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蝦夷地別件
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【この小説が収録されている参考書籍】
蝦夷地別件の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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| 歴史小説ファン。全く史実に基づかないものはあまり読まない。吉村昭、司馬遼太郎、最近は山本兼一や佐々木譲を集中して読んだ。北海道出身のくせ、郷土の歴史について殆ど知らないので、タイトルに魅かれ読んでみた。登場人物も場所も多彩、頻繁に場面が変わるが、転換の巧みさ故に何とかついていける(アイヌ(蝦夷地)、和人(蝦夷地と江戸)、ヨーロッパ人(シベリア、サンクトペテルブルグ))。 江戸幕府(松平定信、国の形を作るために直轄領にしようとした?)、松前藩のアイヌ搾取状況、また国後・目梨の戦い(アイヌの蜂起、ロシアから銃器を入手の上決起する作戦だった?)の、どこまでが史実なのか、設定が却ってわからないように書かれていて(史実に関する括弧書き解説は皆無)、参考文献の少なさから、資料が限定的だったか、調査が行き届かなかったと推定するが、歴史小説ファンとしてはちと不満な点だ。 登場人物が多いに拘わらず性格づけが明確(ステレオタイプ過ぎるが)、手慣れた戦闘場面や濡れ場の描写等、この大部を数日で読ませるのだから、ストーリーテリングが巧みなことは間違いない。 幕府隠密(スーパーマン過ぎる)、2人の僧(無期限で無目的に蝦夷地をぶらぶらさせる余裕のある寺がある?)、アイヌの美女二人(一人は武士と結婚して江戸に出る、当時可能だった?)、ポーランド貴族の律儀(ほんと?)、アイヌ刺客が江戸へ出て復讐(どうやって江戸へ出た?旅費や宿舎は?)等、疑問符のつく設定も散見される。また場所、人物等を再登場させる時使われる枕ことばや状況描写に、同じ表現が何十回と繰り返している、「またか!」と毎度興醒めする(食事場面での塩鮭と菱の実、主人公の武士が持つ刀銘、ユーカラの歌詞etc多数例あり)。作劇上必須とは思えず、これらを削るだけで5%位はページ数を節約できたのではないか。また「・・・っていた。」や「・・・ている。」を「・・・てた。」「・・・てる。」と省略形を使っているのは文章の品格を落としている。 解説者は、「時代小説の革命」と手放しの褒め様、読了直後は「そうかも。」とも思ったが、冷静に思い返すと、上述の著者校閲不足起因の粗雑さも散見され、「革命」はちとオーバーと思う。豊かな表現力、展開力を粗雑さが減殺しており勿体ない。構成と細部にこだわった緻密な作品を期待したい。☆4個。 | ||||
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| 本書の舞台は蝦夷地、今で言う北海道です。 松前藩、場所請負商人の収奪にあえぐアイヌたち。 不当な取引、差別的待遇に募る不満・・・ しかし、松前藩の火縄銃隊には勝ち目はない・・・ 国後の棟梁格・ツキノエに持ち込まれる、ヨーロッパ製の新式銃300丁の譲渡。 話を持ち込んだのはステファン・マホウスキ、 王国復活を志すポーランド貴族です。 極東で事変が起こって、ポーランド復興に何の関係があるのか? ここがまず、本作のミソ! アイヌの動乱とヨーロッパの情勢をリンクさせる。 すごい発想です。 しかし、アイヌの中は、慎重派、積極派、世代対立が絡んで、混乱模様。 団結を得られぬ同胞に歯がゆい思いをするハルナフリ。 暗躍を見せる怪婆、厚岸のオッケニ。 そして、なぜかアイヌに好意的な立ち回りを見せる、幕府御家人の子弟・葛西政信。 蝦夷地の情勢に翻弄されながら自分の生活を作り守ろうとする禅僧・洗元 一方の松前藩も、切れ者ながら自由奔放な藩主のもと、 門閥代表の松前監物と権力の鬼・新井田孫三郎が対立。 この孫三郎の権力への執着というか、己の容貌へのコンプレックスというか、 黒い炎を出して燃えています。 二つの陣営の内部を緻密に濃厚に描く点が二つ目のミソでしょう。 そして、本作が単なる秀作で終わらなかった三つ目のミソは、終章・風の譜。 自らの策謀の清算のため、蝦夷を訪れるマホウスキ。 一方、事件全体の清算のため、蝦夷を離れるハルナフリ。 惨たらしく救いのないエンディングですが、 物語全体に因果応報という一つの確固たるテーマを与えます。 この終章は、まさにページを捲る手をとまらせない緊迫感。 読書というエンターテイメントの一つの到達点がここにあると言うべきでしょう。 一人でも多くの人に読んでもらいたい逸作! | ||||
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| 一ページ目からページをめくる手が止まらす、寝食を忘れ一気に読んでしまった唯一の本であり、僕の船戸作品の入り口となった本です。 とにかく、面白いっ!この一言に尽きます。どんどん自分の頭と胸に入り込んでくる登場人物たちのそれぞれの思いに一瞬でも気を抜くと熱気に燃やされてしまいそうです。 アイヌに鉄砲を運び込むために暗躍するポーランド貴族マホウスキー。 アイヌの存続を第一に考え行動するアイヌの英雄ツキノエ。 蝦夷地で暗躍する侍、葛西政信。その狙いはっ? アイヌのために養成所を開こうとする和人の僧、洗元 職務の為ならどこまでも冷酷になる男、松前藩番頭新井田孫三郎 そして、それら全てを見届けようとする僧、静澄。 様々な思惑が絡み合う蝦夷地で、 アイヌの少年ハルナフリはその結末に何をみたのか? 物語はどんどんと最低の結末へと加速していきます。 しかし、これこそが船戸の真骨頂っ! ここまでハッピーエンドという言葉が似合わない小説家は 日本ではこの人だけでしょう。 ほかの船戸作品は主に海外を舞台にしていますが、これは江戸時代中期の日本。 勢いでぐいぐいひっぱっていく作品が多いのにこれだけはラストまで飽きさせません。蝦夷地別件、オススメですっ! | ||||
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| さすがに船戸与一、最初から中盤まではあまりの面白さに止まりません。 かなりの長編ですが、キャラクターメイクと構成の素晴らしには脱帽です。最高です! しかし、どうしてこの人はいつもラストが現実離れするのでしょうか、わかりません。 もったいないの一言です。滅茶苦茶にしてます。それがこの作者の限界でしょうか。 前半の面白さががラストまでもてば、この作品は必ずなんらかの賞を受賞していたでしょうに、ホントもったいないです。 船戸ハードボイルドの最高傑作は、やはり「山猫の夏」。 これを越える作品を作るのはやはり難しい、ということでしょうか。 | ||||
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| おもろい! の一言につきます。船戸与一は「猛き箱舟」が最高だと思っていたが、それ以上におもしろい。(上)のプロローグ、そして本文を読んだ後、 エピローグ(下巻に掲載)、イイ。物語の最後は作者のいつもどおりの終わり方で、それはいまひとつだが、でもおもしろい。 | ||||
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| 実はまだ下巻を読んでいる最中ですが、この本はもう圧巻です。今年は、船戸氏の本を一気に15冊ぐらい読んでますが、「猛き箱船」を頂点にやや食傷気味になっていました。ところが、この本は当たりでしたね。たまたま私は、10歳まで北海道を転々とし、最後にいたのが釧路。遠足で厚岸へ行き、厚岸湾を高台から見下ろしたこともあるので、200年以上前にあの場所で、こんなすごいことが起きていたのか、と思うと感慨もひとしおです。船戸さんの文章もドライブ感があり、あっという間に読めます。北方謙三さんといい、ハードボイルド系の人は、時代物も上手いですね。下巻の残りを読むのが楽しみです。 | ||||
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| この小説の中では、蝦夷地にまだ階級社会は生まれてなかったということになっているらしい。指導者は常に評定で決まり、戦争を起こすかどうかも長人たちの評定で決まっていく。住居は竪穴式らしく思えるが、その描写は無い。既に明らかになっていることのみを誠実に再現しようとする作者の態度が伺える。 中巻まで読み終えて、やはりこの「乱」はあまりにも無謀であった、といわざるをえない。しかしアイヌは自らの誇りにかけて立ち上がる。民族を守る闘いに(現代でも)我々は口をはさめない。さらに言えば過去に民族をじゅうりんした我々の祖先を我々は恥じなければならない。 物語は封建社会の支配者である幕府の思惑と、革命が進みつつある西欧の思惑を背景にもちながら進んでいく。世界的な視点でこの「乱」を船戸は描いている。それは正しい。 | ||||
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| 昔倭人と呼ばれた人々は、約五百年かけて西日本を統一し、その後約六~七百年かけて北海道と沖縄をのぞく「日本」という国を造った、という言い方も出きるかもしれない。それを「侵略」といっていいものかどうか。島国という事が幸いしたのかもしれないが、西洋と比べて大きな軍事力と軍事力の衝突は起こらず、大きな軍事力に少数民族(この言い方が正しいかどうかも自信がないが)が侵食されるという形で起こった。不公平貿易と差別政策、そして少数民族の日本民族への同化現象(その反対はほとんど起こらない)、これらは現代まで引き継がれた中央の「やり方」である。「なし崩し的な侵略」といってもいいのかもしれない。18C末、蝦夷地は「日本」に飲み込まれる最終段階に達していた。炎が消えるときの最後の煌(きらめ)き。私は今からその最後の物語を読もうとしている。一人の偏骨日本人が語ったアイヌの英雄譚として。 | ||||
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| 北方領土は日本の土地ではない。ロシアの土地でもない。アイヌの土地だった。 この本を読むとそれがよく分かる。 世界の被差別民族の歴史をたどる船戸文学がアイヌの蜂起に目を転じた。 後世に名を残すことのない人間の魂を、追い詰められ行き場のない人間の心を、冷たく描き切る。混沌としているようで、実は単純な現代日本の政治、社会を照らし合わせながら読むと面白い。 | ||||
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| アイヌ、当時の北海道のことをよく調べて、大河小説をめざしたのだと思うけど、長すぎる。 一番不満なのは、アイヌの食事として朝昼晩「菱の実と鮭を煮たもの」しか出てこないこと。それ以外のメニューを著者は調べられなかったのだろう。 | ||||
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| 江戸時代末期の、アイヌ民族を支配しようとする日本人とアイヌ民族との対立が見事に描写されており、過去に民族紛争が日本でもあったという事実を目の前に突きつけられる、そんな作品です。北の僻地で展開される、民族の誇りを取り戻そうと血気盛んになるアイヌの物語に、幕府やロシアが絡んできたりとスケールの大きな、それでいてとても悲しい内容でした。魅力的な登場人物が多く、どんどん惹きつけられました。残念なのは、少々エンディングが物足りなく感じたことです。 | ||||
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