■スポンサードリンク
(短編集)
紙魚家崩壊 九つの謎
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
紙魚家崩壊 九つの謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.82pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
バリエーション豊かな9つの謎を収録した短編集 「溶けていく」「俺の席」は上質なホラー 「紙魚家崩壊」 文字通り家自体が崩壊してしまう。 ところどころギャグが交わっており、どこかユーモラスな雰囲気が漂う 。 「死と密室」 この作品と「紙魚家崩壊」は本格ミステリというジャンルを踏まえた上で成立する作品だった。 「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」 理論的推理の不完全さを暖かく描いた作品だった。 「蝶」 地中に蝶を埋めるエピソードは通常なら異様な光景に写る。 しかし、そうとは感じさせず幻想的に美しく表現されている。 「新釈おとぎばなし」 基本はパロディなのに、えらく緻密に描かれている。 著者の姿勢が良く現れている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
装丁、インパクトのある『紙魚(しみ)家崩壊』というタイトル、そして北村薫。TVで見て本屋に走り、店頭で見て衝動買いしてしまいました。 何気なく目にした健康雑誌の求人広告がきっかけで就職し、念願の1人暮らしを始めた美咲。ある日、コンビにの雑誌コーナーで目にした漫画に釘付けになった美咲は、そこに店長そっくりの姿を見つけ、思わず買い求めてしまう。そして、コピーし手を加えていくうちに、つい夢中になって…『溶けていく』ほか8編 日常の中のミステリや、何気ない平凡な生活の中にひそむ悪意の怖さがしみじみと伝わってきて…それぞれが味わい深く最後までひといきに読んでしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書では90年代に発表された短編ミステリを主にまとめて、2004年−2005年に発表された新釈おとぎばなしを加えた9編のミステリ短編となっている。 それぞれは完全に独立しつながりはないのだが、一冊の本としてまとめて読んでみるとまた違う味わいが感じられる。 北村薫らしく(?)、殺人事件のようなおどろおどろしいものではなく、普通の生活の中に表現される不思議な事件がとても面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
収録作品は全て、過去に雑誌掲載された短篇の再掲です。 しかし、改めて一冊の本として読むと、《まさにこうして並べて出されるべきもの》と思えます。そして、どの作品も「優美なたくらみにみちた9つの謎」という紹介通り、どれも一筋縄ではいかない、いかにも北村作品らしい佇まいを持った秀作です。 一冊全ての感想をまとめると余りに長くなってしまうので、とりあえず、巻頭作「溶けていく」について、少し。 この作品の大きな魅力は、表に浮かぶ筋立ての裏面に、もう一つの描かれざる恐怖の物語が立ち上がってくることにあります。 《描かれざる恐怖の物語》とは、即ち、《美咲=読み手》の物語の裏に広がる、《作者》の物語です。 作中の漫画の作者は誰であるのか。 《彼》がその表現に込めたであろうものと、美咲がそこから独自に広げていってしまった世界との恐るべき差異。 美咲と《彼》との最後のやりとり------特にあのひとことを口にした時の、書かれざる彼の声、表情、その心の動きはどんなものであったのか。 -------そうした《描かれざる》物語に思いを馳せる時、《《美咲=読み手》の悲劇》の裏側に、《《表現を世に問う者》が抱えずにはいられない恐怖》という、隠されたテーマが見えて来ます。 字数の問題とネタバレの回避のため、詳細は省きますが、この短篇は、ある意味において、スティーブン・キング『ミザリー』よりも恐ろしい、《読者》を描いた小説なのだといえるのです。 この作品も含め、全体的に《他の北村作品も読んでいるファン向け》もしくは《熱心なミステリファン向け》というマニアックな気配が多少あるため、《誰にでもお薦め》とは言えないかもしれませんが、過去の北村作品が楽しめた人ならば、その期待は裏切られないだろうと思えます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!