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天使のナイフ
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天使のナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 81~100 5/7ページ
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いわゆる"少年犯罪"の話。主人公・桧山は生後5ヶ月の娘の目の前で妻を殺された。 が、犯人は3人とも13歳の少年のため、罪に問われることがない。 そしてその4年後、その少年のひとりが何者かに殺害され、 アリバイがなく動機のある桧山は警察に疑いを持たれてしまう・・・。 ここから再び事件が動き始める。 妻を殺した少年は、事件の後一体どういう気持ちで日々を過ごしていたのか? 反省はしていたのか?更生への道をきちんと歩んでいたのだろうか? 桧山はそれを知りたいと思うようになり、そしてここがこの作品の大きな鍵になる。 つまり、妻を失った夫の恨みや復讐心ばかりを強く押し出すのではなく、 あくまで少年法とは何か?更生とは何か?そして、なぜ少年達は犯罪を犯してしまったのか? というところを突き詰めていく点にいい意味で期待を裏切られた。 被害者の訴え、加害者の訴え、そして少年達の更生に携わる者たちの訴え。 それぞれの視点から明かされていく事件の"真相"に、なんだかやり切れない気持ちにさせられるが・・・ 最後はちょっとうまくいきすぎというか、出来すぎでは?と思う点も否めない。 | ||||
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友達に薦められて読みました。 犯罪の低年齢化が進む時代。少年犯罪法の憤りについて考えさせられました。 テーマは重いですが、内容の展開がとても深い。 ラスト1/3の展開には驚かされました。 とても練られたストーリで読みごたえがありました。 | ||||
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久々に読み始めたら止まらない本に出会った。これだから小説は面白いと思わせる一冊だった。 「少年犯罪」という重いテーマにもかかわらず読んでいてとても心地よいいと思ったのは、「少年犯罪」の問題点を指摘しながら、そのどれも押しつけがましくなく、普通の人間が悩み苦しむというスタンスからから逸脱しない点だ。こういった小説の場合、作者がどちらか一方の意見に傾倒している点が見えてしまうと一気に興ざめする可能性があるが、あくまでそのどちらの意見をも斟酌しつつ、どうにか答えを見つけ出そうとしていく所が多くの人に受け入れやすい作品になっている理由だろう。一考では、それは作者の人間味が現れた部分だろうとも思える。 また、そういった葛藤を物語の中に落とし込み、一級品のエンターテイメントへと昇華させた技術も素晴らしいと思う。最後の方は少し物語を複雑化させすぎたきらいもあるが、そこは作者の人間の内面描写の妙が埋めて余りあるものになっていると思う。 一気に読めた、という満足感を持って書を置きたい人にはぜひお勧めの一冊だと思う。 | ||||
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少年犯罪で厚い保護の元 罪を犯した少年は更生できるんでしょうか。 「光市母子殺人」でも報道される内容は 疑問に思うことばかりでした。 更生するとは どういうことを言うのでしょうか。 被害者への謝罪無くして更生したといえるんでしょうか。 本書はその少年法に対しての被害者の苦悩がとても良く伝わってきました。 一つの殺人事件がもたらした波紋が,また別の事件につながっていく。 面白くて一気に読みました。 | ||||
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江戸川乱歩賞は、実に読み易い小説ばかりです。 本作もまるでマンガを読むかのように、一気に読めてしまえます。 必要以上の暴力模写もありませんし、下世話な性的模写もありません。 しかし、この作品の中にあるのは、 「少年犯罪」「被害者の気持ち」「更生とは」「贖罪とは」という、 重く、大切な、人間とはを問う、重厚なテーマです。 それをエンターテイメントの中にまぶし、飽きさせずに、 ある意味「面白く」読ませてしまう、この凄さ・・・ 若い人達の活字離れが嘆かれて久しいですが、 そんな若い人達に、是非、「大人達が読ませるべき」一冊ではないでしょうか・・・! そういう意味で、この作品は、大変な傑作と断言出来ます。 | ||||
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少年犯罪というテーマは重そうで、少し敬遠していたのですが、友人から薦められて読んでみました。面白く読みました。 社会問題を取り上げたミステリ小説は世に沢山出ていますが、安易な結論を出して物語を閉じてしまい、納得のいかないものが多く見られます。しかし、本作品は、最後までバランスを失わず、きれいに走りきっている感じ。 読んでよかったと思える作品でした。薦めてくれた友人に感謝! | ||||
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事件という形では決着がついた、 課題は残ったけど…って終わり方かと思いきや! とラストにもう一度驚かされる本でした。 どこまでが葉でどこからが花かわからない花のように、 重なり合い、白でも黒でもない状態がずっと続く感じ。 でも読後感はすっきり、でありながら、結論の出ない投げかけもある。すごいミステリーですです。 | ||||
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おもしろかった。4年前の事件は犯行の動機の点から釈然としない点があると思っていたが、なるほど納得のできる動機であった。最後の弁護士の罪まではさすがに想像できないが、ストーリの展開が見事で一気に読んでしまった。最後の終わり方もハッピーエンドというわけではないが、清々しい終わり方だった。 | ||||
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前半は、少年法や更生、少年犯罪の被害者の悲劇等、ちょっとありきたりの世界だったので、 正直期待はずれでしたが、後半の仕掛けはなかなかのものでした。 私は「因果応報主義」なので、殺したら殺されるってのが筋だよね?って思ってましたが、 どうなんでしょうねぇ。。。 過失致死ならとにかく、やる気でやった殺人、 しかも、自分勝手な都合というのは、やらせた奴が一番悪いにしても、 やはり、やったほうも、それなりの処分がなされるべきと思います。 変なたとえですが、飲酒運転が厳罰になって以来、確かに死亡事故は減ってます。 厳罰主義というのは、やはり必要なのではないでしょうか? 定価だとちょっと哀しいけど、中古の値段なら納得の1冊でした。 | ||||
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少年犯罪ものですから、少年を罪に問えるか?犯罪被害者の心情、更生とは何か?加害者側の問題等をなかなか鋭く捉えて、しかも作者薬丸さんの中で咀嚼した結果を小説という形しかもエンターテイメントとして成立させて、なお重過ぎないところは素晴らしい感覚です。今現在の状況を上手く使いミステリとしてのカタルシスも見事だと思います。特に、恐らく(私の勝手な考えです)山口県光市母子殺害事件の本村さんの心情を鑑みて本書を書こうと思われたのではないか?と思いました。私個人もとても気になる(ただテレビのニュースで見かけるだけですが)方ですので。そのうえで様々な本をお読みになり、消化したうえでのミステリーです。社会派ミステリ(昔の松本清張みたいな)にも近いところがありますが、もっとエンターテイメント寄りです。 被害者のみならず、その周りの人々の感情をひとつひとつ積み重ねていく所にとくに好感が持てました、この手のものはスッキリさせるためのもの(ミステリでいえば、謎を解く!少年犯罪ものでいえば、厳罰!とか人権!とかつまり、偏った過激さの事です)が多いのですが、なかなかスッキリ簡単にさせないのに、スムーズに展開していく流れはスゴイです。いいトコ取り(社会派とエンターテイメントとミステリ)も上手くて良いです。 トリックと、細かい所で(携帯電話と盗聴器関係や、少年犯罪繋がりが繋がりすぎるところなど)気になる部分もあります。上手いだけにどうしても作り込み過ぎてミステリ好きな方なら読める展開でさえありますが、そうであったとしても、読んで良かったです。ミステリもの、または少年犯罪について少しでも興味がある方にオススメ致します。1番最後に参考文献が乗っていて、その著作リストを見てさらに納得しました。デビュー作でこれはスゴイ事だと思います。 | ||||
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少年法の真正面から取り組んだ小説。 読み応え十分。感心させられました。 ただ、最近軽いものばかり読んでいたので、疲れました。 だらか星4つ。 | ||||
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おもしろいかったのですが 傾向としてはやはり近年の乱歩賞の枠内で、そこがどうも新鮮さがなくて残念 あくまで乱歩賞内のおもしろさであって、絶賛するまでには至らないというか。。。 | ||||
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このような感想は不謹慎かもしれませんが、おもしろかったです。素直にだまされて読まされてしまいました。最後までぐいぐいと引っ張られ、え? この人物も? え? この人も? え? え? え? で、最後まで。少年犯罪とか遺族の気持ちとか、いろいろとよく調べて書かれてあるような気がしました。この本で、初めて知ったことも多かったです。楽しんで読めて、勉強にもなって、いろいろ考えさせられて、一冊でかなりオトクな本に思いました。 | ||||
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「面白い」ではなく、とても重い話でした。いろんな人に読んで、このまま受け止めるのではなく、自分なりの意見を持って欲しい作品だと思いました。そして、読んだ後、自分の大事な人に思いをはせて欲しいと思いました。 | ||||
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少年犯罪における大問題「加害少年の社会復帰か、厳罰による贖罪か」に鋭く迫る硬派ミステリー。 本書では、被害者の立場から語られる少年犯罪の取扱いの理不尽さ、「人権弁護士」の怪しさ、マスコミの暴力等々が非常に生々しく表現されている。一方で、加害者とその家族が抱える苦悩、少年の更生の可能性に賭け見守る人々の様子も語られる。いずれか一方の主張に偏ることなく、少年犯罪の取扱いの「難しさ」を浮き彫りにすることで、読者に対して「どうするべきなのか」という重い問いを投げかけてくる。 少年犯罪の被害者と加害者が重層的に重なりあい、様々な視点を見せてくれている。これは本書のテーマに複眼的な視点を与えるのに役だってはいるのだが、一方で、ストーリーのリアリティを損なう、「ご都合主義的」な印象は否めない点は残念。(いくらなんでも、関係者全部というのはやりすぎ) 重いテーマにも関わらず、一気に読ませる力を持つ小説。デビュー作とは思えない実力派だ。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞作品として 華やかにスタートを切った薬丸岳著の作品。 「少年犯罪法・更正法」とは? 実際に本当に今の更正法で重篤な犯罪を犯した少年らは更生できるのであろうか? 投げ掛けた波紋は大きいと思う。 昨今、少年犯罪法を取り上げた社会派小説は多くある中でも この作品は、問題点を様々な角度から視点をあてたもので 贖罪までにも踏み込んでいる。 ダイナミックなスケールと重層的な伏線の使い方が巧みで 綿密な構想といい重たいテーマを扱いながらも 読者を惹きつけて離さない、魅力的な水準の高い作品。 主人公の檜山貴志の心情描写やそれを引き立てる細部にわたってまでも 作者は手を抜かない。 読み応えたっぷりで作者の手腕を賞賛し 今後の執筆活動も多いに期待したい。 | ||||
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なんと小説デビュー作だという。ありえない完成度。文章の成熟度を批判するのはかわいそうだ。だってデビュー作ですよ! 「少年法」の持つ欠点・一方的な欠落と、高い理念に支えられた長所、それをめぐって無責任に野次馬化する世間が、何重ものストーリー構成で描写される。たった一つのテーマを、まさに万華鏡のように様々な角度から描いてみせる。 エンターテイメントとしての伏線もうまい。被疑者に対する警察のマークが甘すぎるが、リアリズムよりエンタテイメント性を重視したととれば問題はない。 はじめゆっくりと展開していきながら、徐々に加速してゆくストーリーの進み方がサスペンスフル。 | ||||
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テーマが重過ぎてどうなのかな?と思って読んでいると、 どんどん続きが読みたくて一気によんでしまった・・。 でも、(ネタばれですが・・)電車での事件の時、「死ななかった」のが、いかにも怪しすぎて。正直、小説慣れしている私には、あの時「読めてしまった??」と思って心配していたら案の定でした。 主人公の微妙な心の動きとかは、とても細かく書かれていて良いと思っていただけに、イマイチ、はっきりした伏線が書かれていないまま、少し無理やり「犯人を突き止めた」感じが否めなかった気がします。 | ||||
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まず主人公の心情がしっかり表現されていて、感情移入出来、最後まで飽きずに読める。 ミステリーとしては、伏線が繋がり、あの2人の犯人を自分の中で見当付けることが出来たが、最後の一人に関してはそれまでに伏線がほとんどなく、最後の主人公との対談だけで色々話を詰め込み過ぎていて、突然って感じがしてならない。最後の人物がわかってしまうような伏線だと逆につまらなくなってしまうと思うが、最後の話を聞いて納得するぐらいの伏線を加えて欲しかった。あれだと最後に無理矢理完成させた感があり、話に出した人間で少年法に賛成する者なら誰でもよくなる気がする。 でも書き方や表現の仕方、登場人物などは新人とは思えないほどしっかりしていて、ずっと楽しませてくれたのでこの人の本は毎回買うことになると思う。 | ||||
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一つの事件から生じる被害者と加害者の葛藤を描いた小説は結構な量を読んできたが、 本作はその中でも上位に入る。 人権を一方的に唱える説教小説でも、ただただ少年犯罪者の恐ろしさを見せ付けるわけでもなく、 被害・加害者家族がいかに苦しみ、どのように生きてるかが丁寧に書かれているところに感動した。 特に、一人一人のキャラクターがカテゴリ別に分類されておらず、独立していたのがよかった。 こういう小説の場合、被害者側・加害者側で設定してしまい、『加害者悪=全員無反省』 『悲壮な被害者=聖人君子』となりがちだが、ある者は過去の罪の贖罪を探し、 ある者はただただ罪におびえ逃げ出し、またある者は被害者として殺意を煮えたぎらせ・・・・ ステレオタイプじゃないからこそ、罪というものの重さ、償いの難しさを読み取ることができた気がする。 久々に読んだ、強烈な一冊でした。 *ただ、登場人物のつながりがちょっと狭すぎる範囲だったのに違和感を感じました。 | ||||
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