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「神田川」見立て殺人
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「神田川」見立て殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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歌う名探偵・間暮警部の事件簿。出来不出来、というより好悪の差が激しい鯨統一郎としても最高の異色作である。パターンを統一した連作短編である。まず不可解な事件が起こり、主人公たち探偵社の面々が謎に挑む。そこに現れた間暮警部が突然何の脈略もなく70年代ヒットソングを熱唱。唖然とする一同に彼は、事件はこの歌の詞になぞらえた「見立て殺人」であると論破し、犯人を名指しする。その根拠たるや、第1作の「神田川」の場合、現場が神田川沿いであること、現場に竹が落ちていたことの(「神田川」はを歌ったグループは「かぐや姫」)2点のみ。当然大外れなのだが、なぜか犯人だけは的中していて、間暮警部は面目をほどこす。毎回この繰り返しで、本格ミステリの自虐的パロディともえいる。怒り出す人もいるのではないだろうか。ただ私はこのメチャクチャぶりと、すばらしいドタバタのリズムに酔った。いきなり歌い出す呼吸の良さ。間暮がとてつもない美声というのもいいし、いつも随行している地味な女刑事がデュエット要員としてスタンバイしていたというのも笑わせる(彼女も凄い美声)。最初はアカペラだったのが、しまいには事件が起こる前からカラオケテープを用意し始め、女探偵までが歌に加わるというエスカレートぶり。私立探偵達が常識人で刑事たちが変人という構図も確信犯だろう。マジメなミステリ・ファンにはお勧めできないが、筒井康隆、かんべむさしの衣鉢を継ぐドタバタ小説の傑作として、その方面がお好きな方には必読である。 | ||||
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