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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数212件
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好みの本格ミステリである事と読みやすさが良いです。
『館』の文字の使用を控えて、眼球堂の『堂』を選んだと思いますが、中身は館物でクローズド・サークル。 トリックあり、読者への挑戦ありと、直球の本格ミステリです。この手の本は好みで楽しいです。 少し厄介に感じたのが既視感が多い所です。 人物設定やトリックなど新本格時代の本を好んで読んでいる人には触れているだろう定番本のネタをいろいろ取り入れています。 が、それが悪いかというとそうではなくて、うまく組み合わせて作品を作ったなと思う次第です。 新鮮な驚きではなく、感心という気持ちでした。 ミステリ好き同士で感想を話すと、ここってこの作品のここだよね。こっちの設定はこの作品だよね。 と、他作の作品名はネタバレになるので言えませんが、そういう風に感じる本でした。 天才が集まる必然性が弱かったり、「ザ・ブック」と発言する主人公は数学者を超えたイタさを感じるなど、ひっかかる部分はあるのですが、本格が好きな気持ちと楽しさが伝わり良かったです。 次回作も楽しみです。 |
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500Pを超えると読むのを躊躇ってしまうのですが、著者の本は読みやすい安心感があり手に取りました。本書も苦なく読めたので巧さは健在。
序盤から『何かの事件が起きた後』の事情聴取やインタビューの場で、登場人物達の供述でストーリーが進みます。 読者が質問者になったかのように、会話が一方的にこちらに話しかけてきます。 例えば、他人が携帯電話で誰かと話しているのを横で聞いているような印象を持ちました。 ですが、内容がよくわかる。片方の会話文が無いのに話がわかるのです。これはとても凄いと思いました。 不思議な構成や文章で読み進め、結局何が起きたのか?を悶々と考え、もどかしさを感じながら最後まで読んでしまいました。 読んでいて苦はなかったのですが、読み進めて行く最中に頭に過る、『何か』の想像を脱した結末ではなかったのが少し好みと逸れました。これは話のボリュームが長く、色々考える時間があった為です。もう少し話が短くて、心の準備をする間が無かったら違った印象を受けていたでしょう。 岡嶋二人作品で、話を短くシンプルにして勢いよく真相をぶつけてくる。あの感じを求めていたのかもしれません。 さて、長いから悪いとかそうではなくて、驚きよりも物語作りに唸ります。 顔が醜く社会と断絶していた人物が、とあるきっかけでモデルに心を奪われストーカーと化していきます。 『醜さ』が幾度となく表現され、それは見た目の顔だったり、歪んだ考え方だったりするわけですが、 『醜い』というのは相手があって初めて感じる表現なわけで、映像ではなく、文章で作っていった所の巧さを感じます。 構成のインタビュー形式にしても、相手の存在をなくして、独りで話していたりします。 ストーカーの一方向な思い込み、ビートルズの評論で自身の存在を認めていくのも然り、個の表現が不思議と目に留まりました。 いろいろな見方ができて面白い作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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事件の生存者、梢絵の疑問、
なぜ私は襲われなければならなかったのか?という犯行の動機から始まり、連続殺人のミッシングリンク、推理によっては犯行現場が密室や犯人消失模様になって混迷する真実など、序盤に事件の概要が展開されたあとは、ひたすら推理する作品です。 ロジカルな思考に触れる展開が好きなので面白かったです。 ただ、推理場面は良いですが、題材の謎自体の魅力が弱く、 惹きこまれて先が気になるような展開ではなかったのが残念です。 事件がサスペンスドラマな印象で、もっと不可解な怪奇性があれば良かったと思いました。 推理だけの本と思いきや、ミステリの要素はかなり豊富です。 盛りだくさんの要素を巧く組み合わせた、技巧的な作品でした。 |
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読み所が豊富で、1冊読んだだけなのに何冊も読んだ気分です。
冴えない二流作家のハリーはSF,ミステリ,ヴァンパイア,ポルノを描く時にそれぞれペンネームを使い分ける。 ペンネームをコロコロ変えて自分固有の名前で出版しないのは自己ができてなく自信が無いないからなど、作家ハリーの人柄がとても良く感じる事ができました。 著者近影を母親や友人に頼んだりと、自身をとにかく伏せているのですが、これらが相まって読後にふと思った事。 本書の著者デイヴィッド・ゴードンは何者なのでしょうか? 映画監督や実験新作などで使われたりしますが、著者はハリー同様に自身を伏せた名のある作家の別名義なのかもしれないと勘ぐってしまいました。 作家や作品作りの思い、 推理小説が一番面白いのはページの最初の方だ。というミステリの考え方。 (例えが多く、かなりのミステリ好きだと感じさせる雰囲気もある) 著者の様々な思いを登場人物達に語らせている所が興味深く面白かったです。 あと翻訳がとても凄いと思います。 キャラや物語など色々と詰め込んで盛りだくさんなのに、 それぞれの表現が分かりやすいし気持ちが伝わる。この感覚は久々でした。 |
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恋愛や友人関係、家庭事情、思い詰めての自殺願望など、
日常生活に入り込んでしまった歪んだ感情を"ノイズ"と表現している所が感慨深かったです。 闇に染まってしまう悪い感情もあれば、 よくよく考えると相手を思って生まれていた恋愛的なノイズもあるわけで、 複雑な寂しさや悲しさの感情が漂う作品だと思います。 さて、そんな世の中のノイズから耳をふさいでいるのか、 表紙に描かれたヘッドフォンを装着した少女が探偵役。 超頭脳で瞬時に解き明かす真相の流れは気持ちがよいです。 ヘッドフォンなどで外音をしっかり遮断した場合、 自分の血流のノイズを感じたりするわけで、 この少女が耳にしているものは自分自身の回想なのかと思いました。 連作集最後の『静かな密室』。 これはミステリとして、また、恋愛物としてもラストを飾るのに良い作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みのデス・ゲームもの。
『殺戮ゲーム』のタイトルと中身は違う印象で、PRを意図した刺激的な単語を使ったのかな?と印象を持ちました。 よくある賞金の為に互いを殺し合うのではく、 謎の主催者? vs 突然密室に閉じ込められたサークルメンバー の構図で、 メンバーは仲間。だけどこの中に犯人(魔物)がいるのか?と疑心暗鬼になるサスペンスです。 一夜明けるごとに仲間が殺されていく状況を解決するべく、 理論的に推察を試みる展開があるのですが、 そんな事より性格がどうだこうだから、お前が怪しい。など、 感情的になり推理に至らない展開がよくでます。 ミステリの視点では残念ですが、妙なリアリティを感じる事ができて、場の収拾が付かない もどかしさが良く出ていました。 伏線や驚きの要素がもっと欲しかったですが、 読みやすさと、デスゲームの面白さ・わかり易さが良いですし、 舞台の設定、人々の心理や結末など巧く作られていると感じる好みの作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ホームズとワトソンの立場を議員と秘書に置き換えた日常の謎の連作ミステリ。
政界という日常では滅多に触れられる事がない舞台にて、 ユニークなキャラ達が活躍するのは読んでて楽しかったです。 バカと天才の紙一重である議員の漆原翔太郎と、 それに振り回されるサムライ秘書の雲井進の葛藤が面白い。 翔太郎の自由奔放な行動は国民の為なのか自分の為なのか、 真意は分からずとも謎は氷解し最後は落ち着く所に落ち着く。 話が繋がる伏線の張り方も面白く なかなか爽やかで楽しいミステリでした。 TVドラマ受けしそうな話だとも感じました。 |
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読後にまず思った事は、同じ講談社の青い鳥文庫から発売すれば
小・中学生のターゲットにぴったりハマると思いました。 作品のキャラクターや軽い雰囲気、数学の内容も 高校・大学頃には触れている内容なので大人が読むと凄さを感じさせ辛い。 とすると読者のターゲットは小・中学生が向いていると思った次第です。 ただ、「殺人」が発生している事から小学生には不向きなのかもしれませんね。 殺人と言っても事件発生の用途で使用しているだけで、 「誰々が死にました」と、報告レベルであり、陰鬱な表現はありません。 殺人にしないで誘拐程度にすれば、小・中学層へ広げやすいかなと思いました。 数学の豆知識から事件の発生・攻略の手がかりとする話作りは面白いです。 読みやすさも良かったです。 『0』を扱う『悪魔との約束』は、物語・謎解きに至るまで数学がわかり易く活用され、好みでした。 |
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SFの世界感や本格ミステリの要素単品で考えると、ちょっと空想過ぎて残念。
事前に伏線を散りばめて、納得させて欲しかった内容。 ミステリの謎は正統派ではないので、 本格ミステリ大賞候補というレッテルからの印象と読後感は悪い作用になりそうです。 ただ、世界観と物語は読んでいて楽しかったです。 蒸気の発達した世界はSFやファンタジーなど 色々な作品で触れてはいるのですが、本書は既読感なく楽しめました。 あと個人的に表紙のイラストが頭の中のイメージ作りにとても役立ち良かったです。 SFの難解さや事件の陰鬱さはなく、 主人公のエマを筆頭に登場人物達が明るく活気あって楽しい作品でした。 これはヤングアダルトには打って付けの作品だと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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著者の本を読んできて、なんとなく分かった事。
それはSFの世界を活用したミステリならSFミステリ。歴史の世界を活用したミステリなら歴史ミステリ。と言った具合に名が付くような感覚でライトノベルを活用したライトノベルミステリ。であること。 つまりラノベに見られるアニメ風の軽いキャラクターやセリフ回しを活用した仕掛けを施してきてます。 あぁそう言えばと、過去作も思い返してミステリの新しい仕掛けの植え所を感じた次第です。 「小説の書き方」を生徒に教える話の流れは、 まったくもってミステリと違う所にいる物語なのですが、 終盤はいつも通り、野﨑まど流の展開でありました。 驚いた!というより、 毎回よく話の雰囲気を変えられるものだと楽しんでいます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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『死なない生徒』なのに『殺人事件』?タイトルがユニークです。
不死の存在がいる中での殺人事件という事で、 山口雅也の「生ける屍の死」を思い出しました。 生物学的や概念での不死を扱った話の下敷きは既視感を受けた気がしないでもないですが、 本書は学園を舞台にライトなミステリとなっていて読みやすいです。 首切り殺人の謎など、 不死の存在を仄めかした物語ならではの解釈や考察が面白いですし、 真相もなかなか飛んでます。 SFなのかオカルトなのかの作風は著者のいつも通りで、 ここまでくると、なんでもあり。と思えそうですが、 固定概念から外れた発想がとても刺激になって良かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
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どの短編も驚きあり、とても楽しい短編集でした。
人物造形や感情などはバッサリ切り落とし、 事件⇒検証⇒解決をテンポよく味わえる構成になっていました。 これは好みが分かれそうですが謎を解くパズルが好きな私はとても満足です。 1つに絞れないのですが 「少年と少女の密室」「死者はなぜ落ちる」「佳也子の屋根に雪ふりつむ」 この3編は違った色をもつ真相の楽しさが印象的でした。 ところで著者の本は5年以上ぶりの久々の新刊です。 間で、PSPゲームの『トリックロジック』にて著者のミステリに触れていたのですが、 その中でゲームの特性、内容の盲点を他の作家に比べて上手く活用していた真相を描いていると感じてました。 その時の問題編、解決編、それに触れる読者が受けるだろう盲点や謎解きの楽しさを 本書の密室蒐集家でも感じる事ができゲームをしている様な楽しさがありました。 あと余談で、密室蒐集家の造形は、 麻耶雄嵩の貴族探偵と伊坂幸太郎の死神の精度を連想してました。 純粋に謎を楽しむ本書の様な本が近年減った印象を受けているだけに、 今後も密室蒐集家が現れる作品が読みたいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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あらすじからループ物のSFかと思って読み始めましたが全然違いました。
が、これは好みで面白かったです。 自殺した人物が使用していたSNSを軸にセキュリティ専門家の主人公が事件の調査を行う。 著者がネットセキュリティ関係の人との事で、 要所要所で活用されるセキュリティ話やその人間関係、サーバーの存在。 そして自殺コミュニティの仕組み、課金方法、運営者の特定など、 話が現実的で事件の捜査と展開が面白く読めました。 コンピューターが苦手な人もすんなり判るバランスなのが良いです。 島田荘司氏の解説で、本書はハードボイルドとあったのですが、なるほどと納得しました。 個人的な感覚でハードボイルドと言えば、トレンチコート着ての硬派で少し古いイメージが浮かんでしまいますが、 本書はネット犯罪を絡めての現代風で新しいハードボイルドの誕生と言った所でしょうか。 高望みかもしれませんが、謎解きが現実的に進行するので、意外性が弱かった印象でした。 好きな話だったので、他の本も読んでみようと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
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1作目はそこまで惹かれる作品ではなかったので、続きを読んでいなかったのですが、
各種ランキング本で名前が挙がっており、 新宿鮫シリーズの中での評判が高いので手に取りました。 なるほど。 日本作品なのにアクションやバイオレンス、麻薬やヤクザ、マフィア抗争の裏の部分が描かれていて、 それが描ける『新宿』と言う舞台の混沌に惹かれます。 1作目よりとても魅力的な作品でファンが多い事がわかる気がしました。 新宿を舞台にした小説や漫画、ゲームが思い浮かぶ中、 公開年月日が90年初期の新宿鮫は、 新宿を舞台にした先駆け的な作品だったんだと思いました。 個人的なミステリで好む、推理や意外な真相の要素が無い系統ですが、 人や街の魅力で楽しめた作品でした。 |
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表題作含む4つの短編集。
渋谷にあるホストクラブclub indigoの面々が事件に巻き込まれ 素人探偵さながらの活躍をするお話。 創元推理短編賞を受賞した表題作「インディコの夜」が伏線や謎が明かされる様子、 キャラクターの魅力など、所見の印象が相まってとても面白かったです。 2作目以降の「原色の娘」「センター街NPボーイズ」「夜を駆る者」に至っては、 扱う事件が夜の街にありがちな事件で正直な所、新しさはなかったです。 ただ、ホスト達や夜の街など馴染みのない世界を魅力的に描かれている事や、 オーナーの晶、インディコのホストの面々が王道ホストの遠い所にいる存在というよりは、 読者に近い位置にいる砕けた人々なので馴染み易くとても楽しく読めました。 序盤の読書は、頭の中で漫画の夜王などが浮かんでましたが、 それとは違った路線で良い作品でした。 |
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シリーズ2作目。世界観や用語など1作目を読んでいる事が必要な作りでした。
300年前の魔女の決戦で建てられた紫骸城。 その中で毎年行われる大会は国の戦争の縮図を模し、世界各国のエリート魔道士が争う。 そこで不可思議な大量殺人が発生する。 300年前の魔女の呪いか、紫骸城の魔導なのか、もしくは魔法による仕業なのか。。 本格ミステリ・クロニクルに掲載された通り、 しっかりとミステリの謎解きが施されており、 この世界観ならではの大トリックが繰り出しているのは見物でした。 ただ、とても面白いのですが、謎の解明の手掛かりの説明不足感が否めず、 勿体無い印象を受けました。 前作にも感じたのですが、謎解きの詰めが甘い気がします。 世界観が好きなので加点。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読後は個性的で論述の新しい楽しさを感じて面白かったと思いました。
本書はとても好みが分かれそうです。 亡霊やら妖怪やら漫画のテイストで進行するストーリーは、 中盤までは色々な事が馴染めず苦労しました。 ただ、 妖怪かまいたちの正体は、真空による皮膚の亀裂というのが、 科学的には根拠がないにも関わらず、世に浸透してしまっている。という、 虚構が現実世界の解答となって浸透している例え話が出てきてから、 この本が一気に面白くなりました。 この世に生まれた亡霊の現象を現実的な解答を提示し、 かつそれを聞く観衆に対してどれだけ魅力的に説得できるかという、 法廷ミステリや探偵演説の大団円の舞台を、 世の若い世代に合わせたストーリーで描かれている作品だと思いました。 事件があって犯人がいて、 その真相にいたる唯一無二の回答を導く数学的ロジックと言うよりは、 可能性を連弾して納得させればよいという点で、 この本の扱いや好みが分かれそうです。 虚構である推理ではありますが、 その展開や結末の落とし所は成否関係なく単純に気持ちが盛り上がりました。 シリーズ物になるのかわかりませんが、 1作目ゆえ、キャラクターや舞台設定の説明が多いプロローグの印象も受けたので、 2作目へと続いて物語を見てみたいです。 |
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自衛隊内の監視が厳しい一室に盗聴器が仕掛けられていた。どうやって?目的は?
大きな起伏なく淡々と進むストーリーで殺人も起こらないのですが、 状況推理で全貌を解けていく流れはミステリを感じました。 謎解きも然る事ながら、普段見慣れない航空自衛官内の内情がとても面白く読めました。 読後、著者の事をwikiで見たら航空自衛隊の方だったのですね。 階級の事や業務内容について、特に空の監視である対空レーダーについては、 普段なにも見えない空でも電磁波が飛び交い、 敵からの妨害電波を監視して国民を守っている自衛隊の業務があるのだと。認識しました。 こんな感想だと固いお国のお話に思われそうですが、 中身は軽妙でユーモアが溢れおり、とても読みやすかったです。 意外な真相や裏切られた嫌な気持ちもなく、爽やかな読後も良い感じでした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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