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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数681件
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クローズドサークル内でのデス・ゲームなど、本来非現実的で理不尽であり、その必然性が読み手に到底理解できぬままゲームが開始され、殺戮が繰り返されるという事が多々ありますが、個人的にこの作品が他の同系作品と一線を画していると思えるのは、その舞台設定にあると思っています。
ルールはゲーム開始前に明確になっておりフェアといえるのですが、このルールが一風変わっている事により、先が読めず、緊張感を感じながら読む事ができました。 そして、この手の作品としては珍しく、登場人物達の行動にリアリティを感じる事ができます。 非常に面白かったです。 お薦めできます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ミステリ色は薄く、気楽に読める娯楽作品です。
登場人物は意外と多いのですが、伏線が非常に分かりやすいので、その人物の役どころだけでなく、先の展開も読めてしまいます。 意外性の少ない作品という事になりますが、頭を使わずに読めるので、楽しめると思います。 語り手にイマイチ存在感がなかったかなぁ。 もう少し弾けてもよかったように思います。 ラストに関して批判的な意見が多いようですが、ではどういうラストなら良かったのでしょう? 全体通して漂う何とも言えないB級感から、C級を通り越してD級で落とす。 個人的にあのラストこそ、この作品の世界観の締めくくりに相応しいと思えたのですが・・・ ラストシーンをバックに、過去のシーンが、走馬灯のように思い浮かびました。 作品と一つになれた気がしました(笑 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「土か煙か食い物」のスピンオフ的な作品になっていて、ルンババの少年時代の話です。
「あの人」との出会いのエピソードなども描かれていたりして、「土か煙か~」を読んでからの方が楽しめると思います。 大量の密室殺人が起こりますが、設定自体が冗談としか思えず、読み手を置いてけぼりの謎解きも相変わらずです。 この作品も推理小説として読むべきではないでしょう。 ただ、「土か煙か食い物」と比べて「非推理小説臭」が読み手にも伝わりやすい気がします。 この作品における「密室」とは、「閉ざされた心の空間」の事であり、人生において、自分の眼前に立ちはだかり密室を作っている壁を如何に乗り越えていくかがテーマです。 作者が伝えたい事は、容易に汲み取る事ができるでしょう。 あとは舞城氏独特の表現方法が、好みか好みでないか・・・ですね。 |
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麻耶雄嵩氏の作品は、ミステリの枠組みから相当逸脱しているだけでなく、予備知識を必要とする子ネタを多用するので、上級者向きの印象がある。
長編作品の場合、その逸脱っぷりに最後疲弊する事もあるので、この作品はある意味「麻耶雄嵩入門」として適した作品かもしれない。 最初の「死人を起こす」を読めば、「メルカトルは不可謬ですので、彼の結論も当然無謬です」の意味もおおよそ理解できるはずだし、アンチミステリな作風を手軽に味見できるだろう。 この作品は、アンチミステリというよりアンチフーダニットに特化した短篇集である。(変態である) ミステリ的な手順をさんざん踏み、謎解きに注力するのだが、真面目にトリックを見破ろうと追従する読み手を、最後容赦なく千尋の谷に突き落とす。 ある意味、凄い前振りといえる。 唖然とさせられるが、短編の分、口が半開きになる程度で、それ程疲弊感は感じない。 何作か読んでいる内に、これが病みつきになるのだろうか。 個人的に、「収束」と「答えのない絵本」が好きである。 自分で言うのも何だが、これって至って「ノーマル」な気がしているのだが、違うだろうか。 そして「密室荘」の面白さが分かる人が「麻耶マニア」ではないだろうか。 |
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上級者向け。
夏に雪を降らすのはどうかとも思ったが、そんなもんは序の口だった・・・ 現実離れとも言える偶然だったり、針の穴を通すようなタイミングだったり・・・ この事件の1つしかない解答、つまり真相は最早「奇跡」である。 謎は数多く投入されるが、大部分が消化される事なく残される。 本来あるべき解決編がないのだ。 恐らく、読了後は狐につままれたような気分になるだろう。 読了後、その真相について仲間と「あーだこーだ」と細っい一本の糸を手繰り寄せるのを楽しむ作品なのだろう。 ・・・だったらもう少し短くしてくださいよ(泣 特に烏有と神父の会話はきつかった。 精一杯理解しようとしたけど、私の頭では及ばなかった。 熱意とエネルギーが必要です。 これから読まれる方は、読む前に是非気合いを入れて下さい。 |
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個人的に短篇集は読み応えを感じられる事が少なく正直好きではありません。
この作品は、夜の章、僕の章合わせて6編の短篇集という事になっていますが、「連続」短編小説です。 それぞれが独立した話ではなく、時系列の流れが存在します。 つまり、夜の章、僕の章、どちらか一方だけ読んだだけではダメですし、夜の章、僕の章の順番で読まなければ面白さが分からないと思います。 時系列の流れの中に、作者の仕掛けた巧みな「罠」があるのです。 乙一作品は、「暗いところで待ち合わせ」に次いで2作目でしたが、2作共に文句なしの満点評価。 満点評価は他にも沢山ありますが、この2作は突出している気がします。 星11個付けたいくらいです。 無駄に長くないのもいいよね。 今後、乙一作品を読みあさる事になるでしょう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「読者が犯人」という題材を扱い、初めからそう宣言している風変わりな作品。
同じ主旨の作品は過去に存在するらしいのですが、作者は作中で、これらの作品がトリックとして不十分であったと言及しています。 常識的に考えても、読者が作中人物を殺害するなんて事は有り得ない訳なので、まず万人を納得させる事は困難なはずです。 にも関わらず、自らハードルを上げる作者の自信には敬意を表したいと思います。 しかし感銘を受けるかは、やはり読み手の感性次第です。 トリックが初めから明かされているとなれば、必然的に読み手は、慎重にその伏線を紐解く読み方となります。 「超心理学の実験シーン」や「犯人からの手紙、覚書」の記述が長々と続くのですが、これらがメイントリックの伏線となっているか正直微妙です。 兎に角長いです。 脱力モノでした。 難しい題材を扱っているにも関わらず、舞台設定含め丁寧に描かれていると思います。 しかし、トリックに関しては「成立している」とは思いますが、少し肩透かしを食った感じはします。 |
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一癖も二癖もある患者たちが、トンデモ精神科医・伊良部のもとを訪れる5作の短編集。
プール依存症、陰茎強直症、自意識過剰、携帯依存症、強迫神経症。 題材のチョイスが絶妙で、仰々しい名称こそ付けられているが、読んでみると、身近に結構いますし、1つか2つ、自身の行動、思考様式にも合致する項目があるように思います。 何れの症状も、原因の根源にはストレスがあるように感じました。 最初こそ拒否反応があるものの、脳天気でストレス皆無のお金持ち・伊良部に徐々に依存していくようになり、癒されるという構図が面白い。 気軽に読めて笑える作品と言う事になりますが、自身に該当する症状の場合は意外と笑えません(笑 |
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社会生活に馴染めない不器用な男と、視力をなくすという身体的ハンデキャップを抱え引きこもり気味の女の奇妙な同居生活。
時間が止まったかのような、そしていつ壊れてしまっても不思議でない「静寂」の中、少しづつ接近していく「心」 語り手を交互に変えながらの絶妙な心理描写。 言葉も発せない、物音すらたてる事もできないという状況の中で、自分にとって大きな不利益が被る可能性がある事も分かっていながら、自然と体が反応してしまう。 自分は一人でも大丈夫と友人には強がって見せるが、そこにいるのが犯罪者だと朧気に理解していながらも、居て欲しいと願ってしまう。 他人との接触に消極的な二人が見せる、相手を思いやる優しさ、相手を必要とする弱さ。 涙腺が何度か派手に緩んでしまった。 文句なしの満点評価。 |
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ホラー作品ではあるが、(情景描写は雰囲気十分なものの)わざとらしく読み手に恐怖を煽るような記述はなく読みやすい作品です。
この作品では、心霊写真、憑依現象、また霊の存在といった超常現象を肯定しています。 超常現象の存在を信じない、また興味がなく、知識もない私のような読み手にとって、作者の自己満足というか、都合のいいように薀蓄を垂れ流され、歯切れの悪い結末を押し付けられる事が多々あります。 しかし、やはりこの作者はそんな事はしなかった。 主人公である探偵が(ある事情から)積極的に霊の存在を肯定したいという立場でもあり、作品内で発生する多くの怪現象を、軽く扱うのではなく、それに整然と向き合い、万人に理解できる解釈を与えようとしている。 だから、ラストにもうまくつながるんです。 読後感いいですよ。 ホラー苦手の人にもお薦めできます。 |
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まず舞台となる建物に「城」というイメージを全く抱く事ができませんでした(笑
独特な世界観にも全くついていけなかった。 しかも、メインとなる謎解きに、この現実離れした舞台設定が全く関係ないというラストには、開いた口が塞がらなかった。 想像力が欠如している私が悪いのかとも考えたが、それだけではないと思うなぁ・・・ 何せ、小説の世界に入り込めなかった訳で、登場人物が、何故ここでこんなセリフを喋ったのか、何故ここでこんな行動をとったのかにまで首を傾げるようになってきて、そのうちに、この世界観に拒絶反応すら起こすようになっていました。 私の中では完全に伝説の1冊となりました。 |
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