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火の粉
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火の粉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全178件 161~178 9/9ページ
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「犯人に告ぐ」を読んだあとの作者の2作目。淡々とすすむストーリーながら、どんどん引き込まれていく。元裁判官の隣に越してくる隣人の、薄気味悪い微笑が目にうかぶような、冷え冷えとした恐ろしさ。私も転居転勤の多いほうですが、隣人は自分で選べない。そんな隣人がどんな人となり、どう距離感を保つのか。自分ならどう接するのか。本当に怖くなった。 同時に育児ノイローゼ、嫁姑問題など現代的問題も盛りだくさんで、サービス満点。ただ楽しめる、秋の一点。 | ||||
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私が読んだ、雫井さんの小説2冊目がコレ!。最初に読んだ「犯人に告ぐ」もそうだったのだけれど、なぜか、終わりに近づくにしたがって、一気に読まないといられなくなる。かといってしかけとかトリックが特別であるということではないのですが・・・。この小説も、「犯人に告ぐ」同様、TVドラマには最適なストーリーかもしれない。よくありそうな題材のような気もするが、でもこんなことがよくあったら怖いけどね。とにかく、疲れているときは、読むのはやめよう!寝不足になってしまうので。 | ||||
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はじめは、いよいよスタートする裁判員制度のこともあって、法廷や冤罪のこと、又は、最近多かった犯罪被害者・加害者の遺族・家族の物語、乃南アサの「風紋」野沢尚の「深紅」東野圭吾の「手紙」のような話なのかと読み進めていくと、途中は、ヒッチコックの映画のように犯人と自分だけが真実を知っていて追い詰められいく恐怖、最後は、90年代のサイコスリラー映画の・・・という一気読みの面白本でした。 | ||||
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かなりホラー色の強い作品だ。元裁判官、梶間勲の隣に越してきたのは、勲によって無罪となった男・武内。そして、その後、梶間家に振りかかる謎の事件。事件は本当に偶然なのか?それとも故意によるものなのか?故意によるものだとしたら、それは武内によるものなのか?勲、尋恵、雪見・・・梶間家のそれぞれの視点で武内を見る。それぞれがそれぞれの視点で武内を見て、それぞれの反応を示し、やがて崩壊していく家族。そして・・・。正直、ストーリーそのものはかなりありふれたものだし、栄光一途や虚貌のようなあっと驚くどんでん返しも無い。それでも、読む手が止まらない作品だった。 | ||||
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物語は小さな章ごとに細かく分かれている。それぞれの章で主語となる人物が違い、初めのうちはとにかく焦点が定まらず視点がさまようが、物語がすすむにつれて少しずつ視点がさだまり、その中に潜む恐怖が徐々に露わになってゆくさまは見事。クライマックスは畳み掛けるような奇怪な事件の連続でハラハラするが、その割りに結末が拍子抜けする感もあるところなどは少し残念な点ではある。しかし、普通の日常を送っているわれわれ読者でも、ふと隣を見るとそこにありそうなほど、どんな人間でも抱くであろう感情が、全ての恐怖の原因になっている点は、これまでのミステリー小説とは異なる着眼点で、大変興味深い。かなり読み応えのある内容であると感じた。 | ||||
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サスペンスであるが実にヒューマンなドラマまるでドラマ見ているような展開と読みやすさ。次々と降り掛かる「火の粉」の様が文章からじわじわと侵食してくる。ロビンウィリアムスの主演の映画で「one hour photo」というのがあったがそんな不気味さ、病的なまでの(犯人の)思い込みが感じられる。犯人探しのサスペンスではなく、あきらかに最初から怪しいのだが、確信が最後まででてこない面白さ、犯人の言葉になんとなく読者もだまされていくような感覚を十二分に感じられる。文庫では上下巻だった「虚貌」にもまして一冊にまとまった「火の粉」は読みやすく感じられた。「冤罪」「裁判官」「幼児」、よく取材がされていてそれもまた読みやすさのひとつであったと思う。それぞれに顔をもった家族や心に変質と思われるほどのキズをもってしまったキャラクター設定は秀逸。また、家族とは、「所詮赤の他人の集まり」という部分と「心の強い結びつきの共同体」という家族のあり方の二面性も小説の中で描いていることに注目です。 | ||||
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これは展開に嵌るとなかなか面白い小説だ。「虚貌」でも終盤魅せた一気に読ませると言った作家らしい書き方がここでも上手に発揮されている十も思う。タイトルもナイスだ。 元裁判長の梶間勲。勲が死刑かと思われた一家3人殺害事件の被告武内を無罪とした。そしてその2年後の現在。隣の空いた土地に引っ越してきたのは2年前に無罪判決を下した武内。何を思いわざわざ裁判長の隣に越してきたのか。そして武内の存在が梶間家に与える影響は。勲達一家は火の粉を振り払うことが出来るか。 うん。なかなか面白い題材だと思うがこれをどのように小説化していくかが作家の見せ所になってくるが。「虚貌」で福井晴敏から賛美を受けていたが並の作家じゃない、というのは容認済み。その中で読んだ本作。「虚貌」のような意外性はないもののスリリングな展開はストーリーを大いに盛り上げてくれる。 前述した「虚貌」でもそうだが更にスピーディーであり中盤からは一気に読ませてくれる。なかなかこう、家族がいる中で登場人物をそれぞれ創り上げて更に展開をそれで盛り上げよう、というのは難しい気がするのだが。妻や息子の嫁の視点から見る武内の存在。そして事件の遺族は。 ラストは「リセット」のように大方は見え透いているのだが。それでも終盤のゾクっとする感じは耐え難い。それに加え恐怖感も襲いかかる。本作を書くのはやはり容易じゃないだろう。勲にしても誰にしても武内の性格と存在の意味を見分けなければならない。それが叙述でゆっくり分かってくるだけに手が止まらなくなる。 最新作「犯人に告ぐ」は福井晴敏、横山秀夫。そして途中が気になって風呂で読んだという伊坂幸太郎に絶賛されている。これもまた面白く、より雫井脩介という存在が大きくなったものだと思う。読んでいないがそのうち読めるといいな。如何せん双葉社なので文庫化されると探すのが大変だからなあw | ||||
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雫井さんは天才ですね…早く寝たい日には読まないことをオススメします。いつも寝る前に本を読むのですが、この本は、読むにつれどんどん目が冴えて、続きが気になって気になって、気づけば外は明るくなっていました。すごいです。覚悟して読んでください。 | ||||
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世間を騒がせた事件が無罪となり、その事件を最後に退官する主人公大学で教鞭をとる主人公に2年の歳月の流れは事件に巻き込まれる、穏やかな日々を慢性化させるに十分だった元裁判長を主人公に置き、私刑判決の重荷と人が人を裁く裁判の難しさ見破れなかった真実が火の粉となり周囲の人々に飛び散る謎が解明されてゆく結末で、ミステリーとして構成の甘さが若干残るしかし、事件に巻き込まれて行く元裁判長の性格や背景が緻密なためぐいぐい読まされる | ||||
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自分が無実を言い渡した被告がある日、隣に越してくる。そして、親切ではあるが、ひたひたと自分の家庭が浸食されていく。ひとつの事件から自分の降りかかった「火の粉」を振り払う事ができるのだろうか。いや~怖いです。ぞっとする話です。あきらかにいっちゃってました。その彼が最後に壊れていく瞬間の描写がとてもうまかった。 | ||||
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1年前に起きた一家3人殺人事件、裁判官の梶間勲は、被告人の武内に、証拠不十分として無罪の判決を言い渡す。2年後梶間は裁判官を退官し、大学教授となった梶間は武内と再会し、梶間は武内をゼミに呼ぶ。その後偶然隣りに武内が引っ越し、梶間の家庭と家族付き合いが始めまる。……設定にちょっと無理があるが、エンターテイメントとしては申し分なし、一気に読まされた | ||||
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一番最後に、心に残った言葉は「死人に口なし」今回の場合は、悪い意味でかな??しかし、自分(裁判官)が「無罪判決」を言い渡した人間が、自分の隣に越してきて、それから、裁判官の家族の中に、取り入っていく様は、すごいなあ・・・そして、気に入らない相手は、「排除」していくという今回の犯人。彼は「異常な性格」を持っており、自分を、受け入れてくれる人間には、なんでもし、少しでも受け入れられないとなると、どんな些細なことであっても、「殺し」にまで発展してしまう。かなりな極端な性格。+「自傷行為」つき。こんな人間に太刀打ちできるのだろうか??読んでいて、どんどん化けの皮が剥がれる犯人にゾクゾクした。 | ||||
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無罪判決を言い渡されながらも冤罪者をみる世間の目にはどこかに「もしかしたら本当は・・・」という疑惑を含んでいる。いくら人より温かく優しくしていても彼は「もしかして・・」という疑念を拭い去ることが難しい。それに加え彼の周りに起こる事故、不幸、トラブル。はたしてこれらの事は彼の仕業?それともあの人が?無罪判決を下した元裁判官の隣に越してきた冤罪者。このこと自体、偶然なのか?意図的なのか?事の次第が全て明らかになるラストまで一気に読み通せる秀作。特に家庭の中における主婦の立場の描写が絶妙で女性には特にお薦めします。 | ||||
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犯罪小説にホラー小説のエッセンスを加えたようなミステリー。冤罪をテーマとした物語だが、硬く思い文体ではなく一気に読みこなさせる。有罪か無罪かの有無を問うよりも、主人公の家族に次々と起こる災いが逆に次への展開を読者に期待させる。 | ||||
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冒頭からの展開が読めてしまうような単純なストーリーながら、微妙に予想が裏切られるので飽きずに最後まで一気読みできます。かなり性格的に異常な人が主人公ですが、異常ながらも適度にリアリティを保っているので、「こんな人いるかも…」と怖さも倍増します。ラストについては賛否両論あるかも知れません。ただし、そうなることの伏線もきちんと引かれているので、私は特に不自然とは思いませんでした。エンタテイメントとして純粋に楽しむもよし、家族間の信頼が崩れていく過程の心理描写を愉しむもよし、退屈せずに読み切れる一冊です。 | ||||
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あっという間に読み終えました。ストーリーの展開が予想できず、最後までハラハラしてしまいました。近年まれに見る面白さ!読み終えた後に、もしかしたら自分もこういう目に遭うかも・・・と思ってしまいしばらく怖さが後をひきました。 | ||||
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自分が下す判決で人を死に追いやることになったら・・・。もしそれが冤罪だったら・・・。裁判官の勲が抱える心の葛藤。くだした判決無罪。その男が自分の隣の家に引っ越してきたことから始まる、家族の微妙な心のずれ。男が越してきたたったそれだけのことが、こんなにも家族の間で溝をつくってしまうとは。読み出したら止まらない。勢いのある内容です。読書開始からぎゅっとつかまれた感覚で、面白いです。後半御馴染みの展開かな?というのは否めませんが、それでも一読の価値ありです。 | ||||
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裁判官・梶間は一家惨殺事件で起訴された武内に無罪を言い渡す。数年後、大学教授となった梶間の前に姿を現した武内は、隣家に引っ越して来る。果たして偶然か? 母親の介護を手伝うなど親切な武内は、徐々に家庭に入り込むが、それにつれ、家庭の崩壊が始まる。そこに惨殺事件の被害者の家族が現れて・・・。梶間一家は、「火の粉」を振り払うことができるのか。読み始めは、「十三階段」の裁判官版を思わせるが、徐々に「黒い家」や「ミザリー」に似た、「次に何が起こるのか」という恐怖に支配され、ページを捲る手か止まらなくなる。私にとって「模倣犯」以来の徹夜本となった。評判を呼んだ前作「虚貌」を遙かにしのぐできばえで、ミステリーの中でもホラー色の強い作品である本作は、2003年を代表するミステリーとなるだろう。当然評価は星5つ、購入して損のない一冊である。評判を呼ぶ前に購入されてみてはいかがでしょう? | ||||
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