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靖国への帰還
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靖国への帰還の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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この作家さんのファンというわけではありませんが、 歴史そのものにも興味があり、タイムスリップ物が好きなので読みました。 一言でいうと、作りが残念。 主要脇役の、いかにも金持ちのバカ女とバカ男のような兄妹が物語の雰囲気をぶちこわしている。 | ||||
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著者は後書に 「靖国神社問題を考えるきっかけになればと思って書いた」 「(本書は)あくまでエンターテイメント」 と書いています。 この言葉どおり、正面から語ることを忌避されがちな靖国問題を、 時空も世代も死線も超えて燃え続ける純愛の物語を読みながら考える という稀有の体験ができる本でした。 ■ 靖国問題 ■ 実在の元海軍飛行科予備学生、武者滋中尉をモデルとした主人公を、 現代にタイムスリップさせて、靖国神社問題を語らせています。 タイムスリップから後は架空ですが、タイムまでの戦争中の話は、ほぼ実話です。 厚木航空隊の小園司令、武者中尉、山下飛曹などの実在の人物が実名で登場しますし、 昭和20年5月の横浜空襲時に厚木の302海軍航空隊の 月光(偵察員:武者滋中尉、操縦員:山下馨飛長)によるB-29二機撃墜も実話です。 「死んだら靖国で会おう」と誓って月光に乗って、実際にB-29と戦った 武者滋中尉が語る日本の現状への警鐘には、重みがあります。 ■ エンターテイメント ■ エンターテイメントとしては、戦争中に出会った男女の、時を超えた純愛と、 世代も超えた恋があります。強く印象に残るストーリーですし、設定もとても巧みです。 死んで靖国に還るのでなく、死んだら愛する人(自分)の心の中に還って来てきて欲しい と思う女心は、涙をさそいます。 | ||||
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武者さんが訴えていることは今の日本にある人たちが掘り下げて考えつずけて行かなくてはならないことなんだろう。 登場する人たちの考え方が一人一人丁寧に書かれていてさすがに内田せんせ 最後は涙涙です。 | ||||
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この作品を読んでまず感じることは、小説には何らかのテーマが必要だということです。どんなエンターテインメント小説でもテーマがなければ読み応えはありません。(同じことは映画にも言えることですが) 本作品はある実在の人物像を借りて、靖国神社問題について一説を投じた意欲的な小説です。読みながら考えさせられることがとても多く、戦時下に於ける兵士たちの思いが伝わってきます。 ここに登場する主人公と同じような思いは、戦後生まれの私も感じています。 今でも戦争に関わることの多い国アメリカに対して、どこの国もその戦争責任を追及できないのはあまりにも非常識過ぎはしないか? 無差別本土空襲、原爆投下、ベトナム戦争での薬剤散布、どれをとっても人道的に許される行為ではありません。なのにいつまでも責任を追及できないでいるこの有様に腹が立ちます。 著者の思いがとても強く感じられる作品でした。 | ||||
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靖国神社論としては実に浅い。 首相の公式参拝についての論も、ある程度の知識がある人にとっては、何度も聞いた事のあるありふれたものばかりだ。 靖国論としては、どこかの著書を引用したような平凡なものばかりだ。 漫画ではあるが、小林よしのりの「靖国論」の方が深い気がする。 活字で靖国神社や、A級戦犯について論を展開するなら、もっと掘り下げられるはずである。 一方、物語としても浅い。 英霊として祀られている主人公を通し、大東亜戦争の意味や、戦後の日本の繁栄と堕落を描いているが、タイムスリップという設定が陳腐すぎるし、恋人との交流も中途半端にしか書かれていない。 大東亜戦争を生き抜いた軍人を通して戦後の日本を振り返るという物語なら、福井晴敏の「終戦のローレライ」の方がはるかに重厚で面白い。 せっかくの重厚なテーマなのに、結局、浅見光彦シリーズと同じようなアッサリ読める軽い作品になっているのが残念だ。 歴史物としても、SFとしても、恋愛物としても、全て中途半端。 色んな要素を少しずつ盛り込んでいるだけ。 数十年に渡って読み続けられるような作品ではない。 ただ、この作品が出て良かったと思える点が一つある。 一般人、特に女性で、靖国神社や、A級戦犯について、正しく理解している人は非常に少ない。 左翼系マスコミによって植えつけられた「軍国主義的なもの」という負のイメージを漠然ともっている人がほとんどだろう。 その人達に、内田はキッカケを与えた。 内田康夫という、多くの女性読者に支持されているメジャー作家が、靖国問題を取り上げた。 この意味と効果は非常に大きい。 靖国神社について、全く知識のなかった人や、誤った負のイメージを持っていた人に、この問題について考えるきっかけを与えたという意味での貢献度は大きい。 これはマイナーな作家や学者では不可能だ。 大新聞やテレビ局が、靖国神社を軍国主義の象徴にように報道し、中国や韓国の主張をそのまま垂れ流している中、メジャー作家である内田がそれに疑義を呈した事の効果は大きいはずだ。 そこだけは大いに評価したい。 どんな正論であろうが、マイナー作家が何を書いても一般国民には届かない。 | ||||
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靖国神社論としては実に浅い。 首相の公式参拝についての論も、ある程度の知識がある人にとっては、何度も聞いた事のあるありふれたものばかりだ。 靖国論としては、どこかの著書を引用したような平凡なものばかりだ。 漫画ではあるが、小林よしのりの「靖国論」の方が深い気がする。 活字で靖国神社や、A級戦犯について論を展開するなら、もっと掘り下げられるはずである。 一方、物語としても浅い。 英霊として祀られている主人公を通し、大東亜戦争の意味や、戦後の日本の繁栄と堕落を描いているが、タイムスリップという設定が陳腐すぎるし、恋人との交流も中途半端にしか書かれていない。 大東亜戦争を生き抜いた軍人を通して戦後の日本を振り返るという物語なら、福井晴敏の「終戦のローレライ」の方がはるかに重厚で面白い。 せっかくの重厚なテーマなのに、結局、浅見光彦シリーズと同じようなアッサリ読める軽い作品になっているのが残念だ。 歴史物としても、SFとしても、恋愛物としても、全て中途半端。 色んな要素を少しずつ盛り込んでいるだけ。 数十年に渡って読み続けられるような作品ではない。 ただ、この作品が出て良かったと思える点が一つある。 一般人、特に女性で、靖国神社や、A級戦犯について、正しく理解している人は非常に少ない。 左翼系マスコミによって植えつけられた「軍国主義的なもの」という負のイメージを漠然ともっている人がほとんどだろう。 その人達に、内田はキッカケを与えた。 内田康夫という、多くの女性読者に支持されているメジャー作家が、靖国問題を取り上げた。 この意味と効果は非常に大きい。 靖国神社について、全く知識のなかった人や、誤った負のイメージを持っていた人に、この問題について考えるきっかけを与えたという意味での貢献度は大きい。 これはマイナーな作家や学者では不可能だ。 大新聞やテレビ局が、靖国神社を軍国主義の象徴にように報道し、中国や韓国の主張をそのまま垂れ流している中、メジャー作家である内田がそれに疑義を呈した事の効果は大きいはずだ。 そこだけは大いに評価したい。 どんな正論であろうが、マイナー作家が何を書いても一般国民には届かない。 | ||||
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2時間ドラマではいつも拝見しているけれど、書物として読むのは何年ぶり・・・の内田作品。 22歳の武者滋はB29を迎撃、2機撃墜するが被弾し墜落・・・するはずが、現代の厚木基地にタイムスリップしてしまう。 靖国神社に奉られている本人の気持ちが、現実に語られることは無い。 だからこそ、小説という形の中で、戦争で散っていった尊い命を、どう考えていったらいいのかを、 そして毎年夏になると取りざたされる首相や閣僚の参拝問題は、 いったい何を見て、何を見ていないのかを、滋の言葉で、残された人々の言葉で語らせている。 「死んだら靖国で会おう」それが当時の兵士達の唯一の心の拠りどころだったなんて、 純粋すぎて、哀しすぎて、涙が止まらなかった。 私の娘も滋と同じ22歳、戦争中で無く、平和な時代に生まれたことを幸せに思わずにはいられない。 そして、2度と、戦争はおこしてはならないと強く思った。 | ||||
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2時間ドラマではいつも拝見しているけれど、書物として読むのは何年ぶり・・・の内田作品。 22歳の武者滋はB29を迎撃、2機撃墜するが被弾し墜落・・・するはずが、現代の厚木基地にタイムスリップしてしまう。 靖国神社に奉られている本人の気持ちが、現実に語られることは無い。 だからこそ、小説という形の中で、戦争で散っていった尊い命を、どう考えていったらいいのかを、 そして毎年夏になると取りざたされる首相や閣僚の参拝問題は、 いったい何を見て、何を見ていないのかを、滋の言葉で、残された人々の言葉で語らせている。 「死んだら靖国で会おう」それが当時の兵士達の唯一の心の拠りどころだったなんて、 純粋すぎて、哀しすぎて、涙が止まらなかった。 私の娘も滋と同じ22歳、戦争中で無く、平和な時代に生まれたことを幸せに思わずにはいられない。 そして、2度と、戦争はおこしてはならないと強く思った。 | ||||
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本書は靖国神社を題材にしたフィクションで、戦時中の航空隊員が現代へタイムスリップするという設定で描かれています。 ストーリー自体はある程度先が読めてしまって残念でした。 しかしおそらく本書の持つ意味は、その物語の面白さというよりは現在の靖国神社が抱える問題を率直に表したところにあるのでしょう。 そしてそれを「内田康夫」という多くの人間が認めるベストセラー作家が書いたところに意味があるのでしょう。 内田氏が本書を出すことによって、これまで靖国問題に関心を持ってこなかった、あるいは関心の薄かった方たちに少しでもこの問題への興味を促すことが出来たとしたら、本書は「物語」の意味を大きく飛び越える役割を果たしたことになります。 靖国神社に祀られている当事者の気持ちを僕達は聞くことが出来ません。 そしてまた、世間一般で語られている靖国論議は当事者の方々の気持ちを全く置き去りにしたものばかりであることも事実です。 基本的に本書で語られる靖国論は「靖国神社に祀られている当事者の立場に立った」と仮定しての靖国擁護論であると思いますが、きちんとその他の反対意見の記述もあります。 それによって、立場の違いによる主張の違いもあるんだということを提示しているのには好感が持てました。 靖国論だけではなく戦前と戦後を比較した魂の荒廃を憂いているような記述もちらほらあって考えさせられました。 現代の若者にこそ読んで欲しい書ではないでしょうか。 | ||||
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本書は靖国神社を題材にしたフィクションで、戦時中の航空隊員が現代へタイムスリップするという設定で描かれています。 ストーリー自体はある程度先が読めてしまって残念でした。 しかしおそらく本書の持つ意味は、その物語の面白さというよりは現在の靖国神社が抱える問題を率直に表したところにあるのでしょう。 そしてそれを「内田康夫」という多くの人間が認めるベストセラー作家が書いたところに意味があるのでしょう。 内田氏が本書を出すことによって、これまで靖国問題に関心を持ってこなかった、あるいは関心の薄かった方たちに少しでもこの問題への興味を促すことが出来たとしたら、本書は「物語」の意味を大きく飛び越える役割を果たしたことになります。 靖国神社に祀られている当事者の気持ちを僕達は聞くことが出来ません。 そしてまた、世間一般で語られている靖国論議は当事者の方々の気持ちを全く置き去りにしたものばかりであることも事実です。 基本的に本書で語られる靖国論は「靖国神社に祀られている当事者の立場に立った」と仮定しての靖国擁護論であると思いますが、きちんとその他の反対意見の記述もあります。 それによって、立場の違いによる主張の違いもあるんだということを提示しているのには好感が持てました。 靖国論だけではなく戦前と戦後を比較した魂の荒廃を憂いているような記述もちらほらあって考えさせられました。 現代の若者にこそ読んで欲しい書ではないでしょうか。 | ||||
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大東亜戦争を戦っていた若い日本人兵士が現在にタイムスリップするという、 まあ、よくある話である。ただ、内容は示唆に富んでいる。具体的なお話が 知りたければ読んでいただきたい。 作中で今の時代の政治の様子も描かれているが、意図的に似せたのだろう。「江 場総理」もアナグラムだ。 靖国神社を巡る議論は、一応今のところ静かになった。しかし、本質的に解決と いうか多くの国民のコンセンサスが取れている問題ではない。なにかの拍子に 問題はまた再熱するだろう。 その際に忘れてはならないのが、今や声なき先人の気持ちを想像することだと 思う。 靖国神社ができたときにいた人は今はもういない。歴史のある施設なのに、「今」 生きている我々の視点だけで問題を考えるのではだめだろう。過去の人がどういう 気持ちで「靖国で会おう」と言ったのか。生きている人同士での約束なら、どちら かの都合が悪くなったらいつでも変更できる。しかし、もう彼らはこの世にいない のだ。靖国神社の代替施設などあり得ない、というのは少なくとも間違いない。 先人がつくった「物語」をいかに受け継いで未来の人に渡すか。真剣に考えるき っかけを与えてくれる作品である。 | ||||
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大東亜戦争を戦っていた若い日本人兵士が現在にタイムスリップするという、 まあ、よくある話である。ただ、内容は示唆に富んでいる。具体的なお話が 知りたければ読んでいただきたい。 作中で今の時代の政治の様子も描かれているが、意図的に似せたのだろう。「江 場総理」もアナグラムだ。 靖国神社を巡る議論は、一応今のところ静かになった。しかし、本質的に解決と いうか多くの国民のコンセンサスが取れている問題ではない。なにかの拍子に 問題はまた再熱するだろう。 その際に忘れてはならないのが、今や声なき先人の気持ちを想像することだと 思う。 靖国神社ができたときにいた人は今はもういない。歴史のある施設なのに、「今」 生きている我々の視点だけで問題を考えるのではだめだろう。過去の人がどういう 気持ちで「靖国で会おう」と言ったのか。生きている人同士での約束なら、どちら かの都合が悪くなったらいつでも変更できる。しかし、もう彼らはこの世にいない のだ。靖国神社の代替施設などあり得ない、というのは少なくとも間違いない。 先人がつくった「物語」をいかに受け継いで未来の人に渡すか。真剣に考えるき っかけを与えてくれる作品である。 | ||||
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とても良い話ですが、 SFとしては、設定がご都合主義で安っぽさがいただけない ただ、テーマがテーマだけに、考えざるを得ない 逆にこんな重いテーマを、こんな安易な設定で語ってよいのかという違和感も残る やっぱり、英霊は語ってはいけないのかもしれないが、 語れなければ、中国韓国が歴史を捏造して押し付けるだけであろうし 作家としては一文を残したかったのか? それにしても、この設定の古めかしさは何とかならなかったのだろうか? 戦国自衛隊のいい加減さを思い出してしまう | ||||
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とても良い話ですが、 SFとしては、設定がご都合主義で安っぽさがいただけない ただ、テーマがテーマだけに、考えざるを得ない 逆にこんな重いテーマを、こんな安易な設定で語ってよいのかという違和感も残る やっぱり、英霊は語ってはいけないのかもしれないが、 語れなければ、中国韓国が歴史を捏造して押し付けるだけであろうし 作家としては一文を残したかったのか? それにしても、この設定の古めかしさは何とかならなかったのだろうか? 戦国自衛隊のいい加減さを思い出してしまう | ||||
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この小説は、世に出ている靖国は是か非か?という類の内容で はなく、様々な立場の登場人物の思想や考えを盛り込んだ上で、 『もっと大事なことを、みんな忘れてませんか?』 ということを現代の日本人に問いかけている。 靖国問題に対する一般的なジレンマを踏まえながらも、 『靖国神社という場所』に対して、昔この場所を心の拠り 所にしていた我々の先祖の想いや願いは、宗教や政治の問 題とは別次元の、日本人の精神文化の象徴ではないか、と いうことを著者は言いたかったのだと思う。 先の大戦で日本は一度リセットされ、その結果、目まぐるしい発展 を遂げた。しかし、消してはいけない大切なものまでリセットして しまった。断絶し、失ってしまった日本の精神文化を、今後私たち 一人一人が学んでいくことで初めて、『もはや戦後ではない』と 言えるのではないだろうか。 | ||||
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この小説は、世に出ている靖国は是か非か?という類の内容で はなく、様々な立場の登場人物の思想や考えを盛り込んだ上で、 『もっと大事なことを、みんな忘れてませんか?』 ということを現代の日本人に問いかけている。 靖国問題に対する一般的なジレンマを踏まえながらも、 『靖国神社という場所』に対して、昔この場所を心の拠り 所にしていた我々の先祖の想いや願いは、宗教や政治の問 題とは別次元の、日本人の精神文化の象徴ではないか、と いうことを著者は言いたかったのだと思う。 先の大戦で日本は一度リセットされ、その結果、目まぐるしい発展 を遂げた。しかし、消してはいけない大切なものまでリセットして しまった。断絶し、失ってしまった日本の精神文化を、今後私たち 一人一人が学んでいくことで初めて、『もはや戦後ではない』と 言えるのではないだろうか。 | ||||
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靖国神社や大東亜戦争について論じる書籍は、世の中に数多ある。しかし、勉強しようという意気込みのある者には良書であっても、一般の人にその類の本を薦めたとて、退屈の域をでず、結局読了できないで終わるのが落ちである。それに引き換え、この本は、プロ中のプロの小説家が書いた小説であり、とにかく面白い。引き込まれる。そして、その中に、多くの日本人に伝えなくてはならないメッセージが多分に含まれている。 今、最も必要とされるのはこの本ではないだろうか。まさに、待ち望まれていた一冊といえよう。 | ||||
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靖国神社や大東亜戦争について論じる書籍は、世の中に数多ある。しかし、勉強しようという意気込みのある者には良書であっても、一般の人にその類の本を薦めたとて、退屈の域をでず、結局読了できないで終わるのが落ちである。それに引き換え、この本は、プロ中のプロの小説家が書いた小説であり、とにかく面白い。引き込まれる。そして、その中に、多くの日本人に伝えなくてはならないメッセージが多分に含まれている。 今、最も必要とされるのはこの本ではないだろうか。まさに、待ち望まれていた一冊といえよう。 | ||||
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B29と交戦、被弾して厚木へ帰還した夜間戦闘機「月光」。 負傷し、意識を失っていた搭乗員が目覚めた時、そこは見知ったはずの基地ではなかった。 戦争中の日本から、いきなり現代の日本へへタイムスリップした若者が見たものは‥。 いつまでも「靖国」で右往左往する日本に、著者は祀られている者の口を借りて、 〈恐らくは〉著者の思いであろう意見を吐露している。 現在のさまざまな状況を鑑み、「そんな単純なものじゃ、ないんですよ」と言葉を挟ませたり、 論争させたりしているが、著者は、「祈り」とは単純であたりまえ、宗教以前にまず祈る心がある、 と喝破する。 死者の前で真摯たれ、が日本の習慣だと言う。 「覚悟」と「責任感」のない、今の世の中に、怒りを通り越して、絶望しているかのような 内田康夫がいるのだと思った。 誰しも死にたくはない。 だからこそ、国を守るために死んだ人たちを祀り、その死によって自分たちが生かされている ことに、感謝するのだ。 靖国は、人を祀ることによってその行為を顕彰しているのだと、思う。 本書を読んで、すなおにそんな気になれた。 他国の思惑ばかり気にしている政治家の皆さんに、是非読んでいただきたい。 戦死者に、国として敬意を表さないのは日本だけなのだから‥。 | ||||
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当初の舞台は昭和20年5月の厚木基地方面上空。 本土に焼夷弾を撒き散らすB29を迎え撃つべく、死闘を展開する日本航空隊。 凄まじい場面の連続で、手に汗握るばかりだが、間もなく舞台は平成19年の現代に移行する。 物語は靖国神社の存在意義について、非常に多方面の角度から検証する。 それは、太平洋戦争の戦時、平時である現在、兵士の家族や恋人、そして戦死した英霊の立場からと、 これでもかという程、多くの角度からスポットを当て、靖国を通して太平洋戦争を見つめる。 物語中では、タイムスリップという、非現実的な現象も起きている。 この事には当初は違和感も感じるが、物語の凄まじさの前には、霞んでしまう。 それにしても、兵士と恋人の関係から見た靖国はやりきれない。 その切なさに引き込まれて、一気に読み進んだ。 靖国を通して、太平洋戦争そのものを問う、重いテーマの本書。 とても平常心では読めない。 | ||||
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