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梁山泊 さんのレビュー一覧

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レビュー数271

全271件 241~260 13/14ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.31: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディの感想

テーマがマニアック故、絵画に対して造詣のない自分には敷居が高いかもと不安はありました。
また、エコール・ド・パリに関する薀蓄が多く披露されていますが、芸術音痴には思いもつかない形で事件と結びついているので、作者としても読み手にしっかり読ませる必要があります。
その点、素人にも理解できるように噛み砕いた解説がなされています。
幕間に作中作の形で挿入されていたのが良かったのかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
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エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社文庫)
No.30: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

メルカトルかく語りきの感想

麻耶雄嵩氏の作品は、ミステリの枠組みから相当逸脱しているだけでなく、予備知識を必要とする子ネタを多用するので、上級者向きの印象がある。
長編作品の場合、その逸脱っぷりに最後疲弊する事もあるので、この作品はある意味「麻耶雄嵩入門」として適した作品かもしれない。
最初の「死人を起こす」を読めば、「メルカトルは不可謬ですので、彼の結論も当然無謬です」の意味もおおよそ理解できるはずだし、アンチミステリな作風を手軽に味見できるだろう。

この作品は、アンチミステリというよりアンチフーダニットに特化した短篇集である。(変態である)
ミステリ的な手順をさんざん踏み、謎解きに注力するのだが、真面目にトリックを見破ろうと追従する読み手を、最後容赦なく千尋の谷に突き落とす。
ある意味、凄い前振りといえる。
唖然とさせられるが、短編の分、口が半開きになる程度で、それ程疲弊感は感じない。 何作か読んでいる内に、これが病みつきになるのだろうか。

個人的に、「収束」と「答えのない絵本」が好きである。
自分で言うのも何だが、これって至って「ノーマル」な気がしているのだが、違うだろうか。
そして「密室荘」の面白さが分かる人が「麻耶マニア」ではないだろうか。

メルカトルかく語りき (講談社文庫)
麻耶雄嵩メルカトルかく語りき についてのレビュー
No.29:
(7pt)

そして誰もいなくなるの感想

クリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュ。
「そして誰もいなくなった」既読者の先入観からミスリードを誘うといった趣向ではなく、最後までその見立てに拘った作品です。
ここまでやり切った作者はある意味凄い。


▼以下、ネタバレ感想
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そして誰もいなくなる (中公文庫)
今邑彩そして誰もいなくなる についてのレビュー
No.28: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

イニシエーション・ラブの感想

最後の2行でどんでん返しがある叙述トリックものという事を分かった上で読みました。
正直、苦痛でした(年齢的に)
じっくり読んで伏線拾いしようにも、電車の中では厳しかったです。
ブックカバーはしているとはいえ、これ程周りの目が気になった作品は初めてです。
めげずに最後まで読んでよかったとは思いました(面白かったですから)。 でも再読は勘弁です。


▼以下、ネタバレ感想
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イニシエーション・ラブ (文春文庫)
乾くるみイニシエーション・ラブ についてのレビュー
No.27: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

キングを探せの感想

法月氏が「密室殺人ゲーム」を始めたのかといきなり唖然とさせられました(笑

倒叙っぽく描かれてはいますが、4人による交換殺人であり、警察側では容疑者は本名で記述されますが、お互いニックネームで呼び合っているため、実際誰が誰を殺そうとしているのか、読み手にははっきりしません。
その点で、見方によっては、倒叙モノながらもフーダニット作品と捕らえることも出来、変わった趣向の作品だと思いました。


▼以下、ネタバレ感想
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キングを探せ (講談社文庫)
法月綸太郎キングを探せ についてのレビュー
No.26: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

『ギロチン城』殺人事件の感想

探偵役の二人が、城内に入り込むまでの展開が強引で、「これは期待薄」って感じで読み進めていたのですが、なんのなんの、面白かったです。
北山作品は、「アリス・ミラー城殺人事件」に次いで2作目でしたが、前作が、一撃脳天直撃の大技というイメージでしたので、よもやこんな、緻密に計算しつくされた作品が読めるとは思ってもいませんでした。
「物理の北山」堪能させてもらいました。


▼以下、ネタバレ感想
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『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫)
北山猛邦『ギロチン城』殺人事件 についてのレビュー
No.25: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

アクロイド殺しの感想

「叙述トリック」「意外な犯人」ものの代表といえるこの作品。
初読でしたが、犯人は既にわかっていたため、「伏線読み」を楽しむ事にしました。
想像以上に、伏線と思わせる箇所が多く、面白かったです。
「知人の心配」をしているようで実は「自分の心配」だったり、巧みに読者を騙しているような箇所もありましたが、中には、「これ書いたらバレるでしょ」というレベルのものまで多数あり驚きました。
そんな派手な伏線も、犯人を知らないで読んだとして、気付いたという自信は勿論ありませんが・・・
再読しなければ面白さがわからない作品かもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
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アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティアクロイド殺し についてのレビュー
No.24: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オリエント急行の殺人の感想

犯人の意外性が余りにも有名で、第一に語られる作品であるが、
恐らくこのトリックを最初に用い、且つこれほどの完成度の高さで描いた事が作者の偉大さを物語っている。


▼以下、ネタバレ感想
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オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.23: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーデュボンの祈りの感想

シュールです。
案山子が何故喋るんだと怒る人には向かないです。

舞台は外界と隔絶された孤島。
現実世界とそれ程乖離している訳ではないが、そこには不思議な人々、不思議な習慣がある。
そこに連れてこられた主人公と島で出逢った友人が、兎に角ひたすら島の中を歩き、数多くの不思議な島民と出会うお話です。



▼以下、ネタバレ感想
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オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂幸太郎オーデュボンの祈り についてのレビュー
No.22: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

0の殺人の感想

冒頭に読者への挑戦状があるという変わった趣向の作品です。
そこで容疑者がたった4人に限定されます。
それでも、フーダニットとして成立するという作者の自信が窺えます。
「やられた」というより「なるほどね」という感じの、余り類を見ない意外な結末で、面白い作品です。


▼以下、ネタバレ感想
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0の殺人 (講談社文庫)
我孫子武丸0の殺人 についてのレビュー
No.21: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

そして扉が閉ざされたの感想

限定された容疑者と舞台における、フーダニット特化の推理小説。
無駄は一切排除されており、その単純さが、テンポや緊迫感を演出しているように感じました。
容疑者は4人しかいないにも関わらず、種明かしされるまで犯人に気づきませんでしたから「まいった」って感じですね。


▼以下、ネタバレ感想
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そして扉が閉ざされた 新装版 (講談社文庫)
岡嶋二人そして扉が閉ざされた についてのレビュー
No.20: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

七回死んだ男の感想

SFミステリーのリピートもの。
「反復落とし穴」という体質を持つ主人公・大庭久太郎。
SFチックという事で、掟破りのハチャメチャトリックを懸念したが、そのルールを予め読み手にしっかりと説明している点はフェアで、「同じ日を9回反復する」というシンプルな設定なのでイメージしやすいと思います。
ただ、最後そのルールの盲点を突かれる訳だが、アンフェアとは言えないでしょう。
ただ「やられたっ」っていうより「やりやがったな(苦笑い)」ですが・・・

主人公の一人称で話は進みますが、この主人公、名前が「オバQ」って言うくらいなので、そこにシリアスな要素は皆無で、当然知的な印象を全く受けない。
また、他の登場人物も、一癖も二癖もある面白キャラに描かれており、全編を通してノリが軽く、コメディタッチで描かれている。
何せ、同じ一日の繰り返しが9回も続けて描写される訳なので、冗長になったり、いい加減鬱陶しくなったりもしそうだが、その辺を考慮して工夫されていると言える。


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤保彦七回死んだ男 についてのレビュー
No.19: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ゲームの名は誘拐の感想

狂言誘拐、そして物語の視点が誘拐犯側にあり、誘拐犯が仕掛けるトリックが、読み手に提供されているという嗜好が面白い。
つまり被害者家族の心理状態が隠蔽された形になっており、また警察の動きすら読み手からは窺えず、警察が動いている事を前提に犯人も動く。
誘拐モノの作品を沢山読んだ訳ではないが、この視点の逆転は凄く新鮮に感じた。


▼以下、ネタバレ感想
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ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
東野圭吾ゲームの名は誘拐 についてのレビュー
No.18: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

レイクサイドの感想

主人公である俊介視線で物語は進行していくが、この男不倫中かつ言動にもどこか冷めたところがあり好人物ではない。
東野氏お得意の、感情移入できない面々の物語であるが、この作品に限って言えば、その方が効果的と言える。
寧ろ、物語の性質上、主人公をもっといけ好かないキャラ設定にしても良かったと思う。


▼以下、ネタバレ感想
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レイクサイド (文春文庫)
東野圭吾レイクサイド についてのレビュー
No.17: 12人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

そして誰もいなくなったの感想

この作品における、ほぼ全ての犯行のトリックは緻密なものとは到底言えず、唯一のトリックらしいトリックといえる、例の肝の部分の叙述トリックも、当時の読者をさぞかし驚かせたであろうと想像できますが、今読むとありきたりです。
所詮古典?
古さを感じてしまうのは、この作品に登場した様々な手法が、後の推理小説や漫画でよく使い回されており、一度ならず目にした事があるからそう思うのだろう。
それだけ、後世の作品に与えた影響が大きかったと言う事だ。
古典は、現在の作品の土台となっている訳だから、現在の作品を超えるはずがない・・・はず・・・なのだが・・・
実際この作品をモチーフにしたなと思われる作品は、石を投げれば当たるというくらい多いが、この作品を超えていると言える作品は殆ど無いように思える。
この作品の既読者に、下手な先入観を持たせてミスリードを誘うという作品の多いこと。
あと、更に趣向を凝らしたつもりが冗長になっただけだったり・・・
この作品には無駄な部分がなく、贅肉を削ぎ落した感じで隙がない。
70年以上前に発表された作品とは思えぬ完成度の高さで、衆目一致で超えたと認められる作品は今後も登場しないのではないか。


▼以下、ネタバレ感想
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そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.16: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

りら荘事件の感想

50年以上も前の作品です。
大量の殺人が起こるのですが、今読むと取り立てて驚かされるようなトリックはなく、何れも小技といえる程度のものです。
しかも親切なことに「その時**は**に気付かなかったが、後になって考えてみると**だったのだ」のように、時々「天の声」が伏線の在処を教えてくれたりします。
昨今読者を驚かせる事ばかりを念頭に置き、どこに書いてあったかも思い出せないような些細な伏線を伏線とする作品が多い中、間違いなくフェアな作品です。
ラスト近くにいきなり名探偵が登場してドタバタと一気に伏線を回収していくのですが、張られた数多くの伏線に対して、強く印象に残っているので、混乱する事がありません。
伏線を、読者が納得行くように、分かりやすく、きっちりと回収してきれているという点で、本格推理モノとして高い評価を受けて当然の作品だと思います。
ただ探偵の登場が遅く、余りに名探偵過ぎる上に、人間的な描写も少なかったので、鮎川作品初読の自分は若干戸惑いましたが・・・
そしてこの探偵を引き立てるためなのか、私がこれまで読了した本の中で、警察の無能さは群を抜いています(笑

そして、やはりこれは仕方のない事かも知れませんが、何せ50年以上も前の作品ですので、どうしても古めかしさを感じずにいられませんでした。
特に、男女間の恋愛及び結婚の在り方やそれに対する考え方が現在とは大きく違っています。
これが、犯行の動機へと繋がる訳ですが、現在人には到底理解し難いですね。
あと視点が一定しない事も凄く気になりました。
ころころと変わるため、深い心理描写がなく、表面的なものにとどまり、連続殺人が起こっている割に、現場の緊張感、恐怖感、焦燥感などが伝わってこなかったのが残念です。

ただ、もやもやしたものも残らず、後読感も悪くありません。
テンポもよく非常に読みやすい作品です。
50年前の「本格」作品。 読む価値ありだと思います。 お薦めします。


▼以下、ネタバレ感想
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リラ荘殺人事件 (角川文庫)
鮎川哲也りら荘事件 についてのレビュー
No.15: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

ラットマンの感想

「ラットマン」とは、見方によって人の顔に見えたりネズミの顔に見えたりする錯視の一種。
この作品は「思い込み」が鍵を握る物語で、このタイトルが実に嵌っています。
前後の情報を元にして答えを導き出す人間の習性を逆手に取ったミスリードが秀逸です。


▼以下、ネタバレ感想
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ラットマン (光文社文庫)
道尾秀介ラットマン についてのレビュー
No.14: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

奇面館の殺人の感想

1ページ目から「あれっ?」と思うはずです。 巻頭に登場人物一覧の記述がありません。
そして、館に招かれた6人の客人が、各自身につけた仮面の名前で呼ばれており、本名が明らかにされていません。
「叙述の綾辻」 これは「十角館の殺人」風味の叙述トリックが期待できるのではと、当方序盤から前のめり気味。
しかも鹿谷が、序盤から全開で出突っ張りのワンマンショーを展開。
何より、ホラー、幻想色が薄いのが嬉しかった訳ですが、正直終盤大失速した感は否めませんでした。


▼以下、ネタバレ感想
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奇面館の殺人(上) (講談社文庫)
綾辻行人奇面館の殺人 についてのレビュー
No.13: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

『アリス・ミラー城』殺人事件の感想

定番とも言える孤島、城に、密室殺人、バラバラ殺人。
最後の数十ページまではよくある本格物ミステリーです。

私がこの作品を読んだのは、ミステリーを読み出して初期の頃でして、当時この手のトリックに全く免疫がなかったため、最初読み終えた時には何が何だかさっぱり分からず、まさに「はぁ?」状態で、ネタバレサイトのお世話になった後は、暫く「怒り笑い」が止まりませんでした。
しかし、更にえげつない同系のトリックを使った作品に数多く出会うにつれ、現在では評価が変わっています。
限りなくアンフェアに近いんだけど、まぎれもなくフェアですね。


▼以下、ネタバレ感想
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『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)
北山猛邦『アリス・ミラー城』殺人事件 についてのレビュー
No.12: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

マスカレード・ホテルの感想

刑事である新田は相手の仮面を暴くのが仕事、ホテルマンである山岸は相手の仮面を守るのが仕事。
こんな二人がコンビを組んで連続殺人事件に挑むお話。
舞台はホテル。
刑事、ホテルマンそれぞれの視点、経験から、お互い相手が見抜けなかった客の秘密を見抜いたりして推理は進みます。
なかなか面白い設定だと思いました。


▼以下、ネタバレ感想
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マスカレード・ホテル
東野圭吾マスカレード・ホテル についてのレビュー