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死刑台のエレベーター
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死刑台のエレベーターの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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何年経っても色褪せない名画「死刑台のエレベーター」。 今ではあの、有線電話などの機器類が時代を感じさせるが、それも見ようによっては時代の味わいともいえる小道具だ。 そして源へ遡り読んだ原作「死刑台のエレベーター」。 結論は、この映画を見落とすな、そして原作を読んでみてほしい。 ここには映画にはなかった源流の風景が広がっていて、間違いなく魅了される。 | ||||
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前半はなかなかスリルのある展開で楽しめますが、これ以降が腰砕けでよろしくありません。 ご都合主義でした。 あまりに映画が有名な作品ですが、本のほうは似て非なる内容です。 娯楽ものとして割り切ればアイデアもありそれなりには読めます。 しかしストリーがやはり映像向きなのは否めません。 | ||||
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創元推理文庫は本文に入る前の最初のページにあらすじと簡単な解説があります。そこで話は全部尽きていて、本文を読んでもそれ以上意外なことはなにも起きません。とくにみんながうすうす気づいているように、殺人を犯したジュリアンを中心に描写をしていかなければ、サスペンスなど生まれよう筈がありません。巻末の解説では、主人公(?)のジュリアンとは無関係に起きる殺人の、そこにいたる過程の描写がこの小説のキモだと言うのですが、逆にそこがダメなんだと思います。要するに延々200ページくらい伏線を張る作業に費やすわけで、その間読んでいて退屈です。ようやく面白くなってくるのは、ジュリアンがエレベーターから出てからです。でも、先に書いたように、別にそこから読者にとって意外な展開があるわけではなく、オチらしいオチがあるわけでもない、なんだか後味もすっきりしない小説です。サスペンスではなく、皮肉な運命の小説として読めば、多少面白くなくもない、と言った程度です。有名な映画の原作ということで、期待して読んだが、若干期待はずれでした。 | ||||
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ルイ・マル監督の処女作として「死刑台のエレベーター」の名は良く知られており、むしろ、その映画のストーリーが独り歩きしてしまっているのでしょう。 私の中の「死刑台のエレベーター」と、この本で読む「死刑台のエレベーター」は似て非なるものでした。 エレベーターに閉じ込められると言うプロットは共通しており、これは実際良く思いついたものだと思います。(尤も、今のエレベーターは階の途中で止まることのないように制御されていますが・・・) このエレベーターへの閉じ込め事件が、実際に起こした犯罪では完全犯罪を成立させながら、その間に車を盗んだ若者たちによる犯罪の罪をかぶる結果に至らせると言う、いかにも皮肉なストーリーになっています。 こう話を纏めると、主人公はこの完全犯罪を目指したジュリアンの様に思えますが、作者は彼の描写に多くを割いていません。 むしろ、彼の「不在」の間に起こる様々な出来事を微に入り際に入り表現しています。 そのことがこの本の特徴なのですが、一方で何となく話が散漫な印象も与えます。 正直、個人的には、ジュリアン中心に、その心理描写を徹底した方が良かった様な気がしなくもありません。 その意味では、映画のストーリー展開の方が納得が行きます。 このあたりは好みの問題でしょう。 | ||||
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ルイ・マル監督の処女作として「死刑台のエレベーター」の名は良く知られており、むしろ、その映画のストーリーが独り歩きしてしまっているのでしょう。 私の中の「死刑台のエレベーター」と、この本で読む「死刑台のエレベーター」は似て非なるものでした。 エレベーターに閉じ込められると言うプロットは共通しており、これは実際良く思いついたものだと思います。(尤も、今のエレベーターは階の途中で止まることのないように制御されていますが・・・) このエレベーターへの閉じ込め事件が、実際に起こした犯罪では完全犯罪を成立させながら、その間に車を盗んだ若者たちによる犯罪の罪をかぶる結果に至らせると言う、いかにも皮肉なストーリーになっています。 こう話を纏めると、主人公はこの完全犯罪を目指したジュリアンの様に思えますが、作者は彼の描写に多くを割いていません。 むしろ、彼の「不在」の間に起こる様々な出来事を微に入り際に入り表現しています。 そのことがこの本の特徴なのですが、一方で何となく話が散漫な印象も与えます。 正直、個人的には、ジュリアン中心に、その心理描写を徹底した方が良かった様な気がしなくもありません。 その意味では、映画のストーリー展開の方が納得が行きます。 このあたりは好みの問題でしょう。 | ||||
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’56年発表、’58年邦訳の、今に至るも長く読み継がれている、ブルガリア生まれのノエル・カレフによるフランス・ミステリー界を代表する古典的サスペンス。’57年には、ジャンヌ・モローとモーリス・ロネ主演で映画化もされている。またこの10月には吉瀬美智子や阿部寛らの出演で日本映画としてロードショー公開もされる。 パリのとある週末のオフィスビルで輸出入会社社長ジュリアンは高利貸しの男を自殺に見せかけて撃ち殺す。“完全犯罪”成立だ。しかし犯行の証拠となりかねない書類があること思い出し、取りに戻ったジュリアンはビルの守衛によって電源を落とされたエレベーターに閉じ込められてしまう。 ストーリーは、決死の脱出を試みるジュリアンと併行して、彼が閉じ込められている間に若いカップルが彼のクルマを盗んで郊外へ行き、そこで起こしてしまう殺人事件が描かれる。そして、月曜日の朝、ようやく解放されたジュリアンを待っていたのは証拠もすっかり揃ったその殺人事件の容疑だった。取調べの場でも裁きの場でも、彼は自ら犯した高利貸し殺しが露見してしまうので、36時間もエレベーターに閉じ込められていたというアリバイが証明できないのだ。果たしてジュリアンの運命は・・・。 物語の前半に張られた伏線の妙。登場する何組かのカップルの追い詰められたような人間模様の数々。そして何より“完全犯罪”を目論んだものの、皮肉としか言いようのない、思いがけない偶然の罠に嵌ったジュリアンの焦燥と苦悩と恐怖。本書はそれらが重層的に積み重なった第一級のサスペンスである。 | ||||
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映画が面白すぎたせいか小説版も是非読みたいのだが時すでに遅しというやつで置いてませんどうか早く再販売を | ||||
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作者の代表作で映画化もされた。映画の音楽はマイルス・デイヴィスが担当し、その先鋭的なジャズ・サウンドは評判を取った。カレフの題名の命名のうまさには定評があり、本作や「その子を殺すな」等暗示的かつ哲学的な題名は印象に残る。 男はアリバイ工作をして殺人を犯す。ところが忘れ物に気付き建物に引き返すのだが、運の悪い事にエレベーターが故障してしまう。勿論、誰かに助けを求める事はできない。独力で脱出しようと試みるのだが中々脱出できない。時間が経ってしまうとアリバイも無くなってしまう。この辺の男の焦燥感が本作の読み所であろう。やっとの思いで脱出に成功するのだが、そこで男を待っているものは...。 全篇に漲る緊張感と最後の皮肉なオチが秀抜なサスペンス小説の傑作。 | ||||
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この作品は、面白かった。一級品のサスペンス小説といってもいいだろう。1956年に出版された翌年には、早くもルイ・マル監督に目を付けられて、映画化されたというのもうなずける作品だ。ノエル・カレフは、週末のオフィス・ビルのエレベーターに閉じ込められた主人公が脱出し、帰宅するまでの悪戦苦闘振りと、その間に、外で繰り広げられている数組の男女の刻一刻と進展するドラマを、早いテンポで、頻繁に場面転換を繰り返しながら描いていく手法を取っており、その流れの中で、一体、いつ、何が起こるのか、読者を惹き付けるサスペンスと期待感に溢れているのだ。後の主人公が逮捕されてからの展開では、こうした描写の中に、主人公が蟻地獄に落ちていかざるを得ない伏線が綿密に張られていたことも明らかにされており、この間の描写は、文句なく、秀逸だ。ただ、この物語は、主人公が本当の事情を明かせない理由が「同じ穴のむじな」的なものであることから、読者に、「どちらの理由で逮捕されても同じじゃないの」と思わせてしまう構造上の弱点を抱えていることも事実で、解説者は立場上?擁護しているのだが、唐突で、強引とも思えるエピソードまで持ち出しており、主人公が身に覚えのない容疑で逮捕されてからの展開は、やや凡庸なものに終わっている感は否めない。持っていきようによっては、超一級品の作品になっていただろうにと、惜しまれる。 | ||||
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そう・・・個人的に後味の悪さは「わらの女」の次ぐらいでした(これほめ言葉ですけど)。特に主人公と仲の悪かったある人物の意外な行動とその結末がなんというかアレでした。それから原作者はひょっとしてサルトルが嫌いなのでしょうか(笑)。以上に述べたところが映画には(たぶん)一切なく、小説を読んでから映画を観ると「なんだこりゃ」となるかもしれません。あと、これを読んでから、運転している車をちょっとでも離れるときは鍵をかけなきゃと思いました。 | ||||
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本書が原作の同邦題の映画は、よくできていて好きな映画の一つ、何度も見ているのですが、小説を読んだことはありませんでした。映画がよければ小説のほうはつまらない、小説はおもしろかったのに映画のできはいまひとつ、ということが(悲しいことに)多いから。そのため、今まで気にはなっていたものの未読のまま、今回はじめて小説を読んでみたのですが、映画と比べても遜色のないおもしろさ、主人公の心理描写は小説のほうが上で、焦り、苦悩、絶望感などは、映画よりもものすごく胸に迫ってきました。小説は読んだが映画はまだ、という人はぜひ映画を見て比べてみてください。私のように、映画は見て気に入ったが小説はまだ、という人、ぜひ読んでみてください。後悔しませんよ。 | ||||
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