“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕



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初公開日(参考)2010年08月
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長編小説

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“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)

2010年08月31日 “菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)

“菜々子さん”が突然、3年前の事故は「事件だった」と語り出した。それは病床の僕にとってもはや検証不能な推理だけど、自然と思考は3年前に飛んでいた。そういえば、あの頃のキミって、意外と陰険だったよね―。“菜々子さん”が語る情報の断片は、なぜか次第に彼女が真犯人だと示し始める。“菜々子さん”が暴こうとしている真相とは一体!?可憐な笑顔の下に、小悪魔的な独善性が煌めく、まったく新しいタイプのヒロイン誕生。 (「BOOK」データベースより)




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“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕の総合評価:8.91/10点レビュー 11件。Dランク


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“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕の感想

終盤まで何の本だか分からず、どこに落ち着くのかと思いながらの読書でした。
表紙からライトノベルの体裁ではありますが、軽くなく、一般書のような印象でテーマは重かったです。

小学校内で起きたとある事故。
クラスメートのN君は死に、主人公の僕は全身麻痺で瞼も指も何一つ体を動かす事ができない。
脳波から意識が正常なのは分かっているので、お見舞いで足を運ぶ母親や友人が語りかけてくる日々。
事件からたびたび訪れる、クラスメートだった菜々子さんもその一人。
3年経った今、菜々子さんは、身動きできない僕に、あれは、事故ではなく事件だったと語り出す。

まず、面白いと思うのはシチュエーションです。
全身麻痺の僕に、一方的に語られる事故の概要や思考の流れを話します。
僕は、語られてくる話に、正しいとも、違うとも、質問など、反応ができない。
ミステリ本で、読者が一方的に探偵の真相解説を読まされている印象と重なりました。
その時に起きる疑問、そうだっけ?そんな事あったかな。と、合間に起きる思考を主人公の僕が回想する構成です。

また、探偵は何故推理してそれを披露するのか?そんなテーマも感じた次第です。
事故で終結した出来事を掘り返し、別に犯人がいようがいまいが、何とも思っていない場の状況で何故語るのか。
ライトノベルで見られる、思考回路がちょっと捻くれたキャラクター達の心理が面白い所でした。

語り手と受け手の心理模様。何故語るのか。
ここら辺が私の面白かったポイントです。

好みに合わなかったのは、イジメ問題などの人間関係、小学校内のコミュニティでの陰鬱な所を強く読まされた所。
あまり心地よいものではなく、全体的に暗い感じなのが合わなかったです。

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No.10:
(5pt)

ユニークな視点になるほど

勝手な思い込みからライトノベルに苦手意識持っておりましたが、この作品が固定観念を捨てさせてくれました。文章も楽しめ、夢中になって読みました。このユニークな視点は初めてだったので、なるほどと感心しましたし、はまりました。タイトルで損してるような気がして残念です。
“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)より
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No.9:
(4pt)

他にあまり類を見ないライトノベル

菜々子さんと僕のお話です。
読んでいくと「おっ」と思わせるようなことも…
ミステリはこうゆうものなんでしょうね

最初は少しダレるかもしれませんが、
だんだんと巻き返して行って
最後には「すごい」と感嘆させてくれる

そんなラノベです
“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)より
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No.8:
(5pt)

俗にいうヤンデレなるもの?

そんな気がします。
愛って怖いですね。

確かに小学生という設定の割には、主人公と菜々子さんの思考が大人びたというかちょっと荒んでますね(笑)
まぁそういう変人同士のお話?といった感じですかね、特に問題はありません。
主人公と菜々子さん以外の小学生描写は素晴らしいと思いました。
小学生は無邪気故に残酷ですね。

謎は二転三転します、最後にはスッキリと解決します。
そうきたか!といった感じでいいラストだと思いました。

菜々子さん陰険すぎです…。
“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)より
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No.7:
(5pt)

圧倒的じゃないか

発作に関する冒頭の記述十数ページだけで、引きずり込まれるほどの筆力
小学生でアレはちょっとズルいよと思いつつも
題材、構成ともに文句のつけ所のない前半
圧倒的でさえある

ただこの作品、菜々子さんの戯曲とあるように
真相に近づくことが目的とするような、所謂ミステリではない
そのミステリでない作品の、ミステリ部分(伝わるかな?)に退屈さを感じてしまう
出来うんぬん以前に、興味が持てないのだ
乱暴な言い方をすれば、「主人公がどうなろうと興味がないので、菜々子さんのお話がもっと聞きたいです。はい」

菜々子さんという、あまりに魅了的なキャラを生み出してしまったための悲劇か

終盤、菜々子さんの戯曲とその裏に流れる思考に関しても、見るべきものはあるが高揚感がない

「ハア?菜々子さんならそれくらいやっちゃうし!てか、菜々子さん見くびり過ぎじゃね?」という
よく分からない信頼感。マリオでいうとスター状態
そんな、なにが来ても驚かない心境が前半ですでに出来上がってしまったためか

総評
愚痴ばかり書いたけど、大変よかったです
特に前半は一般書含め、最近読んだ本の中で一番といえる出来栄え
菜々子さんという、癖があるけど魅力的なキャラクター
それだけに頼らない地力の高さと完成度

前半120点、後半60点
合わせて合計100…じゃないけど100点
もはや何を書いているか分からないけど、それくらい面白かったということで
年齢設定を3歳ほど上にしたら、完全に一般書で扱うものでしょうねコレ
☆5つ
イラストも雰囲気にばっちり合っている

駄文ついでに、最後にもうひとつ
菜々子さんの人となりを紹介するエピソード、植物園のはいらなかった気がします
カードと運動会だけで、何をするか分からない・目的のためには他人を利用するという性格は十分理解できるので
どうにも冗長さを感じてしまいました
“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)より
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No.6:
(4pt)

互いの思惑を上回ろうとした上で築かれる信頼関係

非ウィルス型嗜眠性脳炎により引き起こされる全身痙攣で指一本動かせず、瞬きすらもできない身体となった坪手明の病床を、今では習志野菜々子という仮名で呼ばれる少女が訪れる。それは、三年前、彼らが小学六年生だったあの事故から、平日は欠かされる事なく続けられてきた儀式だった。
 その儀式が途切れた金曜日の翌月曜日。菜々子さんは突然、あの事故の出来事を蒸し返し始める。彼女が氏名連想誘発性心神喪失症候群と名付けられた、自分の本名を呼ばれると発作を起こす病気となった出来事が、誰かの故意で引き起こされた事件だったというのだ。
 それをきっかけに、考えることしかできない坪手明は当時の出来事を思い起こす。自分と菜々子さん、そしてもう一人のNに起こった出来事を。

 現在の二人の病室での出来事と、三年前の出来事を、交互に描写しながら、主人公の思考の軌跡をたどっていく形式の作品。そして最後に、菜々子さんの思考で真相が明かされる。主人公は現在全く意思表示ができないのだが、菜々子さんの一方的な語りと彼の思考が、まるで会話が成立しているように作り上げられている。
 そして、三年前の回想では、主人公の思考方法と、菜々子さんの性格や行動が段階的に明らかにされ、それに基づいて事件が解き明かされていく。ラプラスの悪魔という、初期条件を適切に与えることで全ての未来を自在に操る仮想の悪魔の存在のように、前提が変わるたびに主人公の頭の中で仮説がコロコロと変わっていくのが面白い。そしてそこには、事態を全て掌握しようという菜々子さんの思惑も見え隠れする。

 意図したことかどうかは分からないけれど、本当に小学生が背伸びをした表現を使ったように感じる文章のところもあったりして、ちょっと戸惑う表現のところもある気がする。だけど、ほとんど二人の登場人物だけで、互いに会話を成立させず、しかし意思疎通は出来ているように組みあがっているという、少し不思議な感じは面白いと思う。
“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)より
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