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とも さんのレビュー一覧
ともさんのページへレビュー数22件
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生まれながら代々の京都人であることから、良きにつけ悪しきにつけ、寺社仏閣については馴染みはある。
個人的なことを言えば、私が通った高校の土地は寺の借地であった。 とはいえ、この高校、なにも寺が運営している私立ではなく 全くの公立高校である。 そうして、授業をサボって近所の喫茶店で溜まって麻雀ゲームなんかをしていると、明らかにこちらもサボっていると思われる僧衣のままの若い坊さんもタバコを燻らしながら麻雀ゲームに勤しんでいる。 教科書に載るような有名寺社の僧侶なんかは、ポルシェやフェラーリの乗り回している姿を万々目撃することも珍しくもなく、寺社の金権については、まったく違和感がない。 そんな下地で読んだ当作だったので、少々 批判的感情が入っていないとも言えないが・・・。 というわけで、当作表題となっている『本廟寺』は架空である。 もしやと思い、調べてみたが、そのような名前の寺はやはりない。 ただし、親鸞を祖とする浄土真宗の中の一派、真宗大谷派の総本山であり 正式名称「真宗本廟」が東本願寺であることからも、またその歴史的背景からも、同寺であることは明らか。 この浄土真宗総本山で起こる連続殺人事件となっている。 構成は井沢作品としてオーソドックスな、歴史モノを題材にした推理小説となっている。 推理小説として見れば、残念ながら、というかいつも通りはあるのだが、それほど大したことはない。 が、彼の本領となる歴史的側面を 推理小説に上手く取り入れ絡ませあう手法は、ただただ脱帽。さらに、彼独特の読みやすさとスピード感も健在で、一気に読めてしまう。 特に今回の作品で突出しているのは、仏教の歴史的背景はもとより、真宗の教義と現実の乖離、金、権力等々を生々しく伝えてくれるところに 格段に面白さ上乗せされた秀作となっている。 兎角、宗教というものは、ヒトは弱いものであり 楽な方へ楽な方へと流されてしまうことを認め、その弱さを理解し補う目的で 元は善意から発生しているのかもしれない。 それは本来、坊主も同様であるはずである。 が、その自浄作用を考えていなかった片手落ちか、年月が立ち その善意がお金や権力と結びつくことにより、もともとの教義は都合よく改変され保守に向かうのは、世界中の宗教共通であり、ある意味 一番 わかりやすく生臭いのかもしれない。 そんなことを、考えさせらる一冊であった。 了 |
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意味もなく、東野圭吾が読みたくなった。
積読が山となっているなかから、ネットなんかで評判のよさげな 相当前に買ったままになっていた『 トキオ(改題 時生)』を選び出して読み始める。 結論、読んで良かった。 これまでに読んだ彼の作品で印象深かったガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』や、『百夜行』『手紙』『秘密』なんかは、ストーリー性はもちろんだが、それ以上に 最後のどんでんに驚愕させられる 奇を衒うものが多かった。 それらと比べ 衒い方は小さいかも知れない。 とはいえ、じゃあ それらに比べて劣るかというと、決してそうではない。 難病の息子の死の間 際に、青年時代に息子と出会っていたことを思い出す父の青春時代の回想物語と設定自体は少々SFチックなれど、それ以外に意表を突くことない。 それよりは、淡々と息子がちょいグレ親父をまっとうな考えに向けさせるきっかけになるよう努力する、そんな少し変わった親子の絆の物語で、全体的にアップダウンは少ない。 とはいえ、そこは東野圭吾。 非常にテンポよく読みやすく、実に内容は濃い。 彼の代表作の1冊と十分に呼べる秀作であった。 了 |
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この作家の書く作品には、品がある。
当作ももれなく、上質で上品な一冊である。 物語は、矢上教授と呼ばれる70才も越えた非常勤講師が巣食う大学の片隅にある旧棟で起こる殺人事件だが、そこでは嵐による停電や非常階段が閉じられることにより密室と化してしまう。 そのなかで、他の教授や助手、学生たちの思惑や隠された事実が存在しながらも、ゆったりと状況を確認し原因を追求していくのだが、その探索の方法や雰囲気は矢上教授の醸し出すノーブルさと相まって、あくまでゆったりと静かである。 そうしながら、最後の数章で 事件の真相は どんでん返しとはまた異なる 深い理由が明るみにされ、それが思いのほか大きく展開され花を添えてクライマックスを迎える。 兎に角 休日の午後にゆったりと紅茶でも飲みながら、が似合う作品であった。 了 |
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日本史最大とも言っていい謎の一つが邪馬台国と卑弥呼。
その存在は 唯一魏志倭人伝に記載されているのだが、正確には中国の正史で65巻からなる『三国志』のなかの「魏書(魏志)」全30巻のなかの最終巻である烏丸鮮卑東夷伝の、更に最終章「倭」に記載されている。要は、中国正史の最終巻の最終条にほんの付けたしの様に記載されいるといってよいかと。 (※)魏書以外に呉書、蜀書という あの三国志でもお馴染みの3国の歴史が紀伝体で記されたものであるが、あくまで歴史書である。 (※)ちなみに、血湧き肉躍る あの三国志は正式名称を三国志演義という読み物であり、この三国志とは少々ことなるのでお間違えなきよう。 当作は表題の謎を、現代人が捜索しながら事件に巻き込まれ殺人事件が起こり・・・という。いつも通り ミステリーと邪馬台国と卑弥呼の謎の探求の2本命題となっている。 この歴史探求には、現代科学や彼の『祟り』理論を駆使して この謎を解き明かすのだが、彼の場合それだけにとどまらない。 それは、派生的というには大きすぎる謎や既に常識となっている事柄にまで追及の手が入る。 例えば、天皇家と神話の関係や、世界の宗教との関わり、伊勢・出雲・宇佐神宮の設立の謎などを次々に解き明かしていく。 その解明方法は、通説やそれに対する他方面の説を土台に独自理論を展開する井沢作品の常套で安心感甚だしい。 彼の作品には迷いがない。また、学者ではなく作家であることが 下手な束縛やしがらみを排除できる為か、常識とされえていることについてもどんどんと反論する様は圧巻。 いつかこの井沢説が立証される日がくるのか愉しみである。 了 |
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井沢元彦という作家、どうにも胡散臭い。
手当たり次第の歴史上の謎の解明が、ほんとうに理屈に合っているのかどうか 検証はしてはいないが、あまりにも明快すぎて 逆に嘘くさいくらい。 ただし間違いなく言えるのは、彼の見解がなんであれ、相当に文献を調べ尽くし、それをベースに彼独自の『和の思想』と『怨霊思想』を絡めて解明していく手法はいつも通り。 そんな訳で こんかいの作品は、表題い通り 『義経北行伝説』と『中尊寺金色堂の謎』解きとなっている。 「義経」といえば、日本で最初で最後の英雄。 その彼の最後が、平泉で匿われていた藤原氏から殺されたという歴史的事実に対して、実はそこでは死んでおらずに逃げおおして、北海道へ更には中国にまで渡って成吉思汗になったという伝説が未だに語り継がれている。 この日本史最大の伝説に真っ向と挑むのだが、それに現代の殺人事件を絡めた推理小説の形態になっているのだが、相変わらず軽い筆致で読みやすく出来上がっている。 解明した内容がどこまで信憑性があるのかは分からないが、平泉へ行ってみたくなる、そんな作品であった。 了 |
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久しぶりに奥田英朗を手にとった。
結構幅広い作品を書く作家だが、彼の魅力はなんといっても ハチャメチャな登場人物が魅力的なところであろうか。 『イン・ザ・プール』シリーズの医者 伊良部なんかは 徹底的にコメディー調だし、『サウスバンド』の父は元過激派。 どれもが強烈な個性の主人公と 、愛らしくも負けず劣らず個性的な登場人物たちは、結局はどれもが笑える作品なのである。 さて、それでは この『ウランバーナの森』の主人公はジョン。 これまでの作品に比べると、微妙に個性はない。 妻も、通う病院の医者も看護婦も、森で出会う人たちも、比較的抑え気味。 ただし、物語はあらぬ方向に どんどんと振れていく。 前半は、ジョンが便秘になることから始まる。 この便秘話が意外と長く、この辺りでは この本って何なんだぁ~って思って読んでる。 そのあと、話の筋があらぬ方向に。 この辺で、勘のいい人は 主人公が誰なのか察しが着く。 そうして最後には、思いがけず ほのぼのと優しくハッピーエンドを迎えることになるのだが、兎に角 ウィっとに飛んでいる。 バカ笑いじゃなく、コメディータッチがら読ませる当たりは流石。 まぁ楽しめる本であり、相変わらず外さない作家のひとりです。 了 |
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大当たり!!
今回、彼女の作品を初めて手に取りました。 ファンタジー大賞受賞作ということで 数年前に購入したものの、この題名から なかなか食指が動かないまま、未読の山に埋まったままになっていた。 が、読んでみてそんな懸念は一蹴。 時は近未来の日本。 北関東の沿岸に『江戸』と名付けられた治外法権、鎖国状態の地域があり、そこでは 江戸時代さながらの暮らしを営んだ世界がある。 そんな設定のなか、そこでは いろいろな事件が発生しながら、それを解決するというストーリーながら、巷に転がっている ただ時代風俗を楽しむ江戸時代ものとは一線を画しており、現実に存在する通常の現代社会との関わりも一興。 もうひとつの魅力、六尺六寸というから 体長196cm 、173kg 巨魁の女奉行を筆頭に、主人公の辰次郎ほか松吉など、登場人物が非常に魅力的でこの作品を大きく盛り立てている。 了 |
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前回読んだ 『隻眼の少女』に気を良くして、2作品目になる。
作品自体の雰囲気はよく似た感じで、どことなくオドロオドロしいホラーチック(決してホラーではないので、苦手な人ご心配なきよう)な雰囲気は 昔の横溝正史を彷彿とさせる。 この作品、意味のある登場人物も多く またその個々の社会のなかでの位置づけなどの関連性も絡んでくることから、複雑で混乱をきたしがちな呈はあり、なかなか頁が進まない。 この作品、主人公 珂允(カイン)が、殺された弟 襾鈴(アベル)の謎を追って というか鴉に襲われて知らぬ間に地図にも無い村に迷い込むところからスタートする。 この兄弟の名前、ピンと来る人もたくさんいるであろう あの聖書のカインとアベルを同名であり、彼らがこの作品とどのように関連するのかしないのか、また閉鎖された村に巣食う神=大鏡を中心とした政治権力構造、次々と起こる不可解な殺人事件と、最後まで飽きが来ることもなく読み進められ、また推理小説による技法も至るところに散りばめられており、本格と呼ぶにふさわしい作品である。 とはいえ、読み終えたところで その結末の驚きとともに理解しがたい箇所があり、ネットで説明を求めてやっと全ての作者の意図が出来た次第でもあり、その文書構造は複雑である。 というわけで、非常に手の込んだ作品であり大作である反面、万人向けかというとそうでもなく、ある程度の読書歴と本格推理になれている方にはお勧めの一冊となる。自身のある方、一度挑戦を(笑) |
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北京原人の化石が日中戦争中に紛失したのは有名な話で、いま見られるのはレプリカ。
その紛失の謎が現代の殺人事件と相り、どんどんと枝葉が付き、最後は日本敗戦の理由にまで飛躍する。 が、鯨の論理は大したもので、相変わらず・・・「あるかも」。 とにかく、一興の価値ある作品で、単に読み物としてだけでも楽しめる1冊。 |
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以前に読んだこの作家の作品「メルカトル~」は、兎に角 下品で胸糞の悪くなる作品で途中で放棄、二度とこの作家の作品を読むことはないと思っていたが、ひょんなきっかけからこの作品を手に取ってしまった。
読み進める上で前述の作品とは打って変わって、本格推理に変貌を遂げていた。 概要とすれば2部構成となっている。 第一部は、主人公で冴えない自殺を考えて鄙びた温泉宿に来た青年と隻眼の探偵少女が出会うところからスタート。 連続殺人事件に遭遇し いったんは解決を迎えるだけの話であるが、内容的にもなにかしっくりとせず、また文体筆致も読み進めづらく、面白くはない。 それが、第二部は突然18年後にぶっ飛ぶのだが、前部とすべてがガラリと変わる。 ストーリーとしては、18年前 事件解決後に自殺に失敗したものの記憶喪失になって別人と暮らしてきた主人公と新聞で事故死した名探偵となった隻眼の少女、という前提からはじまるのであるが、始めからは雰囲気がガラリと変わる。 郷愁もあり再び温泉に向かう主人公が出会うのは、瓜二つの隻眼の少女の娘。そこでまた事件が始まり。。。 後半はとにかくスピーディーで、過去と現在の問題が同時並行で進んでいく。そうして前半の違和感も徐々に払拭されていくのだが、これこそ本格推理という具合に、意識は犯人探しにやっきりになっている。 どんでん返しがあることが予測できるので、その伏線を意識して読み進めるも 結末は凌駕するはず。 奇を衒った様相は 正に現代版横溝正史で、あくまでレベルの高い本格推理小説と呼ぶにふさわしい、なっとくの1冊であった。 了 |
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井沢元彦は、パクリ作家です。
ただただ、人の説を学説をひたすらにパクりまくる。 とはいえ、そのどれもが面白いのである。 当作は、歴史上の歌人 猿丸と歌聖 柿本人麻呂が同一人物である、という説を押しまくる。当説は作中でネタバレしているが、大昔に読んだ梅原猛の『水底の歌』が題材になっている。 なれど、主人公に折口信夫をおきながら、ところどころに金田一京助はじめ、東条英機や南方熊楠を配置させたり、百人一首と万葉集にいろは唄を混ぜるなど、興味を引き物語に引き込む手法は、ある意味本当の意味での小説家かもしれない。 無理にSF仕立てにしているところやミステリー調にしているところは頂けないが、そんな些事を消し去る暗号など、とにかく飽きさせない。 ふと思い出すのが、一時期のめり込んだ自称ハードボイルドの落合信彦なんかと同んなじ匂いで、ただただ楽しめる小説であった。 |
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重厚かつ壮大な自然の中、ひとりの男の生涯を記した大作であり小説というよりは文学作品ある。といって、途中 ダレることもなく進むストーリー、スピード感、リアリティーは突出しており、傑作なのであろう。もしこのテーマが金融であったり、現代工業であったり、世界相手であれば、全く作品の様相も異なっていたであろうし、時代背景がせめて江戸、明治まで遡っていてくれたらもう少し歴史的な感慨もあったのであろうがが、悲しいかなそのテーマが大正という中途半端な時期で、マタギという熊撃ちなのが余りに地味で時代錯誤過ぎるが故に、チッポケな内容に感じずにはいられない。要は、内容に全く夢がなく、楽しめないのである。とはいえ、それであっても最後まで緊迫して読み進められる作家の力量は傑出しており、大作と呼べる作品である。
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兎に角、ワクワクする。天草四郎はじめ登場人物は歴史上のスーパースター、それが敵味方に分かれて。何度読んでも楽しめる一冊。
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面白い。初めは、3つのエピソードという全く違うエピソードが流れ、本題に入るとこれまた1つの章に短い別個の短編の破片が複数含まれ、当分はこの形式は変わらない。よって、大まかな登場人物と流れが分かるまでは非常にとっつきづらい。が、これらの関連が見えてくると、そこからは一気読み。まぁ、表題の通り火と台風が主役で、人は脇役という面白い公正ながら、メインの台風が 予測からだんだんと近づき、突入、一過するように登場人物の動きが変化してくその緩急や、一種自然に形成される(台風による)クローズドサークルの中で発生する事件・事故がミステリー的緊迫感を生じ、プロットは言うに及ばず多面的に楽しめる作品。最後の収束まできっちりと書き込まれており、作者の力量に評価。最後のエピソードが、これまた絶品。
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ちょうどおやじがすい臓癌の疑いと聞いたときに、たまたま手に取ったのがこの本。その時に読んだのが、一話目の「三つ目の鯰」。あまりにもタイムリーでのめりこんでしまった。音楽もそうだが本もその時の気分が大いに左右される。はまればはまる。
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面白い。飛び抜けて面白い。約30年ぶりに郷愁で読んでみたが、全く古さを感じない。最後に光明があるところも、小松左京らしい。
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途中までは何でもないストーリーで、単に子供の話かと思いきや、中盤からのスパートたるや 驚くべきスピードで展開、また展開。長い間忘れていた、他人に対する無償の気持ち、というものが思い出せた、のかなぁ。兎に角、どんでん返しの連続で楽しませ、最終的には綺麗に優しく落ち着く理想的な小説だった。
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最初のプロローグで殺人現場に立つ。その後、場面が代わり夫婦の息子が無謀運転による交通事故で死亡するが、運転手は有力者で罪をもみ消されるにいたり、という最初流れであるが、このプロローグが曲者。後半戦は一気に法廷闘争の場面に変わるが、そこで初めてミスリードであったことに気づかされる。その経緯がきれいにまとまりながら終息に導かれていく。罪は罰せられなければならない。が、現実的には誰もが逃げたい気持ちがあるのも確か。その時にたまたま揉み消す力があれば、行使したくなるのもこれまた人間的。確かに飲酒は罪である。が、決して故意でも悪意があるわけでもない。被害者と被告、どちらの立場に立っても理解が出来るが故に悲しい物語でもある。
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この本をよくある陰謀小説と読むか、ノンフィクションと読むかは、読者の判断に委ねられるところ。仮に前者スタンスで読む場合、まぁよく出来ている。プロットはもちろんだが、ストーリー、人物描写、スピード感どれをとっても圧巻で、途中でやめられなくなる。後半はおおよそ答えも見えてきて、少々尻すぼみ感は拭えないが、最期の最後に書かれたハイチの予言は不気味であり、また東日本もどうだったんだろうと、ちょっと真剣に考えてみたりして。。。兎に角、迫力がある作品。
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