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(短編集)
厭な小説
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厭な小説の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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■汚れて破れやシワのある退色したカバーをはずすと、やはり経年劣化+手垢+煤の汚れが目立つキタナイ表紙。見返しも扉も本文も奥付も広告も全て薄汚い。が、これらはそのように印刷された造本なのだ。本書は読者が厭な気持ちになることをめざして書かれた連作小説なので書物自体が厭な構造になっているのだ■第1話「厭な子供」は、飲み屋で同僚の深谷(ふかたに)が厭な部長のことで散々ぼやき、それをなだめて帰宅した主人公の周囲に、異形の子どもが出没。夫婦が狂気の世界に落ちてゆく話■第2話「厭な老人」は同居老人の不快さと嫌がらせに怒りが炸裂し、とうとう殺してしまう主婦が主人公だ。主婦は警察の取調べで、その老人の身元素性を問われ、初めて肉親でないことに気づく■厚かましい後輩から仏壇を無理やり預けられ、その仏壇の中に無数のご先祖様(小さくてぷよぷよしている)が詰まっていたという「厭な先祖」■紹介文を書いていても背筋が凍り、厭な気分が甦る7つの短編。読み進むうちに判明するのだが、本書の短篇の主人公達は、皆厭な目にあって自殺したり発狂したり、原因不明の死を遂げていた……■最終章では、随所に登場する深谷が古本屋で本書『厭な小説』を購入。読み進む内自分と周囲の人々が描かれていることに戦慄して破滅してゆくのである。ああ厭だ。が、しかし、とても面白かった。 | ||||
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ぶっちゃけ評価に何点付ければいいのか、さっぱりわかりません。 面白いのは面白いんだけど。 帯見た時はギャグかと思ったんだけどなぁ。 『厭な老人』は本当に厭です。 『厭な扉』が個人的に好き。 絶対最後の話の主人公は、深谷さんだと思った! 京極版『世にも奇妙な物語』って感じかなぁ。 でも、いきなり他の作品すっとばしてこれ読む人いないだろうから、京極ファンには満足出来る本ではないかと。 | ||||
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本当に厭なストーリー7編の短編集。梅雨時に相応しい?気の滅入る様な話が続きます。 各編様式を整え読むに従い反復感を感じさせる、そして各話のリレーションが見えてくる手法は巷説シリーズでおなじみの手法。不快な話をすいすいと読み進めさせられます(泣)。 '70年代ぐらいの筒井康隆の短編を京極風に再現したのかな?という雰囲気。TV/映画『Rookies』の露出に辟易してしまうセンスの持ち主の方には是非(笑)。世の中きれい事ばかりで出来上がってるんじゃない。 あと、装丁も立派ではないですが、凝っています。意外と小技も効いてたり(^_^)。 | ||||
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ズルい。そのタイトル名、著者自身による帯の一言、そして、いきなり書き出しから「厭だ」(笑)。ここまで確信的にやられてしまうと、反って読んでみたろか、と思ってしまう。 厭な本と言うが、これは主人公たちが体感、遭遇する厭な思い、生理的衝動、心理、感情、狂気、恐怖、あるいは、妄想と偏執が、全編ひたひたと横溢するような印象の本。確かに、グロくてエグい箇所も多々あるが、それほど不愉快な思いに陥る事はない。少なくとも、自分は面白く読んだ。 短編集な為、個々のパートが嫌悪に感じる以前に次のエピソードに転じられるし、著者お馴染みの独自のセンテンスの取り方で、厭な描写をもリズミカルに読み込んでいけるので、不思議と不快感を感じない。著者のファンはもちろん、筒井康隆や本谷有希子らの読者であればかなり楽しめるし、後味の悪さから言えば、それこそ今年の本屋大賞受賞作の方が、その称号には相応しい。 500ページ弱、かなりのヴォリューム感だが、行間は広いし、紙質の関係で、本自体、見た目よりかなり軽量なので、持ち運びする分にはラク。そして、今まで読んだどの京極本より読み易い。 奇妙な味わいの怪奇心理小説のアンソロジーとしてお薦め。 | ||||
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実際、どんよりした気分になる作品である。 しかーし、一気に読み終えてしまった。 それぞれの切り口というか、テーマが秀逸。 京極先生は、本当に口等や文章で表現し難いことを本質で掴んでいるのだろう。 だから、エンターテイメントとして成立する。 ネタばれをするつもりはないが、これまでの認識という領域から、時間という領域にまで踏み込みましたね、今回。 思い返しても、「厭だ。」 星一つマイナスは読み終えたばかりで、気分が重いため。 先生ごめんなさい。 | ||||
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