暗い落日
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
暗い落日の評価:
6.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
暗い落日の総合評価:
8.71/10点 レビュー 14件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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真木は磯村英作、69歳から孫娘・乃里子、19歳の捜索を依頼される。乃里子は吉井克也、21歳とつきあっていた。しかし、資産家の英作は克也との交際を断固として認めなかった。それでも一月ほどは何ごともなく過ぎたのだ。ところが、ある日、乃里子は普段着のまま満足な金ももたず、行方知れずとなってしまった。克也の家庭は複雑で、両親とも酒浸りで男親のほうは、外に女を作って家にも寄り付かない。それで克也も一時はグレたようだが、乃里子と出会ったこともあり、更生の道を歩んでいたのだったが…。
探偵は、英作を怒らせてしまい、クビになってしまう。それでも、退きさがることはできなかった。<だれの命令でもなく、自分の内部からぐいぐい突き上げてくる烈しい力>に翻弄されるように動き続けた。落日の下で<揺れているのは波ではなく、わたしの心だ>った。章タイトルは、すべて乃里子と関係がある。「水色のブルーバード」も「花模様のスカーフ」も、そして「崖の上の女」も。いや、「スェードの茶色い靴」だけは乃里子のものではなかった!ここに鍵があるのか?いやいや、そう簡単には推理できない錯綜した事情が横たわっていた。途方もなくぶ厚く堅固だった壁が崩れだした時の様子を、探偵は<猛烈な勢いで噴出した><真っ黒な原油>にたとえている。しかし、その眼には<暗い影>が落ちていた。
この事件の犯人は人間の<エゴイズム>と<弱気>だと探偵は告発する。そして、人間は生きていても死んでいる場合もあることを、<運命は残酷な悪戯>をすることもあると探偵は知るのだった。この作品を教えてくれた原尞の小説たちと同じように深い闇に突き落とされるような結末である。ここには、原の作品とちがってユーモアもほとんどない。真木探偵に気心の知れた腐れ縁の仲間もいない。したがって、最初の英作とのもの以外、会話の妙味もあまり感じられない。それでも、この作品が、原尞にハードボイルド小説を書かせる直接の動機のひとつになったことは充分に納得できたし、何より、2冊残っている真木シリーズを最後まで読んでみたい気にさせられることに何の支障もなかった。感銘には暗いものもあるということだろうか。結城昌治が描きたかったことに最後までつき合ってみたい。