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天使のナイフ
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天使のナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 61~80 4/7ページ
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初めての作者。 この作品が「江戸川乱歩賞」を取っているらしい。 新妻をまだ3ヶ月くらいの娘の前で惨殺され、犯人が中学生の三人組という事で、少年法の関係で裁判にならず、施設で観察処分みたいな対処ですべて終わってしまう。 「国家が裁かないなら、自分が殺す」 とテレビの前で言ってしまい、バッシングを受ける主人公は、コーヒーショップを経営している。 犯人を恨んでも呪っても、何も生まれない、これからの人生は娘を愛する事だけに専念しようと決めて生活していた矢先に、保護観察が解けて普通に生活していた犯人のひとりが何者かに殺される。 当然主人公が疑われるが、アリバイもない。そうしているうちに、犯人のうちのもう一人が何者かに駅のホームで突き落とされ、こっちは何とか一命を取り留めるが、そのホームには偶然主人公も立っていた。これでますます犯人と疑われ、刑事やマスコミが店や自宅を監視しだす。 そんな中、三人目の犯人が何者かに殺され、このときは主人公にアリバイがあり…。 自分の無実と、誰がこんな事をしているのかを調べ始めた主人公に、次々と衝撃の事実が明らかになる。この次々と衝撃の…という言葉が陳腐に感じられるくらい本当にすごい事になっていき、最終的に「あっ」と驚く事実が判明し、ものすごい事件がおき結果的に犯人が捕まる。 その犯人が捕まった後でも、再度大どんでん返しがあり、そこでようやく話は終わるのだが、その大どんでん返しの結末は明かされていない…。 さすがに賞を取るだけあって、ものすごいインパクトでした。一気に読んでしまいます。 これを山口の母子強姦殺人事件と重ねてみるというのとは全然違う視点です。 | ||||
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少年犯罪、少年法を扱った作品です。 少年ゆえに裁かれないという理不尽さだけでなく、少年法の理念である可塑性にも 焦点を当て、単純な問題ではないことを伝えています。 ともすれば重くなりそうなテーマですが、テンポ良く話は進み、自然とストーリー に引き込まれていきます。テンポは早くても、描きこみは丹念ですし、あちこちに しっかりと仕掛けが施されており、謎解きの楽しさもしっかりあります。 ラストはやや盛り込み過ぎの感も無いわけではないですが、読み始めてから一度も ダレることのないストーリー展開はお見事!です。 | ||||
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犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった・・・・・。 ここから始まる物語。久しぶりに推理小説?としてはおもしろい本に出会いました。 入り組んだ筋立て、緊迫した終盤、最後のどんでん返しなど推理小説の醍醐味です。 おすすめします! | ||||
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生後5ヶ月の娘の目の前で妻が殺された。犯人は13歳の男の子三人だった。 14歳以下は逮捕できないので補導された犯人たち。その4年後、犯人の一人が殺された。妻を殺された男は関与を疑われながらも、なぜ妻が殺されなければならなかったのかを調べていく。そして次々に事件が起こる。 僕自身も親なので、自分に同じことが起きたらという目線で読めたので感情移入がしやすかった。緻密に練られたストーリーで、最後は全てが繋がっていく。悲しい恨みの連鎖に心が痛んだ。 | ||||
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少年犯罪とそれを現行法では罰しないという少年法を扱った、ごくまっとうな社会派ミステリーである。その芯の強さ、倫理観の強さは、真保祐一を連想させる誠実なものであり、また扱いにくい問題に真っ向から取り組む様は、娯楽小説の枠を越えて、久坂部羊のようでもあった。 小説の技量としても、多少若書きというか、もうちょっと磨いてもいいという部分もあるが(題にしてもどうなんだろうというのはある)、プロットの組み立てなどはしっかりしていて、緊迫感が増していってサスペンスもあったし、この年の江戸川乱歩賞をダントツで獲得したというのも頷ける。 最後は伏線が多すぎというか、いろいろつながり過ぎという気もしたし、何重にも重ね合わされた少年犯罪のテーマがいささか辛い(それはメリットでもあるだろうが)というのはあるが、十分満足できる出来だろうと思う。 | ||||
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少年犯罪の被害者家族の苦悩と加害者の更生をテーマにしたミステリー.被害者家族の視点から始まって,中立の立場も交えつつ加害者のその後という現実的な命題に迫っていく.犯人探しの要素もあるにはあるが,それよりも大きな枠組みでの意外性を用意してあるところも今風のミステリーらしい.真相はかなり複雑で,真犯人の正体以外は意外性もある.けして悪い仕上がりではないのだが,その意外性を成立させるためにいくらなんでも少年犯罪者が多すぎる.これをリアリティの欠如と感じる読者はちょっと白けてしまうかもしれない.真相に気付いたときの主人公の驚きと複雑な心理に焦点をしぼった構成にするなどの工夫があればもう一段切れ味鋭く,テーマ性の高いミステリーに仕上がったように思う.この辺が少し惜しい. | ||||
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少年犯罪をどう裁くのか??光市母子殺人事件で我事のように考えられた方も多いのではないでしょうか。この小説で終始一貫して取り扱うテーマで、単なる小説以上たらしめている所以でもあります。ただ、ミステリとして考えた場合、??な箇所が目につきました。特に弁護士の相沢の存在には??物語を上手く終結させるためだけの存在に感じてしまいました。以上、多少気になる点はあるものの、読む価値ありの☆4つです。 | ||||
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少年犯罪に於ける「更正」「贖罪」とはいったい何ぞや、という問いを繰り返してきます。 自分だったらどうするかなあ?自分だったらどう感じるだろう?と何度も自問しながら読みました。 結局は「実際そうなってみないと分からない!」だったりするのですが。 特筆すべきは、少年犯罪モノの小説としては「バカなガキの不快感」が少ないこと。 「その手のは腹ワタ煮えくりかえって読めねえ!」って人には特にオススメです。 「更正」「贖罪」について、「被害者の人権」について、いろいろ考えさせられることが多い一冊です。 純粋にミステリとして見れば、トリックやキャラクターなど「そりゃないな−」というところもあります。 ただ自分としては、久しぶりに「読後すぐにもっかい読み返し」をしているところ。 | ||||
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少年犯罪を軸としたミステリー小説。江戸川乱歩賞を受賞した作品らしく、伏線もきちんと張られきちんと消化していく。二転三転する最後も見所。テーマも社会派ながら読みやすい。 少年法がいろいろ問題になって改正されてから久しい。自分の世代は、神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗、そして、西鉄バスジャック事件のネオむぎ茶と同じ世代である。だからって何てこともないが、少年法とか、少年犯罪とか、少し敏感である。子供ってのは余裕がないから、他人のことが考えられないんだね。きっと。余裕があっても考えは内向きにいきやすい。思春期はさらに顕著に。子育てに「正解」はないから、親も大変だよ。。 恨みっていうのは根強くて、復讐ってのは連鎖するんだなぁ、と思った。そして、それは断ち切らなきゃいけない。ということはどこかで誰かが我慢しなきゃいけないってこと。自分は我慢できるような人間になりたいなぁ、と思った。 | ||||
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すべての伏線がきちんと処理されている。 よくできたプロットで最後まで楽しめる。 | ||||
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40ページ程の冒頭のダレ場を 我慢して読みきれば、以後、終章までの ストーリーは興味深い展開で進む。 ただし情景描写や、心理描写は 言葉の使い方が生硬なうえ、紋切り型で 飛ばし読みしたくなる。 伏線がさまざま張ってあって、 それが、地の文に埋め込まれているので それを読み飛ばすと、物語がわからなくなる。 と、批判したが、全体的には乱歩賞のレベルを 保ち、おもしろい。 ただし終章は、骨格が実際にあった話のアレンジなので 興味をそぐ。 元ねたは、作者も参考文献にあげている奥野修司氏のルポ、 「28年前の『酒鬼薔薇』は今」である。 奥野氏はこの話を「こころにナイフをしのばせて」 という本にまとめている。 だから、終章まで楽しみたいひとは興味をそがないように 「こころにナイフをしのばせて」を先に読んでは行けません。 終章のがっかり感をなくすために。 | ||||
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自分が意識してこなかった、少年法の意義と問題点が、登場人物を通じて複眼的に語られていき、 なかなか考えさせられることの多い社会派の小説です。 心情描写も巧みで、主人公が犯人扱いされ追い詰められていく息苦しさを、ありありと感じました。 最後は、ちょっと付け足して的な部分もありますが、それまでの全てのプロットが全て綺麗にはまり、 あんな所にも伏線が張ってあったのかと驚きました。 | ||||
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本書は第51回江戸川乱歩賞受賞作(平成17年)に輝いた少年犯罪を題材としたサスペンス小説である。 生後五ヶ月の娘の目の前で妻・祥子を惨殺された夫・桧山貴志。犯人が十三歳の少年三人で刑事罰の対象外である事を知り、怨嗟する日々であった。四年後、犯人の少年の一人が殺され、疑惑の人となった彼は、事件後の少年たちの行方を追うが、そこには信じがたい真実や恐るべき真相があった…。 事件後も粛々と過ごすカフェ店オーナー・妻・桧山貴志、4歳になる一人娘・愛実、祥子と中学時代の親友で愛実の通う保育園の保育士・早川みゆき、カフェ店の従業員・福井健と新人アルバイト・仁科歩美、当時の事件担当である埼玉県警刑事・三枝利幸、少年犯罪を取材するノンフィクションライター・貫井哲郎、殺された少年と幼馴染で桧山に協力する少女・加藤友里、犯人の少年の担当弁護士・相沢秀樹などなど…。 昨今、少年犯罪を扱った作品は数多くあり、本書も読み始めた頃の印象として少年犯罪の背景に隠された真相を暴くありふれた物語だと思っていたが、登場人物の関係性がよく練られており、読み進めるうちに真相が徐々に明るみになっていき、物語が一段落ついた所で終焉だと思っていたが、さすがは乱歩賞受賞作というべきか終章である最後の最後にもう一つ物語の真相を明るみにする展開は面白く堪能した。 | ||||
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主人公は、当時13歳だった少年に最愛の妻を殺された男性。 物語を読み進め、新たな手がかりを得る度に、主人公の悲しみが胸に突き刺さる。 少年法の問題点・更生とは何かについて考えさせられる作品。読み終わったとき、ニュースを見る視点が変わると思う。 所々に張られた伏線が最後に1本につながります。 ものすごーーーくおもしろいです! | ||||
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2ちゃんで天使のナイフがオススメの本というレスを見て、図書館で借りて読んでみた。 さすがによくできたストーリーで、完成度としては高いと思う。 ただ、読んだ後はかなりへこむ。自分の子供が生まれたばかりだからというのもあるだろうが、読んでいくにつれてだんだん落ち込んでくる。何にしても「たられば」は無意味なものだが、このストーリーには「たられば」を使いたくなる悲しいストーリーですので、へこむ覚悟を決めて読んで下さい | ||||
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最初から最後までストーリーから目が離せず、非常に読み終えて感動する作品です。大どんでん返しが好きな人にお勧め。内容も最近多い少年犯罪で非常に考えさせられることも多い。最近読んだ中ではダントツで面白い作品 | ||||
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少年法の不条理と、被・加害者双方の心理を主題として扱ってはいるが、本作はルポルタージュでもなければ、何らかの主義主張の啓蒙書でもない。あくまでエンターテイメント作品である、楽しむ気がないなら読まない方がよい。文章は素直、構成もテンポ良く、読み通すに苦労はほとんどなかった。主題はキッチリ整理できており、裏には相当な取材なり下準備なりがあるのだろう。これだけの工夫や意図を詰め込みながら物語としてまとめきったという点も評価できる。総じて、作品に自然に身を委ねることができた。手堅い作品、と言えると思う。ただ、極論を覚悟であえていうなら、エンタメ要素はない方が個人的には良かった。楽しむ気があってすら、ボクは目くるめく展開に後ろめたさを感じながら読んだ。 | ||||
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最近では光市母子殺害事件に代表される「少年犯罪」の問題に真っ向から挑んだ意欲作。主人公は少年三人組に妻を殺された男。この主人公の心情に仮託して、被害者の遺族の消え遣らぬ心痛と不条理感、加害者の人権に対して軽視される被害者の遺族の人権、犯人の更生の真の意味とその可能性を考察したもの。「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」との主人公の言葉は、上述の光市事件の遺族の方の言葉そのものである(「なぜ君は絶望と闘えたのか」)。むしろ、論文として発表した方が良い内容だが、小説として発表している以上、味付けがしてある。 主人公が過去の傷を忘れようと努力している最中、社会に戻って来た三人の加害者が次々と殺される。上述の復讐の言葉に加え、事件現場が主人公の勤務先と近くてアリバイもない点から、主人公は当初、犯人として疑われるという皮肉。主人公は自らの無実を晴らすためと言うよりも、過去の事件を含めて、事件全体の真相を明らかにするため、単身で行動する。その中で、上述の課題が綿密に検討される。「主人公の想い=作者の意見」だと思われるので、評論と小説との切れ目が難しかったと思うが、過去の事件に仕掛けを施し、小説の体裁を保っている。その真相は偶然に偶然が重なったようで、意外性を感じると言うよりは、本作の主題を曖昧にしている感を受けた。別にミステリ性に拘る必要はなかったのではないか。特に、主人公が加害者に対して一縷の同情を覚える辺りは、その曖昧性を倍化しており、この問題を一方向から語る難しさを象徴している。 万華鏡などの小道具の使い方も巧く、小説としての工夫も見られるが、「少年犯罪」と言う主題を、迫力と緊迫感ある筆致で描いた前半の勢いで押し通した方が更に良かったと思う。 | ||||
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少年犯罪をテーマに、重層的に構築されたストーリーである。 良く練られたプロットだと思うが、少年犯罪が少し多すぎるの では無いかという気がする。主人公を通して少年犯罪について の問題点が語られているが、これも少しくどいような気がした。 まだ荒さや未熟な点はあるが、所々に目端の利いた描写が あり、ストーリーも難しいテーマでありながら、そつなく纏められ ている。新人が応募する江戸川乱歩賞の受賞作の中では、 高いレベルの作品と言えるだろう。 | ||||
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「少年犯罪と法」という重いテーマと、サスペンスとしても十分に楽しめるエンターテイメント性のバランスが絶妙です。張り巡らされた謎に引き込まれるうちに、主人公と一緒に私自身も葛藤を繰り返すことになりました。 重いテーマを敬遠される方にも、このテーマについて考えを巡らせてみたいという方にも、どちらにもおすすめできる作品だと思います。是非。 | ||||
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