闇よ、我が手を取りたまえ

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長編
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あらすじ

2000年03月31日 闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)

このドーチェスターの街で、マフィアに狙われる人間の依頼を受けることは、最大の自殺行為だ。そして探偵パトリックとアンジーのもとを訪れた精神科医ディアンドラも、アイリッシュ・マフィアとのトラブルを抱え、息子の命を脅かされていた。躊躇しかけるパトリック。しかし彼の背中を、永遠に生きつづけるつもりなの、とアンジーが押した。だが二人が飛び込んだのは、この街と住人が二十年にわたって隠蔽してきた、想像を絶する深い闇への入り口だった―。よりハードに、よりスタイリッシュに進化した極上のディテクティブ・ノヴェル。(「BOOK」データベースより)

評判

闇よ、我が手を取りたまえの評価:

7.33/10点 レビュー 3件。 B ランク

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闇よ、我が手を取りたまえの総合評価:

7.57/10点 レビュー 14件。

感想一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.11
(4pt)

一線を踏み越えた人々の行く末

探偵パトリック・ケンジー&アンジー=シリーズの第二弾である。前作よりも数段ブラッシュアップされた濃密で圧倒的なストーリィに度肝を抜かれることでしょう。チャンドラーライクなアフォリズムは前作ほどではないが、前作の雰囲気を十二分に継承しつつ、考え抜かれた精緻なプロット、テーマの掘り下げ方、小出しにする謎解きなど、前作からは想像もつかない出来映えだ。一気読みの快作である。彼らがたどり着いたひとつの答えは、特に目新しいとは思わないが、そこに至るまでのひとつひとつのディテールに思いを馳せたとき、読者は漆黒の世界に微かな光明と温もりを見出すのである。
 不可解な依頼から端を発した事件が、ひとつの殺人事件をきっかけに怒涛のスリラーに変貌する。人間の暗黒面に目を向けたありがちな犯罪小説かシリアル・キラー物かと思いきや、20年前に穿たれた暗黒が極限まで膨らんで探偵パトリック・ケンジーを呑みこむブラック・ホールと化す。ボストンを覆い尽くす。見事としか言いようがない。すれっからしの読者は、作者が仕掛けたトラップにものの見事に嵌ってしまうんだろうな。こんなトラップにまで周到でほろ苦い結末を用意する作者には唸るばかりだ。
 シリアル・キラーの内面描写や怖さの演出にはいろいろと工夫が凝らしてある。が、このシリアル・キラー像が今一つはっきりと像を結ばないのが最大の欠点だろうか。だから、新味はいろいろとあるものの、不気味な怖さも少々尻すぼみ。あまり知能が高いとも思えないし、終わってみれば復讐譚ってのもね…。でも、頭脳の勝負を前面に押し出さず、体力勝負のアクションでカタをつける姿勢が逆に新鮮だったかな。つまるところ、このサイコ風味の怖さは、ひとりのシリアル・キラーの怖さではなく、多くの人間に潜んでいる最大公約数的な社会病質の怖さを指すのである。何をきっかけにエスカレートするか、一線を踏み越えたあとのサイコパスの心理状態とか。作者の解釈にはちょっと戦慄を覚えた。
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4042791026
No.10
(2pt)

沢山書き込んであるがそれだけ

真犯人が安易すぎる。FBIも警察も見つけられない理由がない。20年という謎にきちんと答えていない。幼少時の記述に臨場感がない。
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4042791026
No.9
(2pt)

闇よ、我が手を取りたまえ

このドーチェスターの街で、マフィアに狙われる人間の依頼を受けることは、最大の自殺行為だ。そして探偵パトリックとアンジーのもとを訪れた精神科医ディアンドラも、アイリッシュ・マフィアとのトラブルを抱え、息子の命を脅かされていた。躊躇しかけるパトリック。しかし彼の背中を、永遠に生きつづけるつもりなの、とアンジーが押した。だが二人が飛び込んだのは、この街と住人が二十年にわたって隠蔽してきた、想像を絶する深い闇への入り口だった―。
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4042791026
No.8
(3pt)

みんなお知り合い

ボストンには行ったことがありませんが、本書を読むとどんだけ狭い町なんだと思います。アンジー、パトリック、ブッバ、ケヴィン、フィルは小学校の同級生で、彼らの親の世代もそれぞれに知人・友人で、全員が事件に絡んで、めぐるめぐるよ因果はめぐるという物語です。
 アメリカのハードボイルドですが、人間関係の緊密さたるや、横溝正史の金田一シリーズ並みです。
 ストーリーテリングが巧みなので一気読みしましたが、我に返るとしらけてしまいました。
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4042791026
No.7
(4pt)

遠くにチャンドラーの足音がする。

本書ではレヘインとなっているが、ルヘインとも表記される。Lehaneをどう読むかであるが、一般的にはレヘインで、発音に拘ると、ルヘインになるのだろう。そのレヘインは、「ミスティック・リバー」が映画化された事もあって、一躍有名になり、最近では「夜を生きる」も高い評価を受けている。

本書は「ミスティック・リバー」以前の作品であるが、静謐なタッチはこの頃から変わっていない。内容は、深く、重いが、個人的には、以下の文章に釘づけになった。

「子供の心配は一生続くわ、決して解放されない。子供がはじめて揺りかごから這い出て、抱きとめる前に床に落ちたときの事が忘れられないの。死んだかと思ったわ、ほんの一瞬だけわね。その時の恐ろしさをいつまでも憶えているの。子供がもっと大きくなって自転車に乗ったり、木に登ったり、ひとりで学校に行ったり、信号が変わるのを待たずに、車の前に飛び出したりしても、平気な顔をするのよ。そしてこう言うの『子供はみんなそうだ。わたしだって、あの年頃には同じ事をした』ってね。でも喉の奥にはいつも悲鳴がこみあげていて、かろうじてそれを抑えているの」

遠くにチャンドラーの足音がする。
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