ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
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あらすじ
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。ミカエルは信頼を受諾し、困難な調査を開始する。全世界で2100万部を突破、2008年度世界書籍売り上げランキング第2位!世界中に旋風を巻き起こした驚異のミステリ3部作の第1部。映画化され、ヨーロッパを中心に各国でナンバー1の大ヒット。(「BOOK」データベースより)
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評判
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女の評価:
8.27/10点 レビュー 11件。 S ランク
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女の総合評価:
8.21/10点 レビュー 239件。
感想一覧
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外国の小説を読む場合、アメリカやイギリス等といった我々にとって馴染みの深い大国を除いてその国に関する多少の下調べは有意義だ。主要な都市や人口、経済規模、その国特有の文化や特徴程度は抑えておいたほうが楽しく読書できると思う。
本作の舞台スウェーデンに関する世間一般のイメージはどのようなものか。日本人からすると、経済水準が高く高税率高福祉の社会民主体制や、世界でもいち早く女性の参政権を認めた点等から男女平等の意識が比較的強い国、といった印象の人が多いのではないだろうか。よく北欧諸国の政治は模範のように扱われ、日本も彼らの年金制度を模倣しようとしていると言った話を耳にする。そんなスウェーデン(少なくとも私はスウェーデンについて良い点しか耳にしたことがなかった)にも様々な問題があり陰となる面も当然ある。そんな部分を浮き彫りさせる社会派といった印象を本作から受け取った。
主人公でありジャーナリストのミカエルは、ある富豪実業家であるブルムクヴィストに関するデマを掴まされ名誉棄損で禁固刑を言い渡される。そこからブルムクヴィストの弱点を握っているこちらも実業家のヘンリック・ヴァンゲルの依頼を引き受ける。彼の依頼は失踪した親族の行方を調べて欲しいとのこと。
そして衝撃の展開からまさかまさかの連続。上下2冊の大作であるが、正直に言って面白くなってくるのは下巻に入ってからだった。それまではただのミステリーとしか思っていなかったが、先ほど書いたような社会派の印象が強くなっていくのが下巻からだ。
私が本作の特徴に感じたのが、女性に暴力を振るう男性がたくさん出てくることだ。各部の冒頭にはスウェーデンにおける女性の○○%が〜といった挿入があるが、決して意味のない物を書いたりはしていない。経済水準が高く幸福度が高いと聞くスウェーデンでも日本と同様に、もしくはそれ以上に悲しい犯罪が起きているのかもしれない。どれだけ行政の体制が良くても、そこに暮らす人々は個々に自我を持った人間であり、社会に縛り上げられているわけではないといった印象を受けた。
作者であるスティーグ・ラーソンは人権派のジャーナリストであったようだが、ミカエルにも同様の印象を受けた。ジャーナリストがこれほどかっこよく映る作品に出会ったのは初めてかもしれない。
あとがきにはしっかりと3部作であると書かれていた。第1部だけでも十分に面白かったが、謎は残っており完結していないとのことだった。この続きを読むのもそれほど後にはならなさそうだ。