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V.T.R.
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V.T.R.の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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架空の世界であれだけ持ち上げたものに挑戦するのはやはり難しい。 読みやすさはあった。ただラノベ(特に売れているラノベ)ってこんなものじゃない。 | ||||
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人を殺せない怠惰な殺し屋に、かつての彼女から電話がかかってくる。 「アタシは変わっていない」 しかし、辿ってみると彼女が変わったことを示す事実だけが浮かんでくる…… 辻村深月さんの小説「スロウハイツの神様」のスピンオフ企画。同小説に登場するチヨダ・コーキが書いたデビュー小説。 「スロウハイツの神様」でチヨダ・コーキは少年少女に強い影響を与えるライトノベル作家で、ファンが彼の小説を模倣した猟奇殺人が発生したという伝説的な小説家という設定になっている。 そのチヨダ・コーキのデビュー小説という位置づけなので、正直なところ辻村深月さんの小説にある心を洗われるような「開放感」を望んでいるとがっかりする。 ただ、スピンオフ企画、チヨダ・コーキのデビュー作品のライトノベル小説としては「こんなものだったんじゃないか」と思われる作品には仕上がっている。 マーダー(殺し屋)家業のTが、かつての恋人Rに友人、知人を通して迫っていくという過程は、テンポがあって「それなりに」面白い。 結局、「スロウハイツの神様」を読んだことがあり、チヨダ・コーキに接しているという脳内補完がされてこその作品なので、一般的な小説として他人に薦めることは難しいんだよなぁ。 | ||||
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両面にカラー印刷されたカバーの表面は、青い背景に正面で拳銃を構えたティーと、後ろ姿のアールです。 裏面は、赤い背景に、正面で拳銃を持ったアールと後ろ姿のティーです。 凝った作りの新書です。 表には、「V.T.R. 辻村深月」と表記されていますが、 裏は、「V.T.R. チヨダ・コーキ」と記されています。 これは、昨年文庫になった「スロウハイツの神様」(辻村深月2010/01/15講談社文庫)の登場人物、スロウハイツに住むカリスマ作家「チヨダ・コーキ」のデビュー作として執筆されたものです。 舞台は、国内に1,000人限定で殺人の国家資格を与えられたマーダーが跳梁跋扈する殺伐とした世界。 物語はへなちょこマーダーのティーが三年前に別れた恋人=辣腕マーダーのアールからの電話を受けるところから始まります。 僕は、ティーが受けた、この電話で二人が信頼しあった関係であることを理解して、物語の世界に入り、伝説のマーダー「トランス=ハイ」との関係に気を揉みながら読み進みました。 いわゆるドンパチや格闘などのアクションはメインではなく、薄暗いお店や知人宅、自宅までの山道などアールの消息を訪ねて歩くティーと、そこで交わされる会話が中心になっています。特に月明かりのペロッチとティーのシーンは情景的で趣があります。 物語のテーマとして僕が感じたのは、ティーがアールに寄せる思いです。離れていても解り合えるティーとアール。心の絆が二人に感じられました。味わい深い作品でした。 | ||||
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「文庫の解説は赤羽環が書いてるんだよ。」 と教えてもらって、文庫も買いました。 もちろん、実際は辻村深月が書いているはずですが、 熱かったです。 スピンオフの元ネタ「スロウハイツの神様」 で、赤羽環はチヨダ・コーキをリスペクトしつつ、無謀にも同業で彼のライバルにならんとがむしゃらにプロフェッショナルを目指すクリエーターなワケですが、その熱い思いがほとばしっています。 特に、一通りチヨダ・コーキの作品解説を記した後が熱かったです。 「ウィキペディアに載せるのに必要な情報だけならば、およそ、こんなところだろう。」 と区切った後に、控えめに 「一つだけ解説を加えるなら、修正したい箇所がある。」 と語り始める、チヨダ・コーキの作品に対する世間の評価に異議を唱える文章です。 チヨダ・コーキの作品はいわゆるジョブナイルとして、少年少女向けの位置づけですが、その位置づけに異議を唱えるのではなく、通過点としての評価に異議を唱えています。 そして、それは、誰もが通って来た道=これから飛び込む不可解な大人の世界と折り合いをつけて、なんとか自分が生きる場所を見付けるまでの、辛く苦しい時期への不当な評価への異議申し立てです。 「人生のハイライトを、メディアを支配する大人は「大人時代」だと誤解をする。」 は至言だと思う。 この解説に感動ました。一流のクリエーターが情熱を燃やし続ける、その燃料は、大人になる直前の辛い、苦しい時代に鍛えられ、蓄えられたものだと思いました。 そして、一流の仕事をするためには、才能だけでも、努力だけでもダメで、彼女のように文章からほとばしるような、熱い思い=スピリッツが必要なのだと思いました。 僕は、赤羽環のような一流のクリエーターでなくて、むしろかなり凡庸な大人になってしまいましたが、それでも、誇りを持って仕事に取り組み、精一杯生きていきたいと思う。その思いの源泉は、僕の場合も、中学、高校生の頃の辛かった時期に養われていた事に気が付きました。 既に講談社ノベルス(新書)で買った方にも、是非、文庫で赤羽環の解説を読んで欲しいと思います。 なお、文庫はトビラを開くと、カラーの疑似表紙があり「V.T.R. チヨダ・コーキ」と記されており、 ホンモノの奥付を一ページ戻すと、講談社文庫に似せた疑似背表紙があり、その前のページが代々社文庫(笑)の奥付になっています。 以下は、講談社ノベルスを読んだときの感想です。 「単なるアクション小説ではなく」 両面にカラー印刷されたカバーの表面は、青い背景に正面で拳銃を構えたティーと、後ろ姿のアールです。 裏面は、赤い背景に、正面で拳銃を持ったアールと後ろ姿のティーです。 凝った作りの新書です。 表には、「V.T.R. 辻村深月」と表記されていますが、 裏は、「V.T.R. チヨダ・コーキ」と記されています。 これは、昨年文庫になった「スロウハイツの神様」(辻村深月2010/01/15講談社文庫)の登場人物、スロウハイツに住むカリスマ作家「チヨダ・コーキ」のデビュー作として執筆されたものです。 舞台は、国内に1,000人限定で殺人の国家資格を与えられたマーダーが跳梁跋扈する殺伐とした世界。 物語はへなちょこマーダーのティーが三年前に別れた恋人=辣腕マーダーのアールからの電話を受けるところから始まります。 僕は、ティーが受けた、この電話で二人が信頼しあった関係であることを理解して、物語の世界に入り、伝説のマーダー「トランス=ハイ」との関係に気を揉みながら読み進みました。 いわゆるドンパチや格闘などのアクションはメインではなく、薄暗いお店や知人宅、自宅までの山道などアールの消息を訪ねて歩くティーと、そこで交わされる会話が中心になっています。特に月明かりのペロッチとティーのシーンは情景的で趣があります。 物語のテーマとして僕が感じたのは、ティーがアールに寄せる思いです。離れていても解り合えるティーとアール。心の絆が二人に感じられました。味わい深い作品でした。 | ||||
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劇中劇もとい作中作。 同著「スロウハイツの神様」の登場人物「チヨダ・コーキ」のデビュー作、という設定。 設定はともかくとして、この作者の男主人公というのは初めてではないか。 最近マンネリしていたパターンが解消されていて嬉しい限り。 いつもとはややテイストを変えてきている。いつになくライトノベル調。 物語の核心はぼかされたまま終わる。 やや物足りないものの、ライトノベルならこんなもんか。 これがチヨダ・コーキかー。 たまにはこういう作品も悪くないなー | ||||
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まず手にとってその薄さにちょっとびっくりしました。スロウハイツのコウちゃんのデビュー作としては、もう少し内容に厚みが欲しかったが、それでもこの質量にしてはうまくまとめてあると思います。ライトノベル調の語り口にすっかり油断してしまい、ラストに明かされた伏線にはまんまと引っかかりました。何よりティーを取り巻く人々が温かい。傷を抱えてるからこそ優しい。そのことがむしろ、彼が背負わざるを得ないものを浮き彫りにしていて切なくなる。読後の余韻はやっぱり辻村さん。歪でありながらも、痛々しいほどの覚悟を孕んだ一途な愛。それはコウちゃん自信が求めたものでもあるのだろう。どこに重きを置くかで評価は別れるかもしれないけれど、私は好きな作品です。 | ||||
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まず手にとってその薄さにちょっとびっくりしました。 スロウハイツのコウちゃんのデビュー作としては、もう少し内容に厚みが欲しかったが、それでもこの質量にしてはうまくまとめてあると思います。 ライトノベル調の語り口にすっかり油断してしまい、ラストに明かされた伏線にはまんまと引っかかりました。 何よりティーを取り巻く人々が温かい。 傷を抱えてるからこそ優しい。 そのことがむしろ、彼が背負わざるを得ないものを浮き彫りにしていて切なくなる。 読後の余韻はやっぱり辻村さん。 歪でありながらも、痛々しいほどの覚悟を孕んだ一途な愛。 それはコウちゃん自信が求めたものでもあるのだろう。 どこに重きを置くかで評価は別れるかもしれないけれど、私は好きな作品です。 | ||||
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失礼ながら著者の作品を読むのはこれが初めてなのですが、すごくよかったです。(好きとか嫌いとかじゃなくて)他の方がおっしゃられているように、携帯小説…よりはライトノベルよりかな、と言う気がします。読みやすいですが一人称なので苦手な方もいそう。個人的にラストの章の流れが非常に印象深いです。今までヒロインの状況(状態)ばかりが明るみになり、イマイチ主人公がよくわからなかったのですが、ラストの主人公が自分について語るシーンはいろんな意味で胸が熱くなりました。あぁ、そういうことだったのかと。いままでが静かなだったため、ラストの怒涛の流れに私も一緒に流されてしまいました。マーダーとして、人として、ひとりの恋人として。彼の今後をつい想像してしまう。きちんとしたラストがないというのがこの作品が印象に残った部分のひとつでしょう。読み終わったあとにあれこれ考えられる、いい終わりかたでした。作品はチヨダ・コーキが書いたということですが、やはり女性が書いたであろう雰囲気が出ています。あとこれで新人賞は…無理じゃね?とか思いました(余計な一言ですが)。私は好きですけど…。 | ||||
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失礼ながら著者の作品を読むのはこれが初めてなのですが、すごくよかったです。(好きとか嫌いとかじゃなくて) 他の方がおっしゃられているように、携帯小説…よりはライトノベルよりかな、と言う気がします。 読みやすいですが一人称なので苦手な方もいそう。 個人的にラストの章の流れが非常に印象深いです。 今までヒロインの状況(状態)ばかりが明るみになり、イマイチ主人公がよくわからなかったのですが、ラストの主人公が自分について語るシーンはいろんな意味で胸が熱くなりました。 あぁ、そういうことだったのかと。 いままでが静かなだったため、ラストの怒涛の流れに私も一緒に流されてしまいました。 マーダーとして、人として、ひとりの恋人として。 彼の今後をつい想像してしまう。 きちんとしたラストがないというのがこの作品が印象に残った部分のひとつでしょう。 読み終わったあとにあれこれ考えられる、いい終わりかたでした。 作品はチヨダ・コーキが書いたということですが、やはり女性が書いたであろう雰囲気が出ています。あとこれで新人賞は…無理じゃね?とか思いました(余計な一言ですが)。私は好きですけど…。 | ||||
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スロウハイツの神様のチヨダ・コーキのデビュー作という設定の作品です。スロウハイツを読んだ方はわかると思いますが、チヨダ・コーキはこんなものじゃないはずです。 物語の設定は興味深いのに、これから面白くなりそうというところで、あっさり完結。正直、物足りないです。物語は主人公の目線から語られますが、それも軽い口調。文学と感じられるようなものではないと感じました。チヨダ・コーキは本の中の作者ですが、もっといい作品が書けると思っていました。せっかく、辻村深月の物語の中の作者を辻村深月が描くというおもしろい企画なのに、もったいない。残念です。 | ||||
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「スロウハイツの神様」に登場するチヨダ・コーキのデビュー作として著者が書いた(こういうのなんていうだろ?)作品。 ですから、著者本来のテイストを残しながら、架空の物語の架空の作家をイメージした作品にもしなければならないという非常に難しい立場にある作品だと思います。 結果からいうと、個人の感想としてはそのどちらかの作品として評価しても微妙になってしまったと言わざるをえません。 著者が始めて挑戦するようなジャンルですから、無理にアクション描写に手を出さず、人物描写に力を入れたのは好感がもてます。しかし、マーダーライセンスを所持する1000人のマーダー達が存在するという設定をあまり生かしきれていないように思います。というより、意図的でしょうが圧倒的に情報量少ない。すぐ読み終えてしまって、読み終えるのが惜しいという段階に行く前に終わってしまったなっていう感じです。 それでも物語としては、これでいいのでしょうね。嫌いじゃありません。 殺伐とした設定の中、主人公の周りは優しすぎる人たちがいて、違和感がありながらもあたたかい気持ちになれます。 結局、ヒモの主人公が好きになれるかでも評価がわかれると思います。自分は冒頭に登場するテッドのような人物が自分の周りにもいて同情で、主人公に親近感が湧きました(笑) コウちゃんの“デビュー”作としてならなんとか納得させることができますが、それでも“コウちゃんの天使ちゃん”を産んだ、人を生かすような物語か問うたらこんなもんじゃないだろう、と思いました。 でも、スロウハイツとリンクさせて読めばおもしろいかも。例えば、ヒロインのアールなんかは、同じくスロウハイツの環を彷彿とさせます。 でも、コウちゃんのデビュー作であるはずこの作品は時系列で言えば、コウちゃんが環に出会っているはずもなく、さすれば、最初からコウちゃんの理想の女性像って環のような人だったんじゃないかと想像して嬉しくなりました。 | ||||
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「スロウハイツの神様」に登場するチヨダ・コーキのデビュー作として著者が書いた(こういうのなんていうだろ?)作品。 ですから、著者本来のテイストを残しながら、架空の物語の架空の作家をイメージした作品にもしなければならないという非常に難しい立場にある作品だと思います。 結果からいうと、個人の感想としてはそのどちらかの作品として評価しても微妙になってしまったと言わざるをえません。 著者が始めて挑戦するようなジャンルですから、無理にアクション描写に手を出さず、人物描写に力を入れたのは好感がもてます。しかし、マーダーライセンスを所持する1000人のマーダー達が存在するという設定をあまり生かしきれていないように思います。というより、意図的でしょうが圧倒的に情報量少ない。すぐ読み終えてしまって、読み終えるのが惜しいという段階に行く前に終わってしまったなっていう感じです。 それでも物語としては、これでいいのでしょうね。嫌いじゃありません。 殺伐とした設定の中、主人公の周りは優しすぎる人たちがいて、違和感がありながらもあたたかい気持ちになれます。 結局、ヒモの主人公が好きになれるかでも評価がわかれると思います。自分は冒頭に登場するテッドのような人物が自分の周りにもいて同情で、主人公に親近感が湧きました(笑) コウちゃんの“デビュー”作としてならなんとか納得させることができますが、それでも“コウちゃんの天使ちゃん”を産んだ、人を生かすような物語か問うたらこんなもんじゃないだろう、と思いました。 でも、スロウハイツとリンクさせて読めばおもしろいかも。例えば、ヒロインのアールなんかは、同じくスロウハイツの環を彷彿とさせます。 でも、コウちゃんのデビュー作であるはずこの作品は時系列で言えば、コウちゃんが環に出会っているはずもなく、さすれば、最初からコウちゃんの理想の女性像って環のような人だったんじゃないかと想像して嬉しくなりました。 | ||||
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