■スポンサードリンク


梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数166

全166件 141~160 8/9ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.26: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

夏と花火と私の死体の感想

一人称描写で語り手が何と死体という斬新な作品です。
語り手の五月はわずか9歳の少女であり、彼女は非常に無垢な少女として描かれます。
その彼女が感じた事しか読み手に伝わらず、当然の如く非常に「浅い」のですが、その説明不足な部分が、読み手の想像力を駆り立て、独特の恐怖感を産み出すトリックになっていると感じました。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
乙一夏と花火と私の死体 についてのレビュー
No.25: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

グラスホッパーの感想

バッタは密集したところで育つと、黒ずんで凶暴な飛びバッタ(グラスホッパー)となるらしい。
同じように密集した世界で生活する「人間」だから、その中には凶暴な連中もいる。
伊坂氏十八番の、数人の視点から物語を紡ぐ形式の物語です。 今作は複数の「殺し屋」です。

これまで読んだ伊坂作品には、それぞれテーマがあって、こっそりとメッセージを記していた様に思います。
殺し屋による殺人が繰り返される中、この作品は、作者が結局何を訴えたいのか汲み取る事が出来ませんでした。(力不足)
最後のオチにも驚かされましたが、読み手によって色んな解釈ができる、そんな難しくて奥の深い作品な気がしました。

これだけ読後色々考えた作品は久しぶり。
面白かったというより、印象・思い出に残る作品になりました。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
グラスホッパー
伊坂幸太郎グラスホッパー についてのレビュー
No.24: 9人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

葉桜の季節に君を想うということの感想

どんでん返しがある叙述トリックものだという前知識はありました。
何となく純愛モノを想像して読み始めたのですが、(舞城王太郎とまではいかないまでも)その会話の品の無さ、軽さに、美しいタイトルとのギャップを感じていました。
これもミスリードだった訳ですね。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
No.23: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

重力ピエロの感想

「ピエロ」は身軽さの象徴であると同時に道化(自分を偽る)、それに対して「重力」は負荷。
タイトルの「重力ピエロ」とは、本当は負荷(苦悩)を抱えながらも、それを他人に悟られぬよう生きている奴という解釈で合っているだろうか。
これは、自分の出生の秘密を知って以降の春の人生に合致しているように思う。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂幸太郎重力ピエロ についてのレビュー
No.22:
(7pt)

世界は密室でできている。の感想

「土か煙か食い物」のスピンオフ的な作品になっていて、ルンババの少年時代の話です。
「あの人」との出会いのエピソードなども描かれていたりして、「土か煙か~」を読んでからの方が楽しめると思います。

大量の密室殺人が起こりますが、設定自体が冗談としか思えず、読み手を置いてけぼりの謎解きも相変わらずです。
この作品も推理小説として読むべきではないでしょう。
ただ、「土か煙か食い物」と比べて「非推理小説臭」が読み手にも伝わりやすい気がします。
この作品における「密室」とは、「閉ざされた心の空間」の事であり、人生において、自分の眼前に立ちはだかり密室を作っている壁を如何に乗り越えていくかがテーマです。
作者が伝えたい事は、容易に汲み取る事ができるでしょう。
あとは舞城氏独特の表現方法が、好みか好みでないか・・・ですね。

世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS (講談社文庫)
舞城王太郎世界は密室でできている。 についてのレビュー
No.21: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディの感想

テーマがマニアック故、絵画に対して造詣のない自分には敷居が高いかもと不安はありました。
また、エコール・ド・パリに関する薀蓄が多く披露されていますが、芸術音痴には思いもつかない形で事件と結びついているので、作者としても読み手にしっかり読ませる必要があります。
その点、素人にも理解できるように噛み砕いた解説がなされています。
幕間に作中作の形で挿入されていたのが良かったのかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社文庫)
No.20: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

メルカトルかく語りきの感想

麻耶雄嵩氏の作品は、ミステリの枠組みから相当逸脱しているだけでなく、予備知識を必要とする子ネタを多用するので、上級者向きの印象がある。
長編作品の場合、その逸脱っぷりに最後疲弊する事もあるので、この作品はある意味「麻耶雄嵩入門」として適した作品かもしれない。
最初の「死人を起こす」を読めば、「メルカトルは不可謬ですので、彼の結論も当然無謬です」の意味もおおよそ理解できるはずだし、アンチミステリな作風を手軽に味見できるだろう。

この作品は、アンチミステリというよりアンチフーダニットに特化した短篇集である。(変態である)
ミステリ的な手順をさんざん踏み、謎解きに注力するのだが、真面目にトリックを見破ろうと追従する読み手を、最後容赦なく千尋の谷に突き落とす。
ある意味、凄い前振りといえる。
唖然とさせられるが、短編の分、口が半開きになる程度で、それ程疲弊感は感じない。 何作か読んでいる内に、これが病みつきになるのだろうか。

個人的に、「収束」と「答えのない絵本」が好きである。
自分で言うのも何だが、これって至って「ノーマル」な気がしているのだが、違うだろうか。
そして「密室荘」の面白さが分かる人が「麻耶マニア」ではないだろうか。

メルカトルかく語りき (講談社文庫)
麻耶雄嵩メルカトルかく語りき についてのレビュー
No.19:
(7pt)

そして誰もいなくなるの感想

クリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュ。
「そして誰もいなくなった」既読者の先入観からミスリードを誘うといった趣向ではなく、最後までその見立てに拘った作品です。
ここまでやり切った作者はある意味凄い。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
そして誰もいなくなる (中公文庫)
今邑彩そして誰もいなくなる についてのレビュー
No.18: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

イニシエーション・ラブの感想

最後の2行でどんでん返しがある叙述トリックものという事を分かった上で読みました。
正直、苦痛でした(年齢的に)
じっくり読んで伏線拾いしようにも、電車の中では厳しかったです。
ブックカバーはしているとはいえ、これ程周りの目が気になった作品は初めてです。
めげずに最後まで読んでよかったとは思いました(面白かったですから)。 でも再読は勘弁です。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
イニシエーション・ラブ (文春文庫)
乾くるみイニシエーション・ラブ についてのレビュー
No.17: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

『ギロチン城』殺人事件の感想

探偵役の二人が、城内に入り込むまでの展開が強引で、「これは期待薄」って感じで読み進めていたのですが、なんのなんの、面白かったです。
北山作品は、「アリス・ミラー城殺人事件」に次いで2作目でしたが、前作が、一撃脳天直撃の大技というイメージでしたので、よもやこんな、緻密に計算しつくされた作品が読めるとは思ってもいませんでした。
「物理の北山」堪能させてもらいました。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫)
北山猛邦『ギロチン城』殺人事件 についてのレビュー
No.16: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

アクロイド殺しの感想

「叙述トリック」「意外な犯人」ものの代表といえるこの作品。
初読でしたが、犯人は既にわかっていたため、「伏線読み」を楽しむ事にしました。
想像以上に、伏線と思わせる箇所が多く、面白かったです。
「知人の心配」をしているようで実は「自分の心配」だったり、巧みに読者を騙しているような箇所もありましたが、中には、「これ書いたらバレるでしょ」というレベルのものまで多数あり驚きました。
そんな派手な伏線も、犯人を知らないで読んだとして、気付いたという自信は勿論ありませんが・・・
再読しなければ面白さがわからない作品かもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティアクロイド殺し についてのレビュー
No.15: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オリエント急行の殺人の感想

犯人の意外性が余りにも有名で、第一に語られる作品であるが、
恐らくこのトリックを最初に用い、且つこれほどの完成度の高さで描いた事が作者の偉大さを物語っている。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.14: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーデュボンの祈りの感想

シュールです。
案山子が何故喋るんだと怒る人には向かないです。

舞台は外界と隔絶された孤島。
現実世界とそれ程乖離している訳ではないが、そこには不思議な人々、不思議な習慣がある。
そこに連れてこられた主人公と島で出逢った友人が、兎に角ひたすら島の中を歩き、数多くの不思議な島民と出会うお話です。



▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂幸太郎オーデュボンの祈り についてのレビュー
No.13: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

0の殺人の感想

冒頭に読者への挑戦状があるという変わった趣向の作品です。
そこで容疑者がたった4人に限定されます。
それでも、フーダニットとして成立するという作者の自信が窺えます。
「やられた」というより「なるほどね」という感じの、余り類を見ない意外な結末で、面白い作品です。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
0の殺人 (講談社文庫)
我孫子武丸0の殺人 についてのレビュー
No.12: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ゲームの名は誘拐の感想

狂言誘拐、そして物語の視点が誘拐犯側にあり、誘拐犯が仕掛けるトリックが、読み手に提供されているという嗜好が面白い。
つまり被害者家族の心理状態が隠蔽された形になっており、また警察の動きすら読み手からは窺えず、警察が動いている事を前提に犯人も動く。
誘拐モノの作品を沢山読んだ訳ではないが、この視点の逆転は凄く新鮮に感じた。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
東野圭吾ゲームの名は誘拐 についてのレビュー
No.11: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

レイクサイドの感想

主人公である俊介視線で物語は進行していくが、この男不倫中かつ言動にもどこか冷めたところがあり好人物ではない。
東野氏お得意の、感情移入できない面々の物語であるが、この作品に限って言えば、その方が効果的と言える。
寧ろ、物語の性質上、主人公をもっといけ好かないキャラ設定にしても良かったと思う。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
レイクサイド (文春文庫)
東野圭吾レイクサイド についてのレビュー
No.10: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

りら荘事件の感想

50年以上も前の作品です。
大量の殺人が起こるのですが、今読むと取り立てて驚かされるようなトリックはなく、何れも小技といえる程度のものです。
しかも親切なことに「その時**は**に気付かなかったが、後になって考えてみると**だったのだ」のように、時々「天の声」が伏線の在処を教えてくれたりします。
昨今読者を驚かせる事ばかりを念頭に置き、どこに書いてあったかも思い出せないような些細な伏線を伏線とする作品が多い中、間違いなくフェアな作品です。
ラスト近くにいきなり名探偵が登場してドタバタと一気に伏線を回収していくのですが、張られた数多くの伏線に対して、強く印象に残っているので、混乱する事がありません。
伏線を、読者が納得行くように、分かりやすく、きっちりと回収してきれているという点で、本格推理モノとして高い評価を受けて当然の作品だと思います。
ただ探偵の登場が遅く、余りに名探偵過ぎる上に、人間的な描写も少なかったので、鮎川作品初読の自分は若干戸惑いましたが・・・
そしてこの探偵を引き立てるためなのか、私がこれまで読了した本の中で、警察の無能さは群を抜いています(笑

そして、やはりこれは仕方のない事かも知れませんが、何せ50年以上も前の作品ですので、どうしても古めかしさを感じずにいられませんでした。
特に、男女間の恋愛及び結婚の在り方やそれに対する考え方が現在とは大きく違っています。
これが、犯行の動機へと繋がる訳ですが、現在人には到底理解し難いですね。
あと視点が一定しない事も凄く気になりました。
ころころと変わるため、深い心理描写がなく、表面的なものにとどまり、連続殺人が起こっている割に、現場の緊張感、恐怖感、焦燥感などが伝わってこなかったのが残念です。

ただ、もやもやしたものも残らず、後読感も悪くありません。
テンポもよく非常に読みやすい作品です。
50年前の「本格」作品。 読む価値ありだと思います。 お薦めします。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
リラ荘殺人事件 (角川文庫)
鮎川哲也りら荘事件 についてのレビュー
No.9: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

ラットマンの感想

「ラットマン」とは、見方によって人の顔に見えたりネズミの顔に見えたりする錯視の一種。
この作品は「思い込み」が鍵を握る物語で、このタイトルが実に嵌っています。
前後の情報を元にして答えを導き出す人間の習性を逆手に取ったミスリードが秀逸です。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
ラットマン (光文社文庫)
道尾秀介ラットマン についてのレビュー
No.8: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

奇面館の殺人の感想

1ページ目から「あれっ?」と思うはずです。 巻頭に登場人物一覧の記述がありません。
そして、館に招かれた6人の客人が、各自身につけた仮面の名前で呼ばれており、本名が明らかにされていません。
「叙述の綾辻」 これは「十角館の殺人」風味の叙述トリックが期待できるのではと、当方序盤から前のめり気味。
しかも鹿谷が、序盤から全開で出突っ張りのワンマンショーを展開。
何より、ホラー、幻想色が薄いのが嬉しかった訳ですが、正直終盤大失速した感は否めませんでした。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
奇面館の殺人(上) (講談社文庫)
綾辻行人奇面館の殺人 についてのレビュー
No.7: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

マスカレード・ホテルの感想

刑事である新田は相手の仮面を暴くのが仕事、ホテルマンである山岸は相手の仮面を守るのが仕事。
こんな二人がコンビを組んで連続殺人事件に挑むお話。
舞台はホテル。
刑事、ホテルマンそれぞれの視点、経験から、お互い相手が見抜けなかった客の秘密を見抜いたりして推理は進みます。
なかなか面白い設定だと思いました。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
マスカレード・ホテル
東野圭吾マスカレード・ホテル についてのレビュー