うさぎ強盗には死んでもらう
- うさぎ強盗 (1)
- カクヨムWeb小説コンテスト大賞 (1)
- グランドホテル方式 (15)
- 殺し屋 (29)
- 空き巣 (24)
【この小説が収録されている参考書籍】 |
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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角川カクヨムWeb小説コンテストのミステリー部門大賞作品。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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本作が優れているのはまずタイトルの秀逸さ。個人的には「兵隊やくざ」「ジョン、全裸連盟へ行く」「弟の夫」「私の少年」に匹敵する。このタイトルだけで読む人間が倍は違うと言える。 そしてうさぎというファンシーなイメージにだまされてはいけない。ましてやうさぎ強盗を英訳したrobber rabbitの響きがロジャー・ラビットに似ているからなんていうあなたはすでに死んでいる。うさぎのなかには素早い動きで襲いかかり、鋭い牙で人間の首を噛み千切るヤツもいるのだ。油断して殺されないように備えとして、事前に『銀河ヒッチハイクガイド』「パルプ・フィクション」「SHERLOCKシーズン3第1話」なんかを確認しておくといいかもしれない。ただし、うさぎ強盗の鮮やかな手並みに殺されてみるのも悪くはないだろう。 本作は2回目を読みたくなる内容だ。そうしなければ真に本作を読解したと自信を持てなくなる。2回目にはあらゆる場面が1回目の印象と変化していることだろう。それを確認したくてたまらない。そう思ってしまった時点で、あなたはすでにうさぎ泥棒の術中にはまっているのだ。 | ||||
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群像劇・多視点というのは、基本的に主人公一人に視点が固定されている小説よりもとっつきづらい。 なのでなるべく早めに、『この物語は大体こういう話だよ~』というのを示して欲しいのだが、それがうまくいっていない気がする。 まず、キャラ付けが弱い気がする。キャラ付けというのは表面的な振る舞いの奇矯さじゃなくて、『このキャラはこういう主張を持っていて、だからこういう行動を取る』という部分。この物語において中心的なキャラとなるのは、うさぎ強盗&その相方のヒロイン、ということになるのだが、過去編はともかく現代編における彼らの行動理由がかなり曖昧で弱い気がする。最後まで読み通してみれば、凄腕の主人公たちがちょっとした理由で事件に介入し、しかもバンバン金を使いまくる、というギャップを狙いたいのはわかるのだが、取りあえず明確な目的が示されないというのは、前半においてとっつきにくさの理由の一つになっていると思う。 あと、過去編では殺し屋のコードネームで呼ばれていた登場人物が、現代編ではどんな風な名前で呼ばれているか? というのが一つの謎みたいになっているのだが、それが序盤、『キャラが弱い』段階を更にわかりにくいものにしているというか、俺は序盤読んでいて『このシーンでは登場した人物の内、一体誰が殺されたんだ?』とわからない一幕があって、しばらく読み返してしまった。同じ特徴を持っているキャラがいたり、同一人物なのだが違う呼ばれ方をするキャラ、こういうのがかなり序盤から登場する。こういう意味不明なシーンがあると、どうしてもページをめくる手が鈍る。誰が誰なんだ? と普通に流れで理解できないのだ。伏線として巧みに機能しているのならまだしも、読者に混乱させるようなシーン説明とまでなってしまうと、あまりいいできとは思えない。 この物語が面白く感じられてきたのは過去編と現代編が絡み始めてきた後半からで、読み通してみれば過去編のこのキャラが、現代編ではこんなことになってる、というパズル的な面白さはあった。 しかし、前半の『うまくシーンを把握しづらい』『主要登場人物の事件中における明確な目的が見えない』『名前トリックがわかりづらく、誰が誰だか読者側で整理が必要』という三点が、群像劇というただでさえ煩雑になりがちな物語を、更にとっつきづらいものにしている。 本を読み慣れている人ならいいかもしれないが、主人公が明確な目的を持って動いたり、事件が主人公勢の凄腕感に見合ったくらい魅力的なものだったり、というわかりやすいキャッチー感が欠けているため、万人受けはしにくいのではないか。 そういう通好みの仕様の時点で、あるコンテストの大賞だとしても、広く読まれるには至らない作品ではないか、と感じてしまった。 最初、とっつきづらくても一冊を読み通すことができ、パズル的なカタルシスが好き、という人にはオススメできる。 | ||||
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うーん。 篠原メインにしたほうがおもしろかったような。 うさぎ強盗にはあんまり魅力感じない。 | ||||
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テンポの良い会話に、読みやすい文章のおかげで一気に読み進める事が出来ました。 ちょっとキャラの使い捨てが多すぎるかな、と感じた部分もありましたが、良作だと思います。 ただ、バッカーノに影響を受けたのだろうな、という点がいくつか ・ハツカネズミとうさぎ強盗がナイフで戦うシーン ・鈴蘭の銃をうさぎ強盗が蹴り上げて奪い取るシーン ・鈴蘭を殺せるかと聞かれて「殺すさ」と答える鴉 ・バッカーノに出てくる不良集団のような会話が連続するやりとり、しかもチャイニーやチビのように同じ言葉を定期的に繰り返すキャラもいる 特に最後に関しては言い訳のしようがないくらいそのまんまです。「ヒャッハァ!」を「ウェーイ」に変えてますが。 おそらくパロディとかリスペクトといったものなのでしょうが・・・ この辺り、ちょっとだけ気になりました。これが無ければ満点にしてましたね。 | ||||
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かわいらしくも物騒なタイトルがユニークで,『メフィスト賞』作品にも近い雰囲気と, そのエンタメ性や少し胸を射す作風は,伊坂幸太郎さんや西尾維新さんっぽさもチラホラ. 物語の始まりは京都のマンションの一室.しがない空き巣二人組のやり取りが続き, ややクセはあるものの,そのノリに惹かれつつあるところへ今度は外から別の事件が. ぶつかった二つはさらに一年前の上海へ遡り,時系列の入れ替えに翻弄をされながらも, 人物,状況と次々に沸き上がる疑問,そしてスピードにグイグイと引き込まれていきます. また,イカれた悪党たちが入り乱れ,ド派手な殺し合いや面白い駆け引きを見せる中, そこへミステリ的な演出を織り交ぜ,バラバラだったいくつもが収束をしていく様子は, 明かされる真相,そして一人の男のせき止められない思いまで,丁寧に畳まれる印象です. 反面,早い内に『違和感』に気付いてしまうと,物語に集中しづらくなってしまうことも…. とはいえ,新たな出発を窺わせ,さらには「アイツをここで!?」となるエピローグは, 残酷な事件だったはずが,切なさの後に爽やかささえも漂い,気持ちよく幕が引かれます. | ||||
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