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火星ダーク・バラード
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火星ダーク・バラードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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あるネットのレビューで「これ1冊でSFもミステリーもラブストーリーも楽しめる」と書いてあったので、期待して読んでみた。しかし期待し過ぎたせいか、途中から「それほどのものか??」という残念な印象になってしまった。SFであるのは間違いないが、「ミステリーか」と言われると「そうだとは思うがどうだろう」という印象。ラブストーリーという要素は更に低いと思いました。主役の女性と男性の年齢差が大きすぎるというのはありだが、男性の方は作者の設定年齢よりもだいぶ年配なキャラに見えたし、結局女性に対して恋愛感情持ったのか??とよく分からない状態のままだった。 | ||||
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舞台は人類が移民した火星。殺人犯を列車で護送していた治安管理局の水島は、猛獣に襲われるような幻覚を見る不思議な事件に遭遇した。その騒動で水島のバディである神月が射殺され、護送していた殺人犯は逃亡していた。水島は治安管理局から神月殺害の疑いをかけられ、真実を明らかにするために奔走する。事件の裏側には、総合科学研究所が研究している“プログレッシヴ”が大きく関与している。プログレッシヴは超共感生を持っており、他人の心を読み取るようなことや、人・物を考えた通りに動かすことができる。プログレッシヴのアデリーンは水島が事件に遭遇した列車に乗車しており、アデリーンは水島を探し、水島は事件の真相に迫るために行動を共にする。後半はSFというよりアクションがメインになる。水島のマッチョな行動とアデリーンの特殊能力を使いながら、人間の尊厳を問う行動に至る。火星都市の破壊などスケールも大きい。文句なしに楽しめる。 | ||||
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序盤はあらすじ通りの展開でSF+サスペンスとして引き込まれたが、中盤~ラストは今三。 一見して深みのありそうな部分は話が進んでもあまり掘り下げられず、派手な建造物ブッ壊しと、権力者を敵にしてヒロインを助けようと戦う主人公のハリウッド的内容に終わる。 せめてヒロインがもう少し魅力的なら…と思うが、メンタリティ的には普通のティーンエイジャーで、生き生きとした描写があるわけでもないため最後まで惹かれる部分は無かった。 | ||||
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デビュー作だ。03年に単行本が出たが、文庫では大幅に加筆されているらしい。 作者の意志による加筆だから、本書を決定版と考えていいだろう。 改訂前のバージョンも読んで見たいが、もう絶版だし。同じタイトルを古書で買い直すのもなあ。 近未来の火星都市を舞台とするハードボイルドである。 治安管理局の水島は、列車で犯人を護送中に怪現象に襲われて意識を失う。 気が付くと相棒は殺され、犯人は逃亡していた。水島は部下殺害の疑いで逮捕されるが、なぜかあっさり釈放される。裏に何があるというのか。真相と脱走犯の行方を求めて、水島は個人捜査を始めた。 好みド真ん中の設定に加えて、筆致がスピーディかつスリリングである。 主人公のやられっぷりと言いアクションの迫力と言い、久しぶりに本物のハードボイルドを読んだ。 大藪春彦か望月三起也か。 感心するのは、舞台を火星にしただけではなく、ちゃんとSFハードボイルドになっていること。 この展開はSFでしかありえない。 登場人物の造形が秀逸である。水島のストイックな信条に説得力がある。 謎多きヒロイン・アデリーンには声援を送りたくなるほど共感できる。 組織を動かす頭脳戦と問答無用のバイオレンスのバランスもいい。 怒涛のようなアクションと豊富なアイデアを満喫できる傑作である。 | ||||
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途中から、引き込まれていき一気に読めます。 私が読んだ文庫本と、単行本のラストは違うようですが、単行本も読んでみたくなります。 | ||||
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この作者に、最近はまりました。 読みやすくて良いと思いますよ。 | ||||
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「魚舟・獣舟」もそうだけど、読ませられます。 自分は女性のせいか、アデリーンという、遺伝子改変技術で生まれた少女の、自立と恋の物語として読んでました。話の骨格は火星で起きた不可解な事件、幾多の妨害を振り切りながら、事件の濡れ衣さえ着せられながら、事件の真相を追う水島が主役といえば主役だと思いますが。個々の人物がそれぞれの傷を抱いて選んだ現実がぶつかり合い、結末になだれうっていくさまがいいです。 SF+ハードボイルドといえばそうかもしれないけれど、むしろ連続殺人犯のジョエル・タニの幼少期を描いた「小鳥の墓」のほうがよりハードボイルドな気がします。 ラストが少し自分の好みと外れるので星一つ減らしましたが、文庫版は小松左京賞の作品にかなり改稿を加えておりラストも違うようなので、元の作品と読み比べてみたいです。 | ||||
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40間近の不器用な刑事と遺伝子改良によって生み出された新人類の少女、女性しか殺さないシリアルキラー、無人の建設機械による都市開発がすすむ火星の情景。わくわくする要素が揃っていて、かなり期待して読み始めました。 SFの描写がしっかりしていて、ファンタジーになっていないのも好みです(フォボスが観光資源となるために残されているという設定がそれらしくて良い)。 しかし、通読するとSFの設定は思ったより生きていなかったように思います。火星という舞台もそうですが、「一人では能力を発揮できない」「火星の生物の遺伝子を組み込んでいる」「嫉妬や羨望が無い」というプログレッシブの特徴も、設定は面白いのにそこから展開しなかったな、というのが率直な印象です。いくらでも料理できそうな設定なのに、勿体なく感じました。 また、自分の大切にしている物のために感傷や思いやりを捨てざるを得ない厳しさがハードボイルドのハードボイルドたる所以だと私は思うのですが、登場人物達がけっこう安易に自己犠牲的・同情的な行動をとり、安っぽいドラマか漫画のような展開が頻出して拍子抜けしました。描写にもちょっと無粋なところがあり、登場人物の内面など何かあるたびに100%に近い説明がされるのが野暮ったい印象を受けます。後半のロマンチックな展開は嫌いではないのですが、語り過ぎのせいでいまいちボルテージがあがりきらなかった気がします。 テンポが良く、雰囲気もあって面白いのですが、なんとなく惜しいな〜という気持ちが残ります。どこか「男性不在のハードボイルド」という印象の作品だと思いました。 | ||||
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わたしは、これから先、文庫版は読まないでしょう。たとえ、そちらが作品として勝っているとしても。 | ||||
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大幅改稿された文庫版を読みました (単行本は未読です) 第四回小松左京賞受賞作にて、著者のデビュー作 舞台は火星 政府は宇宙空間に適応するよう遺伝子をデザインされた新人類の開発を秘密裏に行っている その陰謀に巻き込まれた捜査官と新人類の少女の逃亡を描いた、ハードボイルドな作品 もちろんSFでもあります 人間の負の感情(嫉妬、蔑み等)を抑える一方、共感能力を高め、他人と調和する そして、肉体的にも宇宙の過酷な環境に適応するようデザインされた新人類 彼らはさらなる外宇宙への進出と肉体及び精神の進化を続ける といった計画の第一歩となるはずだった少女が自分の過失により引き起こした事件、そして恋の芽生えに遭遇し政府側と対立していく 骨太なハードボイルドで、SFとしても傑作でした 旧来の倫理観と新しい価値観の衝突などといったテーマも興味深かった 小説としては、大きな事件に巻き込まれた個人を描くのが正解なのだとは思う しかし、個人的には物語性は犠牲になってもいいので新人類たちによりどのように社会・人類が変革していくのかをもっと読んでみたい 必ずしも同一の世界設定との訳ではないようだが木星を舞台にした長篇もあるようです 今度、是非とも読んでみます | ||||
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この人の作品を読むのはこれがはじめて。 火星が舞台というわけで、注目するのが、その火星がどんな姿をしているのか、そこで人類はどんな生活をしているのか。 まずは、SF作家の腕の見せ所というところでしょうか。 谷を巨大な天幕で多い、温室の中で暮らす人類。 これは、まあ、そんなもんかなあという感じか。 これぞ火星、さすが火星という感じはしなかったが。 最初のしょぼいミステリっぽい、出だしは、いまいち好みでなかったが、そこから、SF的な謎が加わって、以降はワクワクしながら読めた。 最後の舞台は軌道エレベーター、でも物語的には、スケール感を出すのは難しかったかな。 物語自体は、少女と中年の超能力的恋愛物語でもある。 これは、親父が多いと思われる、審査員受けを狙ったんでしょうか。 親父の少女への執着も描かれてるし。 人によってはロリコンじゃんキモイとか思うのだろうか。 人の思いが現実的な効力を持つ力として描いた物語、こういう作品は、読むと、重々しく、少し怖い印象も受ける。 そして、心にズーンとくる作品になる。 | ||||
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第4回小松左京賞を受賞した03年作。キーワードは火星、異能者、ハードボイルド。ダークな情感を孕んだ緊迫感を通奏低音に進む物語だ。 舞台は、パラ・テラフォーミング(大掛かりな「地球化」ではなく、その一部の峡谷に天蓋を架けることで人類の移住を可能とする技術)の進んだ火星。その火星の治安管理局第二課に属する水島烈が、バディ(同僚)の神月瑠奈とともに猟奇連続殺人の容疑者を追い詰める場面から幕は開く。その容疑者移送の最中で発生する壊滅的な列車事故。一転、容疑者として疑惑をかけられることになった水島、そして事件の背後に見え隠れする異能者の存在と極秘裏に進行するプロジェクト、これらが螺旋状に絡み合い、次第に膨張しながら終局のカオスへと突き進んでいく。舞台設定こそSF的ながら、たぶんに薄暗い重みを持った様々な感情や思惑が交差し沈殿する作品世界は、その意味でかなりヘヴィだ。疾走感ある展開に巻き込まれ読み進むうちに、気づかずその澱の中にとらえられ身動きがとれなくなっている、という重さ。ストーリーの核である異能の存在は、そうした人間の「感情」をまさしくKeyに、破滅的な旋律でもって物語を動かしていく。理知的なシルエットを持ちながら、得体のしれない存在が漠と広がるこの世界観は、なるほど小松左京賞に通じるなぁと思う。面白かったが、思っていた以上にヘヴィな作品でもあった | ||||
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初めて読みました。上田さんの本。 『華竜の宮』が話題だったので気になって なぜか前の本から読んでいる次第ですが、 SFであることは間違いないですが、 例えば”SF??ちょっとやだけど、 新宿鮫のファンだったりする”というような人 だったら絶対に楽しめます。 僕もそうですがSFは設定の説明に一定のページ数を 要するし、そこがまどろっこしかったり、世界になじめ なかったりすることがあります。 でもこの本はそういう点では全く心配なく、出だしも サスペンスフルだし、いきなり事件が起きるしで、 ついつい釣られて読んでるうちに頭の中が 『火星ダークバラード』の世界になります。 主人公もかっこいいし、少女も芯があっていいし 周りの人物も印象的で、フツーにハードボイルド小説として 読もうと思えば読める感じ。 部数が少ないのでしょう、手に入りにくいのが難点ですが、 読んだ後も人にあげたくないくらい世界に愛着した 本の一冊です。 | ||||
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「小鳥の墓」(『魚舟・獣舟』所収)を読んで、 この主人公が重要な脇役になっているという 『火星ダーク・バラード』をはやく読みたいと思った。 この作品の中で、人はぽきぽきと折られ、くしゃっとつぶされる。 しかし人々の感情の動きはしっかりと描写されているので 熱く生々しく、それなのに機械のように冷たく、もう、なんだかわからない。 綿密に計算された、世界。 それなのにラストは、単行本と文庫で違うらしい。 それじゃまったく別の作品ではないか。はやく読まなければ。 | ||||
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パラテラフォームと軌道エレベータという、何だか実現しそうな火星未来都市が舞台。地球から月、スペースコロニー、火星と、徐々にスペースノイド化していく背景がしっかり見えた。 連続殺人鬼とはみだし刑事の緊迫した場面から始まる。SFとハードボイルドは、アシモフの「鋼鉄都市」やディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」でもおなじみのように相性がいいのだ。 本作のもう一つの工夫は共感能力というワンクッションおいた超能力。自分の意志で発揮するサイキック能力ではなく、自分以外の意志をサイキック能力として発現させるというものだ。だからだれかと関係せざるを得ない。ペアを組まざるを得ないのだ。設定として非常に巧妙だった。 なのに、アデリーンの共感力がだんだん普通のサイキック能力に変化してしまったのは残念だった。 なんでもかんでもめでたしめでたしって訳にはいかない文庫本結末には納得。 | ||||
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単行本で出版されたときから気にはなっていたけど、読む機会のなかった小松左京賞受賞作の文庫化。 ものすごいハードボイルドSF(こんなジャンルあればだけど)。いまどき、流行らないような文体だけど、ハードボイルド好きだった自分には懐かしい。ストーリーも相棒を殺された刑事が真相を追究するっていう典型だし、無垢な少女を守る騎士っていうのもそう。 でも、そういった使い古された設定を火星という場所や遺伝子操作といった新しさでくるんで、よくできた話になってる。 ブレードランナー+ファイアスターターって感じかしら。 文庫化に伴ってエンディングを変えたらしいが、元の単行本のときの結末が知りたくなった。 | ||||
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ものすごくスピーディーで一気に読めてしまいました。本当に時間がたつのを忘れてしまいました。 火星を舞台にした映画「トータル・リコール」(ディックの原作とは切り離して考えています)は奇想天外な作品でしたが、この小説は映画「トータル・リコール」の痛快さとスピーディーな展開にしっかりと科学考証がされたような快作です。文章も読みやすくて本当に面白かったです。 | ||||
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狂った犯罪者、型破りなPDと頼りになる相棒、理解不能な事件、・・というところからいきなり展開が変わってしまってちょっと興醒め。そのあとも、これでもかというくらいいろんな要素が出てくるんだけど、どれをとっても火星って設定が生きてないような。火星じゃなかったらたんなる近未来フィクションだったり、ファンタジーだったりなのかも知れないけど、それだって十分成立したはず。なんとなく、あれもこれも詰め込みすぎて、物語がつぎはぎに見えてしまっているのが残念。 | ||||
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舞台は、人類が都市を築いた火星。犯人の護送中に、謎の生物に襲われ、相棒を殺され、犯人に逃げられた刑事の主人公は、逆に犯人の容疑をかけられる。単独捜査を開始するも、証拠は消され、命は狙われ、警察上部からの圧力が。そんな彼の前に、「超共感性」という特殊能力を持つ少女が現われ、2人はともに、事件を追うことになるが・・。護送中に襲ってきたものは?その背後にある陰謀は?そして、少女は何者?少女の力は、果して・・。SF&(いい意味で)ちょっと甘さのある刑事ものという印象の本です。ストーリーも楽しいですが、それ以外にも、主人公の型破りな行動、主人公と刑事たちの格闘、少女の力の覚醒、火星の都市の仕組み/様子など、読み応え満点です。夜なべして読んで、翌日眠くても、後悔しない1冊でした。 | ||||
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エンターテイメント性を前面に押し出した作品。テンポもよく、ビジュアルが次々に浮かんできます。こ難しい理論や、ひねりすぎて作者自身が混乱しているような本が多い中で一服の清涼剤としての効果大!サスペンスの盛り上げ方もこれがプロとしての一作目とは思えないほどのこなれ方。映画的。多分、たくさん映画をご覧になっているのでしょうね。唯一、惜しむらくは主人公の相棒である女性警察官の殺され方。う~ん、女性にはなんてことないのかもしれないけれど、「いけてるやん、この女警官」と思ってたら、あっというまに殺されちゃう。だから星一個減(笑)。それがまたなんともえぐい描写で。この部分まではとても楽しく読めたのに、しばらく本を閉じました(苦笑)。思い直して、その後は一気に読めましたが(笑)。ともかく。SF映画、SF小説、特に海外ものをお好きな方にはぜひ!サスペンスファンにも安心しておすすめできます。この上質のエンタメを内外の優秀な映像スタッフで製作し日本発のSF映画としてスクリーンに登場することを願うのは私だけではないはず。そうそう、これは書いておかねばなりません。本作、「人間」をテーマにしてるってこと。重くなりがちなテーマなのに、こういう描き方もあるんですね。 | ||||
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