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闇の底



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【この小説が収録されている参考書籍】
闇の底
闇の底 (講談社文庫)

闇の底の評価: 3.71/5点 レビュー 48件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.71pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21~31 2/2ページ
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No.11:
(4pt)

考えさせられる一冊

幼児への性犯罪が起こる度に、サンソンと名乗る処刑人が、かつて同様の罪を犯した前科者を次々と殺害していき、この事件に、自らも妹が幼児期に性犯罪を伴って殺害された刑事が挑んでいきます。救いのない悲惨な幼児性犯罪と、いつまで経っても癒されることのない被害者遺族の気持ち、そうした被害者遺族の気持ちを代弁するかのような残虐な殺害行為、非常に考えさせられる重いテーマですが、テンポの良いストーリー展開と謎解きの面白さで一気に読まされます。ラストの部分は賛否両論あるでしょうが、私は人間とはそういうものではないかと受け止めました。テーマから考えても決して楽しい作品ではありませんが、面白い作品だと思います。
闇の底Amazon書評・レビュー:闇の底より
4062135280
No.10:
(4pt)

Gはほどほど!

天使のナイフで江戸川乱歩賞をとった薬丸岳の、受賞後初作品。
天使のナイフのテーマは少年犯罪。おつぎは幼女暴行かぁと、
少しゲンナリしつつもこの人のテンポと最後のオチの鮮やかさを期待して手に取る。
連続して起こる幼女への暴行+殺害という陰惨な話の割にはあまりじめじめしておらず
テンポも軽め。この手の作品にありがちな、暴行シーンのえげつない性描写も抑えられているので、
あまり過剰なGを感じることなくさくさく読める。
人によって好みが分かれると思うが、難しい警察組織の内情とかが一切合切省かれているので、
かなり時間短縮でシーン展開も細かすぎない。
かなりスムーズに展開するシナリオの割には、エンディングまで誰が犯人なのか
悩ませるエサのバラまきかたと、その結末はさすが。
スピーディーに駆け抜けつつもきちんと抑えられた一作で満足なのだが、
もう少し主人公(?)、長瀬の内面が描かれるなどしてもよかった気もするので欲張りに辛口★4つで。
まぁ、ここまで一気に読んでおいて満足したくせに文句って、
フルコースを一気呵成にやっつけて、デザートまで完食してから
「もうほんの少しだけメインのソースの味が強くてもよかったかなぁ」なんて、
てめぇナニサマ?って気もしますけどね。
闇の底Amazon書評・レビュー:闇の底より
4062135280
No.9:
(4pt)

デビュー作もよかったが、2作目も十分におもしろかった

デビュー作「天使のナイフ」もおもしろかったが、2作目もよかった。物語は、過去に妹を殺害された経験をもつ長瀬刑事、ベテランの村上刑事、そして犯人の男の3つの視点で描かれていくのだが、犯人の情報を少しずつ与えながら真実に近づけていく手法が見事ですっかり騙されてしまった。冷静に考えれば長瀬の父親が犯人とは考えにくいのだが、過去に子供を殺害された経験をもつという先入観をうまく利用していた。
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No.8:
(4pt)

哀しいですね

結末を読んで深い哀しみを感じました。
理性では抑えられないものを持って生まれてしまった人の悲劇を考えてしまいました。
なぜ、最後の仕上げとして協力者が必要だったのかがわかったとき、本当にやりきれないものを感じました。
初めて愛を知り、守るべき者を得たのに、それを貫くことは不可能だったのです。
今まで性犯罪者を蛇蝎のごとく忌み嫌っていましたが、ひとりひとりにその人の人生があり、普通の嗜好を持った人には理解し得ない深い哀しみがあるのかもしれないと思うようになりました。
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No.7:
(4pt)

悪人は誰か?

「犯人、分かっちゃった」
前半を読んで、誰もがそんな印象を抱くだろう。
テレビの火曜サスペンス劇場のように、犯人の影がチラリチラリと見える。そして、登場人物の人間関係をたどって「犯人はあの人」と当たりを付けて考えてしまうのだ。
しかし最後の最後まで来て、騙されたことに気づく。
最後まで読んではじめて「闇の底」というタイトルの意味が分かるからだ。人間の心の闇を覗くような恐ろしさが、読後にじわりと来る小説だ。
サスペンスは、あまり語ってしまうと、これから読む人にとっては面白さを半減してしまうのだが、題材は、幼い少女に対する性犯罪。
現実に、少女が陵辱され、殺され、死体が寂しい山中に放置されるような事件は、最近も報道された。
犯罪者が精神的な病を抱えている場合もあるが、抵抗できない少女に対する犯罪はなんともやりきれない。悪いのは犯人なのだが、家族は、少女を失った悲しみとともに、「守ることができなかった」と自責の念を抱くのは想像に難くない。
性犯罪の被害をなくすには、どうしたらいいか。
このテーマをベースに、性犯罪者、被害者の家族、警察官たちの思いが絡んでいく。
結論を急げば、すべての犯罪を失くすことはできない。
この小説は、一応の決着を示しながらも、そのことを滲ませている。
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No.6:
(4pt)

人物描写がとてもうまい

 前作を読んで、著者の次回作を楽しみにしていたが、期待を裏切らない内容である。
とても読みやすいし、あえて回りくどい言い方もしないので素直に情景が思い描ける。
 内容は重いが、前作同様主人公に感情移入しながら読み進めることができる。正直ラストにはびっくり。賛否両論はあろうが著者がこのような結末を選んだこと自体、一種の冒険であり、そのチャレンジ精神は評価できると思う。次回作もまた楽しみだ。
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No.5:
(4pt)

犯罪被害者遺族

犯罪被害者について議論されることが近年増えている。特に、子供を殺され、失った犯罪被害者の遺族の気持ちは、突き詰めると「復讐してやりたい」に限りなく近いものになるに違いない。もちろん、犯人を殺すことで、被害者や遺族が救われることは決してない。ただ、犯人の身勝手な衝動が遺族を一生にわたって苦しめることは確かだ。
「女児殺害」「犯罪被害者」といった、最近話題になることの多い内容について「私刑」といった観点から描いた作品。読みはじめてすぐから、作者の仕掛けた罠が散っている。犯人はこの人だとおもわせるような話が、ずっと続くので私はまんまとだまされた。ラストは人によって、賛否が分かれると思うが、こうするより仕方ないというのが正直な感想。
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No.4:
(4pt)

本の帯の文言が意味するところは

何らかの賞を受賞した後の作品は質が落ちるというのがありがちなパターンで、あえて期待値を下げて読み始めたのだが、今回はよい方に裏切られた。「天使のナイフ」は少年犯罪をテーマにしていたが、今回の「闇の底」は少女を犠牲者とした性犯罪をテーマに選んでいる。犯人を追う側と犯人側の両方の行動と心理を描写するパターンは、最近の推理小説でもボチボチ見られるようになったが、この作品も冒頭から両者を交互に描写している。そして、犯人を「男」と匿名で表記し、いったいこの「男」が誰なのかということを読者に考えさせる。読み出したら止まらない。途中で作者が意図的に作ったと思われる罠もある。読了後に帯にある「絶対に捕まらない−。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。」という文言が初めて理解できた。東野圭吾とどことなくタッチが似ており、彼の推理小説が好きな人にはお薦めである。
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No.3:
(4pt)

タイトル、表紙を変えて発売すべき。

期待の新人作家、薬丸岳の2作目。内容 ◎ 文章展開◎ も、タイトル ×× 表紙 ××。
乱歩賞をとった前作が少年法、そして本作は幼児、猟奇殺人絡みと今度もとても重い題材の作品。生々しい内容ながら、警察と連続殺人者の行き詰る展開には目を見張るものが在り、本のページがとまらないこと間違いなし。280ページ少々に凝縮された物語は、読む者に息をつかせない。このような重い題材に挑みながら、十分に自分の物語に昇華できる才能は、本当に素晴らしいと思う。内容、文章展開の巧みさ、充実度に比べ、手を抜きすぎたタイトルと表紙は本当に頂けない。タイトルが本当に中途半端で、全く的を得ていないし、こんな表紙では売れる本も、店頭で売れなくなるだろう。前作に続き、間違いなくブレイクするべき作品内容だけに
多くのミステリーファンに読んでもらいたい。ゆえに内容は星5つでもタイトル、表紙がどうしようもないので星4つ。
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No.2:
(5pt)

読ませる力量を持った若きエンタテイナー。

2作目も「読ませる、読ませる」で素晴らしい力量を持ったエンタテイナーだと思います。今回のテーマは、幼女に対する性犯罪。読みはじめたら、止まりません。前の書き込みの方も書いておられますが、やはりこの装丁は今一つです。それ以上に面白く、エンターテイメント性の高い商品なので、ここは商売根性を出して、ハリウッド並みの売り方でいったらいいのではないかと思いました。実際、劇場型の犯罪は、うすら寒く気味が悪いものですが、あくまでもつくり話、ミステリーとして読むとハラハラドキドキ、ページが進みます。
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No.1:
(4pt)

今後が楽しみですねー

「天使のナイフ」以来、著者の2作目。続きが気になって2日ほどで
読んだ。被害者家族の苦しみという点での書き方は前作と
類似していたが、劇場型犯罪の部類の小説が好きなので一気に
読めました。野沢尚の「破線のマリス」や雫井修介の「犯人に告ぐ」
読んでドキドキした人ならきっとハマる作品だと思いますよ。
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