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(短編集)
新・世界の七不思議
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新・世界の七不思議の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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鯨氏のデビュー作の邪馬台国はどこですかの正式な続編で今回は世界の七不思議を例によって例のごとく強引に新解釈を打ち立てる歴史の謎ミステリーである。まあ、鯨氏の大半の作品が題材を強引にこじつけ新解釈するネタばかりなので、特に邪馬台国はどこですかの正式続編として謳うこともなかろうという印象である。 本作もどの短編もフォーマットが定型であり、それに則って毎回展開する。物凄くワンパターンなのだが、それでもそこそこ面白いのが鯨氏の鯨氏たる所以である。 まあ、気楽に感じで読めばそこそこ楽しめるのでそれでいいじゃないのと思わせてしまう作品である。 | ||||
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どうもこの作家は、ミュージシャンに良くある「デビュー曲が最大のヒットで、その後は・・・。」のパターンな気がする。 本作は、そのデビュー作「邪馬台国はどこですか?」と同じパターンを取りながら、題材を世界の不思議な遺物や伝奇に置いている。また、題材が世界の不思議に変わった為か、教授も外人に変更。 ここまでは良いのだが、今回は物語の進捗設定を間違えたようだ。まず、教授が来日中で本来すぐに京都に行くはずが、早乙女静香の都合でどんどん先延ばしになって行き、仕方なくバー「スリーバレー」に毎晩向かう事になる。つまり、今回は毎晩歴史バトルが繰り広げられるのだが、この設定って必要なのだろうか?別に日本に長期滞在中でも、学会や調査の都合で東京のみ滞在でも良いのではないだろうか? 歴史バトルの始まる前に、言い訳の如く京都に今日も行けなかった理由を挟むので、物語のスムースな展開を阻害している。 また前回のバトルであれだけ博識な面を見せた宮田六郎。職業は雑誌ライターで有る彼が、小学生でも知っている様な事柄を「知らない」とするのは余りにも不自然だし、理解に苦しむ。 恐らく今回は、バーに居る数時間の間だけで、全くゼロの知識から事実だけを拾い集めて頭で結論を導き出すアームチェアディティクティブの完璧な形を狙ったのだろうが、前作を読んだ者からすると、宮田六郎に対して違和感を感じざるを得ない。 そして肝心のバトルだが、前回は早乙女静香の知識と宮田六郎の知識のぶつかり合いだったが、今回は早乙女静香の知識(プラス早乙女静香のホームページ)から推測するので、非常に薄っぺらいし、結論に違和感があり過ぎる。 簡単に言うと、「小学生でも騙されないぞ?」と言うレベルなのだ。 せっかく面白い設定(登場人物も魅力的)なのに、進行方法を間違えて魅力がやや薄れ、また宮田六郎の持つ知識と言うのが活かされないので、検証もおざなり。せっかくの第二弾なのに、お気軽に書き過ぎた様だ。 | ||||
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前の『邪馬台国はどこですか』にくらべると、質はいまいち。 ただ、お酒を飲みながら、バーに同席している気分で、1話ずつ読めば楽しめますよ。 | ||||
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’98年のデビュー作『邪馬台国はどこですか?』の姉妹編となる作品。 『邪馬台国は・・・』は表題作のほか、「聖徳太子はだれですか?」「維新が起きたのはなぜですか?」など6つの日本史上の「なぜ?」を軽いタッチながら見事な論理展開で説明してゆく短編集で、’99年版「このミステリーがすごい!」国内編に堂々8位にランクインした。 本書も同じシチュエーシュンで、繁華街の外れのうらぶれたバーで、雑誌ライターの宮田六郎が歴史好きのバーテンダー松永の出す、今回は7つの世界史上の「不思議」を7夜連続で、口うるさい某私立大学で歴史を専攻する文学部助手の早乙女静香をむこうにまわして解き明かすといった趣向になっている。 今回の7つの「不思議」はアトランティス大陸、ストーンヘンジ、ピラミッド、ノアの方舟、始皇帝、ナスカの地上絵、モアイ像と難問ぞろい。六郎はそれらをほとんど事前の知識なく、「聞いたことがある」程度(つまりは一般読者とほぼ同じ状態)から、その場の静香やバーテンダー松永の会話や資料をもとに論理的に自説を展開し、皆を納得させてしまう。六郎の解説のスタンスが私たち読者と同じ目線であるため、難しい言い回しや専門用語がないのでとても分かりやすく、読みやすかった。 本書は、謎の多い歴史に題材を求め、それを解明してゆくプロセスを物語化し、根強い人気を誇る、ミステリーのサブジャンル「歴史ミステリー」の逸品であると共に、現場に居合わせたり、はじめから事件に関わったりせず、(歴史ものだから現場臨場はもちろんもともと不可能だが)伝聞だけで事件を解決する「安楽椅子探偵(アームチャアーディテクティブ)」物の面白さも兼ね備えている。 | ||||
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著者のデビュー作である姉妹編「邪馬台国はどこですか?」が傑作だっただけに、おのずと期待に胸ワクワクさせて読みました。ちょっと期待が大きすぎたようで、大きなインパクトは得られませんでした。主題は興味深く「世界の七不思議」。それだけにあっと驚く意外な結末が期待されましたが、結論はわりかし平凡。もっと突拍子もない結論を、導いて欲しかったというのが正直な感想です。ただ…世界の七不思議と日本との関係が興味深いですね。伏線も張ってあるし。前作に劣るというだけで、標準以上です!次回作に期待は十分!!次の謎は何だろう??? | ||||
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アトランティス大陸は本当にあったのか?あったとしたらどこに?ピラミッドはなぜ建てられたのか?南米ペルーはナスカにある巨大な地上絵に隠された秘密とは?世界各地に残る不思議で謎に満ちた遺跡やモニュメント。この、長年歴史学者を悩ませ続けてきた謎があっさり解決してしまう。日本の歴史の謎に迫った『邪馬台国はどこですか?』の姉妹編です。時代や選ぶ人によって変わってきている世界の七不思議ですが、本書で扱われているのは、アトランティス大陸、ストーンヘンジ、ピラミッド、ノアの方舟、中国は秦の始皇帝、ナスカの地上絵にイースター島のモアイ像の七つ。どうです、こうして並べてみただけで、子供に返ったようにワクワクしてきませんか?『邪馬台国はどこですか?』の主要人物がこちらにも登場、宮田の茫洋とした中に見せる鋭い知性と松永の料理とカクテルを作る腕は相変わらず、静香嬢の毒舌ぶりにはさらに磨きがかかっています。この3人に古代史の世界的権威ハートマン教授が加わって、ワイワイガヤガヤと七不思議の謎を解明していきます。もちろんエンターテイメント小説、ここに書かれていることが全て真実であるはずがなく、これは(多分)著者も読者も暗黙のうちに了解していること。大事なのは、謎を解いていくプロセスがおもしろいかとアッと驚く結果があるかということ。そういう点は、どの謎にもそれなりの説明がつけられていて、おもしろく読めました。 | ||||
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発想は画期的だけれども、着陸地点を間違えているような感じ。どうして一つに収束しようとしたのか?それによって無理が生じ、話がひり滅裂な方向に進んでしまう。煌めきはあるけれども、ときめきが無くなってきた。作品による落差がとても気になります。 | ||||
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本書は、『邪馬台国はどこですか?』の姉妹編。前作は、日本に密接に関係する歴史ミステリという感じだったが、今回は題名にもあるように「世界の七不思議」である。現代の世界の七不思議と言えば、○ナスカの地上絵○ギザのピラミッド(今は王家の谷?)○ソールズベリのストーンヘンジ○中国の万里の長城○イースター島のモアイ○コンスタンチノープルの聖ソフィア寺院○カンボジアのアンコールワット。だそうだ。どれも聞いたことがあるが、しっかりと本などで確認しているのはエジプトのピラミッド(王家の谷??)くらいのもの。あとはそこにそんなものがあると知ってはいても、とくに詳しくはしらない。前作で、あれほど「え!!」という驚きを引き出し、納得させたのは、やはり日本人である私たちの日常に常識としてがっちり組み込まれていたものを、否定するような説がたくさん出てきたからだろう。その点世界の七不思議となると、興味はあってもなじみが薄いのは仕方がないこと。それでも、宮田さんの新説にはわくわくさせられる。登場人物は前回と一人入れ替わって、古代史の世界的権威、ペンシルベニア大学のハートマン教授。同じく歴史学者の早乙女静香、雑誌ライターの宮田の3人。3人が集まって歴史バトルを繰り広げるのは、松永がバーテンを勤める<スリーバレー>。どうやら大学教授がオーナーらしいが、誰だかは明かされなかった。松永が作る料理もお酒も美味しそうで、また文章のリズムにうまく組み込まれて心地よい。 | ||||
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比較的最近、好きな作家です。 もともと、特定の作家に入れあげるほうでした。 とりあえず日本人作家の例でいうと、昔は平井和正、豊田有恒、そして赤川次郎、氷室冴子、田中芳樹。しばらく空白があって、さいきんはこの鯨統一郎でしょうか。 最初は、なんといっても創元推理文庫から出た『邪馬台国はどこですか』。これを読んで、こういうミステリもありなんだ、と感動した次第。だからその後、殺人事件を扱うような本が出て、少し残念でした。 さらに、コミカルというか、ふざけたような味の作品が増えてくるに従い、いや実は面白くて嫌いじゃないんだけど、そろそろ『邪馬台国』観たいのも読ませてよ、そう思っていたところに出てきたのが、同じく創元推理文庫から、最近刊行された『新・世界の七不思議』 これは前作同様、歴史上のなぞ(今回はなぞの巨大建造物などの、いわゆる世界の七不思議)をバーカウンタでの会話の中で推理し、意外な結末へともっていく、というものなのだけれど。 趣向はいいのだ。今回は、世界の七不思議がすべてスケールダウンされて日本にもある、という展開になり、連作の七作のラストでは、そのすべてに対してどんでん返しが待っているという、2重3重の仕掛けがあって、興味は尽きない(ネタバレ過ぎるか?)。 ただ、かけあいの部分が、くどすぎかつ砕け過ぎていたり、というところが翻訳小説好きには取り付きにくいが、まあ、総じて面白かった、という感想である。 願わくば、各終盤での発想の飛躍に、もう少しの飛躍と今ひとつの説得力(新発見を含む裏づけ)があればいうことなしだが、贅沢は敵かも。 | ||||
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ちょっぴり辛口の採点になってしまいました。私は「邪馬台国~」が好きでしたので、やっぱりどうしても比べてしまうのですが、おもしろさではひけを取らないとは言え、「邪馬台国~」に比べ、すべてを日本に結び付けようとする点など、やや強引に過ぎる感が拭えませんでした。説得力にも欠ける気がします。もっとも作者は、私たちを説得したり、納得させたりするのではなく、「ほほぉ~、なるほどね。確かにこんな見方もできるかな?」と思わせにやりとさせたり、「えっ、そうなの?」なんて私たちをわざと混乱させたりすることで、自分自身が楽しんでいるのではないかと思います。しかし、一方で、こうした小説は説得力がなければ、ただのほら話で終わってしまいます。その点で今回は、辛口の採点になりました。宮田氏と静香嬢の接近も気になるところです。ぜひ続編を、とお願いしたいのですが、やはり厳しいでしょうか…。 | ||||
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