件が。

ボストン美術館で殺された老日本人画家とは何者か。

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。

特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。

独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。

哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。

川崎で起きた殺人事件の現場に遺されたDNAが指し示すのは、十八年前に代官山で起きたカフェ店員殺人事件の“冤罪”の可能性……。

時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

大手農機メーカー勤務の原田亮平は、暴力への衝動を身の内に秘めたタフな男。

新宿で10年間任された酒場を畳む夜、郷田克彦は血染めのシャツを着た少女を店内に匿った。

「皆さん、お静かに。動かないでください」。

倶知安町郊外の古い廃工場の中、背中に強い衝撃を受けて関口啓子は倒れた。気がついたとき一人の男が…。

日枝山王大学の民俗学研究室に所属する橘樹雅は、研究テーマ「出雲」についての見識のなさを担当教官・御子神伶二に指摘され、現地に旅立つ。

広重は幕府に暗殺された?若い浮世絵学者津田良平が“天童広重”発見をもとに立てた説は、ある画商を通して世に出た。

元刑事、警察学校校長を最後に退官した小早川の再就職先は三宿女子大学。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。

なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか―。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

警察庁警備局警備企画課の情報分析室「ゼロ」の研修から戻った倉島警部補に下った新たなミッション。

小説家の端くれ・緒方司貴のもとに遠野から謎の宅配便が届いた。

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。

六本木のコンプレックスビルで開催される国際映画祭。