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樹縛
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樹縛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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秋田の杉林が舞台という少し変わったミステリー。 美しい女性と若い男性の遺体が失踪の時期から12年後に森のなかで発見される。 女性の妹直里と男性の兄替わりの八田は、ふたりが心中したのではなく、 殺されたのではないかと疑い、その背景を探るうちに秋田杉をめぐる陰謀に気づく。 シックハウス症候群、秋田における林業、日本と中国を結ぶ線、そして錯綜した人間関係と さまざまな要素が絡まり合い、なかなかの読み応え。 農学部出身の著者らしく、植物学の知識も盛り込まれ、 また登場人物の性格も巧みに書き分けられている。 最後の解決にやや納得のいかない点もあったが、この作者らしい本格的なミステリーだと思った。 | ||||
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林業を話の柱にして、男女の心中?の謎を絡めミステリー仕立てにした,意欲く作。ヒロインが友人の助けをかりながら、謎を探って行く。。。。。。中々凝った作品ですが、私には、ヒロインの恋愛観に疑問を感じてしまいます。色々な価値観が人にはあるのは解りますが、なぜか?頷けないのです。一応、ここの部分を除けば,他に類の無い味のあるほんで、お勧めです。 | ||||
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杉材を用いたマンションの住民に突如発生した杉花粉症と、12年前に発生した男女の心中事件。 およそ結びつかなさそうなふたつの謎が、一方は林業の実態と林学の知識を交えながら、もう 一方は遺族の思いを乗せて展開し、徐々に絡み合い、ほどけていく。 社会問題と個人の物語を交錯させる構成力、さまざまな登場人物の群像劇など、永井の初長編 『枯れ蔵』と共通項は多い。ただ、展開にいささか難があって多少すっきりしない前作と比べて、 永井はこのデビュー第二作で独自の魅力をあますところなく発揮している。それは、女性らしい (差別的意味ではない)穏やかで細やかな語り口だ。唾棄するような「悪人」がおらず、作者が 登場人物に向けるまなざしは、決して感傷的ではないが、どこか暖かい。 他のレビュアーの方々による本作の評価はさほど高くないが、本レビュアーが参照している創元 推理文庫版(2009年)では、あたかもスギを枝打ちしたかのように文章がこなれている(違う版 に関するレビューをまとめてしまうアマゾンの問題点はいまだ改善されていない)。 最後に、著者の永井するみは2010年に亡くなられた。同じ1961年生まれで奇しくも同年に鬼籍に 入った北森鴻と並んで、あまりにも早く失われた才能が惜しまれる。本書に関心をもたれた向き は、『枯れ蔵』や『ミレニアム』など彼女の社会派としての力量が発揮された作品にも目を通し ていただければ、と思う。 | ||||
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