赤朽葉家の伝説

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評判

赤朽葉家の伝説の評価:

3.77/5点 レビュー 107件。 B ランク

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平均点3.77pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全203件 121〜140 7/11ページ
No.83
(4pt)

力作だとおもいます。

ファミリーポートレイトもよいですが、こちらもなかなかの力作。さすが、著者が鳥取出身だけあり、
いろいろな資料を読み解いてかかれているのに好感がもてます。
個人的には、わたしのおとこより数段品がよく好きな作品ですが。
現代の場面(孫の瞳子の時代)になったあたりから、少しまのびした感じ、かったるいかんじは否めません。
まあ、かったるい時代に生きている子たちを描いているからしょうがないでしょうが。推理していく
過程に読み手まで一緒になって、どうなるんだろう?という高揚感が得られませんでした。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.82
(5pt)

現代の最高のエンターテインメントクロニクル作品

「私の男」を読んで、直木賞受賞作家の桜庭一樹って、こんなもんか、、と思ったのもつかの間、「赤朽葉家の伝説」を読んで、桜庭一樹最高っ!となってしまうほどの作品。佐々木譲の「警官の血」が警官の男三代記なら、こちらは名家の女三代記。現代の最高のエンターテインメントクロニクル作品である。これで直木賞受賞であれば文句もあるまい。あ、ちがうのか。。
第1部、最後の神話の時代。戦争終結後の朝鮮特需による、高度経済成長期に差し掛かる時代の物語である。製鉄所を経営する名家、赤朽葉家の奥方であるタツに見出された万葉。主人公であり、語り手である瞳子の祖母である。赤朽葉家に嫁いだ万葉には「未来視」ができるという不思議な力があり、それゆえ千里眼の奥様と呼ばれることになる。彼女は、泪、毛鞠、鞄、孤独という4人の子供、そして夫の愛人の子供、百夜を育てながら、変わりゆく激動の時代、それでいて幻想的なその「最後の神話の時代」を歩んでいく。第2部、巨と虚の時代。高度経済成長期から、バブル景気の時代の物語である。山陰地方を牛耳るレディース「鋼鉄エンジェル」の頭を占める毛鞠。万葉の長女であり、語り手、瞳子の母である。毛鞠、中高生の時。総中流家庭の時代、巨の時代。彼女はレディースの総長として、カリスマ性を発揮する。高校卒業後、バブル景気にさしかかる時代、虚の時代。彼女は自伝的少女漫画「あいあん天使!」でデビュー、漫画家としてカリスマ性を発揮する。そして、「自由」となるはずだった語り手、瞳子を産むのである。第3部、殺人者。この部のタイトル、殺人者とは、万葉のことである。万葉が死の直前に、殺人をしたと告白。現代の時代を生きる、夢も目的もなく生きる瞳子は、その真相を求め始める。
全体の物語の背景を戦後昭和史〜平成史と重ね合わせ展開、しかし、物語そのものは現実離れした幻想的なものである。そのバランスがすばらしく、なんとも懐かしくおもしろい。なによりもおもしろいのは、過去からはじまり、現代まで戻ったときの、私と同世代である瞳子が主人公になったときの心情である。とても共感してしまうのである。
ようこそ、このどうしようもなく、不安に満ち、未来が見えず、混沌としたこの世界、そして美しいこの世界へ。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.81
(5pt)

現代の最高のエンターテインメントクロニクル作品

「私の男」を読んで、直木賞受賞作家の桜庭一樹って、こんなもんか、、と思ったのもつかの間、「赤朽葉家の伝説」を読んで、桜庭一樹最高っ!となってしまうほどの作品。佐々木譲の「警官の血」が警官の男三代記なら、こちらは名家の女三代記。現代の最高のエンターテインメントクロニクル作品である。これで直木賞受賞であれば文句もあるまい。あ、ちがうのか。。
第1部、最後の神話の時代。戦争終結後の朝鮮特需による、高度経済成長期に差し掛かる時代の物語である。製鉄所を経営する名家、赤朽葉家の奥方であるタツに見出された万葉。主人公であり、語り手である瞳子の祖母である。赤朽葉家に嫁いだ万葉には「未来視」ができるという不思議な力があり、それゆえ千里眼の奥様と呼ばれることになる。彼女は、泪、毛鞠、鞄、孤独という4人の子供、そして夫の愛人の子供、百夜を育てながら、変わりゆく激動の時代、それでいて幻想的なその「最後の神話の時代」を歩んでいく。第2部、巨と虚の時代。高度経済成長期から、バブル景気の時代の物語である。山陰地方を牛耳るレディース「鋼鉄エンジェル」の頭を占める毛鞠。万葉の長女であり、語り手、瞳子の母である。毛鞠、中高生の時。総中流家庭の時代、巨の時代。彼女はレディースの総長として、カリスマ性を発揮する。高校卒業後、バブル景気にさしかかる時代、虚の時代。彼女は自伝的少女漫画「あいあん天使!」でデビュー、漫画家としてカリスマ性を発揮する。そして、「自由」となるはずだった語り手、瞳子を産むのである。第3部、殺人者。この部のタイトル、殺人者とは、万葉のことである。万葉が死の直前に、殺人をしたと告白。現代の時代を生きる、夢も目的もなく生きる瞳子は、その真相を求め始める。
全体の物語の背景を戦後昭和史〜平成史と重ね合わせ展開、しかし、物語そのものは現実離れした幻想的なものである。そのバランスがすばらしく、なんとも懐かしくおもしろい。なによりもおもしろいのは、過去からはじまり、現代まで戻ったときの、私と同世代である瞳子が主人公になったときの心情である。とても共感してしまうのである。
ようこそ、このどうしようもなく、不安に満ち、未来が見えず、混沌としたこの世界、そして美しいこの世界へ。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.80
(5pt)

ミステリー? という批判はやめましょう。

なんだか最近、ミステリーというジャンルが広義なものになっているようで・・・
謎がほとんどないような小説なんかも、ミステリーとして出版されています。しかし「ミステリーじゃないからダメ!」という批判は、個人的にどうかと思います。この作品も推理作家協会賞や「このミス」2位をとってしまったために、「こんなのミステリーじゃない!」という批判を多々目にしました。でも、その批判ってどうよ?小説の価値って、やっぱり「面白さ」でしょ?どんなに素晴らしい文学性や謎解きがあっても、面白いと思えなければ、やっぱりそれは面白くない小説なわけで・・・
作者や出版社がミステリーだと言えば、それはミステリー作品になってしまうのです。早い話が境界線が曖昧なのです。そんな所をつつくよりも、もっと小説としての「面白さ」を評価しましょうよ。そうでしょ? そうじゃないのかなあ。 
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.79
(5pt)

ミステリー? という批判はやめましょう。

なんだか最近、ミステリーというジャンルが広義なものになっているようで・・・
謎がほとんどないような小説なんかも、ミステリーとして出版されています。しかし「ミステリーじゃないからダメ!」という批判は、個人的にどうかと思います。この作品も推理作家協会賞や「このミス」2位をとってしまったために、「こんなのミステリーじゃない!」という批判を多々目にしました。でも、その批判ってどうよ?小説の価値って、やっぱり「面白さ」でしょ?どんなに素晴らしい文学性や謎解きがあっても、面白いと思えなければ、やっぱりそれは面白くない小説なわけで・・・
作者や出版社がミステリーだと言えば、それはミステリー作品になってしまうのです。早い話が境界線が曖昧なのです。そんな所をつつくよりも、もっと小説としての「面白さ」を評価しましょうよ。そうでしょ? そうじゃないのかなあ。 
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.78
(4pt)

それぞれの時代の女性の生き様

祖母、母、わたしと、3代に渡る女性が描かれている作品です。
「色」を使った表現を多用するなどし、その背景描写の美しさを感じます。
また、祖母や母の波乱万丈の一生に比べると、「わたし」の章では本人も言っている通り、「語るべき新しい物語はなにもない。」のですが、ここで、祖母、母の一生に潜む「謎」を解決するべく、「わたし」は奔走します。
その謎を解く「手がかり」は、膨大な祖母、母の一生の記述に含まれているごく小さなものであるため、最初読んでるときは「手がかり」とも思わず完全に見落としていました。
ミステリー小説として手ごたえがあるかどうかと言えば、「わたし」の章でミステリー色が出てくる程度のスケールなのですが、それよりも私は、この3人の女性が苦難の中、それぞれの時代を必死に生きている様子の描かれ方に非常に好感を持ちました。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.77
(4pt)

それぞれの時代の女性の生き様

祖母、母、わたしと、3代に渡る女性が描かれている作品です。
「色」を使った表現を多用するなどし、その背景描写の美しさを感じます。
また、祖母や母の波乱万丈の一生に比べると、「わたし」の章では本人も言っている通り、「語るべき新しい物語はなにもない。」のですが、ここで、祖母、母の一生に潜む「謎」を解決するべく、「わたし」は奔走します。
その謎を解く「手がかり」は、膨大な祖母、母の一生の記述に含まれているごく小さなものであるため、最初読んでるときは「手がかり」とも思わず完全に見落としていました。
ミステリー小説として手ごたえがあるかどうかと言えば、「わたし」の章でミステリー色が出てくる程度のスケールなのですが、それよりも私は、この3人の女性が苦難の中、それぞれの時代を必死に生きている様子の描かれ方に非常に好感を持ちました。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.76
(5pt)

長いのにちっとも厭きないとこがスゴイ

いやー、びっくり。凄く面白かったです。
旧家の女3代ということでドロドロ系を想像してたのですが、
大間違いのアッケラカン系でした。
端的に言ってしまえば、1代目は電波系で、2代目はヤンキーで、
3代目はニートなんですが、全く違うタイプの3代に共通してるのは、
ウソをつけない女たちってことです。
この点がこの小説に妙な爽快感を与えているのではないでしょうか。
自分を過大評価も過小評価もしない正直な女たちに、周囲の
人々が度肝を抜かれ続けるお話です。
こんな家なら田舎の旧家に生まれるのもいいなあ、と思います。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.75
(5pt)

長いのにちっとも厭きないとこがスゴイ

いやー、びっくり。凄く面白かったです。
旧家の女3代ということでドロドロ系を想像してたのですが、
大間違いのアッケラカン系でした。
端的に言ってしまえば、1代目は電波系で、2代目はヤンキーで、
3代目はニートなんですが、全く違うタイプの3代に共通してるのは、
ウソをつけない女たちってことです。
この点がこの小説に妙な爽快感を与えているのではないでしょうか。
自分を過大評価も過小評価もしない正直な女たちに、周囲の
人々が度肝を抜かれ続けるお話です。
こんな家なら田舎の旧家に生まれるのもいいなあ、と思います。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.74
(3pt)

母娘女三代それぞれの生き方

題名とテーマからしてもっと暗いそして民俗学的な作品かと思った。
祖母の万葉の時代には少しはそんな重さがあったし、そのように進んでいくのだと思ったら、全く異なり、テンポも早く、あっという間に山奥の町が現代に飲み込まれていく様を軽妙にテンポよく描いている。
作者が山陰の出身だからかえって日常の生活をそれほどミステリアスに描くのは難しかったのかもしれない。
万葉の時代の「千里眼」や嫁入りそのほか、古き時代の不思議な出来事、民族的な小説がが途中からまったく別物になってしまった。
しかし作者は十分力量がある。テーマとして「山の民」など民俗学的な伝説の方が面白いかもしれないが、むしろその娘毛鞠や瞳子の物語の方がイキイキと描かれていた。
そういった感性的な文学を今の作者に、若くて様々な事を吸収しているこの時期に描いてもらいたい、と思った。
題名からすれば祖母の物語がもっとウエイトを占めるのを期待してしまうが、むしろそれよりもその後に続く二代の物語の方が作者の良さが出ていた。
特に行き場のない瞳子のつぶやきや地方の就職事情など、世代が違う若者の心の中が垣間見れた。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.73
(3pt)

母娘女三代それぞれの生き方

題名とテーマからしてもっと暗いそして民俗学的な作品かと思った。
祖母の万葉の時代には少しはそんな重さがあったし、そのように進んでいくのだと思ったら、全く異なり、テンポも早く、あっという間に山奥の町が現代に飲み込まれていく様を軽妙にテンポよく描いている。
作者が山陰の出身だからかえって日常の生活をそれほどミステリアスに描くのは難しかったのかもしれない。
万葉の時代の「千里眼」や嫁入りそのほか、古き時代の不思議な出来事、民族的な小説がが途中からまったく別物になってしまった。
しかし作者は十分力量がある。テーマとして「山の民」など民俗学的な伝説の方が面白いかもしれないが、むしろその娘毛鞠や瞳子の物語の方がイキイキと描かれていた。
そういった感性的な文学を今の作者に、若くて様々な事を吸収しているこの時期に描いてもらいたい、と思った。
題名からすれば祖母の物語がもっとウエイトを占めるのを期待してしまうが、むしろそれよりもその後に続く二代の物語の方が作者の良さが出ていた。
特に行き場のない瞳子のつぶやきや地方の就職事情など、世代が違う若者の心の中が垣間見れた。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.72
(4pt)

他では体験しがたい不思議な世界

この小説がもつ何とも表現し難い雰囲気というか世界というか、これは読んでみないと分からないように思います。1冊の本がまるで1年分のドラマを見たような気になります。おそらく読者が自分の中でそれぞれのキャラクターや”だんだんの上の真っ赤なお屋敷”をイメージしていくからでしょう。
この小説の大変重要な鍵になると思いますので書きませんが、私はこの作品の最大の魅力は登場人物の名前だと思います。このネーミングがかもしだす独特の世界は他に類が無いでしょう。実に上手いと思いました。中でも黒菱みどりのキャラは最高ですね。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.71
(4pt)

他では体験しがたい不思議な世界

この小説がもつ何とも表現し難い雰囲気というか世界というか、これは読んでみないと分からないように思います。1冊の本がまるで1年分のドラマを見たような気になります。おそらく読者が自分の中でそれぞれのキャラクターや”だんだんの上の真っ赤なお屋敷”をイメージしていくからでしょう。
この小説の大変重要な鍵になると思いますので書きませんが、私はこの作品の最大の魅力は登場人物の名前だと思います。このネーミングがかもしだす独特の世界は他に類が無いでしょう。実に上手いと思いました。中でも黒菱みどりのキャラは最高ですね。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.70
(5pt)

戦後から未来へ貫く烈女の系譜

女性にとっての自由とは何か。自由を手に入れることができたのか。
三代を経て、ようやく好きな男と寄り添うことを許された。この小説は50年がかりの恋愛の歴史だと、私は感じた。
近代から現代に移り変わる時代を、駆け足で著者は追う。そのスピードにいささかたじろいだ。
自分にとってあっという間に感じるとしても、それ相応の年月を要して経験を積み重ねてきた。その時間が、限られた紙数の中に折り畳まれて、ほんの数行で片付けられていく。
自分の生きている時代が、いつか未来において歴史として語られるときには、こんな風になると未来視させられたような体験だった。
淡々と描く文章は、古めかしく堅苦しく見せておきながら、人を食ったような表現をさらりと含み、どきりとさせられたり、笑わせられたり。
読み応えがあり、反省も込められつつ、けれども希望の残される、よい本だと思った。しばらく余韻をゆっくり噛み締めていたいと思う。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.69
(5pt)

戦後から未来へ貫く烈女の系譜

女性にとっての自由とは何か。自由を手に入れることができたのか。
三代を経て、ようやく好きな男と寄り添うことを許された。この小説は50年がかりの恋愛の歴史だと、私は感じた。
近代から現代に移り変わる時代を、駆け足で著者は追う。そのスピードにいささかたじろいだ。
自分にとってあっという間に感じるとしても、それ相応の年月を要して経験を積み重ねてきた。その時間が、限られた紙数の中に折り畳まれて、ほんの数行で片付けられていく。
自分の生きている時代が、いつか未来において歴史として語られるときには、こんな風になると未来視させられたような体験だった。
淡々と描く文章は、古めかしく堅苦しく見せておきながら、人を食ったような表現をさらりと含み、どきりとさせられたり、笑わせられたり。
読み応えがあり、反省も込められつつ、けれども希望の残される、よい本だと思った。しばらく余韻をゆっくり噛み締めていたいと思う。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.68
(5pt)

語るべきことが無いのに共感してしまった

 推理とかミステリーとかそういった先入観は不要。(というか厳密にはそういうジャンルじゃない気がする)勝手に登場人物や人間関係、時代背景が飛び込んでくる。それにそういったこと関係なく面白く読める。読んでいて圧倒されるというのはこういうことだと思った。
 物語は現代に生きる赤朽葉瞳子による語りを中心に時系列順に進行。ただその時系列というのが瞳子の祖母、万葉の幼き頃からだというから壮大。祖母、母、そして娘と時代は変わる。戦後やバブル景気といったそれぞれの時代背景の細やかな描写が輪郭を持ち浮き上がる。様々な人が抱く、もしくは抱いてきた気持ちや思いを作者は言葉に直しきってしまったともいえる。時代の変化、人々の心の移り変わり。それらを丁寧に描いたからこそ最後のあの静かな問とその答えがすんなりと読者の心に落ちてきたのだろう。
 祖母、母、わたしの三つの章に分かれているが、一番面白くないのはわたしの章だった。本当に語るべきこと無いのだろう。でも私自身が現代に生きる人間だからか一番共感できたのもわたしの章だった。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.67
(5pt)

語るべきことが無いのに共感してしまった

 推理とかミステリーとかそういった先入観は不要。(というか厳密にはそういうジャンルじゃない気がする)勝手に登場人物や人間関係、時代背景が飛び込んでくる。それにそういったこと関係なく面白く読める。読んでいて圧倒されるというのはこういうことだと思った。
 物語は現代に生きる赤朽葉瞳子による語りを中心に時系列順に進行。ただその時系列というのが瞳子の祖母、万葉の幼き頃からだというから壮大。祖母、母、そして娘と時代は変わる。戦後やバブル景気といったそれぞれの時代背景の細やかな描写が輪郭を持ち浮き上がる。様々な人が抱く、もしくは抱いてきた気持ちや思いを作者は言葉に直しきってしまったともいえる。時代の変化、人々の心の移り変わり。それらを丁寧に描いたからこそ最後のあの静かな問とその答えがすんなりと読者の心に落ちてきたのだろう。
 祖母、母、わたしの三つの章に分かれているが、一番面白くないのはわたしの章だった。本当に語るべきこと無いのだろう。でも私自身が現代に生きる人間だからか一番共感できたのもわたしの章だった。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.66
(3pt)

これってミステリなの?

「このミス」第2位ということで、桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社)を読む。やけに鳥取に詳しいな、と思ったら鳥取出身らしい。年はいくつなんだろう?
千里眼の祖母万葉、漫画家の母毛鞠、そしてニートの書き手である瞳子の鳥取の旧家に生きる3代の女たちを描く大河小説。毛鞠はぼくの一コ上なので、時代背景は懐かしかった。
読み応えはあったが、これってミステリなの?
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.65
(3pt)

これってミステリなの?

「このミス」第2位ということで、桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社)を読む。やけに鳥取に詳しいな、と思ったら鳥取出身らしい。年はいくつなんだろう?
千里眼の祖母万葉、漫画家の母毛鞠、そしてニートの書き手である瞳子の鳥取の旧家に生きる3代の女たちを描く大河小説。毛鞠はぼくの一コ上なので、時代背景は懐かしかった。
読み応えはあったが、これってミステリなの?
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.64
(2pt)

万葉・毛毬・瞳子の赤朽葉三代記

章は3つ、「最後の神話の時代」、「巨と虚の時代」、「殺人者」であり、それぞれの
章ごとにメインキャラクターが万葉、毛毬、瞳子と移ります。
万葉の時代は良かったです。千里眼を持つ「サンカ」の万葉こそ、現代では失われた諸々の
風習や伝承の最後の世代でした。そこから、毛毬が成長し、今の「嘘」と大量消費の時代となり、
その後、瞳子が生まれます。そこを読む頃には万葉の時代は遠い昔に感じられます。
なぜ瞳子の章が「殺人者」なのかはさておき、個人的には、もっと山陰らしさが表現されて
いたらなあって思いました。せっかく舞台が作者の故郷の鳥取なのに。
あとは、坂の上が赤朽葉家、坂の下が黒菱家って対比が安直だというのと、紅緑村って
名前ももっと普通っぽいのでよかったのではって思いました。
内容的には1章が星4.5くらい。2章は1.5くらい。3章は3くらいですかね。
1章だけでまとめることもできたんではないでしょうか。
キャラクター的にはタツ・万葉・百夜がずいぶん記憶に残りました。
ウィキペディアでも紹介されてます。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028