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とも さんのレビュー一覧
ともさんのページへレビュー数6件
全6件 1~6 1/1ページ
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何故か「神」という言葉に惹かれる。
別に過去になにかの宗教に偏ったこともないし、今後もおそらくないであろう。 とはいえ、なぜかしらに この語句があると手に取ってしまうのだ。 今回 当書は再読であったのだが、それは結局のところたまたま 題名に興味が惹かれて手にとってしまったとしか言いようがない。 要は、以前に読んだことすら忘れていて、読み始めても全く読んだことを思い出さず、半分位に差し掛かった時になって初めて、「あれっ!読んだかも?」ってことで、読書メモを引っ張り出して初めて確認が出来た、がもう半分位読んでしまったし 「最後まで読んでしまえ」ってことで、読んだに過ぎない。 それくらいに陰も薄く、というよりは数年前に読んだ当時のメモでは、相当の酷評だった。 では、今再読して何か変わったかといえば、同じく酷評になってしまうのだが、それでは面白くないので 良いところだけを拾い出してみようかと思う。 概要としては、ある言語学者が謎の言葉「古代文字」の書かれた石室に連れ出されることから始まる。 彼がこの言語を「神の文字」と認識する過程には論理学が用いられている。 わたしも一時、論理学をかじったことがあるのである程度は分かるが、作家の知識は相当に希薄で、(論理記号は最低5つなど)極論すれば間違っているのではあるが、それでもサイエンスの部分を化けや物理、数学にもってくるSFが多い中で論理学を用いたSFは数少ないであろう事から、それだけでも評価の対象かと。 そして、その論理が神の存在の根拠としまた、世界各国に散らばる奇跡と呼ばれるものと結びつける所などは、まぁこの時代 日本SFの創世記の作品としては、致し方ないというか、頑張った作品であろう。 そういった点を甘く見て、SFのフィクションではなくサイエンス部分を取り上げた点だけでも、評価しておこうかと思う。 最終結末が赦せない部分はあるにしても、全体を通して読み物として楽しめはするかと。 ということで、評価は前回に比べると少々アップすることになった。 了 |
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お気に入りの作家で、もともと非常に高いレベルに期待値がある為、通常レベルの作品では満足できないところに、ほかの作家の作品を読む場合と異なり、大きなビハインドを背負っている。
そういったことが前提とはなるものの、伊坂作品としては、内容も登場人物もパンチのない作品。 ヒトは自分の理解できる範囲でその少し上の能力を持ったモノを天才といって賞賛するが、理解不能な上回り方をした場合、嫌悪感を抱くしかない。 例えば陸上で、100mを10秒を切れば凄い、おそらく今後9秒を切るようなものが出てくれば おそらく世界の賞賛を浴びるであろう。が、仮に100mを5秒で走る人間が出てきた場合、ヒトは彼に喝采を浴びせるであろうか。。。 この作品の主人公もそういった、理解不能なレベルで野球の能力がある人間であり、それが故に なにかと不幸がもたらされる。 しかし、彼得意の登場人物の魅力も得意の伏線も、プロットも徹底的なヒール役も出てこない。 時と場合により、僻み根性の小悪党がちょっかいを出す程度。 そうして ファンタジーもワクワクドキドキの高揚感もなにもないままに、なんとなく終息を向かえる。 あと、シェークスピアのマクベスを知らなければ、更にこのおもしろみは半減するであろう。 とはいえ、どちらにしても、ん~非常に残念な駄作。 了 |
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前読 「カエル男」や「ドビュッシー」に引き続きの3作目。
過激なミステリーの期待値をもって手にとったため、大幅な主観をもって読み始めたことは否めない。 前半は楽器の盗難や破損という小さな事件はあるものの 淡々と音大生の学生生活やその苦悩、葛藤がクラシック音楽の楽器、オーケストラなどの説明とともに語られる。 それがあまりに淡々としすぎて、ミステリーを読んでいるのか音楽小説を読んでいるのかわからなくなってくる。 中盤よりは、徐々に主人公の恋人?親友の病、脅迫状と話しが展開していく。 とはいえ、それでも大きな変化ではない。 その後 表題のラフマニノフやチャイコフスキーの調べとともに、ほぼ予測出来る程度のわずかなどんでん返しはあるものの、最後まで静かに終息に向かう。 期待値が違うところにあったため、非常に物足りないと思ったものの、それを除いたとしても凡作としか言いようのない残念といわざるを得ない一作。 了 |
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まったくの期待はずれ。
ホラーは好きではないが ホラーというほどの怖さもなく 、SFチックであるが深みがなく、サバイバル性もそれほどでなく、ゲーム感覚といってもおもしろみもなく、バトルロワイヤル的なれどそれほどの殺し合いもなく、とにかく いろいろな要素がこれでもかと詰め込まれてはいるものの、すべてが中途半端。 以前に読んだ 『黒い家』、これは究極のホラーであった。 それ故か、期待値が高かった分、その失望も大きい。 内容は極めてシンプルでネタバレになるために書く事ができないが、目を覚ませば見たこともない奇妙な形をした岩山に挟まれた峡谷にいて・・・・という、小説ではよくよくある 「ここはどこ?わたしは誰?」的なスタートで、無理やりに読者を物語に引きずり込む。 そうして、やはりヒロインと出会い、敵とであい、知恵を使い、戦い、はてさてハッピーエンドになるのかバッドエンドなのか。 そうして、最後にタネ明かしをするというだけの、しつこいようだがありきたりのストーリーと使い古された肉付けがひたすらになされているだけの娯楽小説。 というわけで、わたしにとっては 残念ながら読む価値のない一冊だが、あまりこういったタイプの小説を読んでない方には、読みやすくスピード感も臨場感もあり、ストーリー性もそれなりにあるので楽しめるかも。 評価が分かれる作品ではあろう。 |
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当書は今までの主流の忍剣のスピンアウトとなる、成り立ちを記した作品。なので全体的には説明的要素が多く、また中盤はいつもながらのトーナメント方式で中だるみでだらだら感は否めない。が後半はスピード感もあり、きっちりと話を収束させられる山風節。内容としては室町初期にまで遡り、柳生/服部はもとより、足利義満、世阿弥、中条兵庫ほかほか当時のスーパースターが勢ぞろいでそれだけでも十分楽しめる一冊。
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