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覘き小平次
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覘き小平次の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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誰にでもある感覚になってくる不思議と変わりたい希望を打ち破る おもしろい | ||||
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押し入れから覗く小平次と云う男が最初は不気味でした。読み進めるうちにそれぞれの思いが解り、すごく納得させられます。お化け話しではありますが、全く怖くないです。京極夏彦さん特有の、そうなのか、とすごく考えさせられる部分があります。小平次と云う人間が、読み進めるに従ってとても好感が持てるようになります。さすがは京極さんだ、と思うようなラストです。嗤う伊右衛門からの怪談2作目ですが、本当に怖いのは人の思惑なのではと思います。巷説百物語の又市がこちらにも登場します。 | ||||
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第16回山本周五郎賞受賞作。 山東京伝の怪談「復讐奇談安積沼」を題材に、京極夏彦氏が新たに作り上げた物語。 押入れの中で死んだように生きる幽霊役者木幡小平次を中心に、妻のお塚や同輩の多九郎らを巻き込んだ愛憎劇や、人々の繋がりや因縁がミステリーのように語られます。 ただ比較的読みやすい京極夏彦氏の作品ですが、個人的に本作はやや読みづらく、物語に没頭しづらく感じました。 | ||||
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ワシもお塚ちゃんと寝てみたいと激しく思いました♪ 読み終わった後に悶々としましたね。 | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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いつも隅に縮こまってる内気な役者の小平次。そんな彼をキツイ言葉で叱咤するツンデレのお塚。 そんなお塚に気がある仕事仲間の多九郎、小平次に嫉妬するイケメン俳優歌仙、怒りっぽいけど腕は立つ侍の運平、更に百物語シリーズから事触れ治平も特別出演! いつも幽霊に間違われる小平次に、周囲は勝手に怯えて振り回されての大騒ぎ。果たして小平次とお塚の関係はどうなるのか? 魅力的なキャラ達が織り成すドタバタ時代劇ラブコメディ! (個人の感想なので、若干のズレがある場合があります) | ||||
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読んでる最中、明かりが少なく暗くて狭い、作者の思惑にとっぷりはまって読み終えました。読後の爽快感は少なく、主人公をなんとかしなきゃ!なんて感情移入までしてしまった。こんな物語もあるんですね。 | ||||
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変わり行くものと変わらずに在り続けるもの。 この一言に尽きる。 | ||||
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京極夏彦さんの本は怖面白く、気味が悪いのにとても読みやすい。 買うのを少し悩んでましたが買ってよかった一冊でした。 | ||||
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暗いとか、どろどろとか言われていますが、 確かに主人公達はやりきれないような理不尽な目に遭いますが、 最後まで読んだら、何だか良い気分に・・・。 もしかしたら京極先生唯一のハッピーエンドなのでは? 又さんと治平、」今回は成功していると思う。 | ||||
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京極シリーズはほぼ読んでいますが、読み落としていた本書をようやく手に取りました。「嗤う伊右衛門」に続く、非常に哀しいお話でした。前半部は、登場人物のそれぞれについて、一見無意味とも思われるストーリが、だらだらと続く印象でしたが、小平次が死ぬ(?)場面から、それらが一挙にリンクし始めます。小平次自身の前半部での読者さえもいらいらさせる存在も、そこを機に反転します。京極夏彦さんお得意のパターンですが、この爽快感がたまりません。最後のドタバタ劇はないほうが好みだったかなとも思いますが、そのドタバタがあったからこそ最終章の静けさが際立ったようにも思えます。まさに、「嗤う伊右衛門」の方法ですし、この後に発刊された「数えずの井戸」も全く同じ形式をとっていますね。最後の2ページは、怖くて鳥肌が立ちました。この最後の2ページで読者をゾワッとのために、ここまでのすべてがあったのかとも思えるほどです。 | ||||
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幽霊芝居をさせたら超一流、それ以外はへっぽこ役者、常に押入れに閉じこもって覘いて、人に嫌悪感を抱かせる小平次。 だが、嫌悪や侮蔑を感じながら、周囲の人々は彼を無視はしていない。どころか逆に強い感情を抱いている。 それも強いマイナス感情であるところが興味深い。 ただ、彼に対して悪感情を持つ者は、ある意味心の持ちようが安定していない人間であるように思われる。 つまり、小平次は心に濁りを持っている者の心の鏡のような存在であるのだろうか。 自身は心の内を覘かせなかった小平次が、(彼にとっては)通りすがりのことぶれの治平に対して内心を吐露していたのは面白かった。 人は、時に自分の事を全く知らない人間に対しての方が己の事を語れる場合もあるという事かもしれない。 ラストも決してハッピーエンドではない。 それでも互いが互いに関心を失っている者達よりも、ある意味非常に密度が濃い人間関係ではないかと思った。 こういう不思議な主人公像をテーマに一つの物語に出来る京極さんは、やはり凄いです。 | ||||
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主人公の気の弱さと生き方に自分の心の深遠を覗いたようで、悪酔いしそうになりました。京極氏代表作の「巷説百物語」と比べて筆致は近いが、何とも陰鬱な影を放ちます。 しかし同じく京極ファンの知り合いの女性はぜんぜん平気だそうで。 どうやら酔い加減は個人差が大きいようです。おそらく、主人公を通して自分の深遠を覗かずにすむ人は平気なのでしょう。 幽霊なぞより人間のほうがぜんぜん怖いことを改めて感じます。 | ||||
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小平次という男は極端に存在感の無い男として描かれており、たしかに幽霊のようにも思える。夜道に立つ小平次や、舞台に立った姿は幽霊そのものである。 しかし、小平次に対するお塚の感情は嫌悪であり、多九郎は苛立ちのようなものを覚えている。幽霊に対して嫌悪するのは分からなくもないが、苛立つのは少々おかしい。そもそも同居しているお塚が心底怖がっていないところが、幽霊としては間抜けである。 私は小平次は幽霊ではなく、感情を喚起させ、時に独り語りさせる妖怪ではないかと思っている。 お塚はお塚に嫌悪し、多九郎は多九郎に苛立っているのではないか。 治平は小平次に対して、厚みこそが大事だ、自分を騙せと云う。これは治平自身がポリシーを確認しているに過ぎないように思える。 小平次に殺意を持つ人間は、統べからず自分の境遇を嘆き、今の自分を変えたいと願っている人間なのではないだろうか。 私たちは小平次にこそなれないが、小平次の幽霊という妖怪は私たちの中に棲んでいる。 知らず知らずのうちに、人の恨みを買ったり、羨望を受けたり、また逆に他人に自分を投影してみて卑屈になったり。 おそらく覗き小平次は、いつでも私たちを見ているに違いないのだ。 | ||||
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ご存じ、御行の又市と事触れの治平が登場する物語。時代は傑作「巷説百物語」より早く、治平が又市を知った直後、であるらしい。又市は実際には、会話上の人物としてのみの出演であるが、治平はちょっとした狂言回しの役割を貰っている。 作品は江戸期の名作に取材し、作者なりに大幅に換骨奪胎したものらしい。毎度のとおり導入部で作品に入り込むのが多少難儀であるが、作品の空気を理解してしまえば、あとは作者の語り口に乗って進めば問題なく読了できる。せっかくの因果話なのに、幾重にも重なった偶然の再会があまり意味づけられず、物語世界としての完結性に難があるとはいえるが、「読んで面白い」という意味では文句はない。 それにしても、なくもがなの解説。「ただそこにあるだけ」の恐怖が一番恐ろしい、という強引で好都合な結論に私はまったく賛成できない。延々と続く蛇口からの水音、といった「無意味な反復」への恐怖も、これに属するのだろうか。しかし、ここで言う「そこにあるだけ」とは、そういうことではないだろう。私にとっては、「悪意がもたらす恐怖」「狂気がもたらす恐怖」など、自分に直接害をなす対象への恐怖の方が、通常は大きい。実際、小平次は、作中の多くの登場人物にとって「恐怖」の対象だったのではない。女房のお塚にしても、彼への感情は恐怖ではなく、常人には理解できない人格・行動に対する嫌悪感である。彼に恐怖を感じたのは、己への恐怖を彼に投影した者のみではなかったか。だからこの小説は、「ただそこにいる恐怖」を描いたものなどではなく、私から見れば単に、小平次を取り巻く悪人たちのドタバタ劇、なのである(小平次はただそれを「見ている」だけ)。このほか、霊と幽霊、お塚と小平次の関係、といったことへの考察も、得々と語られてはいるが、やはり強引・独善的で説得力を欠く。私は、こういう先生にはカウンセリングを受けたくない。 | ||||
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山東京伝の怪談話を主なベースとして、小股潜りの又吉、事触れの治平といった「巷説百物語」シリーズのレギュラーの企てた仕掛けの中で、人間の深層心理の闇を抉った怪談風心理小説。 小平次は稀有の幽霊役者である。それは彼が何もせず、唯そこに居るだけの空虚な存在だからである。小平次は何も語らず、何も騙らないので自分の世界を作れない。切ない存在である。彼の妻、お塚は自分で人生の道を踏み外した事を自覚しているため死を望んでいる。そのお塚を慈しみながら、押入れの隙間から覘く事しか出来ない小平次。その小平次を意識しながらも、殊更辛くあたって小平次を苦しめようとするお塚。切ない関係である。 この他、悪党が複数登場し、それらが不思議な因縁で結び付いている様は江戸時代の因果応報の思想が反映されているようである。彼等は、自分等が悪事を犯している事を自覚しているため、「ただそこに居る」小平次に底知れぬ恐怖を抱くのである。妖異譚に頼らず、人が人から受ける恐怖を描く作者の手腕を買いたい。 江戸時代の怪談をベースにしながら、現代にも通じる人間の深層心理を抉った傑作。 | ||||
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地味な印象を勝手に抱いていたので、なかなか手が延びませんでしたが、読み始めたらさすが京極さん!ぐいぐいと静謐な昏さを湛えた物語に引き込まれていきました。執着の無い生を真の当たりにした執着の在る者達の恐怖の描写も凄いですが、個人的には小平次とお塚の愛憎の描写が切なくて切なくて哀しくて、読後に残る感情にしんと浸りたくなります。 | ||||
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~幽霊役者小平治、生きた人間なのか、はたまた本当に幽霊なのか?小平治は押し入れの中から、ただ世界を見つめている。本人は何も思わず、感じず、ただそこにある、ただそれだけなのに、周りの人間から忌み嫌われ、罵られ、それでも全く変わらない、その事が周りの人間をどんどん闇に引きずりこんで行く魔力を放ってしまう。妻も友人もそんな小平治を嫌~~い、気味が悪くて仕方ない、しかし離れる事ができず、もがきながら小平治のそばで生きていくしか方法がない。いったい小平治の何がそうさせるのか?本当に恐いものとは、何なのか?読みながら、ぞくり・・・としてしまいました。~ | ||||
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それぞれの登場人物がそれぞれに個性的で、かつ知らない間にしがらみを持って生きているのだが、それぞれに懊悩して生きており、これが、常人でこれが非常人だという観念を奪われてしまう内容。そもそも正常と異常の境目なんて、誰が決めるものでもないし、今の自分の生き方でいいんだなと、辛いけどいいんだなと納得させられる内容で、人生に迷ってる人、己に迷っている人には是非読んでいただきたい本である。 | ||||
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主人公小平次は、薄い男である。鏡の表面のような男である。それに出会ってしまうことで、主要な登場人物達は、おのれの鏡像と直面するはめになる。二重の身体を持たされてしまう。鏡像の世界である。小平次は単に「覗く」のではない。「覘く」のである。「占い」の文字を含む。人間は、自分の過去と現在と未来を、占ってしまう。そこに生じる悲喜劇を、京極は三幕の大江戸妖怪芝居に描き切った。終幕の女が全身で、この鏡をぶち破り、分裂した己れを回復するクライマックスのカタストロフィーは比類がない。純粋な恋愛の劇である。 | ||||
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