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(短編集)
スカイ・イクリプス
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スカイ・イクリプスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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スカイ・クロラシリーズ全てを読むと浮かんでくるのが「“僕“とは誰か?」という疑問。 ネット上にはいろいろ考察が上がっているが、自分なりの解釈を。 以下ネタバレ注意。 <時系列/一人称は誰か> ① ナ・バ・テア(僕=クサナギ) ② ダウン・ツ・ヘブン(僕=クサナギ) ③ フラッタ・リンツ・フライ(僕=クリタ) ④ クレィドゥ・ザ・スカイ(僕=クサナギベースにカンナミが混ざる) ⑤ スカイ・クロラ(僕=カンナミ) ⑥ スカイ・イクリプス <クサナギ/カンナミの人格> ・クサナギ=カンナミ。カンナミはクサナギの中に生まれた別人格。 ・カンナミはキルドレの特性を背景に、少しずつクサナギの中に生まれ始めていた(ダウン・ツ・ヘブン)。 ・カンナミの人格がクサナギの中で大きく占めていった(クレイドゥ・ザ・スカイ)。 ・クサナギがクリタを殺害したことにより、カンナミの人格がクサナギの中で確立した(クレィドウ・エピローグ)。 ・カンナミの人格が主人格のクサナギを抹消。カンナミが主人格となる(スカイ・クロラ)。 ・治療を経てカンナミは消え(灰になり)、クサナギだけの人格に戻る(スカイ・イクリプス/スカイ・アッシュ)。 ・二重人格の間、クサナギは自分の中の別人格であるカンナミを認識している。 ・二重人格の間、カンナミは元々の主人格であるクサナギを認識していない。 <周りの対応> ・スカイ・クロラでは、ササクラとトキノは、クサナギが二重人格であることを知らされており、ある程度使い分けて対応している。(お抱え整備士と同室のパイロットという立場から、事前に通達があったと推測) ・基地の他の人々は、クサナギ二重人格説は噂で聞いた程度である。そのため基本カンナミの存在は認識しておらず、クサナギとして接している。(カンナミ自身は、カンナミの時にクサナギと呼ばれても、脳内でカンナミに自動変換しているため齟齬は生まれない) ・基地の外の人(フーコたち)は、クサナギが二重人格であることを知らない/気づいていない。 <全体の解釈> 記憶があいまいになる、名前が覚えられない、時間経過の認識が甘いといったキルドレの特性も加わり、スカイ・クロラで書かれている全ての事柄が実際に起きたこととは限らない、というのが大前提にあるかと思われる。更に言うと、自分が感じていること、思っていることの全てを他者に伝えることは不可能であるため、書かれていることの全てが客観的事実と一致するとは限らない。(と、ここまで言うと小説とはいったい…という話にもなってしまうが、森氏はそういう考え方がベースにあると、一ファンの自分は考えている) つまり「一人の人間の中で人格が入れ替わること」と「実際に起きたかどうか不確かなこと」が同時に描かれているので、一見つじつまが合わないような箇所が出てきている。 森博嗣の作品では、“多重(二重)人格者の世界”が多く描かれている。本編も例外ではなかったと思われる。むしろ一人の人間に複数の人格が宿る背景や経過を表現するために、このスカイ・クロラシリーズを書いたのではないかとすら思える。 ダウン・ツ・ヘブンで、クサナギがササクラにハイタッチをした瞬間、クサナギはヘブン(大人の世界)へ、ダウンした(落ちた)。つまりここから、クサナギは精神的な面で大人になることを選んだことになる。そこからクサナギの中で、子供(=キルドレ)であり続けることの整合性が取れなくなり、カンナミという子供のままの別人格が、大人のクサナギの中に生まれた。 何故カンナミが男性だったかというと、クサナギが妊娠・出産という子供にとっては不必要な経験をしたことが背景にある。男の子のカンナミは、“子供”というモチーフに最適であった。……と、推測。 スカイ・クロラシリーズは、森博嗣作品の中で一番好きな作品です。何回も読み込み、ネットの考察も読みあさり、この解釈にいたりしました。読者のモヤモヤが晴れるきっかけのひとつになれば幸い! | ||||
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シリーズ全編通して繋がっていく伏線と、繋がらないミステリーな部分が完結まで早く読みたいと、読む速度とページをめくる速度を上げていきます。 好きな作者さんという事もありますが、一度はアクロバット飛行のレシプロに乗ってみたいと思うはずです。 | ||||
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このレビュー、凄いネタバレが含まれてますので読む際には要注意 これは言ってみればスカイクロラシリーズの後日談ですね というか事実上の解答集 これは最高のネタバレというか、まあスカイクロラシリーズのミステリの答えそのものです これを読めば謎が全部解けるでしょう というかスカイクロラシリーズって難解なミステリーとされてますけど ぶっちゃけ 「スカイクロラは全部自分がカンナミと思い込んだクサナギの妄想(夢)である」 この1点さえ抑えていれば実は全然難しくないですよ この1点さえ分かればあとはスラスラ分かります そんな難しい作品じゃないですよ とまあミステリ関連はここまでにしといて このスカイ・イクリプスは それまでの登場人物達を書いた短編集なのだがかなりお気に入り 僕はやっぱりクサナギとササクラのコンビ好きだなー(笑) 扶養手当を申請して夜早くに帰りたいのに遅くなって子供に会えないティーチャもなんだか可笑しくて可愛い(笑) あーやっぱり普通のオッさんなんだなー | ||||
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三人称で書かれた地の文は、本当にあったできごとであると解釈していいのでしょうか。 そうすると本編の各巻それぞれの小さなエピソードが、クサナギのどっち側で起こっていることか線引できる。(気がする) この本が出たあとでの、私の一番の謎は(謎のままでいいのですが)、カンナミが初めて出現したときにクサナギに語った彼の見る夢。 なぜ、この時点でこの夢を見ることができる? やっぱり、このスカイ・イクリプスの最後の2行で良いなと思う。 | ||||
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田舎だとなかなか揃わないのでポチりました。買えて良かったです。 | ||||
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本編を全部読んで、引っかかっていた部分のモヤが晴れた感じがしました。 「感じがした」というのは、本書は明確な解説やネタばらしではないので、あくまで自分で何通りか考えた仮説を補ってくれたという意味です。 「全然解らない!」という方は、本編での細かい描写(空戦での癖やテクニック、個人の嗜好など)を見逃さず、 登場人物の相関関係やプロフィールをきっちり作って行けば、気付くことが多くあると思います。 それでも、明確に答えが書かれていない以上、読み手の想像の域を出る答え合わせは出来ませんが、 そんなことよりも結末が自分好みの方向でスッキリ完結した事に感動しています。 そして、このシリーズに出会えて本当に良かったと思います。 | ||||
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スカイ・クロラシリーズ全体を読んだ総体的感想がそうでした。 僕は最初から僕として存在してた…そうでなきゃ説明がつきません。 理屈で考えてはいけない物語なのかも知れません。 僕は僕でしかないのだから…。 | ||||
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14年前からキルドレだと草薙水素は言う。 森氏が萩尾望都の大ファンだと後から知ったが「永遠の14歳」なのだろうか? 敢えて不老不死の少年少女を主人公に「死」が見え隠れするところが「ポーの一族」 に通じるかな? 「スカイ・イクリプス」まで読んだ読者はもう一度「スカイ・クロラシリーズ」 を読み返すと思うが、明確な回答がどこかに見つかる訳ではない。 水素は肉体的には女性だが基本の一人称は「僕」だ。 正常な自我の維持が困難になるのは「AS NATURE MADE HIM」を彷彿させるが何故 だろう? 頼まれたからといって上官を殺そうとした三ツ矢碧も普通ではない。 キルドレを作った遺伝子抑制剤が性染色体に何も干渉しないはずもないか …などと考えるだけでも面白い。 何度読んでも色々な楽しみ方ができる作品です。 | ||||
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長編のほうのシリーズが一人称なので世界観がつかみにくかったが、本書では基本的に三人称で書かれ、今までぼかされてきた世界像がおぼろげながら見えてきた。 しかし、どの短篇もおどろくほど陰鬱で重苦しく閉塞感があり、夢の中の描写とはいえグロテスクな部分すらあり、気軽に読んで楽しめるというものではなかった。 最後の『スカイ・アッシュ』は事実上の完結編と言えるものだが、評価は分かれると思う。長編のシリーズではぼかされてきた草薙水素の顛末がはっきりと書かれるのだが、本短編集自体、著者によれば刊行する予定ではなかったということなので、過去を捨て、あるいは捏造されても、空を飛ぶことに唯美的であろうとする本編か、キルドレであることをやめ世俗の中に身を埋まる『スカイ・アッシュ』か、と好みは分かれるだろう。 | ||||
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短編集。まず目を引くのは、シリーズ全編で関わる登場人物、ティーチャーを主役に据えたもの。日常の雑務を大人としてドライにこなしつつ、飛ぶことには唯美的であろうとする。死と隣り合わせでもこういう人生はうらやましい。 もうひとつ不気味な短篇。不時着したキルドレを救出する船員が夢の中で見る死生の俯瞰。その凄惨なビジュアルはシリーズだけでなく、森博嗣という作家を理解する材料としても面白い。 最後の書き下ろし。普通の人間になったキルドレ(草薙)。過去の栄光であるキルドレだったころの日々を夢に見、起床して生きていることに安堵し嬉しさに涙する。その姿を惨めとみるか、祝福とみるか。 | ||||
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一連のスカイ・クロラシリーズで出てきた人物のその後や会話の中で触れられた トピックのお話などです。 『スカイ・クロラ』からシリーズを一読して、もう一度『スカイ・クロラ』を読んで、 少々消化不良感が残った方には、是非是非お勧めしたい一冊です。 | ||||
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何の予備知識もなしに書店で「スカイ・クロラ」を手にとって以来のファンです。雲海の上を飛びながらキャノピー越しに外を見ているかのような独特の感覚は、本書でも健在でした。あいかわらず予備知識なしに買っちゃう人なので、途中まで読み進んだ後で短編集であることに気がついたのですが、特に違和感もなく読み進めることができました。あえて注文をつけるとすれば空中戦のシーンがもう少し欲しかったかな。 | ||||
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このシリーズを好きな人は読むべきなんでしょうね。 読み足りなかった物語のサイドストーリーが楽しめました。 「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎になっていた部分が解明されていますが、私個人としては謎のままにしておいて欲しかったですね。謎のままでも何ら不都合はないのですから。 たったあれだけで全てを繋ぎ合わせる手法には驚愕しましたが、それによって、この物語をどこにでもある、ごく普通の物語にしてしまいました。 願わくば、ラストは消化不良のままにしておいて欲しかった。物語の結末は読者に預けたままにしてほしかったですね。 読み足りなかった物語、世界観の補完という意味においてはとてもいい作品でした。 | ||||
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どうした?みんな、どうした?何故、飛ばない?どうして、ここへ来ない?ブーメランは、飛んでいるぞ・・・・・・ 良かったです。しかし抽象的な表現がたくさんありすぎて、ついていけないこともちらほらありました。私としては、スカイ・クロラシリーズのしっくりこないことを全部解決してくれるのかな?と期待していましたが、分からないことはやっぱり分からないままで、余計分からないことも増えて、考えても「可能性」がありすぎて・・・・うーーん。となっていました。 しかし、それがこのシリーズのいいところ。だから、このような展開の話であっても、特に不満はありませんでした。 ただ、もうちょっとしっくりした形が良かったかなって思ったり・・・・思わなかったり・・・。 | ||||
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やっと、新書判ででました。なんといっても鶴田謙二氏のイラスト入りが大きいです。私の中では彼の描くクサナギこそが、本人なのですから.まあ個人的な見解はおいといて、本作はスカイクロラシリーズの外伝にあたります.そのため、シリーズを読み終えていなければ理解できない記述が多々あります.まさか本作から読む方はいないと思いますが。また、外伝というよりも特に「スカイ・クロラ」を十分に理解するためには必要不可欠なものだと思います.スカイクロラを読んで、感動しながらも何か収まりの悪かったものがここでやっと落ち着いた感じです.もう一度、今度は「ナ・バ・テア」から時間軸にそって読み直したいと思います.とにかくこの乾いた空気感がたまらないすてきな作品群です. | ||||
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このシリーズの内容は本当に好きなのですが、 カバーの左下にくっついてくる 「スカイクロラ 全国ロードショー」みたいな宣伝が邪魔で不愉快です。 このシリーズのハードカバーの装丁は非常に綺麗で、 本の中身と外観とどちらからも潔癖な感性が感じられます。 それゆえ本棚にあるこのシリーズを見るだけで、 「綺麗なものだけ見ていたい」そういう感情を抱かずにはいられないものでした。 しかし最近付き始めた、その綺麗な空の中にあまりに無粋に浮かぶ宣伝文句。 空の中にまで「重い汚れ」が入ってきたみたいで非常な嫌悪感を感じてなりません。 なんでこういうことをするのかな | ||||
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このシリーズの内容は本当に好きなのですが、 カバーの左下にくっついてくる 「スカイクロラ 全国ロードショー」みたいな宣伝が邪魔で不愉快です。 このシリーズのハードカバーの装丁は非常に綺麗で、 本の中身と外観とどちらからも潔癖な感性が感じられます。 それゆえ本棚にあるこのシリーズを見るだけで、 「綺麗なものだけ見ていたい」そういう感情を抱かずにはいられないものでした。 しかし最近付き始めた、その綺麗な空の中にあまりに無粋に浮かぶ宣伝文句。 空の中にまで「重い汚れ」が入ってきたみたいで非常な嫌悪感を感じてなりません。 なんでこういうことをするのかな | ||||
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各種短編集でまとめられ、色々な登場人物の視点から書かれています。 ササクラの視点・ティーチャの視点・ミズキの視点・クサナギの視点の短編が大好きです。 あの後は・・・というような続きであったりと、シリーズを読んだあとに読まないと味わえない一冊です。 シリーズで、謎だった部分があって(感の良い方は気づいたかもしれないけど) 気づいていなかった私は、おぉ!?という解明される部分もあります。 で、また読み返すと(笑) また、謎も増えますけどね。(え?じゃぁあれって・・・みたいな・・・) 切ないけれど、このスカイ・イクリプスを含めてスカイクロラシリーズといえると思います。 何度読み返しても飽きないスカイ・クロラシリーズの締めくくり。 クサナギのその後は涙・涙です・・・。 是非、スカイ・クロラシリーズを大好きな方には手に取っていただきたい本です。 文庫化されるのでしょうかね? 待てずに図書館で借りましたけど・・・。 | ||||
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「クレイドゥ・ザ・スカイ」で、森氏の術中に見事はまり、悩むばかり。 そして「スカイ・クロラ」のラストに対する 何とはない、やり場のない想いにも、依然として困っている。 私はそんな日々を送っていたのですが この本によって、いくつかのわだかまりが、ほぐれていきました。 「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎の大半が おそらくこの本によって、解けます。 逆に、これを読んでから、「クレイドゥ〜」に戻りますと そのトリックの鮮やかさに、息を飲むばかりです。 「さすがにこのシーンのこいつがアイツだとは思わなかったよ!」という 箇所がポンポン出てきました。 そして、ただ謎が解けるばかりでなく シリーズ全体を通し、読者の抱いた、いくつかのやるせない想いに対し 森氏が「それはここに置いたらどうだろう」と言ってくれるような そんな作品群です。 初めて、語り手には、三人称が使われます。 あぁ、ついに最後の一冊なのか。 そう思うと、少し高かったけど、最後この綺麗な表紙の本にして良かった。 | ||||
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「クレイドゥ・ザ・スカイ」で、森氏の術中に見事はまり、悩むばかり。 そして「スカイ・クロラ」のラストに対する 何とはない、やり場のない想いにも、依然として困っている。 私はそんな日々を送っていたのですが この本によって、いくつかのわだかまりが、ほぐれていきました。 「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎の大半が おそらくこの本によって、解けます。 逆に、これを読んでから、「クレイドゥ〜」に戻りますと そのトリックの鮮やかさに、息を飲むばかりです。 「さすがにこのシーンのこいつがアイツだとは思わなかったよ!」という 箇所がポンポン出てきました。 そして、ただ謎が解けるばかりでなく シリーズ全体を通し、読者の抱いた、いくつかのやるせない想いに対し 森氏が「それはここに置いたらどうだろう」と言ってくれるような そんな作品群です。 初めて、語り手には、三人称が使われます。 あぁ、ついに最後の一冊なのか。 そう思うと、少し高かったけど、最後この綺麗な表紙の本にして良かった。 | ||||
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