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風の中のマリア
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風の中のマリアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全334件 301~320 16/17ページ
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「永遠の0」で有名な百田尚樹さんの中編小説です。 分量は254ページ、所要は2〜3時間程度でしょうか。 内容は、オオスズメバチの女戦士(ワーカー)として生まれたマリアが自分の帝国(巣)を守るために闘い、生きる様子をつづったものです。 思うのは、生き物のはかなさです。オオスズメバチの寿命は30日ほどだそうですが その短い生涯を、仲間と巣の発展のために闘い働く姿。 そしてメスにも関わらず卵は産めず、闘うことしかできない悲哀。 マリアの苦悩を通じて、すべての生き物の宿命のようなものが伝わってきます。 読んでみて、改めて自然界の厳しさが分かった気がします。 それほど長くなく平易なので、中高生にもおすすめできる小説です。 | ||||
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長くて30日余りしか生きることが出来ない、オオスズメバチのマリアが活躍する話である。メスのマリアはオスと恋をすることもなく、母となって自分の子供を育てることもなく、ただ、帝国のために妹たちのために戦う戦士である。マリアは戦うための戦闘能力が高いようだ。オオスズメバチのファンタジー小説ではなく、実際のオオスズメバチの一生を描いた小説である。オオスズメバチの生態がわかり、自分たちが生き延びるために虫たちを殺さなければならないということは残酷だけれど、仕方がないことなのだろうと思う。戦うところはすごくリアルだなという感じだった。どちらかといえば、心揺さぶられることがなく、第三者的なものの見方で読んでいったかなという印象である。オオスズメバチってそういう生き方をするんだという傍観者的な見方に終始したので、そんなにのめりこめなかったのかもしれないな。 | ||||
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なんとか最後まで読めました。読んで勉強になった。小説という形で、楽しく生物のお勉強ができましたって感じです。擬人化にはついていけませんでした。矛盾を感じて物語に入っていけませんでした。生物・生命のもつ不思議さは、自我のない生物ゆえにもつ生態・本能から生じます。ですので、ある場面ではりっぱな自我と人間並の理性があるけど、別の場面ではすっかりそれを失っているという矛盾が見え隠れします。いっそのこと、「ときとして不思議なる本能の叡智にあやつられる」という、エクスキューズをいれてくれた方がすんなり入れたと思います。もっとも、擬人化された生物に感情移入することによって矛盾が生じ、それが物語の劇的要素になるので、エクスキューズをいれたら小説が成立しなくなる可能性もあります。突き抜けた作品にするにはどうすればよいのかを考えさせられるという魅力もこの作品にはあります。小中学生、高校生がこの作品を読んで、小説のおもしろさにどっぷりつかっていただくのはよいことです。そして読解する上では霊性の観点で、虫たちには個としての自我は無いにひとしく、群れとしての自我のようなもの、あるいは種としての自我のようなものが彼らを強く動かしている、そこには小説の枠を越える興味深い神秘がある、ということをこちらの作品から汲み取っていただきたいと思います。とても勉強になる小説を書いてくださったことに感謝します。以上 | ||||
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主人公はオオスズメバチのワーカ−(働きバチ)マリア。 ワーカーはすべてメス で、妹たちへ生きたエサを提供するために、ひたすら昆虫たちを狩ります。 反撃 されることもあるので命がけですが、仲間が殺されても落ち込むことはありません。 襲った相手が命乞いしても情けはかけず、他の獲物を横取りするし、女王蜂が幼子 を姉のエサにすることも。 極悪非道と言えるほどの大量殺戮を何のためにするのか、ワーカーは子孫を残せな いのか、この帝国(巣)の未来はどうなるのか、これらの疑問が、仲間や女王蜂、 他の昆虫との交流により、オオスズメバチの生態とともに明らかにされていきます。 カマキリ・オニヤンマ・キイロスズメバチなど、戦いの描写が壮絶です。 日本ミツバチと西洋ミツバチの戦法の違いが面白く、オオスズメバチのオスの存在 が微妙です。 最初は無我夢中で、後に運命を疑いながら、マリアは最後まで職務を全うします。 その一途さが美しく悲しい。 マリアとともに、飛び、戦い、喜び、悲しみ、未来 を信じたい方は、ぜひ! | ||||
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ファンタジー仕立てだが、充分ノンフィクションとして通用する!こんなに嫌われ、怖れられているスズメバチに対しての見る目が変わる。子供から大人まで読める。 | ||||
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百田氏の作品ということだけで全く予備知識なしに読み始めたので、最初はまさか擬人化されたオオスズメバチが主人公だとは気付かなかった。主人公のマリアは、偉大なる母・女王アソトリッドに仕えるオオスズメバチの若きワーカーで、この女王を頂点とするオオスズメバチの帝国を支えるために働いているのだ。 オオスズメバチはスズメバチの中でも最強で、オニヤンマを除いては敵う虫は殆どいない。本書はこのオオスズメバチの帝国の中でも優秀なハンターであるマリアの目を通して、オオスズメバチの驚くべき能力・生態・社会構造が描かれている。 オオスズメバチの生態について理解するだけでも十分面白いが、本書の白眉はやはり狩のシーンである。スズメバチでも手こずるカマキリやスズメバチでも分が悪いオニヤンマとの対決といった1対1の戦闘シーンも迫力があるが、何と言ってもすごいのは終盤のミツバチや同属であるキイロスズメバチの巣を襲撃する団体戦で、息を呑むような壮絶な内容が描かれている。 ワーカーの命はわずか30日程度であるが、マリアの短い生涯を通じてオオスズメバチの驚くべき世界が描かれているこの作品は最高に面白く、また通常では窺い知ることができない世界を目の当たりにすることができるセンス・オブ・ワンダーに溢れた傑作である。 | ||||
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ひたすら餌となる昆虫を殺戮して肉団子にする描写に最初すこし抵抗がありました。 しかし正確な生物学の資料(巻末に記されている)にもとづくリアルな昆虫の世界と、作者の圧倒的な描写力により、自分がオオスズメバチや襲われる昆虫になったような気がして、いつしかどんどん読み進んでいきました。 マリアたちは「与えられた運命」を忠実に守り狩りをつづけます。でもそこに陰湿さや暗さはありません。それはマリアたちの狩りには「不条理」はないからだと思います。 すべての狩りは、生存競争に生き残るために必須のものだからです。決して「恨み」「ねたみ」「快楽」のための不条理な殺戮ではないからでしょう。 マリアは自分の務めを果たすために全力で生き抜きました。これは私たちが生きていく中で最も大切なことの一つだと思います。 百田尚樹さんも書かれていたように「どんな人生でも、そこから逃げてはいけない。最後まで生き抜くこと、務めと責任を果たすこと。」これらを私は「風の中のマリア」から教わりました。 「生きる力」が弱いと言われ、「優しいことが大切」と教わってきた若い人たちに是非読んでもらいたい本です。 | ||||
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百田さんの本を読んだ中では、これが一番面白かった。 物語を読み進めながら、マリアと一緒に空を飛んでいるような気分になれる。 行間でそういう気分を楽しみながら、懸命に生きるマリアの姿を追っていくのは、子供に返ったような素直な気持ちで感動できた。 お勧めです! | ||||
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オオスズメバチのワーカー、マリアのお話。 虫の世界のことと言えばそれまでだが、強く望んだか、望まなかったかは別にして、 子どもを産まない選択をした女性には、少々身につまされるお話かも。 もしそういう方がいたとしたら、後半に描かれる女王バチの姿をよくよくご覧になるといい。 どんな選択をしたとしても、良いことと辛いことはすべての人生でイーヴンです。 責任を果たすということは身を削ることでもあります。 しかし、その「生」はどの「生」も素晴らしい。 そんなお話でした。良かった。 | ||||
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今までに、動物の生態を描いた作品はけっこう読んでいる。だが、擬人化し、壮大なドラマに した作品を読んだのは初めてかもしれない。オオスズメバチの世界は、メスだけの世界だ。 そのメスたちが、同種族との壮絶な闘いや、命をかけての狩りに挑む。未帰巣は「死」を意味 する過酷な世界だが、読んでいてワクワクする。また、巣の中での子育ての様子も読み応えが あった。。外の世界の喧騒とは対照的に、静かな命の営みが続く。克明に描かれている生態は 実に興味深く、物語の世界へとぐいぐい引き込まれていく。獲物を狩り、せっせと肉団子を作り、 幼虫を育てていく行為の裏側には、こんな面白さがあったのか!そして、生き抜くということは これほど厳しいものなのか!読んでいて圧倒される。 大人だけではなく、子供にも読んでほしい作品だと思う。 | ||||
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百田さんって何者だろう!? 色んな引き出しがあり過ぎて、興奮してしまいます!! この作品のタイトルを見た時は、 ロマンスを感じたのです。 ちょっぴり悲しい切ないロマンスもありました。 主人公は、オオスズメバチの戦士・マリア!! ひたすら『肉団子』を妹達に送り続ける戦士。 戦士・マリア達は樹液でしのぎ、自然に立ち向かい、縄張り争いにも引かない。 オオスズメバチの生態なんて、全く知らなかったですよ。 興味深くて、蜂は苦手なんですが、認識が変わりました。 強く悲しくはかなくて、運命に涙する作品です。 | ||||
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「永遠の0」のあとに読んだが、本当の同じ作家?と思う。スズメバチの女戦士の一生を細かく描く異色作。面白いのはハチを擬人化するのではなく、喋りはするがハチをハチのまま描いている。殺戮を繰り返すマリアだが、自然界の掟とはこういうものということを学ぶ上でも、子供に読ませたい作品だと思う。ラストは不覚にも涙が出そうになった。「永遠の0」「風の中のマリア」そして「ボックス!」・・・。この作家は本当にすごいですな。 | ||||
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「永遠の0」を読んでからこの本を読んだ。 最初から割りとテンションの高い流れがずっと続くというのが 二つの本に共通した感想。 そのうちテンションを下げてくれるだろうという期待を誘いながら 最後まで読ませてしまう。 自然界の小さな営みを拡大し、スピード感に満ちた世界を体感しながら 読んでいくのは楽しい。 「永遠の0」もこの本も映像を読んでいる感じでリアルな反面、 行間から漂うものを読み取るといった文学的内容には乏しい。 今後の作品にはオリジナリティを期待したい。 | ||||
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最高の面白さです!!詳しい内容については他の方々が詳しく書いているので割愛しますが、まず蜂の視点で進む物語の描写がとても細かく、美しい!!本来なら生々しく感じる程細かい描写も多く、ましてや虫の生態等はキチンと昆虫学にもとづき素人目には手抜きはないように思えます。視点も虫目線だからグロく感じてもおかしくないほどなのに、繊細で美しく風の薫りさえ感じるような読み心地!!凄いの一言です!!なんでもっと大々的にブームにならないか不思議です | ||||
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不思議な読後感の残る本だ。 主人公は一匹のスズメバチ(名前はマリア)。 * 自分は何のために、毎日毎日他の昆虫を殺戮しているの? * 同じメスなのに、自分はなぜ女王蜂のように恋や出産ができないの? * 自分はなぜ、死に向かって突き進んで行くの? 時折浮かぶそんな悩みにも、“まずは眼前にある自分の役割をこなすこと” と、自分に言い聞かせながら、結局は闘いに明け暮れて一生を過ごすハタラキバチのマリア。その「自分の役割」が、“自分達のゲノムを次世代に残すため作業の一部分”だったことが知った時、マリアの生涯は既に最終章に入っていた。 マリア自身の口で淡々と語るその生き様は、物語としてもスリリングで一気に読ませてくれる。と同時に著者は、「生きるということ?、死ぬということ?」という重いテーマを、深刻な顔付をしないで読者に問いかけてくる。 あの獰猛なスズメバチに、著者が“マリア”と命名した理由を最終章まで読み終えて初めて理解できた。大人も子供も楽しめる良書。 追記: ミツバチ養蜂を趣味とする自分にとってオオスズメバチは憎っき天敵。これまでは、ミツバチ巣箱の周りにスズメバチが近づくと、憎しみを持ってネットで捕殺してきたが、この小説を読んだ後はその戦意が鈍りそうだ。 | ||||
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主人公のマリアはヴェスパ・マンダリニアの勇敢な戦士、というとまるで壮大なファンタジー小説か何かのようだけど、これは実はオオスズメバチのワーカー(ハタラキバチ)の一生の物語で、登場するのはみな擬人化された昆虫。たった30日前後の一生、自分は子どもを残すことなく、母と妹たちのためにひたすら戦い、多くの姉妹を失い、新たな女王となる妹の巣立ちを見届けて、誇らしく命を燃やし尽くす。 無駄に複雑に無駄に欲深く生きている私らのすぐそばで、こんなにもシンプルで美しい物語が展開していることにひたすら感動。 そう言えば子どもの頃お気に入りだった『アリの子ツク』(だったと思う、多分。)という本はこれの蟻バージョンだった。懐かしい。 | ||||
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最初は虫を狩るシーンとかは思わず目を覆いたくなる箇所もありましたが、 多少迷うこと疑問があっても、 まっすぐで強いマリアの生き方に次第に惹かれ 読むたびに興奮を覚えずにはいられませんでした。 オオスズメバチの生態についても細かく、 そしてわかりやすく書かれているので勉強にもなりました。 普段は怖いとしか思っていない蜂たちは どう生きているのかを深く知ることが出来た気がします。 (怖いことには変わりないので、そこは注意!!です) ページをめくるたびに、 物語に惹き込まれその面白さに次のページ、列を早く読みたくなる本でした。 | ||||
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なんというか――読む前に想像してたのとは全然違った。 蜂を人間として描いたファンタジーなのかと思ってたんだけど、蜂を蜂として捉えたまま繰り広げる「生きる」ことの「闘争」インセクティック(?)ドラマだった。素直に脱帽! リアルを逸脱しない擬人化が感動を誘うこと請け合い!! 私見でモノを言えば、ファーブル昆虫記よりコレを読んだほうが“やつら”のことを好きになれるかな。――あいつらは本当の意味で、つぇ〜 | ||||
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本嫌いの10歳の長男が、はまって読んでいます。漢字にルビが振っていないので、8歳の次男にはルビを振って読ませてやろうと思っています。 | ||||
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「永遠の0」に感動して注目してきました。 しかし、これは最後まで読み切るには、忍耐がいる感じでした。 こういう内容を扱った時、「昆虫の生態図鑑」とどれだけ差をつけ、物語にするかだと思いますが、成功したと言いきれない気がします。 昆虫に興味がない者には、変化に乏しく飽きてしまいました。 | ||||
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