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風の中のマリア



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【この小説が収録されている参考書籍】
風の中のマリア

風の中のマリアの評価: 4.21/5点 レビュー 334件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全334件 321~334 17/17ページ
No.14:
(3pt)

大人が読む本ではない

昆虫同士の会話とか、何回か出てくる遺伝子交配の解説とか、ちょっと耐えられない所もありますが、不思議な読後の充実感を味わうことが出来る作品です。でも、基本的に大人の読む本ではないと思いますよ。小中学生には無条件におススメしますけど。
風の中のマリアAmazon書評・レビュー:風の中のマリアより
4062153645
No.13:
(4pt)

ハッチでもマーヤでもなくメルモちゃん

こういった生き物を主人公にした物語は、擬人化されることによって、本来の生態とは掛け離れたファンタジーであることが多い。
しかしこの作品は、生物学的資料に基づいたリアルな昆虫たちの姿が描かれている。
スズメバチのオスはメスとの交尾のためだけに生まれ、その役割を終えると死ぬ、というのは知っていたが、パートナーと結ばれるには、ここまで過酷で命がけだと言うのは、この本を読んで始めて知った。
生と死。そして性が物語の底に敷かれている。マリアの姉であるアンネ=ゾフィーが話すワーカー(働き蜂)についての解説は、性教育アニメの「ふしぎなメルモ」を彷彿させた。
知的好奇心を満たしてくれる作品ではあるが、もうちょっと物語としては膨らませられなかったのか?と惜しいと感じる部分もある。キイロスズメバチの巣の襲撃シーンの描写は、単調に感じた。
しかし、決して退屈した訳ではない。むしろ面白くて一気に読んでしまった。
感傷的ならずに、昆虫たちがそれぞれの運命を受け入れながら生きて行く、クールな作風はむしろ好みである。
子供にも人気だそうだが、中学生以上でなければ理解するには難しい部分もあるのでは?
それにしても、読んで損はない1冊としてお勧めする。
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No.12:
(5pt)

命を繋ぐ壮大なドラマ

感想を一言で言うと実に面白い本です。
本の中の里山の生物の世界に完全に入り込んだ状態で読み進める事が出来、読み終えた時に非常に高い充実感を味わう事ができました。
『風の中のマリア』はオオスズメバチ(学名:ヴェスパ・マンダリニア)の1つの帝国の興亡史をその帝国一番の戦士(ハンター)であるワーカー(ハタラキバチ)のマリアの目を通して語った物語です。1匹の女王バチからはじまったささやかな巣が巨大な帝国に成長し、そして次の世代の帝国へと命を繋いで行く壮大なドラマが描かれています。
とにかく生き生きとした描写が、あたかも自分がヴェスパ・マンダリニアの戦士になったかのように物語の中にいざなってくれます。 自然界における絶対的な前提である、圧倒的なまでの弱肉強食の厳しさには目がくらみそうになります。文字通り生きるか死ぬかを賭けて、毎日生存の為の激しい戦いが日常となっており、種の存続の為に自分の命をかけて戦うマリアの壮絶な生き様とその強い意志には、思わず畏敬の念を持ってしまう程です。オオスズメバチの生態についても、今まで知らなかった事実を知る事が出来、理科や生物の副教材にしても良いくらいではないかと思います。特に、より強い個体の遺伝子が継承されるように、遺伝子的に組み込まれた生き残るためのシステムのプログラミングは恐ろしいまでの精密さを感じます。自然が作り上げた仕組の深遠さをかいま見る気がして、圧倒されました。
自然の中の生存競争の厳しさ、そして自然が組みあえげた種を存続させる為の仕掛けの数々に圧倒されながら、一人の戦士と一つの帝国を巡る壮大なドラマを味わう事ができる名作だと思います。
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No.11:
(5pt)

疾風のマリア

日経新聞の塾の先生のコラムで、教え子の子供たちに昆虫ブームを巻き起こした本とかいてあったので、なんだか気になって読んでみました。
最強の捕食昆虫オオスズメバチの戦士の一生が、その帝国の盛衰とともに描かれているのですが、ストーリー的にも面白かったです。
主人公は、周囲の昆虫たちからみれば殺戮者なんですが、自身は戦士以外のなにものでなく、といいつつ悩みながらも、しかし一途な健気さがあり、これには私は滅法弱いのです。
捕食といっても、成虫は肉食ではないんですね・・・
ゲノムとかの説明があり、小説ぽくないところもあるのですが、逆にこの図解が秀逸といえます。
言葉でいって伝わらりにくいことは、図で書くとよくわかる・・・文字がない時代や社会でも、人間はこうやってつたえていたんだろうな、って思います。しかし、こういった手段をもたない昆虫たちが、本能で一生を生きていくことにあらためて驚嘆させられます。
たしかに、子供たちは夢中になるはずです!
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No.10:
(4pt)

壮絶な一生に瞠目せよ!

女王の治める帝国の女戦士マリア。
ワーカーと呼ばれる彼女たちは,子を産むこともなく女王に仕え,城の建造から幼い妹たちの世話をし,一人前となった暁にはハンターとして獲物を狩るヴェスパ一族。
時には軍団を率い,領地を守り,帝国に飢餓の危機が迫れば略奪者となって他種族のみならず,同種族までも軍団で襲い,城を攻略し,皆殺しにする。
・・・と,どんなファンタジー世界かと思われるが,
この壮絶な一生を送る主人公は,なんとオオススメバチのメス(!)
なんでハチに名前がついてんの!っとつっこみたくもなるが,
フリートムント,ヴェーヴァルト,アストリッド,ドロテア,フローラ・・・
と名前のせいか,
キイロスズメバチの巣への攻防戦が壮絶なクライマックスは,まるで北欧神話の“神々の黄昏”かゲルマン神話の英雄譚のような風格さえ感じられる。
また,学説にもとづくオオスズメバチやニホンミチバチ,セイヨウミツバチなどの生態や遺伝子を次世代にいかに効率よく受け継がせるかの驚くべきシステムがわかりやすく描かれている。
受精卵を埋めなくなった女王バチをワーカーが殺し,ワーカーが擬女王バチとなって
オスバチを生むなど,帝国の誕生から終焉までを描く。
虫に生まれ変わったらこんな世界かも,と短い一生(寿命は約30日)を生ききった感が充実した昆虫小説。
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No.9:
(5pt)

シンプルに生ききる姿が眩しい作品

オオスズメバチのワーカーを主人公にしたこの書き下ろし。
「どうせ虫の話」と甘く見ていたら、壮絶な戦いの人生を描いていて目を見張った。
血を絶やさない為にワーカーだけでなく女王バチをも、自己よりも務めを果たす弱肉強食のこの世界が広がり声を失う。
オオスズメバチの世界を、個々に名前を持たせたことで個性が生まれ一つの社会が出来、そこにオオスズメバチの本能を除くことなく挿入されているので、虫が生きることの過酷な世界がよりダイレクトに伝わってくる。
全力疾走で短い命を燃え尽きる虫の生涯は、その熱さがこちらにも伝わる完成度になっている。
『永遠の0 (ゼロ)』で命の尊さを描いた百田尚樹が、ゲノムの為に自己を犠牲にする虫の世界を書いたのも面白い視点だった。
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No.8:
(5pt)

楽しく、ためになる!

「永遠の0」で深い感銘を受け、購入しました。
今回はスズメバチのワーカーが主人公。オオスズメバチの驚くべき生態を踏まえつつ、マリアの潔い生き方、、戦士としての勇敢な姿が描かれています。
いつ命を落としても不思議ではない過酷な日々の中、マリアは必ず巣に戻ってくる。多くの仲間が1匹、1匹、と命を落としていく。その様は「永遠の0」の主人公を髣髴とさせます。
メスだけの帝国にやがて訪れる崩壊の日。その日に向けて大きな戦いが…。
こんな小説もあるんだ!と舌を巻きました。
ハチの生態なんて、普通に書かれたら全く興味ありませんが、こうもドラマチックにされてしまうと、「ためになった」を通り越して感動でした。
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No.7:
(5pt)

こんなにドラマチックだなんて・・・!

主人公はメスのオオスズメバチ――TVで紹介されたとき、その興味だけで読み始めたのですが、ぐんぐん引き込まれて最後まで止まることができませんでした。登場する虫たちすべて無理に擬人化もされず、オオスズメバチの働き蜂の生涯を追いかけているだけなのに、それだけでこんなにドラマチックな物語ができるなんて・・・! すごいです。筆者の力量にも、スズメバチの生態も、どちらにも脱帽です。
物語の面白さに魅かれて読み終えると、スズメバチだけでなく、ミツバチや他の虫の生態にも詳しくなれる上、「利己的な遺伝子」ばりの遺伝手学的な説明もすんなり頭に入ってきます。これでスズメバチの写真でもついていたら、立派な科学書ともいえるかもしれません。
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No.6:
(5pt)

百田尚樹がまたやってくれました!

百田尚樹の名前は「BOX!」で知った。前作は、実に爽やかで純粋な青春小説だったが、今回の主人公は何とオオスズメバチのマリア(笑)。冒頭で、彼女たちが普通に会話を始めて、こりゃなんだと瞬時固まったが、読み進める内にページをめくる手が止まらなくなった。
マリアは成虫してから30日とは生きれない運命、ハンター=戦闘マシーンの異名に相応しい並外れたスピードとスタミナ、戦闘能力を持ち、女王に仕え、妹たちの成長に尽力し、日々獲物を追い続ける。
まるで「ファーブル昆虫記」のごとくハチの生態を細部まで緻密にレクチャーしたと思える描写、戦闘こそ唯一無二の日常、正に闘う為に生まれてきたと思える身体能力が生み出す狩猟シーンの生々しさとリアル感。
たかだか30日間の一生にも拘わらず、自然界のサイクルの激しさと、食うか食われるかの生存競争、交尾と産卵のみで一生を終える様々な虫たちの短き運命を見続けるマリア。限られた時間をただ戦闘にのみ命を燃やすその儚さと過酷さを、感傷的にではなくひたすら毅然と凛々しく描いていくが、それでいて死んでいく(狩られていく)者たちへの痛みや鎮魂も感じさせる。
「私たちは何の為に生まれてきたの?」。物語の中で、何度も繰り返されるこの自問、ある使命感の下で一生を捧げてそれに殉じる生き様を通じて、生きる事の尊さと意義を改めて考えさせられる秀作。
そして、誇り高いアリアたちの姿に、そう"たかがハチの一生"に感動させられ胸が熱くなる、これは冒険小説でもあるのだ。
エンタメ本としても、児童文学としてもお薦め!
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No.5:
(5pt)

ハンターとして生きるオオスズメバチのワーカーの一生

自分自身は子供を生むことができず、女王が生んだ妹たちを育てるためだけに短い一生の全てを捧げるオオスズメバチのワーカー。その中でも、ハンターとして他の生き物を狩り、ひたすら妹たちのエサを運ぶだけのマリアの一生。全ての生き物は恋をして自分の子孫を残すためだけに生きるというのに、オオスズメバチのワーカーは自然界の掟に従うことも許されず、ワーカーとして妹たちのために戦い抜いた短い一生は、力強くも切なくて感動的な物語で、最後まで飽きることなく一気に読んだ。物語の核となるオオスズメバチの生態もしっかりと描かれており、オオスズメバチ以外のキイロスズメバチやミツバチ、そしてエサとなる他の生き物のこともよく調べられていてとても読みやすかった。
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No.4:
(4pt)

すごくおもしろい。でも。

まさしく、「みなしごハッチ」のオオスズメバチ版。
ただし、ハッチは幼児用アニメでしたが、こちらはそれを大人対象にした感じ。
主人公は働き蜂(戦士)なので、メス。
つまり「オオスズメバチ版 女の一生」ということもできます。
生まれてから死ぬまでのメスの一生のドラマ。
母や姉妹への尊敬と愛情、恋や出産へのあこがれ、自らの闘い(一生の仕事)への誇りと未練。
メスの蜂を擬人化した視点で描いているので、人間の女性のドラマみたいです。
すごくおもしろかった。
でも。
……虫、蜂やアリなんかの生態をそのままなぞっただけ、ともいえますね。
蜂やアリの一生は、素人の私がちょっとのぞいてみただけでも、すっごいおもしろい世界なんですよ。まさしくドラマ満載の世界。
それをすなおにテキスト化したらこの本になるんじゃないだろうか……
というような感想から、どうしても離れられませんでした。
こんなにおもしろいと思う反面、何がそんなにひっかかるのかというと、
この本、まるで、「ドラマの骨格だけを読んでいる感じ」が最後まで消えないんですね。
この先、この本を、アニメ化とか、漫画化とか、もっといえば、もういちどこれをノベライズすることもできるんじゃないの、と思わせるくらい、
「ドラマの血肉部分にあえてふみこまない距離感をずっと保ち続けている」んです。
つまり、二次制作者によって書き込む隙間がありすぎる脚本みたいな。
そういうポリシーの描き方なんでしょうか。
文章は、短く読みやすいです。
中学生の時、英語の副読本として読んだ、短いカラー絵本の和訳解答が、こんな感じの文章だった。
すごくわかりやすくて正確だけど、常に乾いた距離感がある。
これはこれでおもしろい文章ですが、さいごまで、ずーーーっとこのままの調子で続くのはちょっと悲しいと思いました。
何か、作者のほんとうにいいたいことは、読者の目からはかくされているような感じ。
それは読む人の何かに任されている、のかもしれませんが。
「源氏物語」みたいに、一度外国語に翻訳されてから、それがもう一度日本語になおって出てきたら、こんな感じの文章になっちゃいそうです。
そこに残された謎のような、秘密のようなものについて知りたくて、読み終わったあと、これの続編が読みたいと思ったり、この人の似たような他の作品を読みたいと思ったりするわけですが、
この作者の前作はボクシングの話だったとかなので……
たぶんもう、虫の話の続編とかはないんでしょうね。
この世界や、この虫たちの視点を、もっと突っ込んで広げてほしかった。
それが残念です。
ちなみに、繰り返しますが、すっごいおもしろいです。
読み終わるまで、本が離せなくなります。
読み終わったあと、また何回も読みました。
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No.3:
(4pt)

神秘的な世界

"みなしごハッチ"のオオスズメバチ版?
こんな予断を持って読み進むと痛い目に遭います(笑)
主人公マリアの目を通してみる神秘的なオオスズメバチの世界は、生命を創造された"神"の意図を感じさせるものでした。
何だか"National Geographic"の世界に引きずり込まれたような感じ。。。といっても俯瞰的な視点でなく読みモノとしても練りこまれているし、「永遠の0」とも「Box!」とも違う趣きのある面白さは、"参りました"というしかないですね。
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No.2:
(5pt)

奇跡の小説!

面白い!面白い!
最高に面白い!
かつてこんな小説があっただろうか!
この作者にはずっと注目していたが、今回の小説には度肝を抜かれた。
おそらく、これまでに一度も書かれたことのない小説だと思う。
一級品の科学ドキュメンタリーかと思うほどに、オオスズメバチの驚くべき生態が忠実に描かれていると同時に、感動的な小説に仕上がっているのだから、これはもう「奇跡の小説」と言うしかない。
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No.1:
(5pt)

今年度のNo.1小説

戦うためだけに生まれてきた女戦士マリア。
彼女が経験する出会いと別れ、仄かな恋の予感、うるわしき姉妹愛が、勇猛果敢な戦闘シーンのなかに織り込まれていく。
やがて帝国に大いなる転換の時が訪れ、マリア自身も戦い続けることへの疑問を抱き始める・・・
などと書くと、「うわ、また『ゲーム原作系お子様小説』かよ」と思うだろうが、なんとこの小説の主人公は
オオスズメバチ
なのである。主人公はひたすら殺戮を繰り返し、「肉団子」を作り続ける。そのシーンが「生き生きと」描かれているのだ。
もう、この設定だけで私のようなひねくれものは飛び上がって喜んでしまう。
しかし決して「着想の妙」だけではない。
プロット・人(蜂?)物造型・世界構成とも実に優れている上に、読み終えると「オオスズメバチ博士」になれる!!という『ダーウィンは見た!』みたいなオマケつきのサービス精神満点の作品。
著者は「専業作家」ではない。専業でないからこそ、心から楽しんで小説を紡ぐことができるのかも知れない。『永遠の0』『BOX!』も抜群に面白かったし、また3作ともジャンル・舞台設定ともまったく異質であることに、著者の「引き出し」の多さと深さに感銘する。
面白い小説は年に何十冊と出会うが、これだけの「驚き」を伴った「超面白い小説」は『鹿男』&『鴨川』以来だろう。
迷うことなく、現時点での今年度No.1小説である。
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