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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数42件
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たまに変態小説を読みたくなる、そんな時に手に取る平山作品。
序盤2,30ページ程は、言い回しとクセのある比喩が気になる文章が続く。読み辛くとも我慢して読書。 辛いのは最初だけで、途中から普通の文章になり読めました。 いつもながら変態設定な登場人物達が魅力的。 自分の子供の首を切断し何処かへ隠した母親。その首を欲する死に際の物語を集めるコレクター。首を探す主人公。犬を振り回す怪力男。などなど、クセが強い。 グロくて気持ち悪いけど、何故かユーモアがある所は表現の巧さというか、人それぞれの好みですね。 話はめちゃめちゃなのですが、全容が分かるとブラックユーモアな所が面白い。 ただ、メルキオールが登場したあたりから、ファンタジー色が強くなってしまったのが好みではありませんでした。 求めていたのは、現実にはないけれど、現実のどこかにありそうなアングラ世界のバランス。これはファンタジーでしたね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みのジャンルなのですが、相性が悪かったみたいです。
率直な感想としては歴史の教科書を読んでいる気分でした。 前作の『楽園のカンヴァス』がとても面白く、美術ミステリが苦手な人へも薦めたくなる本でした。その為、本作も期待していた所もあります。比較するのもなんですが、前作は美術の世界を知らない人でも手を差し伸べて導いてくれるガイド的な物語でしたが、本作は美術やピカソに興味・予備知識がある人が大学の講義で教授に教わっているようなスタンスを受けました。登場人物達に感情が入らず、何というか場の設定を眺めている感覚です。前作と雰囲気も構成も似ているのに大分違う。。。不思議。敷居が高い美術ミステリでした。 扱う作品は「ゲルニカ」。ゲルニカと言えば戦争。戦争がテーマなのでその重苦しさも好みの分かれ所です。 とはいえ、ピカソとドラの話や戦争背景を含めたゲルニカを学ぶという意味では教養作品として分かりやすく楽しめました。前作同様、過去と現在を繰り返す構成や、タイトルとなった「暗幕のゲルニカ」の序盤と最後の扱いはバシッと鮮やかに決まって印象に残りました。 |
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「彼」と表記された犯人視点の倒叙ミステリ。この「彼」は誰なのか?という仕掛けを期待してしまう所ですが、中盤には明かされます。本作は謎解きミステリを期待するものではなく、青春サスペンスにちょっと謎を味付けした印象でした。
野心的な彼が令嬢を次々に虜にするのはうまく行き過ぎている感がありました。またその彼に惹かれる彼女達にも共感するような事はない為、気持ちの居所がなく、漠然と遠くから経緯を眺めているような読書でした。 時代を考えれば新しく話題になったと納得です。 現代でこの作品構成は色々な発展が行われている為、新しい刺激が得られず可もなく不可もなくでした。 |
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セックス×ミステリと言うコンセプトで作られた6作の短編集。
これは商品キャッチとしてはとても強いなと思いながら、どんな話を読めるのかと期待でした。 セックス物で思いつくのは、ハードボイルドの男女の関係や、女スパイ、くノ一等、ミステリと混ざると結構真面目な本が思いつきます。信頼関係を得て情報を得たり、裸の傷を調べたりと、行為に関係した何かによる刺激を期待してしまう所でしたが、本書は記憶のそれらと違い、半分は単純なエロ構成で、それが本当に必要なのか?と、読み進めるにつれて疑問を感じてしまったのが正直な気持ちでした。 官能部分も真面目というか固いというか、いやらしい湿り気ではなく、カラッとしていて妙なちぐはぐを感じた次第。 「おうっ」「ひゃうっ」「じゅん」と言った表現がすごく印象に残ったのですが、エロくて興奮とは違い、不思議な表現で覚めてまったというかクスっときたというか、表現が毎回同じなのは狙っているのかとか、余計な考えが浮かんでしまいました。 なんだか煮え切らない読書でしたが、『カントリーロード』は傑作の部類。 本書のセックス×ミステリ、男女の関係、短編での構成が見事に決まり面白かったです。 あと『見下ろす部屋』は、エロの必要性は感じませんでしたが良かったです。 短編集の短編の並びが、うまく落ち着いていると感じました。 作者らしい作品、表題、後半に真打、ラスト綺麗に終わる。並びが初出順ではなかったので、考えられていると思いました。 表題にもなっている『相互確証破壊』の結末については、思う所をネタバレに書いてみます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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本書はとても書くのに苦労した作品なのでしょうか。そう感じました。
ダンガンロンパも本シリーズも好みで、要所要所は面白くて問題ないのですが、繋がりがバラバラでまとまっていないのが苦しいです。 さらには、発売前からキャッチコピーでPRされていた『難攻不落の密室十二宮』のテーマ。 聖闘士星矢模様?十二の密室で盛りだくさん!っと、思いきや、それは予告だけで全部の事件は本書では書かれず、to be continued...って、完結しないのか!事件が別冊に続くって……『十二宮』も無意味で、ただ多く見せて宣伝しただけだったり、、、それはどうかと思いました。 300Pの前半は事件とは関係ないシリーズの物語の橋渡しで後半が事件。と、ぶつ切り感もあり、個々の内容は好きですが、前後作に影響する本作だけでは完結していない作品構成が残念でした。 その他気になる点として、 主人公の五月雨結の扱いがちょっと酷い。一応探偵で主人公、周りは超人的な探偵の中にいる為、読者が親近感沸きやすい位置にいるはず。そのキャラが本作では完全にアホキャラにされています。事件中にショッピングがどうとか、雰囲気を壊し探偵としてどうなのか?と思う問題発言をしていたり、役立たずキャラ設定が可哀想でした。 シリーズ好きですし、新刊が発売されたのは嬉しいのですが、内容が煮詰まってなく、作るの苦労したのかなと思う次第です。 本書の最後の広告部分に、2015年新プロジェクト『ダンガンロンパ×佐藤友哉』稼働。と、別作家で始まるあたりも、いろいろ危惧する次第でした。 なんだかんだ書いてしまいましたが、シリーズも作家さんも好きなので次回作も楽しみにしてます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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1つの密室、1つの死体、限られた登場人物。
定番のミステリ構成の中、推理の基点や条件式を変えると、犯人やトリックが様変わりする多重解決作品。 本書はさらにSF的な要素を加え、間違った解決を行うと違う平衡世界へ飛ばされ、状況が少し変えられてしまう。こんな世界で推理は成り立つのか。 正直な所、複雑さが目立って楽しめなかったです。 後述するこのパラレルワールドならではの仕掛けには、ちょっと面白い。と思える点も確かに存在するのですが、推理する点も物語も変化してしまっては楽しみ所がなく、毎回違った状況設定を読むだけの気持ちになってしまいました。 『七回死んだ男』『STEINS;GATE』『ディスコ探偵水曜日』あたりの平衡世界や多重解決ものは好きな分類なのですが、本書とは相性が悪かった模様です。。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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終盤まで何の本だか分からず、どこに落ち着くのかと思いながらの読書でした。
表紙からライトノベルの体裁ではありますが、軽くなく、一般書のような印象でテーマは重かったです。 小学校内で起きたとある事故。 クラスメートのN君は死に、主人公の僕は全身麻痺で瞼も指も何一つ体を動かす事ができない。 脳波から意識が正常なのは分かっているので、お見舞いで足を運ぶ母親や友人が語りかけてくる日々。 事件からたびたび訪れる、クラスメートだった菜々子さんもその一人。 3年経った今、菜々子さんは、身動きできない僕に、あれは、事故ではなく事件だったと語り出す。 まず、面白いと思うのはシチュエーションです。 全身麻痺の僕に、一方的に語られる事故の概要や思考の流れを話します。 僕は、語られてくる話に、正しいとも、違うとも、質問など、反応ができない。 ミステリ本で、読者が一方的に探偵の真相解説を読まされている印象と重なりました。 その時に起きる疑問、そうだっけ?そんな事あったかな。と、合間に起きる思考を主人公の僕が回想する構成です。 また、探偵は何故推理してそれを披露するのか?そんなテーマも感じた次第です。 事故で終結した出来事を掘り返し、別に犯人がいようがいまいが、何とも思っていない場の状況で何故語るのか。 ライトノベルで見られる、思考回路がちょっと捻くれたキャラクター達の心理が面白い所でした。 語り手と受け手の心理模様。何故語るのか。 ここら辺が私の面白かったポイントです。 好みに合わなかったのは、イジメ問題などの人間関係、小学校内のコミュニティでの陰鬱な所を強く読まされた所。 あまり心地よいものではなく、全体的に暗い感じなのが合わなかったです。 |
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何度も繰り返される世界でのタイムリープは好きなんですけど、本書は合わなかったです。
あらすじとタイトルから感じる期待とのズレが大きかったのかもしれません。 驚きのネタがいくつかありますが、本書に限っては、最初に明かしてしまってからの方が、登場人物達のセリフや行動が把握できて読みやすかったのではと思いました。 謎が謎のまま進行するのに対して、先が気になる魅力がありませんでした。先に設定を伝えてから読んだ方が、そういう本だと分かって楽しめそうです。 ただ、強烈に印象に残りました。 この手が好きな人が一度は考えそうなネタを商業紙でやっている本は、あまり知りません。独特で記憶に残る1冊ではあります。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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クラスメイトと共に修学旅行に向かう途中、急に場面転換。謎の空間に閉じ込められる。
状況が分からない中、人工知能から指示されたルールに従い過ごし始める。 デスゲーム系の空間内にいる人々による頭脳戦やパニックを期待したのですが、それとはまったく違った内容でした。 そこに閉じ込められてしまった主人公が、ルールを無視して外れ者になり、タイトルの意味通り、物語の外側に属し、流れるままに過ごすクラスメイト達を皮肉に見つめていると感じました。 物語の人々と、それを見つめる読者の立ち位置の間に存在する、メタ視点の主人公。行われているゲームを無視して他の行動をしているのが斬新でした。 主人公の行動は、クラスの輪に入れない心理模様を感じさせたいのか、外れている自分カッコイイと自己陶酔させているのか、読んでて共感要素がなく、ダラダラとよくわからない読書でした。 アメリカ映画のような、災害時に勝手に行動した主人公が救われる。そんな印象を持った作品です。 人に言われた事に流され続けるのではなく、井の中の蛙、ゲームの舞台など、見えない外側の世界を想像し、見えてくる新しい世界の発見を感じよう。そんなテーマを感じてました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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タイトルのゴシックに沿う雰囲気とキャラが馴染みなく新鮮で、
たまに出てきた古典ミステリの小ネタ遊びもよいです。 アニメっぽく、とても軽い流れなので、 ミステリを読み始める中高生には、とてもハマると思いました。 著者の作品傾向のイメージが良い意味で変わりました。多彩ですね。 |
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読む時期が遅かった心境です。
美女たちの活躍、妖しい洋館、麻薬事件など時代を感じられました。 また、緻密な展開というよりは感情的に各々が活躍している印象を受けました。 これだけ皆が動きまわり複雑な真相を設けた中で、 ページ数がこのボリュームで読みやすくまとまっているのが良かったです。 ただ、物語に没入できなかったというか、 客観的に離れた位置から物語を眺めたような印象でした。 |
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読後に感じるタイトルが非常に一品です。
罪と罰、自己、相手を思う気持ちなどの心の量りを巧く表しています。 各々の考え方が異なる難しい気持ちを、 秋山先生がぼくに語るようにやさしく丁寧に描かれていました。 純粋な子供心によるぼくの考え方。 物事の経験を得た大人の考え方をする秋山先生。 持っている量りが異なる通り、ぼくの最後の決断は私自身が予想外なもので、 かつ、残念に思いました。 残念と言うのは内容や何かに期待していた意味ではなく、 この気持ちは秋山先生とシンクロしているものだと思います。 とても良い作品なのですが、 考え方の違いと好みによりこの点数にしました。 |
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1作目、2作目の期待とは違う方向へ行ってしまった作品。
好みの問題もありますが、とても残念でした。 雑誌掲載における連作の時間の中で、 1、2作目読んだ人へ意外性を与える為にとられた方法としては、この選択肢はアリで、 やろうとしている仕掛けやテーマは好感です。 ですが、全体的に事件やトリックなどの説明箇所が煩雑で、 こういう人たちだから。こういう設定だから。と、 理論的ではなく場や感触でごまかしてしまっている印象をとても受けました。 1,2作目を読んだ人が前提の補足作りです。 先出しフォローみたいで面白い表現が、 P145付近のザンギャ君が 『ざけんな』 と言って 頭狂人が 『実はこの反応が見たかったんだよ。今回はこれがテーマだった。 人間というのは結局、自分の価値観に合ったものしか認めたがらない生き物なんだね。』 と言う所。 頭狂人の気持ちが作者の気持ちで、 本書はこういう実験的なものがテーマだったんじゃないかなと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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独白する…を読んだ後にページ数が少ない短編集をさっと読んでみようと手に取りました。
ミステリではないのは分かっていた上での読書と感想ですが、 この良い意味で不快な表現力はやはり凄い。たまに読みたくなる変な中毒性を感じました。 |
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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事件の関係者による独白形式で淡々と進む物語。
第三者視点や解説がないので、 正直な所、告白された内容がすべて真実とは限らない所が面白い。 見える必要もないですが 深読みすればするほど真実が見えない心の闇が良いです。 文章のセリフ文を見ただけでどの人の告白なのかが 分かる程、人物が描かれていると思いました。 後半、セリフが突如出ただけで森口先生が現れたと思ってゾクっときました。 |
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作品中に漂う個性的な濃さが強烈なインパクトで硬質な印象。
堅物な警察小説を読んだ感じでした。 表題の「第三の時効」含め、どれも質の高い作品でしたが、 何故か読み進み辛く、作風が肌に合わなかったのかなと思う所です。 |
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