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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数247件
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本格ミステリ・ディケイド掲載作品という事で読みました。
高校の屋上で見つかった教師の刺殺体。非常階段含め、屋上の出入りが行われていない空間が現場の開けた密室事件。凶器や犯人はどこへ消えたのか? コテコテ路線の謎解き作品です。年代の為か、登場人物や手がかりの出し方が非常に分かり易いので、今読むと軽くてシンプル。パズル小説に近い感覚でした。 著者のコメント曰く、本書は10代の若い世代を対象とした執筆依頼だったそうです。なるほど。そう考えると路線はとても合っています。 殺人事件があるけれど怖くない。ミステリ読み始めの中高生の層にはマッチしていると思いました。 事件の関係者は先生達で、それに巻き込まれた生徒視点という距離感が個人的に面白く感じました。 また、青空下の密室の謎は許容範囲で好みでした。手掛かりがちょっと唐突過ぎますけどね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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1巻完結もののライトノベル系ミステリ。もしくは、ミステリっぽいラノベ。
個性的な表紙絵の探偵役が学園に転校してきて、とある事件の犯人を暴くという。この探偵や主人公など、登場するキャラクター達は何かを隠しており、読者にはそれが何か分からない。この分からない謎のモヤモヤがミステリっぽい雰囲気なのですが、全体的に何かを理論的に推理するような話ではない作品。 「探偵殺人」や「ゲーム」から連想する要素を感じず、タイトルと内容が合っていない気がしました。 本書は人狼系で、嘘や隠し事を直感的に見破るような作品です。 あんまり他作と比較するのも良くないのですが、雰囲気が西尾維新作品で、本作の「れーくん」は「いーちゃん」を連想してしまう読書でした。読者に全てを打ち明けない語り手として巧い存在です。 ライトノベル系のミステリは、異能力が存在する世界の設定なのかが、判らないままの読書が辛いですね。何系の本か判断に迷いました。 設定が複雑でしたが、読みやすい文章だったので楽しめました。個性的で綺麗にまとまっていた作品。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みのジャンルなのですが、相性が悪かったみたいです。
率直な感想としては歴史の教科書を読んでいる気分でした。 前作の『楽園のカンヴァス』がとても面白く、美術ミステリが苦手な人へも薦めたくなる本でした。その為、本作も期待していた所もあります。比較するのもなんですが、前作は美術の世界を知らない人でも手を差し伸べて導いてくれるガイド的な物語でしたが、本作は美術やピカソに興味・予備知識がある人が大学の講義で教授に教わっているようなスタンスを受けました。登場人物達に感情が入らず、何というか場の設定を眺めている感覚です。前作と雰囲気も構成も似ているのに大分違う。。。不思議。敷居が高い美術ミステリでした。 扱う作品は「ゲルニカ」。ゲルニカと言えば戦争。戦争がテーマなのでその重苦しさも好みの分かれ所です。 とはいえ、ピカソとドラの話や戦争背景を含めたゲルニカを学ぶという意味では教養作品として分かりやすく楽しめました。前作同様、過去と現在を繰り返す構成や、タイトルとなった「暗幕のゲルニカ」の序盤と最後の扱いはバシッと鮮やかに決まって印象に残りました。 |
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世間を震撼させている連続見立て殺人事件の犯人:通称「毒リンゴ」。とある条件で相手を殺す事ができる能力を持つ5人が集められ、いち早く「毒リンゴ」を抹殺した者が、死者を蘇らせる権利を与えられる。
誰が毒リンゴなのか?願いをかなえる為にライバル同士のデスゲーム模様。相手の能力は何なのか?と、駆け引きもあり、そこそこ楽しめました。本書1冊完結型の中で、世界観の導入、事件の顛末、ラストの収束まで綺麗にまとまっていて良かったです。 ミステリの小ネタが多くて楽しめましたが、驚きや理論的な何かに繋がるわけでは無かったのが物足りなかったです。結末は好み。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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高校生達が謎の現象に巻き込まれて、理不尽な死が待つデスゲームに参加させられる話。
校内放送にて謎のボスからゲームのお題がでるわけですが、ルールをアレンジした神経衰弱など内容が身近で分かりやすく、読者が混乱しない作りはよかったです。 序盤のゲーム内容や雰囲気としては何だか軽い話だなと思っていたのですが、中盤あたりから戦略や人間関係の心理面がでてきて面白くなりました。 バトルロワイヤルのような相手を出し抜いて殺してやろうというデスゲームではなく、理不尽に巻き込まれた状況で、友達を殺したくない、何か傷つけない方法はないのかと、常に模索する登場人物達の心理面がよかったです。こんな現場に巻き込まれなければ普段は仲のよいクラスメートだったんだとよく伝わりました。 雰囲気は漫画『神様の言う通り』に似ている感じと言えば伝わりやすいかな。結末もよくある落とし所で既視感があり、新鮮な刺激がなかった事が物足りませんでした。真相の目的については、内容に齟齬が多くてちょっとすっきりしない話でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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角川カクヨムWeb小説コンテストのミステリー部門大賞作品。
この大賞で注目というより、京大ミス研の学生が獲った所で気になった作品。web小説じゃ軽いだろうな…でも京大ミス研ならしっかりしてそうな安心感アリ。WEBでも読めますが、ちゃんと編集が入って整っているだろう文庫で読書です。 とある場所で、殺し屋、泥棒、人身売買関係者、など、癖のあるキャラクターのエピソードが交差し、ミステリーらしい驚きの背景や繋がりを感じる作品でした。表紙通り、雰囲気がアニメっぽいのでその辺りが大丈夫な人向け。 ネタバレではないと先に伝えたうえで、ちょっと思うところとしては、様々なエピソードが繋がって、実はこうだったのかとか、読後に再読して新しい発見があるのはよいのですが、それらが仕掛けとして狙った感じはしませんでした。読者をうまく誘導して驚かせるというより、話がバラバラで理解ができないまま進み、あとで解説を受けて納得するような印象。「やられた!」ではなくて「そういう事だったんだ」という感覚。散らばった話をまとめる難しさを感じました。 うさぎ強盗が12歳の設定って必要だったのかな。16ぐらいの方がなんか合ってました。強すぎ。キャラクターは一之瀬が好みです。と、なんだかんだ書きながら、2度読みもして楽しませてもらった作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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今作も不思議な世界観で楽しめました。
他人から見たら不幸の男女の恋愛模様で毎回安心して楽しめます。本作は非ミステリの恋愛小説でした。 今回は過去作に比べて説明や解説が多い印象でした。個人的に著者の本は登場人物達の心情や周りの情景を味わう感覚が好きなのですが、本作は寄生虫やコンピューターといった現実世界に存在する内容の解説が多く、雰囲気を味わうというより学習するような読書でした。ここは好みに合わずでした。 説明がしっかりしていたので、要素要素が最後に繋がるのかな?と思わせておいて活用がよくわからず。例えば、主人公高坂が引きこもってコンピューターウィルスを自作して、それらの系統はこんなのがあると詳しく書きますが、ただの自己紹介で終わってしまうなど。クリスマスシーンもラストに何か効果的に使うのかと思ってしまってました。そういう本では無かったという事で。 さて、ラストの締めくくり方は定番ですね。こういう所は安定して楽しめました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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書店でいっぱい並んでおり、帯の「どんでん返し」「一気読み」のコピーにつられて購入。
読後の正直な気持ちは、新鮮さや個性的な尖った要素が見あたらず、なんとなく想像できてしまうネタが続く物語でした。 ただ、個人的に刺激がなかっただけで、作品自体はミステリとして無駄なく整った作品でした。謎解きの要素をパズル的に散りばめていたり、緊迫感を出すために強盗の設定を加えたりと、お手本の様。文章も読みやすかったです。 現役医師の著者なので、医療に関する事は雰囲気だけでなく、仕掛けにも活用するなど独自路線の驚きが見てみたいなと思いました。 |
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書店に大量に積んであり、帯コピーが「最後の一文、その意味を理解したとき、あなたは絶対涙する」という、興味がそそられる販売戦略。タイトルや印象的な表紙など戦略は成功ですね。
釣られて読みました。 読後に感じる気持ちは中々複雑で、何でこんな構成にしたのだろうという疑問でした。思い返して帯を見れば「意味を理解した時」とあるので、内容を理解しないと感動は得られないわけです。ミステリの最後のどんでん返しがあるわけではないので注意です。後味がモヤっとします。 ただ、とある仕掛けが施されているので「意味を理解した時」についての自分なりの考えをネタバレに書いておきます。 苦手で好み合わずの所は雰囲気でした。 序盤は「いじめ」を扱い重い雰囲気を作るかと思いきや、ギャグが多く含まれており明るくしているチグハグさが馴染めず。当事者や周りの状況がそんなに軽いものなかのかなと思います。重苦しいままの方が親身にのめり込めるのですが、飄々とギャグが含まれると気持ちが入らない読書です。ここは好みでしょうけど。 他、表紙の女の子の表情が一品ですね。不安とも優しさとも見える何かを秘めている表情がとてもよい。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「彼」と表記された犯人視点の倒叙ミステリ。この「彼」は誰なのか?という仕掛けを期待してしまう所ですが、中盤には明かされます。本作は謎解きミステリを期待するものではなく、青春サスペンスにちょっと謎を味付けした印象でした。
野心的な彼が令嬢を次々に虜にするのはうまく行き過ぎている感がありました。またその彼に惹かれる彼女達にも共感するような事はない為、気持ちの居所がなく、漠然と遠くから経緯を眺めているような読書でした。 時代を考えれば新しく話題になったと納得です。 現代でこの作品構成は色々な発展が行われている為、新しい刺激が得られず可もなく不可もなくでした。 |
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60年も前に作られた不朽の名作の1つ。
日本の作品では『仮面ライダー』や『サイボーグ009』に影響を与えており、多くのSF作品のアイディアを感じました。物語の終盤あたりは近年の映画『インターテスラー』の表現を脳内でイメージしていました。 そんな名作と言われる本書なのですが、正直な感想を言うと、歴史的な名作としては十分に納得なのですが、内容の把握が困難で読書中は楽しめませんでした。 というのも、1文における内容の密度が濃すぎます。1つの文の中で、旅の準備をして違う惑星に移動していたり、新しい登場人物と出会って場所を移動していたりで、ちょっと目を離して文章を読んでしまうと、まったく状況がわからなってしまい、読書の混乱が起きるのです。 1行1行をしっかり把握しながら読み進めるのは正直疲れましたし、初回はよくわからない所も多かったです。 1度読んで全体を見渡してから、所々の解説を調べて、再読してやっと世界観や内容が掴めてきた所です。そうなってやっと所々の味わいやキャラの感情が楽しめてきます。個人的にはスルメ系SFといいましょうか。 見渡せば壮大な物語で圧巻。記憶に残る作品の1つでした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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勉強に明け暮れていた男子高の生徒が、決まった時刻から1時間だけ世界の時間が止まる状況に遭遇。
時間停止の中、女の子と触れたいと男子心が騒ぎ、別の高校へ行ってみると動ける女の子と出会う。 まぁ、ベタな青春物語です。 SFらしさやミステリらしさは正直ありません。時間停止モノですがSF的な深い介入はなく、そういう設定として捉えます。 とにかく時間が停止した中で女の子と出会い、ひとときの青春を味わうお話でした。 初心な男女の恋愛模様は微笑ましいですし、時間停止ならではとして動物園の檻の中に入るデートなどは楽しそうだな。とか、最後の方で一応の真相があるのですが、これと言って尖った要素がないド定番の流れなので可もなく不可もなしでした。 綺麗にまとまっているので安心して読める青春物語としては良かった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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20歳の記憶をもったまま10歳にタイムスリップ。
よくある話では人生の逆転や成功を願う話になる所、幸せだった1周目を変えたくない想いで進行する設定が斬新でした。 もともと成功して不満なんてなかった人には、タイムスリップのやり直しは苦痛でしかないですし、道を外せばカオスのように結果が変わってしまい不満が募るわけです。 本書はその主人公の不平不満のような気持ちの独白で構成された話です。もともとこの話もネットのスレッド小説なので、誰かにちょっと話を聞いてもらいたい。といった気持ちの書き込みが淡々と流れてくるようでした。ネット文章が元ですが、相変わらず読みやすく文章が好みでした。 ミステリというより恋愛や青春ものに近い本書ですが、不思議な物語を味合った感覚で楽しめました。 |
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3巻の『密室十二宮』編の続きなので、前作の読書は必要です。
なんだか物凄く駆け足の展開でトリックの問題集というかパズル小説の印象でした。3巻~5巻への繋ぎの印象でして、シリーズ物だからとはいえ事件が単品で完結しないのは個人的に残念です。 とはいえ、こういうコテコテの本格ミステリ模様で楽しめる作品は中々ないので毎回楽しみであります。作中の『枯尾花学園事件』については面白かったです。予め提示された黒の挑戦内容は、凶器:ろうそく、トリック:密室。雰囲気も合っていて短編ボリュームで終わらせるのは勿体ない作品でした。 事件以外の霧切&五月雨のストーリーについても本書では特出して進展がないので5巻に期待。もし文庫化するなら3~5巻はセットで1冊みたいな内容です。 余談ですが、著者の作品傾向として本シリーズと並行で少年検閲官シリーズが刊行されましたが、本書でのキャラクター×ファンタジー×本格のノウハウをオリジナルの少年検閲官シリーズへ取りこんで両シリーズがうまい相互作用で面白くなっている印象を受けました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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推理小説を模った現代の魔術師の物語。シリーズ2作目。
1作目のネタバレを完全に伏せた形で2作目が進行しているのが好感。読んでいてクスっとくる話が満載でした。キャッチコピーの『嵐の山荘』についての緊迫感はほぼなし。意味が違うかな。 魔術師の物語としては面白く、世界に6人しかいない魔術師のうちの2人が行う魔術実験を軸とした物語の面白さ。佐杏先生のマイペースっぷりのブレないキャラクター像や、行動に違和感があればそれがちゃんと伏線となって話が繋がる構成は良かったです。 登場人物については1作目も感じたのですが、佐杏先生+主人公周+重要なキャラが目立つ形で特徴的に描かれてしまい、それ以外が空気になってしまっているのが分かり易くもありちょっと残念でもありました。 ミステリ要素は少量。シリーズものとしての内容でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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たまたま読む本が引いてしまっているのか、海外ミステリでは、誘拐、監禁、虐待の重いテーマに出会う事が多い。本書もその1つで気持ちが晴れずちょっと憂鬱。
2つの事件パートが最後に交わるのはよくある構成なのですが、視点が変わる事によって人物の役柄が不確かになるのが面白い。少女は被害者なのか加害者なのか。殺された人物は本当に被害者なのか。実は加害者ではないのか。女性弁護士は主人公なのか何かの被害者なのか。各人は別の役割なのか?ページが進む事で徐々に本書の背景に渦巻いている恐ろしい姿を感じる面白さがありました。 さて、本書は大分読みやすい本でした。最初に手に取って登場人物表を見た感じでは、馴染みのないオーストリア名な為、男女も区別できなくてチンプンカンプンでした。ただ、実際読んでみると誰が誰だか把握しやすいのでそこは巧いなと思います。上質なサスペンス映画を見ている気持ちでした。まぁ、ただやはり個人的にはかなり心境が重い本でした。その重さを少しでも軽くする為にラストはちょっと晴れやかにしたのかなと思いました。 |
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