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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数271件
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偽札作りの物語ですが、主人公がその困難に立ち向かい1つ成し遂げる度に、名前と顔を変え新しい目的に向かっていく。
新しい仲間が加わり、偽札作りの技術もレベルアップしていき敵も巨大化していくという。 こそ泥が最後天下の大泥棒に変貌を遂げるという感じでしょうか。 誰もが好きな展開と言えるかも知れませんね。 ただ、多くのレビュアーさんも語っているように、製法に関する薀蓄が過ぎる。 よく調べあげたなとは思うのだが、長編作品全体の1/4くらいがそれで、しかもリアリティの追求という事なのだろうが、読み手には詳細が過ぎないだろうか。 一方でその薀蓄を除く本編のノリは道尾秀介「カラスの親指」を髣髴とさせる軽さがあるのである。 「重い」「軽い」が交互に来るアンバランス感が最後まで拭えなかった。 そして「カラスの親指」との決定的な違いは物語のラストにある。 こういう終わり方もありだとは思うが、「カラスの親指」を意識させた分、その落胆は大きかった。 ただ標準点を大きく上回る面白い作品だったことは間違いない。 |
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若年性アルツハイマーにかかった働き盛りの50才の男性が記憶を無くしていき、徐々に変わっていく日常生活を彼の一人称で描いた作品。
「記憶が消えても私が過ごした日々が消えるわけでない。私が失った記憶は私と同じ日々を過ごしてきた人たちの中に残っている」 これは人間の死に置き換える事も出来てしまう。 記憶を失うことは人間としての死を意味するのだろうか。 読んでいて相当に息苦しい。 その辺のミステリーよりよっぽど怖い。 最後残りページも少なくなってきて「作者は一体どのような形にこの物語をまとめようとしているのか」気になって仕方なかった。 正直少しイライラしていたかも知れない。息苦しいまま終わるのではないよな、と。 で、ラスト2ページ。 「あぁこういう終わり方ね」と最初思った。 わずか2ページ。 読み終わる頃には涙が止まらなかった。 妻の愛の強さに感動。 |
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噂や口コミが社会に及ぼす影響やその怖さを描いた作品です。
学校や地域社会といった範囲にとどまらず、今や企業や国家の戦略としてさえ存在しているという事。 そして、そこに人為的な操作が介在している事に対しても不思議だと思っていないのですが、騙されていないと思っている自分がいる。 騙されていたとしても、自分がそれでハッピーなら問題ないのかも知れないですが・・・ あの東京五輪エンブレム問題にしても、あの不祥事を連発するハンバーガチェーンにしても、さてさて事実なのか虚偽なのか、人為的なことが働いているのか違うのか・・・疑いだすときりがないですね。 操作した側が結局その噂により消されるというこの作品の結末。 たかが「噂」、しかし発動したら最早人間の力では止められない強大な力というか津波のごとく全てを飲み込んでしまう怖さを感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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感動的な物語だという事は知っていたが、映画も見ていないし結末も知らないまま読みました。
妻殺しの警察官の、殺害から自首までの「空白の2日間」の謎を解明していくという物語。 物語の中心に据えられるのはその殺人を犯した警察官で、彼を取り巻く、警察、検察、裁判官、新聞記者ら6つの視点から描かれます。 この手法はこの作者の得意とするところなのでしょうか。以前読んだ「動機」も同じでしたね。 殺人犯である中心人物はいわゆる「静」、黙秘の姿勢を貫きます。 余りにも存在感がないのは気になりましたが・・・ その分彼を取り巻く「動」の面々が魅力的で、仕事に命をかける男たちの生き様には迫力があり、そこに存在する軋轢や摩擦そして挫折といったものは読み応えがありした。 彼から「自死」の臭いを嗅ぎ取り、自分の保身を考えずリスクを負いながら、何とか死なせまいとする男たちが何とも美しかったです。 ただ・・・ ▼以下、ネタバレ感想 |
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15年ぶりの再読。
「このビデオを見た者は1週間後に死ぬ」 正直アイデアの勝利でこれに食いついた人は多い。 おまけに山村貞子を全国区に仕立てあげた映画のあのホラー演出。 山村貞子=リング であり リング=山村貞子 となるのもやむを得まい。 しかし小説の「リング」は消化不良な終わり方をしており正直単独では評価できない。 個人的には「らせん」あっての「リング」だと思っています。 得体のしれない恐怖が、浅川、高山、たった二人だけの世界で展開された前作から、 前作の主要人物であったその二人は姿を消し、徐々に真相が明らかになってゆき広がっていく。 その広がってゆく、最早止められないという恐怖。 小説では読んでいてドキドキするのは圧倒的に「らせん」なのだ。 それに、小説リングではTVから貞子は出てきませんが、小説らせんではFAXから出てきます(笑) ほら、こっちの方が怖い(笑) 「呪い」だったものが「ウイルス」へ。 非現実的である「呪い」を主人公の医師が解き明かしてゆく。 前作の「呪いのビデオ」というオカルトを根底から否定して論理的に解き明かそうとするところが面白い。 その時点でこの作品はホラーではなくなっている。 そもそもビデオを見る事で人が死ぬというという事象に現実的な理由を付けることなど不可能な訳で、突拍子もない展開を見せるわけだが、決してトンデモ作品になってはいない。 医学に明るい人には「はぁ!?」なのかも知れないが、少なくとも私にはジャンルを突き抜けたスケールを感じる事ができた。 想像を遥かに上回る結末に舌を巻いた。 シリーズに相当な奥行きを与えたと思う。 |
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警察官、裁判官、新聞記者、元犯罪者と、警察とどこか関連のある4つの異なる立場の視点から描かれた4編の短篇集です。
事件は発生しますが、事件と言っても「警察手帳の盗難」などちっぽけなものばかりで迫力という点ではいまいちかも知れません。 どこか「警察あるある」的な軽さがあります。 些細な事件、些細なきっかけ・・・だったりするのですが、そんな些細な事が「動機」に繋がる。 人間の内面の弱いところにスポットを当てて、浮かび上がってくる「動機」に至るまでの過程を描いている。 そんな作品だと思いました。 正直、短篇集だと知らずに読み始めました。 面白かったのですが、男臭い長編警察小説を期待していたわけで若干拍子抜けくらったかな。 |
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キャリア官僚の視点で描かれた警察小説。
連続殺人事件が起こっているにも関わらず現場視点で描かれていないので緊迫感という点でどうかと思っていたが、そこには別の意味の緊張感が存在した。 警察内の不祥事と家族の不祥事。 それに対する決断までの苦悩が描かれます。ただそれだけの話なのですが、これがなかなかに面白い。 決定的に効いているのが主人公のキャラ設定な気がします。 「東大以外はクズ」と言い切る主人公。 実際官僚の世界では当然の事なのだろうが、無縁な私にとって、そんなセリフを主人公の口から聞かされるのは気持ちのいいものではない。 よく言えば「一本筋の通った男」と言えるが、堅物、融通が効かない、思考に柔軟性がない・・・などなど、これでは周りにいる人間は大変だ。 普通なら「最後に負けるキャラ」だ。 そんな彼がした決断は、最も正しいが、実際は一番有り得ない決断と言えるかも知れない。 物語前半で読み手に植え付けられた出世至上主義者が選択する決断ではないのだ。 どこか不思議なキャラである。 読了後もまだこのキャラに違和感を拭い去れずにいるのですが、出世街道から外れた彼が次回作以降でどんな活躍をするのか楽しみです。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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某宗教団体が事件を起こし、そういう団体の存在や危険性がフューチャされる前に書かれた作品、という事にまず驚かされる。
「ポア」という言葉が作品のキーワードになります。 某宗教団体とは違った意味で用いられているのですが、何故この言葉を知っているのかと不思議に思ったくらいです。 どうやら「死後の意識の移し変え」を意味するチベット仏教用語らしいですね。 井上夢人としては初読。 裏表紙に多重人格ミステリとあり、文庫本表紙のあの雰囲気、そしてこのボリューム。 少し重い作品を想像していましたが、岡嶋二人の抜群のリーダビリティは健在でした。 ・・・ていうか多重人格じゃないと思うけど。 正直謎解きの部分は並より少し下のレベルです。 私にとってハズレの少なかった岡嶋二人でしたが、う~ん、やっぱ(一人で描く)最初の作品ってこんなものなのかなー・・・って思っていたら最後の最後に突然それはやってきた。 余りにも唐突で、油断していると一瞬どうなってるのか分かんないかも知れません。 どんでん返しとは違うのだろうが、「ひっくり返される」ってこういう事を言うんだろうなと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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この作品には事件以外にもう一つの見どころがあって、登場人物の一人である推理作家により「アリバイ講義」が作中で展開されているんですね。
「やりたかったのかなー」って想像してしまう。 まぁ、江神は学生だし、火村にしても犯罪心理学者な訳で、彼らの口を借りて「アリバイ講義」を始めるのはおかしな話ですからね。 良かったんじゃないでしょうか。 で、事件の話。 序盤はアリバイ崩しに終始、しかもそれが「時刻表トリック」 この作者がこのような作品を描いていたんだという驚きがありました。 双子を上手く使って単なるアリバイ崩しで終わらせていないところはさすがだとは思いましたが、やっぱり受け身にならざるを得ない「時刻表トリック」は苦手で、読中は「つまんねーなー」でした。 で、第二の殺人が起きる事で物語は急転直下、加速度的に面白くなっていくのですが・・・ ▼以下、ネタバレ感想 |
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読む前と読了後ではかなり印象が変わった作品です。
読む前は「殉教カテリナ車輪」という意味不明なタイトルから、何か難しいものを想像していたんですけどね。 あるきっかけから某画家の事が気になり調査を始める美術館勤務の学芸員、その画家の手記、謎解きをする学芸員の同僚という3人の視点から描かれる三章構成は、物語の流れとしても非常にわかりやすく、またこの作者自身の文章も非常に読みやすく感じました。 まぁ全体を通して淡々としすぎていた感じはありましたが・・・ で、「(ほぼ)同時刻に発生した連続密室殺人。しかも犯人は一人。そして凶器も一つ」というコテコテのミステリーです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「ハサミ男」「鏡の中は日曜日」と読んだ私には、その普通さに若干驚かずにいれなかった。
ただそんな「普通」の中にも、この作者らしい趣向が凝らされており「やはりこの作者の作品は面白い」と思わせてくれる作品でした。 鍾乳洞、俳句、わらべ唄と横溝正史のオマージュ。 ただ、舞台は山奥の田舎であるものの閉鎖されている訳でもなく、村や家に受け継がれる風習や言い伝えだとか、それに伴うおどろおどろしい雰囲気もありません。 リゾート開発だったりバブル崩壊が介在してきて現代版横溝正史という感じです。 わらべ唄になぞらえたと思われた連続殺人も「誰も正確に覚えてもいない唄になぞらえても意味ねーだろ」と探偵役が一蹴するあたりも現代風。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「神様ゲーム」の続編。
で、不可謬な存在である神様はお馴染み鈴木太郎、小学校5年生で、何と今回はイケメンで降臨します。 鈴木は最初に犯人の名前を教えるだけで推理はしません。 推理をするのは鈴木の同級生達になります。変則的倒叙型と言えるでしょう。 彼らは探偵団を結成していますが、探偵団メンバは他の同級生と比べてその言動において抜けて大人びており「こんな小学生いねーよ」なレベル。 鈴木が不可謬な存在である事を前提として読むから無理くりつなげる事が出来ますが、作者はそこに「笑うしかないような偶然」を介入させています。 鈴木が指摘したゴールには、本来の推理小説の体では絶対にたどり着く事は出来ないように思う。 だから犯人だと分かっていても立証できるはずもなく告発もされない。そこに真実を知る者の葛藤が生じる。 これでもそれなりに面白いと感じていたのですが、そこはやはり麻耶雄嵩。 ここまで隠されてきた語り手の秘密が明らかにされ、そして事件そのものにも趣向を凝らした第4章。 私が「物足りないけどまぁ面白いかな」と感じていたこれまでが完全に前振りで、これまでの流れで読んでいるとミスリードを喰らってしまう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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この作品をわかりやすく表現すると、
作者「ほ~ら、ほら、騙すぞ~、騙すぞ~」 読者「そう簡単に騙せると思うなよー。俺はハサミ男も読んでるんだぞ(キリッ)」 「ドーン」 ←穴ぼこに気をつけながら慎重に進んでいたが、当たり一面の床がまんま抜けた感じ。(ドリフのコント風) 読者「そりゃないだろ(涙)」 これを味わいたい人には是非お薦め。 名探偵石動戯作シリーズの3作目らしい。 しかし登場人物一覧を見ても石動の名はない。過去シリーズを読んでいない私にとってまずこの人誰?なのだ。 しかも、名探偵?と首を傾げたくなるくらい何もしていない。 そして唯一の推理は、思い切り外してるというか当事者に一瞬で覆されているし。 あの「ハサミ男」の作者でもあり、何か意図的なものを疑ってしまった。のっけから完全に本質とはズレたところへ嵌り込んでしまった感じだ。 過去シリーズを読んでおくにこした事はないのだが、それでもこの作品が強烈な作品である事は理解できる。問題作だ。 参考文献に綾辻館シリーズがずらっと並んでいる。こういうのも余り見た事がない。 あぁそう言えばと頭をよぎったのが「黒猫館」と「迷路館」 オマージュという事らしいが、私には作者の「俺ならこう料理する」的な遊び心とちょっとした自信のようなものを感じました。 「ハサミ男」のレビューを書いた時に、「ちょっと偶然にも程がある」点があるとして星1つ落とした経緯があったのですが、だったらこの作品はいったい星を何個落とさなければならないのか(笑) まぁ「ハサミ男」を超えるインパクトをという作者の意気込みは十分汲み取ることは出来る。 正直無茶苦茶だと思うが嫌いではない。 「アンフェアにも程がある」のですが、それをわざわざ補強するミスリードの数々。 ただ、アホにでも気付くようにプンプンと臭いを垂れ流し状態にしている、あの構成。 で、これだけ警戒していても騙される。 「登場人物全員グルでした(実際は違いますよ)」・・・的なちょっと衝撃的な騙され方でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「開かせていただき光栄です」の続編。
主要登場人物も同じですし、前作の事件ありきの今作品ですから、さすがに前編を読んでいないと厳しいですね。 今回の主役は盲目の治安判事サー・ジョン。 確かに前作においても好キャラであったし不満ではないものの、バートン先生だけでなくダニエルズの登場が少ない。 ダニエルズの中心的存在であった二人が出奔中という事もあり、仕方ないのかなと思いつつ、いやいや終盤ではと期待していましたが・・・ う~ん想像していたものとはかなり違う内容。 所謂スピンオフ作品と言っていいのではないでしょうか。 それでも、腐敗した世の中で、他人の事をこれ程までに思い、その信念を貫き通そうとし続ける時代の弱者達。 前作もそうでしたが、この作者の描く感動は「安っぽくて薄っぺらい」感動ではないのです。 登場人物たちの、ある時は苦悩、またある時は喜びが、すっと入ってきます。一緒になって泣き、笑いが出来るのです。 背景や人物がしっかり描かれているからですね。 この作品については、バートンズの活躍を期待していた分、若干期待はずれの部分はありましたが、このシリーズは絶対にお薦めできますよ。 一名の退場者こそ出してしまいましたが、勿論これで終わっていいワケがない。更なる続編ありと思っています。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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白夜行の続編だという事を知らなくとも、勿論単品でも読めますし、小説としての完成度も高い素晴らしい作品です。
しかし白夜行の続編として読むと・・・白夜行に勝る所の無い作品。こういう評価にならざるを得ないです。 白夜行では、主人公である男女二人の視点からは全く描かれませんでした。 全編第三者から見た印象で語られたわけですが、このストーリーにこの手法を持ってきた事に驚かされたものです。 彼らの心情は正確には誰にも分からず読者の想像に委ねられる形で、実際色々な解釈が出来たはずです。 また、雪穂と亮二は過去の不遇を共有しており、悪事をはたらきながらも底辺から成り上がっていくその姿には、十分感情移入できる設定になっていました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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館シリーズ?の第2段。
前作同様、1つの物的証拠に徹底的に拘っての論理的消去法推理。 あくまでもロジックという姿勢は好感が持てるし、リーダビリティの高さも相まって好きだという人は多いだろう。 今作は、表紙の絵にもあるようにモップとバケツ。 事件発生現場が水族館という特殊な場所であるため、犯人の取った行動にも必然性という意味で納得できるものになっています。 別の可能性に対する推理抜けといった点でも前作のような粗さもなく、かなり進化しているように感じました。 難点を上げるとしたら容疑者の数が多いことか。 最後にあの動機を持ってくるのなら、もう少し容疑者の数を減らして、キャラの掘り下げをしたら良かったのではないかとも思います。 それとシリーズ化を意識しているのだろうが、事件と無関係な枝葉の話が多過ぎたようにも思われます。 柚乃の卓球の試合そして天馬と強豪校主将との関係や天馬の家族の登場、そして父親との確執。 そして、新聞部のイケメン副部長らの新キャラに、前作の関係者まで登場してくる。 容疑者が多い割に冗長な部分が多く、肝心な部分の描き込みが浅い。 そのため、動機と殺害方法が異様なまでにアンバランスに感じてしまいました。 でもまぁ続編が出たら是非読みたい。 という意味でもシリーズ化には成功しているのかなって思います。 |
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この作品は名作なのか?
趣向、アイデアは最高に面白いというか驚くべきというレベルと言っていいと思う。 なのに知名度がそれ程高くない(よね?)のは何故か? というのも納得できてしまうのである。 何故これ程のアイデアを、こんな作者の遊び心満載な作品に仕上げてしまったのか・・・ 古典本格をあまり読まない人、例えばカーを読んだ事のない人が読んだらどう思うのだろうか。 因みにカーのファンの人が読んだら複雑な気分になるという意見が多いようであるが・・・ あと「ノックスの十戒」のあの中国人に関する件を知らない人と知っている人では、作品内の「ある結末」に関する感じ方も違うはず。 これだけのプロットを、こんな「分かる人には分かる」的要素の含まれる作品で披露するべきではなかったのではと思いますね。 不満はそれだけではない(ネタバレにて) ▼以下、ネタバレ感想 |
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